京セラの太陽光発電の特徴とは？商品性能や他社との比較についてまとめました

京セラは抜群の経営能力を持った稲盛和夫が1959年に創業した企業です。

1975年から太陽光発電事業を開始し、鹿児島県でのメガソーラー発電所建設や新たな太陽光発電システムの提供など、太陽光発電に関するノウハウを積み重ねてきました。

今回は京セラ太陽光発電の特徴や太陽光発電に関する商品ラインアップ、他社製品との比較などについてまとめます。

京セラ太陽光発電の特徴

京セラの太陽光発電にはどのような特徴があるのでしょうか。

信頼性・品質管理・トリプル保証の3点についてまとめます。

長期にわたる信頼性

1つ目の特徴は長期にわたる信頼性です。
京セラの太陽電池モジュールは長期的に稼働しているものが多く、信頼性がとても高いのが特徴です。

たとえば、千葉県佐倉市にある佐倉ソーラーエネルギーセンターに設置された京セラの太陽電池モジュールは36年が経過した2021年段階でも稼働低下率は17.2%にとどまり、現在でも80%以上の稼働率で運用されています。

住宅用の太陽電池モジュールも長寿命を誇っています。
京セラの住宅用太陽電池モジュールは1993年から発売されていますが、2019年に調べたときでも稼働している物がありました。
これは量産品の住宅用太陽電池の最長使用期間です。

ハイレベルな品質管理

2つ目の特徴はハイレベルな品質管理です。
京セラは高い研究開発能力を有する企業で、太陽光発電事業でもその能力をいかんなく発揮してきました。

長年にわたり太陽光発電事業に取り組んできた京セラには、これまでの実績に裏付けられたデータが蓄積されています。
それに基づき、数多くの品質テストを繰り返してきました。

実験例をいくつか挙げると、高温・高温度耐久試験、鋼鉄落下実験、太陽電池出力測定試験、冷熱衝撃試験、温湿度試験、紫外線に対するストレステストなどがあります。
これらの試験を繰り返すことで、高い品質を維持してきました。

京セラが行ってきたこれらの実験は世界的にも認められています。
2011年にはテュフ ラインランド社「長期連続試験」認証を世界初取得。
2016年・2017年にはDNVGL社の信頼性調査において全項目「トップ・パフォーマー」に2年連続唯一認定されています。

住宅用太陽光発電システム「トリプル保証」

3つ目の特徴は住宅用太陽光発電システムの「トリプル保証」です。
そもそも、京セラの太陽光発電システムには10年間の標準無料保証がついています。

これに次のような保証を有償で追加するのが「トリプル保証」です。

• 機器15年保証

• 自然災害15年保証

• 出力20年保証

トリプル保証の対象となると、保証期間中の修理回数の制限がありません。
風水害が相次ぎ、太陽光発電システムへのダメージが度重なった時などには非常に心強い保証といえるでしょう。

商品ラインアップ

高い技術力を持つ京セラはどのような商品を提供しているのでしょうか。

ここでは、京セラの太陽電池モジュールや蓄電システム、HEMS製品について紹介します。

太陽電池モジュール

京セラの最新太陽電池モジュールは「KT370-120HL4」です。
エコノルーツと名づけられたこれらのモジュールは、横だけではなく縦にも設置可能です。
これで今までよりも多くの太陽電池モジュールを設置できるようになりました。

また、独自金具の開発で安全性と軽量化の双方を実現。
施工がより簡単になり、コスト削減に成功しました。
価格は1枚当たりおよそ270,000円です。

蓄電システム

現在、京セラで扱っている家庭用蓄電池のシリーズはエネレッツァとよばれるシリーズです。
タイプは5.0kWhのEGS-LM0500、10.0kWhのEGS-LM1000、15.0kWhのEGS-LM1500の3種類。
自宅に設置している太陽光発電システムの発電量や家庭での電力使用量などを考慮して選択できます。

使用している「クレイ型リチウムイオン電池」は従来よりも大幅に簡素化しコストダウンに成功しました。
加えて、蓄電池の構造を改善したことにより、長寿命と高い安全性も実現できました。

さらに、2019年にはグッドデザイン賞も受賞しているので、非常にスタイリッシュな見た目をしています。

公式サイトでは蓄電池システムのセット価格で表示されているため、蓄電池単体の価格を知りたい場合は京セラ製品を取り扱っている事業者に問い合わせたほうがよいでしょう。

HEMS（ヘムス）製品

HEMSとは、住宅で使用されているエネルギーを「見える化」し、家庭で使用する電力を節約するための管理システムのことです。
具体的には電気の使用量などをモニタリングする機器や家電制御を自動制御する機器のことをHEMS製品といいます。

「出力制御ユニット PCU-1」は、太陽光発電の発電状況や蓄電池の充放電状況をモニタリングできる機器で、PCやスマホ・タブレットで電力の状況を確認できます。
「スマートリーチ ヘムス」は電力だけではなく、ガス・水道の利用状況もモニタリングできます。価格はどちらの製品ともオープン価格です。

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他社商品との比較

高い技術水準を持つ京セラ製品ですが、他社製品と比べてどうなのでしょうか。

ここでは太陽電池モジュールと蓄電池について比較します。

太陽電池モジュールの比較

京セラの「エコノルーツ」の変換効率は16.2%です。
パナソニックやシャープ、カナディアンソーラーの物と比べると、やや劣ります。
価格面でもやや高めです。

しかし、京セラの長所は何といっても長寿命です。
長期にわたって使用したいと考えているのであれば、発電効率や価格よりも長寿命性を選択したほうがよいでしょう。
反対に、発電効率や価格面を重視するのであれば、他の会社の太陽電池モジュールの方がよいでしょう。

蓄電池の比較

京セラ蓄電池の特色は容量が大きいことです。
1つの蓄電池で最大15.0kWhという大容量の蓄電池は他社ではなかなかありません。
トリプル保証を付けた時に限りますが、20年という長期にわたって保証してくれるのも京セラならではの長所といえます。

しかし、大容量である分、重さはいかんともしがたいところがありますので、より小さい容量で十分なのであれば、他社製品を検討してもよいでしょう。

まとめ：京セラ製品は世界水準の高い耐久度を誇る

今回は京セラの太陽光発電の特徴についてまとめました。
京セラは高い技術力で世界的に知られたメーカーで、その能力が太陽光発電分野でもしっかりと発揮されています。

京セラの長所は世界水準の高い耐久度です。
一般的な制度試験をはるかに超える重度の負荷を与えても耐えられる京セラの製品は、結果的に長寿命となります。
太陽光発電設備は10年・20年と長期にわたり使用するので、耐久性は必須です。

しかも、近年は災害の激甚化が指摘されていますので、今まで以上に耐久性は重要となるでしょう。
今後は技術革新がさらに進められ、発電性能や価格面でも他社に迫る製品が出ると期待しています。

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