東京都で太陽光パネルが義務化へ【今後の影響や問題点について】
2025年4月より、東京都では新築戸建てに太陽光パネルを設置することの義務化が決定しました。
義務化によって今後、東京都の新築住宅の価格は高騰するでしょう。
「費用面にリスクがある」「火災が起きたらどうするの?」という気持ちの人も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、太陽光パネルの義務化によって影響を受けることや必要性について解説していきます。
目次
太陽光パネルを義務化するのはなぜ?【脱炭素社会を目指す対策】
2022年5月24日、東京都は新築住宅に太陽光パネルの設置を義務化することを発表しました。
東京都は、狭小住宅やワンルームマンションが多く、住宅も密集しており、屋根面積が広く太陽光パネルの設置に適しています。
今後も東京都の人口の増加に伴い、住宅の増加も予想されており、温室効果ガスの排出を減らすための制度です。
また、2050年までにカーボンニュートラルを実現するためにも、太陽光パネルの設置の義務化へ踏み切った模様です。
東京都の太陽光パネル義務化はいつから?
2025年4月より、東京都は新築住宅に太陽光パネルの設置を義務化することを発表しました。
義務化の対象者は、新築戸建てを設計する施工業者が対象者になります。
義務化を守れない場合は、事業社名を公表するなどの罰則を検討しています。
東京都の太陽光パネル設置状況
「東京都太陽光発電設備現況調査」によると、東京都全体で太陽光パネルを使用している世帯や事業者の割合は、3.8%と低い水準となっています。
太陽光パネルは、導入コストが高く、売電単価も低いため、現在も普及しづらいようです。
建物数 | 設置数 | 設置率 |
約270棟 | 約10万台 | 約3.8% |
太陽光パネルの義務化によって影響を受けるデメリット
義務化によって影響を受けるデメリットは、大きく分けて4つあります。
ここからは、それぞれの注意点について紹介します。
住宅価格が高くなる
義務化によって、住宅ローンの中に太陽光パネルの初期費用も上乗せされるため、住宅価格が高くなります。
太陽光パネルの初期費用は、1kWあたり20万〜30万円程度が相場です。
容量によって設置枚数は変わりますが、4kWのシステム容量の場合、100万〜120万円程度かかることになります。
また、ウッドショックや半導体不足が原因で、建築費用に大きく影響しています。
住宅設備メーカーのLIXILは、2022年9月1日よりインテリア建材などを10%〜20%値上げすることを発表しています。(引用元:日本経済新聞)
値上げ時期の開始は、各メーカーで異なるため、時期や値上げ率を確認した上で家づくりを進めるのが大切です。
発電量を下げないためにもメンテナンスが必要
太陽光発電パネルは、設置後3年を目安にメンテナンスが必要になります。
パネルの表面に手入れが行き届かなければ、発電効率の低下や故障リスクが高まるでしょう。
太陽光発電パネルは、およそ15年〜20年以上の寿命があり、継続してメンテナンスを行わなければなりません。
また、寿命を迎える時期には、太陽光パネルと合わせてパワコンの交換費用もかかるため、多額になることを頭に入れておきましょう。
売電収入が多いほど、確定申告が必要
売電収入から経費を差し引いた金額が、20万円を超えると確定申告が必要です。
現在、会社員として収入があり、年末調整を行っている場合は、20万円を越えない限り、確定申告が必要ありません。
屋根一体型の太陽光パネルの場合は、固定資産税を支払う必要があるので注意しましょう。
屋根面積が狭いとコストと効果のバランスが下がる
設置数が少ないと、売電収入が減り、費用とのバランスが悪くなります。
1kWあたり10〜15平方メートルのサイズが一般的で、設置枚数が少ないほど効率よく発電することが難しいです。
屋根の形状が複雑な場合は、太陽光パネルを隅々まで設置することができず、期待通りの収益を見込めない可能性が高くなります。
火災が起きた場合、有毒ガスが発生する
太陽光パネルの種類によって、セレン・インジウム・カドミウムなどが含まれており、大量の有毒ガスを発生させます。
火災が起きた場合は、有害な大気汚染を引き起こす可能性が高いです。
- セレン・インジウム:発がん性物質
- カドミウム:腎臓に機能障害を及ぼす
特に海外製の太陽光パネルには、製造コストを安く済ませるために「カドミウム」が含まれている場合があります。
火災時に太陽光パネルに水をかけると感電する恐れもあり、火を消すまでに時間がかかります。
また、消化した水には、有害物質が多く含まれているので、地下水にも影響が出やすいです。
太陽光発電を義務化して得られるメリット
ここまで、義務化によるデメリットを紹介してきましたが、今回はメリットについて解説していきます。
年間の光熱費を大幅に下げられる
太陽光パネルや蓄電池などのシステムを、上手く組み合わせれば大幅な光熱費の削減に期待ができます。
年間の消費電力と1太陽光パネル/kWの発電量は、下記の通りになります。
- 1kWあたりの太陽光パネルの年間発電量:1,000kWh (※1)
- 全国の年間消費電力量:4,322kWh (※2)
年間消費電力量を賄うためには、4kW〜5kWのパネルの設置が必要です。
太陽光パネルがあることで、高い電力を買わず、自家消費に回せるため、光熱費の削減効果に期待が持てるでしょう。
(※1 引用元:JPEA太陽光発電協会)
(※2 引用元:環境省「家庭でのエネルギー消費量について」)
昼間に発電して余った電気を売ることができる
昼間に太陽光パネルで発電して余った電力は、電力会社に売ることができます。
2022年の売電価格は、1kWあたり17円で売電することができ、10年間同じ価格で買取が可能です。
毎月売電することで、電力会社から売れた分の電気代が口座に入金されます。
自家消費しつつ、売電収入を得ることができるため、安定的な収入が見込めます。
太陽光パネル設置で屋根の断熱効果がUP
太陽光パネルは、断熱効果があり一年中、快適な温度で過ごせるようになります。
太陽光パネルには、夏場の強い日差しを遮断する効果があり部屋が涼しくなったり、冬場は放射冷却の効果で、熱が外に出やすくなったり部屋を暖かく保つことができます。
そのため、夏場・冬場のエアコンの設定温度を控えて使用することができ、光熱費の削減に繋がります。
太陽光パネル設置で停電時の電力をカバー
太陽光パネルは、停電時に自立運転に切り替えることで、電気の使用が可能です。
停電時に、太陽光パネルの専用コンセントに電気製品を差し込めば、自家発電した電気を使うことができます。
災害で停電が長引いた場合も、太陽光パネルで生み出した電力を使って、スマートフォンを充電したり、テレビを接続して見たりすることが可能です。
蓄電池に貯めることで発電しない時間帯も使える
蓄電池と併用することで、昼間に発電して余った電気を夜間に使用することが可能です。
太陽光パネル単体では、電力を貯めることができず、日中のみ電力を利用することができます。
また、蓄電池があれば災害時の非常用電源として使えたり、停電時に太陽光パネルの電力を蓄えたりできるメリットがあります。
東京都の太陽光パネルの補助金【2022年】
「2022年東京都の補助金」は、下記の通りになります。
自治体の補助金を合わせて、利用することができるので、補助金制度を行っている場合は早めの申請がおすすめです。
制度名 | 補助金額 | 対象 | 実施期間 |
災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業 | ・新築住宅 [3kW以下の場合] 12万円/kW(上限36万円) ・3kWを超える場合:10万円/kW(最大500万円/ 棟) ※3kWを超え3.6kW未満の場合:一律36万円 | ・所有者・集合住宅の管理組合・リース事業者 (国・地方公共団体を除外)
※高断熱窓、高断熱ドア、蓄電池システム及びエコキュートの導入と併せて設置した場合 | 申請受付:令和4年度~令和6年度(予定) |
東京ゼロエミ住宅導入促進事業 | ・戸建住宅:最大210万円/ 戸 ・集合住宅:最大170万円/ 戸 ・太陽光発電設備を設置した場合 3kW未満:12万円/kW(上限36万円) 3kW超:10万円/kW(上限500万円) | ・都内の新築住宅(戸建住宅・集合住宅等) ・床面積の合計が2,000㎡未満のもの | 申請受付:令和4年度~令和6年度(予定) |
義務化で新築一戸建ての価格が高騰!【上がる前の購入が得策】
ウッドショックや半導体不足が原因で、建築費用やトイレ・お風呂などの設備費用にも大きく影響しています。
住宅設備メーカーによって、値上げする時期は異なるため、希望のメーカーが値上げする前に住宅購入を検討するのがベストです。
多くの国や自治体では、蓄電池との併用で、補助金を利用することができます。
東京都で新築戸建てを建てるタイミングに、セット導入を検討してみるのも良いかもしれませんね。
リノベステーションでは多くのメーカーの蓄電池や太陽光発電を取り扱っております。
手続きが面倒な補助金申請も代行しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
無料お見積もりも承っております。見積もり依頼はこちら。
IHやエコキュートのお取り扱いもございます。
この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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