太陽光発電が普及しない理由は?問題点と今後の予測も
昨今、多くの一戸建て住宅で太陽光発電を見るようになりましたよね。しかし、太陽光発電の普及率は国が想定していたよりも遥かに低く、そもそも太陽光発電を設置する意味があるのかが問われてもいます。
この記事では、太陽光発電が普及しない理由、太陽光発電の今後の予測について解説します。太陽光発電の設置を検討している方、必見です。
目次
太陽光発電が普及しない理由は?現状の太陽光の問題点
まずは、太陽光発電が普及しない理由や問題点を3つ紹介します。
近隣トラブルに発展する可能性がある
太陽光発電が普及しない理由は、近隣トラブルに発展する可能性があるからです。
というのも、太陽光発電は、パワーコンディショナー(以下パワコン)から微量の電磁波を出しているのです。とはいえ、パワコンから発生している電磁波は、どの家庭にもある電子レンジと同程度の微量なもの。したがって、太陽光発電を設置したからといって、近隣住民の健康被害に直接繋がることは極めて稀といえます。
また、パワコンからモスキート音やモーター音が発生するため、静寂を好む近隣住民がいる場合は注意が必要です。さらに、太陽光発電を設置するためには大規模な工事が必要なので、工事時に騒音トラブルにならないよう、事前に工事日のお知らせをするなどの対策も必要になります。
発電の有無が天候にかかっている
発電の有無が天候にかかっているという点も、太陽光発電が大きく普及していない要因の一つです。
後述しますが、太陽光発電は設置にかかる費用が膨大です。しかし、太陽光発電が十二分に稼働してくれるのは晴天時のみ。夜間はもちろん発電しないので、太陽光発電の恩恵を受けることは難しくなります。
ちなみに、曇天時は晴れの日と比べ3~5割程度、雨天時は1割程度と、発電量が大きく下がります。設置費用がかさむにも関わらず365日発電してくれるわけではないとなると、導入を躊躇って当然ですよね。
設置可能な家が限られている
太陽光発電が普及していない理由は、設置可能な家が限られているという問題点もあります。
正確には、太陽光発電は集合住宅などを除き、どの住宅でも設置することは可能です。しかし、太陽光があまり当たらない北向き住宅や、日照時間が短い地域などにお住まいの場合、多額の投資をしてまで太陽光発電を設置するメリットは有りません。太陽光発電の全国的な普及を目指している国ですが、なかなか難しい現状があるのも事実です。
定期的なメンテナンスが必要になる
定期的なメンテナンスが必要なのも、太陽光発電があまり普及していない要因の一つです。
実は、太陽光発電はメンテナンスフリー商品といわれています。導入後最初の1年で初回メンテナンスを行い、その後は4年に1度のペースで良いとされているのです。太陽光発電の基盤がしっかりしている証拠ですよね。しかも、基本的にはメーカーや設置業者が10~15年の保証期間を設けているので、メンテナンスにかかる費用は実質無料。嬉しい特徴といえるでしょう。
しかし、太陽光発電の平均寿命は20年~30年程度。保証期間よりも平均寿命のほうが長いのです。要は、保証が切れた後のメンテナンス費用は自己負担になるということ。初期費用もかかってメンテナンス費用もかかってしまう。太陽光発電の設置に難色を示す家庭が多くて当然といえるでしょう。
太陽光発電が普及しない理由は?社会の制度の問題点
続いて、太陽光発電が普及しない社会制度の問題点を4つ紹介します。
災害時に二次災害の危険性がある
太陽光発電があまり普及していない原因は、災害時に二次災害の危険性があるからです。
太陽光発電は、地震や台風などのあらゆる天災に耐えられるよう、頑丈な設計になっています。とはいえ、天災被害を受けないと断言することは難しいです。たとえば、強風によってパネルが飛散したり、水害が原因で第三者が感電してしまうといったリスクがあるのも事実。
各メーカーは、自然災害時に使用できる保証を取り扱ってはいます。しかし、第三者の命を奪い兼ねない太陽光発電を設置するとなると、躊躇いの気持ちが出てしまっても無理はありません。
初期費用が高すぎる
初期費用が高すぎるのも、太陽光発電が普及しない要因の一つです。
太陽光発電は、災害時に停電を防げたり電気代を節約できる優れもの。しかし、初期費用が高いというデメリットがあります。ちなみに、一般的な大きさの太陽光発電を家庭に設置するとなると、本体価格+工事費用で200万円前後は見ておく必要があります。なかなか手が出しにくい価格ですよね。
売電価格が年々下落している
太陽光発電が普及しない理由は、売電価格が年々下落しているからです。
国は太陽光発電を全国普及させるため、2009年にFIT制度を開設しました。FIT制度とは、太陽光発電で発電した電力を電力会社に高値で買い取ってもらえる制度のことです。
2009年当時の売電価格は1kWhあたり48円。しかし、2019年には1kWhあたり24円と半額になっています。2009年と2019年の太陽光発電本体価格を比べると明らかに2019年のほうが安くはありますが、売電価格が低下しているという事実だけを聞くと、「太陽光発電を導入して元は取れるの?」と不安になりますよね。
しかも、FIT制度の有効期限は10年。とはいえ、太陽光発電は10年以上使うものです。ちなみに、卒FITを迎えた太陽光発電の売電価格は1kWhあたり7~9円程度。「売電する意味はあるのか?」と疑ってしまうような単価ですよね。
国の補助金制度が終了した
国の補助金制度が終了したことも、太陽光発電が普及していない要因の一つです。
太陽光発電では、以下のように国からの補助金制度がありました。
1994~2005年度 | 新エネルギー財団(NEF)の補助金交付 |
2008~2013年度 | 太陽光発電普及拡大センター(J-PEC)の補助金交付 |
太陽光発電購入時に国からの補助金制度が設けられていた理由は、国が太陽光発電を全国普及させたかったからです。国の補助金制度のおかげもあり、太陽光発電は徐々に私たちの生活に身近なものになりました。それと共に、太陽光発電の販売価格も安くなり、国からの補助金制度を廃止しても継続して販売台数を伸ばせるという結論に至ったのです。
しかし、いくら太陽光発電の本体価格が割安になったとはいえ、これまであった補助金制度が廃止されたと聞けば購買意欲が損なわれるのも事実。しかも、既述の通り200万円前後はする高額商品ですから、なかなか手が出せないのも納得ですよね。
太陽光発電が普及しない理由は多々ある!今後の予測は?
太陽光発電が普及しない理由は多々ありました。では、太陽光発電の今後はどうなるのでしょうか。具体的に解説していきます。
蓄電池との併用使いが主流になる
太陽光発電は今後、蓄電池との併用使いが主流になるといわれています。
蓄電池とは、電力を蓄えておける機械のこと。太陽光発電とセット導入することで、お互いのデメリットを補うことができて一石二鳥になるのです。
太陽光発電+蓄電池の平常時の主な使い方は、以下の2通りです。
収入アップ&電気代削減を狙えるので、経済的にメリットですよね。
以下のような使い方もできますよ。
こちらは、卒FIT家庭向けの使い方です。売電価格が下落してしまった卒FIT家庭では、売電することにあまり意味はありません。したがって、エネルギーの自家消費が望ましいとされています。地球環境のためにも一役買うことができ、さらに経済的にも助かる。まさに一石二鳥ですよね。
太陽光発電と蓄電池の併用はお互いのデメリットを補っている
太陽光発電+蓄電池では、お互いがお互いのデメリットをフォローし合っているのが分かりますよね。
太陽光発電のみ設置だと、恩恵を受けられるのは日中のみ。あまり経済的な効果は見込めません。非常時に関しても、夜間は一般家庭のように停電に見舞われてしまうため、太陽光発電を導入する意味を問いたくなることでしょう。
一方、蓄電池のみ設置の場合、夜間の割安電力を使用している分だけ家計が黒字になる計算です。蓄電池の導入費用を考えると、総合的にマイナスに転じてしまう確率が高く、あまりおすすめはできません。非常時に関しても、停電を免れるのはせいぜい半日~1日程度。蓄電池の蓄電容量がなくなってしまえば使い物にはなりません。蓄電池も導入費用は大きいので、蓄電池単独使用はあまりおすすめできません。
このように、太陽光発電を最大限活用するためには、蓄電池との併用使いが基本なのです。初期費用はかかりますが、災害時にも安心した生活が送れるなど、メリットは多くありますよ。
太陽光発電が普及しない理由は様々ある!今後は自家消費メインに!
太陽光発電が普及しない理由、太陽光発電の今後の見通しについて解説しました。
地球環境のことを思えば太陽光発電を設置すべきなのでしょうが、販売価格が高いことがデメリットですよね。ましてや、売電価格も年々下落傾向にあり、メンテナンスも必要になるとなれば、費用面で躊躇ってしまっても無理はありません。
しかし、災害が増えてきている昨今、太陽光発電と蓄電池を併用することで、万が一の際に大きな恩恵を感じることができます。今一度、メリットとデメリットを天秤にかけ、導入メリットを多く感じることができた場合、太陽光発電の導入を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
リノベステーションではニチコンやシャープを始めとした蓄電池を取り扱っております。
もちろん、太陽光発電機器との同時購入も可能です!
手続きが面倒な補助金申請も代行しておりますので、お気軽にください。
IHやエコキュートのお取り扱いもございます。
この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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