太陽光発電やらなきゃよかったと思う理由は?後悔しない対策法を解説
太陽光発電は、消費者からの相談が増加し、メディアで「太陽光発電を導入しなければよかった」という声も少なくありません。
そこで今回は、やらなきゃよかった・やってよかった理由や、後悔しない対策方法について紹介します。
目次
太陽光発電をやらなきゃよかったと思う7つの理由
太陽光発電をやらなきゃよかったと思う理由は、以下の7つです。
- 初期コストが高くつきやすい
- 10年後の売電価格は半分以下になる
- 発電量が少なくガッカリした
- 設置後、屋根から雨漏りが起きた
- 昼間自宅にいる機会が少ない
- 周囲に建物が建ってしまった
- 自家発電のみで電力が貯められない
やらなきゃよかった理由について詳しく解説していきます。
初期コストが高くつきやすい
太陽光発電の設置には、パネル以外にパワコンやリモコンなどの設備を購入するため、初期費用が高くつきやすいです。
2023年の住宅用の太陽光発電の相場価格は、工事費込みで1kWあたり25.9万円で、4kWのシステムを導入する場合、約103.6万円の費用が必要です。
また、積雪への耐久性が高いパネルや高効率のパネルを導入する場合、通常のパネルよりも高額になりやすい場合があります。
太陽光発電の初期費用は、10年前より安くなりましたが、まだまだ設置費用は高いため、やらなきゃよかったと思ってしまう人も少なくありません。
10年後の売電価格は半分以下になる
再生可能エネルギーの普及により、太陽光発電の価格が減少すると同時に、売電価格も減少しているのが現状です。
太陽光発電の売電価格は年々下がり続けており、2023年の10kWh未満の売電価格は16円/kWhです。
固定買取制度が始まった2009年と比較してみると、32円も売値が安くなってます。
太陽光発電をやらなきゃよかったと後悔しないためにも、設置から10年経過すると、売電価格が半分になることも把握しておくことが大切です。
発電量が少なくガッカリした
太陽光発電は、天候によって発電量が大きく変わります。
晴天の日は多くの発電が可能ですが、曇りや雨の日は太陽が隠れるため、効率の良い発電は望めません。
晴れた日が100%の発電量に対して、曇りの日の発電量はおよそ半分程度であり、雨の日では、およそ4分の1以下まで発電量が下がります。
太陽光発電をやらなきゃよかったと後悔しないためにも、天候によって発電量が大きく変わることも踏まえておきましょう。
設置後、屋根から雨漏りが起きた
太陽光パネルを設置する時には、屋根に穴をあける必要があり、雨漏りが発生することがあります。
穴を開ける際に固定するためのビスが野地板まで入ってしまったり、コーキング処理がしっかりと行われていなかったりすると、雨漏りが起きやすくなります。
安価な太陽光発電設置業者に頼んでしまうと、手抜き工事や技術不足が問題となり、最終的には「太陽光発電を始めなければよかった」と後悔する人が多いのが現実です。
安価な選択が高いコストを伴う結果につながることがあるため、慎重に選ぶことが大切です。
昼間自宅にいる機会が少ない
太陽光発電の欠点は、発電した電力を貯めておくことができないため、使えるのは日中だけに限定されることです。
昼間、家にいることが多い人は、電気代の節約メリットを感じやすいです。
一方、日中に外出が多い人にとっては、太陽光発電の設置に後悔してしまう可能性が高いかもしれません。
周囲に建物が建ってしまった
太陽光パネルの設置場所を選ぶ際に、屋根の向きだけでなく、将来新しい建物が周囲に建つ可能性も考慮する必要があります。
設置後に建物が建ってしまった場合、発電量に悪影響が出てしまい、思ったほどの電気代の節約や売電収入が得られなかったと後悔してしまうこともあるでしょう。
太陽光発電の設置前には、自宅の周りに建設計画があるのかチェックし、多くの電力が見込まれる場所を選ぶことが大切です。
反射光のトラブルが起きてしまった
太陽光発電の反射光によって周囲の住宅と問題が起きてしまう可能性があります。
ただ、住宅用の太陽光発電では、同じ高さの住宅に設置することが多いです。
設置する家の屋根が同じ高さの場合、太陽光パネルからの反射光が上空へ向かうため、反射問題がおきづらいです。
しかし、屋根が北向きだと、反射光が地上に向かい、周囲の住宅とトラブルが起きやすくなります。
そのため、北向きの屋根に太陽光パネルを設置しないようにしましょう。
太陽光発電をやってよかったと思う理由は?
太陽光発電をやってよかったと思う理由で多いのは、以下の7つです。
- 電気代の支払いが安くなった
- 電力の販売から収入を得た
- 災害発生時でも電力を利用できた
- 冷暖房がより効果的になった
- 環境への負荷が低く地球にやさしい
- 電力の節約意識が向上した
- 夏場は涼しく冬場は暖かく過ごせた
やってよかったと思う理由について、詳しく紹介していきます。
電気代の支払いが安くなった
太陽光発電をやってよかった理由の一つに、「電気代が安くなった」という声があります。
太陽光パネルが昼間に発電することで、日中の高い電気を買わずに済むからです。
また、発電した電力で節約できた分と売電金額を合わせると、月々の電気代が半分近くお得になる場合もあります。
現在も、電気代の値上がりは止まらないため、効率的に電気使用量を削減することが大切です。
自宅に太陽光発電を設置することで、電気代の支払いを大幅に節約できるでしょう。
電力の販売から収入を得た
太陽光発電で作った電力は、電力会社に売ることができます。
発電した電力をなるべく使わないことで、売電収入を増やすことも可能です。
また、太陽光発電をこまめにメンテナンスしたり、電力会社を変更して売電単価をあげたりすることも売電収入を増やせます。
売電収入を利用して、毎月のローン返済や生活費をまかなうことは、経済的な負担を軽減するすばらしい方法です。
太陽光エネルギーを有効活用し、家計の負担を減らすことができるでしょう。
災害発生時でも電力を利用できた
太陽光発電は、災害時も電力を確保するのにうってつけです。
災害時が起きた場合も、晴れた日に太陽の光から電力を作り、テレビやスマートフォンなどが使えます。
「環境ビジネス」のニュースによると、太陽光発電協会(JPEA)が2019年に発生した台風で千葉県で太陽光発電を設置している人を調査をおこないました。
なんと、太陽光発電を使っている8割の人が、電力供給ができたというデータがあります。
厳しい状況下でも安定した電力を供給できたことで、太陽光発電を設置してよかったという声も多いようです。
電気代を気にせず冷暖房が使える
太陽光発電の導入により、エアコンの冷暖房効率が大幅にアップします。
太陽光発電は、太陽の光を利用して電力を作るため、光エネルギーが強い日中は、冷房や暖房を動かすためのエネルギーに回せます。
夏場は冷房で快適な室温を保てたり、冬場は暖房で寒さからくる不快感を軽減できたりします。
太陽光発電は、暖房や冷房などのエネルギーを効率的に使えるため、電気代を減らすのに役立ちます。
環境への負荷が低く地球にやさしい
太陽光発電の設置は、地球を守るために素晴らしい選択方法の一つです。
太陽光発電の運用や製造は、二酸化炭素や汚染物質がほぼ出ないので、環境への影響が少ないからです。
電力会社から電気を購入すると、化石燃料で電気を作るため、たくさんのCO2が排出されてしまいます。
太陽光発電は、自然のエネルギーで電力を生み出すので、地球を守るためのすばらしい方法です。
電力の節約意識が向上した
太陽光発電を使うと、自宅で電力をつくれるようになり、電気を使うときにもっと節約しようという気持ちが育ちます。
自宅で生み出した電力を大切にすることで、電力を節約しようという気持ちが高まるからです。
モニターを使えば、電力の発電量や使用量を簡単にチェックできます。
例えば、1年間を通じて発電と使用を比較したり、季節や天気に合わせて電力の使い方を工夫できたりするのに役立ちます。
節電意識の向上は、電力コストの削減や環境への配慮にもつながり、電力会社からの依存も減少できるでしょう。
夏場は涼しく冬場は暖かい
太陽光パネルは通常、屋根面に設置されるため、日光が直接屋根に当たることはありません。
太陽光パネルが設置された場所では、夏の強い日差しを遮る効果があり、屋内の部屋は涼しく保たれます。
太陽光パネルが設置されることで、屋根に太陽の直射光が当たらず、冷房の効き目が良くなります。
また、冬の朝と夜には、太陽光発電が放射冷却を緩和し、部屋の温度が低下しにくくなります。
さらに、太陽光発電の電力が使えない時間帯でも、遮熱効果により、冷暖房の使用時間を減らすことができるでしょう。
太陽光発電の設置によりエネルギーコストが削減され、快適な室温を維持できるのです。
太陽光発電をやらなきゃよかったと後悔しない7つの対策方法
太陽光発電をやらなきゃよかったと後悔しない対策法は、以下の7つです。
- 太陽光発電の市場価格をチェックする
- 年間の発電量を把握する
- 売電価格を確認する
- 複数の業者に見積りを取る
- 新築に太陽光発電を設置する
- 国や自治体の補助金を活用する
- 余った電力を蓄電池に貯める
やらなきゃよかったと思わないためにも、ぜひ対策方法を取り入れてみましょう。
太陽光発電の市場価格をチェックする
最小限のコストで太陽光発電を導入するためには、パネルの価格相場を把握しておくことが大切です。
「経済産業省」による調査によれば、2022年度の1kWあたりの太陽光発電システムの導入費用の相場価格は26.7万円でした。
一般的な住宅用の太陽光パネルシステムでは、3〜5kWの出力が十分だとされており、設置価格の相場は80.1万~133.5万円です。
このように1kWあたりの設置価格を知っておけば、高価なシステムを選んでしまうリスクを減らすことができます。
年間の発電量を把握する
太陽光発電システムを導入する前に、住宅での電力消費量を年間を通して把握することが重要です。
「環境省」によると、全国の平均的な家庭の年間電力消費量が4,322kWhです。
1kWあたりの年間発電量は、1,000kWhなので、自宅の電力需要をカバーするためには、5kW~6kWのパネルを選ぶことが目安となります。
月ごとの電力使用量をもとに、必要なパネル枚数を計算するようにしましょう。
売電価格を確認する
FIT認定を受ける際には、設置する太陽光発電の発電容量を確認することが重要です。
2023年度時点で、FIT(固定価格買取制度)においては、以下のように固定価格が分かれています。
- 10kW未満:16円/kWh
- 10~50kW未満:10円/kWh
- 50kW以上:9.5円/kWh
固定価格で電力を売却できる期間は、通常10年または20年に設定されています。
FIT期間終了後は、半分以下まで値下がりするため、運用方法や蓄電池の導入など、卒FITの際に検討するようにしましょう。
複数の業者に見積りを取る
太陽光発電システムの施工や販売業者を選ぶ際には、複数の業者に見積もりを依頼することが重要です。
中には悪徳業者も存在するので、1つの業者に決めることはおすすめできません。
複数の業者から見積もりを取り、最低でも3つ以上の見積もりを比較することが大切です。
また、業者独自のキャンペーンによる割引がある場合は、値引き額が正しいかどうかも確認することで設置後に後悔するリスクを減らせるでしょう。
自治体の補助金を活用する
太陽光発電を設置するとき、自治体から補助金をもらえることがあります。
また、太陽光発電と蓄電池をいっしょに導入すると、国からのZEH支援補助金や先進的再エネ熱等導入支援事業などの補助金を利用できることがあります。
国と自治体の補助金を両方受けることができる場合もあるので、申請期間に注意して、早めに行動しましょう。
余った電力を蓄電池に貯める
日中に発電した残りの電力を蓄電池に保存しておくと、電力使用量が多い夜間に電力を取り出して利用できます。
太陽光発電は、太陽が出ている昼間には自家消費できますが、夜間には電力を利用することができません。
発電した電力を夜間に利用するためには、蓄電池を設置する必要があります。
蓄電池があると、天気が悪い日でも、夜間の安い電力を貯めておけるので、電気代を節約できます。
太陽光発電をやらなきゃよかった・やってよかった理由を比較しよう
今回の記事では、太陽光発電をやらなきゃよかった理由、やってよかった理由などについて詳しく紹介しました。
結論として、太陽光発電をやらなきゃよかったと感じる理由は、すべての人にあてはまる訳ではありません。
そのため、太陽光発電を導入して良い理由と悪い理由を、比較することでメリットも含めて検討することができます。
太陽光発電は、将来的には設置の義務化も進む可能性があり、太陽光発電の普及が増えるでしょう。
良い点と悪い点を比較し、後悔しないために賢明な選択をしましょう。
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この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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