電気自動車(EV)の購入を見込んでいる人向けの蓄電池選び|V2Hと定置型、本質的な違いは?

将来的に”電気自動車(EV)”の購入を考えている方、またはすでに購入を決めた方から、「EVがあれば、家庭用蓄電池はもう必要ないのでしょうか?」「V2Hという言葉を聞くが、定置型蓄電池と何が違うのか分からない」というご相談を非常に多くいただきます。
EVは「走る蓄電池」とも呼ばれ、その大容量バッテリー(一般的な家庭用蓄電池の数倍)は非常に魅力的です。しかし、この「EVと蓄電池の関係性」を正しく理解して選び方を決めないと、太陽光発電との連携で損をしたり、”停電対策”として機能しなかったり、将来的に大きな後悔につながる可能性があります。
この記事は、EVの購入を見込んでいる方が家庭用蓄電池の導入で迷った際、その本質的な違い(V2Hとは何か、定置型との違い)を理解し、ご自身のライフスタイルに合わせた最適な選択ができるよう、専門家の視点で解説します。この記事を読んでいただければ、業者に相談する前に「ご家庭にとって何が最適か」を見当づける手助けとなるはずです。
目次
この記事でわかること
- 「V2H」と「定置型蓄電池」の基本的な仕組みと本質的な違い
- EV購入予定者が蓄電池の選び方で悩む3つのポイント
- 「EVが日中家にない」など、ライフスタイル別の最適な選択肢(V2Hか、定置型か、併用か)
- ”太陽光 + EV + 蓄電池”の連携メリットと、後悔しないためのパワコン選び
- V2Hや蓄電池に関する”日本におけるV2H補助金”の最新動向(2025年時点の想定)
EV購入予定者が「蓄電池」で悩む理由 – V2Hという新しい選択肢
なぜEVの購入を考えると、蓄電池の選び方が複雑になるのでしょうか。それは、EVが単なる「乗り物」ではなく、「家庭用の電力源」にもなる”V2H(Vehicle to Home)”という技術が登場したからです。
悩み1:EV自体が「超大容量蓄電池」になるのでは?
「EVのバッテリー容量は40kWh〜60kWhもある。一般的な家庭用蓄電池(5kWh〜10kWh)より圧倒的に大きい。これさえあれば、家の電気はすべて賄えるのでは?」という期待です。これは半分正解で、半分間違いです。EVの電気を家で使うには「V2H」という専用機器が必須であり、EVを買っただけでは家の”非常用電源”にはなりません。
悩み2:「定置型蓄電池」と「V2H」、結局どっちがお得?
「V2H機器の価格(工事費込みで約100万円〜)と、定置型蓄電池(10kWhで約150万円〜)は、どちらも高額だ。どちらか一方を選ぶべきか、両方必要なのか?」というコストの問題です。(※価格はあくまで目安であり、補助金や機種により大きく変動します)
悩み3:導入の順番や連携(太陽光)で損をしないか不安
「太陽光を先に入れて、後からV2Hを追加できるのか?」「EVと定置型蓄電池を両方導入(”太陽光 + EV + 蓄電池”)して、うまく連携できるのか?」というシステム連携の問題です。ここで選択を誤ると、機器の買い替えなどで大きな損(後悔)につながる可能性があります。
【最重要】「V2H」と「定置型蓄電池」の本質的な違いとは?
この2つの”本質的な違い”を理解することが、蓄電池を選ぶための第一歩です。
V2H (Vehicle to Home)とは? – EVを「走る蓄電池」にする仕組み
V2Hとは、EVにためた大容量の電気を、専用機器(V2H充放電設備)を通じて「家」に供給する技術です。これにより、EVを「走る家庭用蓄電池」として活用できます。
- 最大のメリット:圧倒的な大容量。定置型蓄電池の数倍の容量(例:日産リーフ 40kWhモデルなら、一般家庭の約4日分の電力)を”非常用電源”として使える。
- 最大の違い:蓄電池(バッテリー)が「車」にあるため、車が外出中(通勤・買い物など)は、家は蓄電ゼロの状態になる。
定置型蓄電池とは? – 家に設置する「備え付けの蓄電池」
従来からある、家屋に固定して設置する「備え付けの家庭用蓄電池」です。太陽光発電の電気をためて夜間に使ったり、停電時も長時間の電力供給が可能です。
- 最大のメリット:蓄電池が常に家にあるため、EVの状況に関わらず、24時間365日、家の節電や停電対策に貢献できる。
- 最大の違い:容量に限りがある(例:5kWh〜15kWhが主流)。EVのように車として使えない(当たり前ですが)。
機能とコストの比較表(V2H vs 定置型蓄電池)
| 比較項目 | V2H (EVを活用) | 定置型蓄電池 |
|---|---|---|
| 蓄電池本体 | EVのバッテリー(車と共用) | 専用のバッテリー(家に固定) |
| 平均的な容量 | 超大容量(例:40kWh〜80kWh) | 中容量(例:5kWh〜15kWh) |
| 停電時の稼働 | EVが自宅駐車場にある時のみ | 常に稼働可能 |
| 導入コスト目安 (機器+工事費) |
約100万円〜 (※別途EV本体の費用が必要) |
約120万円〜200万円(10kWh) (※容量による) |
| バッテリー劣化の懸念 | 「走行」と「家の充放電」で二重に劣化する可能性あり(メーカー保証の確認必須) | 家の充放電に特化して設計されている(サイクル回数保証など) |
| 補助金(2025年想定) | 国のCEV補助金、自治体補助金など(”補助金 V2H 日本”) | 国のDER補助金、自治体補助金など |
※上記は一例です。価格や容量、補助金制度は年度やメーカー、自治体によって大きく変動します。あくまで傾向を掴むための参考情報(2025年時点の想定ケース)です。
太陽光発電の導入から運用、蓄電池やV2Hとの連携までを網羅した「パーフェクトガイド」を無料でプレゼント中。専門的な知識を分かりやすく解説しており、情報収集にきっと役立ちます。
ご家庭のライフスタイル別「V2H」と「定置型蓄電池」の選び方
「V2H」と「定置型」、どちらがご家庭に合っているかは、EVをどのように使うか(ライフスタイル)によって決まります。
ケース1:「EVは毎日通勤で使う。日中は家にない」ご家庭
推奨:定置型蓄電池 の導入(または併用)
このパターンが最も重要です。V2Hを導入しても、太陽光が発電する日中に肝心のEV(バッテリー)が家にありません。そのため、太陽光の余剰電力をためることができず、節約メリットが半減します。
また、万が一、日中に地震などで停電が発生した場合、家に誰もいない(EVもない)ため、”EV 停電 対策”は機能しません。
このライフスタイルのご家庭は、V2Hとは別に「定置型蓄電池」を設置し、日中の発電をその定置型蓄電池にためて夜間に使う方が、経済的にも防災的にも合理的です。(”太陽光 + EV + 蓄電池”のフル装備)
ケース2:「EVは週末利用がメイン。日中は大体家に停まっている」ご家庭
推奨:V2H の導入を最優先に検討
このご家庭はV2Hのメリットを最大限に享受できます。日中、家に停めているEVに太陽光の余剰電力を「無料」で充電し、夜間にその電気を家で使えます。EVの充電代(走行コスト)と家の電気代の両方を大幅に削減できる可能性があります。
EVが常に家にあるため、非常用電源としても完璧に機能します。この場合、高価な定置型蓄電池は不要かもしれません。
ケース3:「停電対策を最重要視。EVがなくても家庭の電力を維持したい」ご家庭
推奨:定置型蓄電池 の導入(または併用)
「V2Hは魅力的だが、EVが長期間の旅行や出張で家にない時に停電するのが一番怖い」と考える方です。この場合、EVの状況に関わらず常に家を守ってくれる「定置型蓄電池」が必須です。
EVも導入する場合は、「V2Hと定置型蓄電池の併用」が最強の布陣となりますが、初期費用は非常に高額になります。
太陽光発電との連携 – 「トライブリッド型」という最適解
EV購入予定者が太陽光を導入(またはリノベーションで入れ替え)する際、後悔しないためのパワコン選びが最も重要です。
”太陽光 + EV + 蓄電池”をどう連携させるか
これら3つを連携させるパワコンには、大きく分けて「ハイブリッド型」と「トライブリッド型」があります。
- ハイブリッド型パワコン:「太陽光」と「定置型蓄電池」の2つを制御するパワコン。V2Hを連携させるには、さらにV2H用の機器(パワコン)が別途必要になり、システムが複雑になる(=後悔しやすい)可能性があります。
- トライブリッド型パワコン:「太陽光」「定置型蓄電池」「V2H(EV)」の3つを、最初から1台で制御できるように設計されたパワコン。(例:ニチコン社製品など)
編集部推奨のパワコン選び
将来的にEVの購入(V2Hの導入)の可能性が1%でもあるなら、リノベーションや太陽光導入のタイミングで「トライブリッド型パワコン」を導入しておくことを強く推奨します。
メリット:
- 将来の拡張性:最初は「太陽光+パワコン」だけでもOK。数年後に「定置型蓄電池」を追加するのも、「V2H」を追加するのも、両方を追加するのも、パワコンを交換せずに最小限の工事で対応できます。
- 効率の良さ:太陽光の電気を、EVにも蓄電池にも効率よく(直流のまま)充電できるため、変換ロスが少ないです。
「単機能パワコン」や「V2H非対応のハイブリッド型」を先に設置してしまうと、将来V2Hを導入したくなった瞬間に「パワコンの買い替え」という数百万円規模の後悔が発生するリスクがあります。
「うちの屋根で太陽光を載せて、EVに充電したら、具体的に何年で元が取れるんだろう?」
その疑問、簡単な入力ですぐに解決できます。お住まいの地域や毎月の電気代を入力するだけで、あなたのご家庭だけの詳細な節約効果を無料でシミュレーションいたします。まずは、どれくらいお得になる可能性があるのか、数字で確かめてみませんか?
EVを”非常用電源”として使う(V2L, V2H, V2G)
EVの電気を家庭で使う技術には、V2H以外にも種類があります。その本質的な違いを知っておくことが重要です。
”V2L” (Vehicle to Load) とは?
V2Lは、EVから直接100Vの電気を取り出し、家電製品を使える機能です。車にACコンセント(家庭用コンセントと同じ形状)が付いているタイプがこれにあたります。
用途:アウトドアや、停電時に「車から延長コードを引いてきて」特定の家電(ポットやPCなど)を使う。
限界:家全体をバックアップするものではなく、あくまで”非常用電源”の簡易版です。
”V2G” (Vehicle to Grid) とは?
V2Gは、EVのバッテリーを「電力網(グリッド)」に接続し、電力会社と電気を売買する未来の技術です。「EVバッテリーのセカンドライフ」活用(使い古したバッテリーを地域の蓄電池として再利用する)などと共に、脱炭素社会のキーテクノロジーとして研究が進められています(2025年時点では一般家庭での普及はまだ先です)。
気になる費用と”補助金 V2H 日本”の動向
EV・V2H・定置型蓄電池の導入には、高額な初期費用がかかりますが、国や自治体は手厚い”補助金”を用意しています。
導入費用の目安(2025年想定ケース)
- V2H充放電設備(機器+工事費): 約100万円〜150万円程度(※機種による)
- 定置型蓄電池(10kWh、機器+工事費): 約150万円〜220万円程度(※機種による)
- トライブリッド型パワコン(機器+工事費): 約100万円〜(※蓄電池やV2H本体は別)
補助金 V2H 日本の動向
国(経済産業省など)は、V2H機器やEV、プラグインハイブリッド車(PHV)の購入に対して「CEV補助金」などを提供しています。また、定置型蓄電池に対しても「DER補助金」など、高性能な蓄電池の導入を支援する制度があります。
注意点:これらの大型補助金は、「V2H」と「定置型蓄電池」で併用(両方を受給する)ことができないケースがほとんどです。また、申請期間が短く、予算上限に達し次第終了となります。
お住まいの自治体(都道府県・市区町村)が独自に上乗せ補助金を出している場合も多いため、最新の情報を施工業者に確認してもらうことが不可欠です。
編集部見解:EV購入予定者の蓄電池選びは「パワコン選び」で決まる
編集部見解:EVの購入を見込んでいる方の蓄電池選びは、従来の「容量(kWh)」や「価格」だけで選ぶと、後悔につながるリスクが高まります。
本質的に重要なのは、「V2H」と「定置型蓄電池」の違い(=バッテリーが家にあるか、車と共用か)をご自身のライフスタイル(=EVが日中家にあるか)と照らし合わせることです。
その上で、将来のあらゆる選択肢(V2Hの追加、蓄電池の追加、併用)に対応できる「司令塔(=トライブリッド型パワコンなど)」を、リノベーションや太陽光導入の「最初」のタイミングで選んでおくこと。
これこそが、数年後に「あの時、ケチらずにこのパワコンにしておいてよかった」と思える、賢い選択肢の一つだと考えます。どのパワコンがご自身の将来設計に合うか、ぜひ専門家にご相談ください。
「将来EVも欲しいけど、どのパワコンを選べば後悔しない?」「V2Hと蓄電池、併用すべき?」 そのお悩み、専門家が解決します。無料シミュレーションをご利用いただければ、専門のアドバイザーがあなたの家の条件や将来プランに最適なシステム(パワコン、蓄電池、V2H)をご提案し、詳細な費用対効果を分かりやすくご説明します。
よくある質問(FAQ)
Q1. 将来EVを買う予定なら、家庭用蓄電池は必要ありませんか?
A. 「V2H」を導入し、EVを蓄電池として使うなら、定置型蓄電池は不要になるケースもあります。ただし、EVが外出中(通勤など)は家のバックアップができません。EVが日中家にないご家庭や、EVと家の両方に電気を備えたい場合は、定置型蓄電池との「併用」または「定置型蓄電池のみ」の選択が合理的です。
Q2. 「V2H」と「定置型蓄電池」の最も本質的な違いは何ですか?
A. 最も大きな違いは「蓄電池が家にあるか、車にあるか」です。定置型蓄電池は常に家にありますが、V2Hで使うEVのバッテリーは「車」と一緒に出かけてしまいます。また、EVのバッテリーは「走る」ことが最優先のため、充放電による劣化を気にする必要がありますが、定置型蓄電池は家の充放電(節約や停電対策)に特化して設計されています。
Q3. EV購入予定者が、太陽光発電と同時に導入すべきものは何ですか?
A. 結論から言えば、「V2H連携が可能なハイブリッド型パワコン(トライブリッド型など)」を導入するのが最も後悔しない選択です。これさえあれば、将来V2Hを追加するのも、定置型蓄電池を追加するのも(あるいは併用するのも)最小限の工事で対応できます。
Q4. V2Hの補助金は、定置型蓄電池の補助金と併用できますか?
A. 国の補助金(例:CEV補助金、DER補助金など)において、V2Hと定置型蓄電池は重複して申請できないケースが一般的です。ただし、自治体(都道府県や市区町村)によっては独自の補助金制度があり、併用可能な場合もあります。制度は年度ごとに大きく変わるため、必ず施工業者や自治体に最新の公募要領を確認してもらう必要があります。
関連記事
出典・参考情報
- 経済産業省 資源エネルギー庁(なっとく!再生可能エネルギー)
- 経済産業省・次世代自動車振興センター(CEV補助金:V2H充放電設備)
- 環境省(ゼロカーボン・ドライブ / V2Hの活用)
- チャデモ協議会(V2HガイドラインとWGの活動について)
Google口コミ
この記事の監修者

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
光熱費削減に関するお悩み等ございましたら、お気軽にご相談下さい。
光熱費削減コンサルタント
中田 萌ご相談やお見積もりは
完全無料です!
蓄電池
太陽光発電
パワーコンディショナ
エコキュート
IHクッキングヒーター
外壁塗装
ポータブル電源










蓄電池の選び方


























