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【2025年版】エネファームと蓄電池の違いとは?価格・性能メリットと最適な組み合わせを徹底解説

オール電化 2025年11月14日更新

 

 

 

家庭のエネルギー効率を高め、光熱費削減や停電対策を考える際、「エネファーム」と「家庭用蓄電池」はよく比較される設備です。どちらも家庭のエネルギーを最適化する先進的なシステムですが、その仕組みと得意分野は全く異なります。結論から言うと、エネファームは「ガスを使って電気とお湯を創り出す」発電・給湯システムであり、蓄電池は「電気を貯めて、好きな時に使う」貯蔵システムです。両者は機能が異なるため、単純な優劣ではなく、ご家庭の目的(ガス併用かオール電化か)や太陽光発電の有無によって最適な選択が変わります。

この記事では、エネファームと蓄電池のどちらを選ぶべきか迷っている方のために、以下の3つのポイントから専門家が徹底比較・解説します。

  • 機能の決定的な違い:「発電」が得意なエネファームと、「蓄電」が得意な蓄電池。それぞれの仕組みと性能を解説します。
  • 価格と経済的メリットの比較:初期費用や年間の光熱費削減効果を、具体的な試算データ(※)を交えて比較します。
  • 最適な組み合わせ:オール電化住宅、ガス併用住宅それぞれに最適な組み合わせ(太陽光+蓄電池 vs 太陽光+エネファームなど)と、併設時の注意点を解説します。

ご自身のライフスタイルやエネルギーに対するニーズを明確にし、最適な設備選びの参考にしてください。

目次

第1章:【機能比較】エネファーム vs 蓄電池 根本的な違いとは?

エネファームと蓄電池は、どちらも家庭のエネルギー効率を高める機器ですが、その役割は「創る」と「貯める」という点で根本的に異なります。それぞれの基本的な機能と性能の違いを理解しましょう。

1-1. エネファーム(家庭用燃料電池):「発電」と「給湯」を同時に行う

エネファームは、都市ガスやLP(プロパン)ガスから水素を取り出し、空気中の酸素と化学反応させることで**「発電」**するシステムです。さらに、その発電時に発生する**「熱」**を捨てずに回収し、お湯を沸かす**「給湯」**にも利用します。これが「燃料電池コージェネレーションシステム」と呼ばれる理由です。

  • 発電機能:ガスが供給されていれば、天候に関わらず24時間いつでも発電が可能です(製品の発電ロジックによります)。
  • 蓄電機能:エネファーム本体には、発電した電気を貯めておく**蓄電機能は基本的にありません。**(※一部、小型の蓄電機能を持つモデルも存在します)

1-2. 家庭用蓄電池:「蓄電」と「放電」に特化

家庭用蓄電池は、その名の通り**「電気を貯蔵」**し、必要なタイミングで**「放電(使用)」**することに特化したシステムです。蓄電池自体に発電機能はありません。

  • 蓄電機能:電力会社から購入した電気(特に安い深夜電力)や、太陽光発電で発電した電気を貯めることができます。
  • 発電機能:ありません。電気を創り出すには、太陽光発電システムなどの発電設備が別途必要です。
比較項目 エネファーム 家庭用蓄電池
主な役割 発電 + 給湯 蓄電 + 放電
エネルギー源 都市ガス / LPガス 電力(系統電力 or 太陽光発電)
発電機能 あり(天候に左右されない) なし
蓄電機能 なし(一部モデルを除く) あり
※製品モデルにより一部仕様が異なる場合があります。

【章のまとめ】

エネファームは「ガスで発電・給湯する装置」、蓄電池は「電気を貯めて使う装置」であり、全くの別物です。エネファームは発電できますが貯められず、蓄電池は貯められますが発電できません。

第2章:【価格・経済性比較】導入費用と光熱費削減メリット

導入を検討する上で最も重要なのが、初期費用と、それによってどれだけの経済的メリット(光熱費削減)が得られるかです。ここでは、両者のコストパフォーマンスを比較します。

2-1. 初期費用の比較

初期費用は、一般的にエネファームの方が蓄電池よりもやや高額になる傾向がありましたが、近年は蓄電池の大容量化・高機能化により、価格帯は近くなってきています。

設備 初期費用相場(工事費込み) 補足
エネファーム 約100万円 ~ 200万円 発電タイプ(PEFC/SOFC)や貯湯タンク容量により変動。
家庭用蓄電池 約100万円 ~ 250万円 蓄電容量(kWh)や機能(ハイブリッド型/単機能型)により大きく変動。
※上記はあくまで目安です。メーカー、モデル、工事内容、補助金適用前の金額であり、実際の価格は見積もりでご確認ください。

※元記事では「蓄電池より50万円ほど安い」とありますが、近年の蓄電池価格の変動やエネファームの高性能化を鑑み、相場は近接しているか、容量によっては蓄電池の方が高額になると補正しています。

2-2. 光熱費削減メリットの比較

光熱費の削減効果は、ご家庭のエネルギー使用状況(ガス・電気の使用量)によって大きく異なります。

エネファームの光熱費削減(試算例)

エネファームは、発電した電気を自家消費することで電気代を削減し、同時にお湯も沸かすため、従来のガス給湯器に比べてガス使用効率が上がります(ただし、発電のためにガスを消費するため、ガス代自体は上がることがあります)。

(例)戸建て4人家族・床暖房+浴室暖房使用の場合(西部ガス試算参考)

  • 導入前(従来型給湯器):年間光熱費 約304,000円(電気代 約164,300円+ガス代 約144,370円)
  • 導入後(エネファーム):年間光熱費 約232,180円(電気代 約83,860円+ガス代 約148,320円)
  • 年間削減効果:約72,620円

出典:西部ガス「エネファームの特長」(※試算条件は出典元参照)

蓄電池の光熱費削減(試算例)

蓄電池は、主に「太陽光発電の余剰電力活用」または「安い深夜電力の活用」で電気代を削減します。ここでは太陽光発電がない場合(深夜電力活用)の試算例を示します。

(例)4人家族・月436kWh使用・東京電力「スマートライフS」・5kWh蓄電池導入の場合

  • 導入前(従量電灯B):年間電気代 約166,512円
  • 導入後(スマートライフS+蓄電池):年間電気代 約85,596円
  • 年間削減効果:約80,916円

※上記は元記事の試算(2022年単価)であり、現在の電気料金単価では変動します。

【章のまとめ】

初期費用はエネファーム・蓄電池ともに100万円以上かかりますが、どちらも年間数万円単位での光熱費削減メリットが期待できます。ただし、削減額はご家庭の状況や料金プラン、機器の運用方法に大きく依存します。

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第3章:【ケース別】エネファーム・蓄電池・太陽光発電の最適な組み合わせ

エネファームと蓄電池は、単体で導入するよりも、太陽光発電と組み合わせることで真価を発揮します。ご家庭のエネルギー契約(オール電化かガス併用か)によって、最適な組み合わせは異なります。

3-1. オール電化住宅の場合:「太陽光発電 + 蓄電池」

キッチンも給湯もすべて電気で賄うオール電化住宅には、**「太陽光発電 + 蓄電池」**の組み合わせが最適です。エネファームはガスを必要とするため、オール電化住宅には導入できません。

  • メリット:昼間は太陽光で発電した電気を使い、余った電気を蓄電池に貯めて夜間に使います。これにより、電力会社から買う電気を最小限に抑え、電気代高騰のリスクを根本から回避できます。災害による停電時にも、最も長く電気を使い続けられる可能性が高い組み合わせです。

3-2. ガス併用住宅の場合:「太陽光発電 + エネファーム」(W発電)

都市ガスやLPガスを契約しているガス併用住宅の場合、**「太陽光発電 + エネファーム」**の組み合わせ(通称:W発電)が選択肢になります。

  • メリット:太陽光発電(天候依存)とエネファーム(ガス依存)の2つの発電設備で電気を賄うため、電気の自給率が非常に高くなります。
  • 注意点(ダブル発電):太陽光発電とエネファームが同時に発電している時間帯に売電すると、「ダブル発電」扱いとなり、太陽光の売電単価がFIT制度開始時期によっては引き下げられる場合があります(※2018年度以前の契約者など)。また、ガス代は発電する分だけ増加します。

3-3. ガス併用住宅の場合:「太陽光発電 + 蓄電池」

ガス併用住宅であっても、**「太陽光発電 + 蓄電池」**を導入するメリットは大きいです。エネファーム(W発電)のように売電単価が下がる心配がなく、電気代の削減と停電対策を両立できます。

3-4. 【注目】「エネファーム + 蓄電池」の連携

太陽光発電の設置が難しい(屋根が小さい・日当たりが悪い)ガス併用住宅の場合、**「エネファーム + 蓄電池」**という組み合わせも可能です。

  • メリット:エネファームで発電した電気のうち、使い切れなかった分を蓄電池に貯めることができます。これにより、エネファームで発電した電気を無駄なく自家消費できます。
  • 注意点:導入するエネファームと蓄電池が、システムとして連携可能(併設可能)な機種であるか、事前にメーカーや施工業者への確認が必須です。

【章のまとめ】

オール電化住宅なら「太陽光+蓄電池」一択です。ガス併用住宅の場合は、「太陽光+エネファーム(W発電)」、「太陽光+蓄電池」、「エネファーム+蓄電池」の3パターンが考えられます。ご家庭の優先順位(電気代削減か、停電対策か)に応じて選択しましょう。

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よくある質問(FAQ)

Q1. エネファームと蓄電池の一番の違いは何ですか?

一番の違いは、エネファームが「ガスを使って電気とお湯を創る発電・給湯設備」であるのに対し、蓄電池は「電気を貯めて使う貯蔵設備」である点です。

エネファームは発電できますが電気を貯められず、蓄電池は電気を貯められますが発電できません(別途、太陽光発電などが必要)。

Q2. エネファームと蓄電池は、どちらが電気代節約になりますか?

ご家庭の状況によります。ガスを多く使い、発電と給湯を効率化したい場合はエネファームが有効です。一方、太陽光発電を設置している(または設置予定の)場合や、安い深夜電力を活用したい場合は、蓄電池の方が電気代削減効果は高くなる傾向があります。

元記事の試算例では、両者とも年間7~8万円程度の光熱費削減効果が示されていますが、前提条件が異なるため単純比較はできません。ご家庭の状況に合わせたシミュレーションが必要です。

Q3. 太陽光発電とエネファームを併設する「ダブル発電」の注意点は?

太陽光発電とエネファームを併設する(W発電)場合、両方が同時に発電している時間帯に売電すると、太陽光発電の売電単価が通常よりも安く設定される場合があります(※FIT制度の契約時期によります)。

また、エネファームは発電のためにガスを使用するため、ガス代が増加します。売電収入は増える可能性がありますが、トータルの光熱費(電気+ガス)でメリットが出るか、シミュレーションが必要です。

Q4. 太陽光発電が設置できない家は、エネファームと蓄電池のどちらが良いですか?

太陽光発電が設置できない場合、ガス併用住宅であれば「エネファーム」を導入して電気とお湯を自給する選択肢があります。さらに、エネファームと連携可能な「蓄電池」を併設すれば、エネファームで発電した電気を貯めて夜間に使うことができ、停電対策にもなります。

オール電化住宅の場合は、エネファームは導入できないため、蓄電池を導入し、安い深夜電力を貯めて昼間に使う「ピークシフト」での電気代節約が主な目的となります。

Q5. 停電対策として優れているのはどちらですか?

停電対策としては、それぞれ特徴があります。

  • エネファーム:ガス供給が続く限り、天候に関わらず発電を継続できる強みがあります(ただし、停電時専用のコンセントからのみ)。
  • 蓄電池:貯めた電気をすぐに使え、太陽光発電と連携すれば昼間も充電できるため、長期間の停電に対応しやすい強みがあります。

両方を連携させることが、最も強固な停電対策となります。

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この記事の監修者

中田 萌

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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