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蓄電池の寿命の目安は?メーカー別サイクル数・長持ちのコツも解説!

2024年01月04日更新

蓄電池の寿命をネット検索しても、「10年〜15年」「20年〜30年」などと結果がバラバラで困ってしまった経験はありませんか?

本記事では、「蓄電池の寿命目安と実際の寿命の違い」「サイクル数と法定耐用年数の違い」「寿命を伸ばす5つのコツ」をわかりやすく解説していきます。

「メーカーやモデルごとのサイクル数の違い」についてもご紹介していますので、蓄電池をできるだけ長持ちさせたい方はぜひご覧ください!

蓄電池の寿命の目安やメーカーごとの違い・サイクル数について解説

まずはじめに、一般的な蓄電池の寿命の目安や、「サイクル数・法定耐用年数」などの専門用語の解説、メーカーごとの寿命の違いをくわしくご紹介していきます。

家庭用蓄電池の寿命は「10年〜15年」が目安とされている

一般的なリチウムイオンの家庭用蓄電池の寿命は「10年〜15年」が目安とされていますが、使い方次第では「20年〜30年」の使用も充分可能です。

寿命が10年〜15年とされる理由は「メーカー保証期間が10年〜15年だから」であり、大きな故障がなければ性能の低下はあれど日常使用には問題ありません。

各メーカーでは「バッテリー保証」として「定格容量の60%〜70%」の性能を保証しているため、15年後でもすぐに買い替えを検討するほどではないでしょう。

一般的な蓄電池の寿命は「メーカー保証期間に基づいたひとつの目安」であり、ほとんどの場合では継続して使い続けられます。

蓄電池の寿命を表す「サイクル数」「法定耐用年数」とは?

蓄電池の寿命を表す数値には「サイクル数」と「法定耐用年数」の2種類があり、2つの違いを適切に理解しておくことがとても重要です。

サイクル数とは「残量ゼロからフル充電し、残量ゼロまで放電した回数」のことで、メーカーが設定したサイクル数を超えると、バッテリー性能の低下が目立つようになります。

法定耐用年数とは「固定資産としての価値がある年数」のことで、蓄電池は6年と定められています。

この値は実際の蓄電池の寿命とはまったく関係ありません。

寿命の長さに関わらず蓄電池の法定耐用年数は6年ですので、できるだけ寿命の長いモデルを選ぶ際には「サイクル数の長さ」だけを確認すれば済みます。

こんなに違う!メーカーごとの寿命の違いを徹底比較!

蓄電池の寿命をチェックする際の目安となるサイクル数ですが、実はメーカーや機種によって以下のように大きな違いがあります。

メーカー

モデル名

蓄電容量

サイクル数(目安)

パナソニック

LJB1256

5.6kWh

約10,000回(非公表)

シャープ

JH-WB1921

6.5kWh

8,000回

長州産業

スマートPVマルチ

6.5kWh

11,000回

伊藤忠商事

スマートスターL

9.8kWh

6,000回

ニチコン

ESS-U2M

11.1kWh

約10,000回(非公表)

テスラ

Powerwall

13.5kWh

約5,000回(非公表)

京セラ

エネレッツァ

15.0kWh

12,000回

単純にサイクル数が大きいほど寿命が長くお得に使えますが、「価格が高くなりがち」というデメリットもあるため、ちょうど良いバランスを見つけることが大切です。

さらに、メーカー保証期間を過ぎると故障時に有料修理になってしまうため、「期間内に使い切るサイクル数」で選び、期間終了後は買い換えるのも有効といえます。

蓄電池は寿命が過ぎてもまだまだ使えるって本当?

一部の訪問営業などでは「10年〜15年以上経った蓄電池は使えなくなる」と偽って買い替えを勧めるケースがありますが、実際にはまだまだ使えることが大半です。

一般的な寿命が過ぎた蓄電池でも即座に機能停止するわけではなく、バッテリーの性能が下がるものの普段づかいには問題ないでしょう。

一方で、保証期間を過ぎ、パーツの保管期限も過ぎたモデルは「修理が不可能」な場合もあるため、万が一に備えて買い替えの準備はしておいて損はありません。

性能の劣化が気になる方は保証期間内に一度点検を依頼することでプロの意見を聞けますので、誤った情報に流されず冷静に判断してくださいね。

蓄電池の寿命を長持ちさせる「5つのコツ」を徹底解説!

つづいて、蓄電池の寿命を長持ちさせる「5つのコツ」をくわしく解説していきます。

【コツ①】「過放電」「過充電」しない使い方を習慣化する

蓄電池を思わぬダメージによる劣化から守るために、日頃から「過充電」や「過放電」をしない使い方を身につけましょう。

過放電とは「電池残量がゼロの状態でしばらく放置している」ことで、バッテリーの電圧が下がり性能低下の一因となります。

過放電とは「電池残量がフルの状態から何度も充電する」ことで、過放電と同じく電圧低下によるダメージの蓄積が懸念されます。

近年の蓄電池は「BMS(バッテリーマネジメントシステム)」により自動的に過放電・過充電を避けるため基本的に管理は不要ですが、リスクについては覚えておいて損はないでしょう。

【コツ②】直射日光や過酷な環境・高温や低温を避ける

蓄電池には「−10℃〜+40℃」ほどの動作適温が設定されており、基準を超える極端な高温・低温での稼働はバッテリーを痛める原因となります。

特に注意したいのは直射日光による熱です。

日光が直接当たらなくても夏場はかなりの高温になるため、なるべく日の当たらない場所に設置するべきでしょう。

また、北国にお住まいの方は冬場の低温による性能低下も課題となります。

「低温に強いモデルを設置する」「室内設置が可能なモデルを選ぶ」などの対策を取りましょう。

蓄電池の動作適温はメーカーやモデルによっても大きく違うため、該当する地域に設置する場合はしっかりとカタログを確認することをおすすめします。

【コツ③】1日1サイクルで済む「大きめ」の容量を選ぶ

蓄電池の寿命はサイクル数(充放電回数)によって決まるため、購入する際には「1日1サイクル」程度で済む余裕のあるサイズ選びが肝心です。

単純に1日2サイクルが必要なモデルと、1サイクルで済むモデルでは寿命に「2倍」の差が生まれますので、多少費用がかかっても大容量のほうがランニングコストに優れます。

また、サイクル数の目安はメーカーによっても「6,000回〜12,000回」ほどと差が激しいため、価格が安いからと言って短命なモデルを買うのは損といえるでしょう。

大きめサイズの蓄電池なら、数日にわたる停電対策や太陽光発電との連携にも役立ちます。

「どちらか迷ったら大きめ」を選ぶことをおすすめします。

【コツ④】太陽光発電と組み合わせて電池の負担を減らす

太陽光発電を設置している家庭では、昼間は発電したエネルギーで過ごすことで蓄電池の充電・放電サイクル数を節約して寿命を伸ばせます。

日中の電気を太陽光だけでまかなえれば蓄電池は夜だけの使用で済みますので、1日1サイクル以下でバッテリーを温存することも可能になります。

さらに、昼間に使い切れなかった太陽光エネルギーは蓄電池に充電しておけるため、高騰を続ける電気代対策としても非常に効果が期待できますね。

近年では「初期費用ゼロ円」で太陽光発電を設置できる「リースタイプ」も増えていますので、蓄電池とセットで検討してみる価値はあるでしょう。

【コツ⑤】しばらく使わないときは「残量50%」くらいで保管する

長期の旅行や出張などでしばらく蓄電池を保管する際には、バッテリー残量を「50%〜80%くらい」の状態で保管すれば劣化を防げます。

残量がゼロ付近での保管は「内部システムのエラー」を誘発する恐れがあり、バッテリーの性能が低下する可能性があります。

フル充電状態での保管は「バッテリーの化学反応が継続」してしまうため、やはり蓄電池の寿命を短くする一因となってしまいます。

別荘などでほとんど蓄電池を稼働させないケースでは「1年に1回」を目安に50%〜80%に充電しておき、適切な状態で保管しましょう。

【まとめ】蓄電池の寿命はメーカーで大きく違う!比較して決めよう

本記事でくわしく解説してきた「蓄電池の寿命」についての重要ポイントを、もういちど以下にまとめていきます。

  • 蓄電池の寿命は10年〜15年が目安だが保証期間が根拠であり、実際にはさらに長く使える
  • バッテリー寿命を正確に表す基準「サイクル数」は、メーカーやモデルによって大きく違う
  • 蓄電池の「法定耐用年数(6年)」は固定資産としての価値であり、本体の寿命とは関係ない
  • 一般的な寿命を過ぎた蓄電池でも、性能は低下するもののまだまだ使えるケースが多い
  • 寿命を伸ばすには過放電・過充電を避け、極端な高温・低温にさらされない設置場所を選ぶ

サイクル数の大きな蓄電池ほど長寿命な反面、割高になりがちですので、購入する際には「使用量に合った寿命と価格のバランス」が重要となります。

「結局どれを選んでいいかわからない…」とお困りの方は、複数の販売店に試算を依頼し、比較して最適なモデルを決める方法がおすすめです。

販売店によっては国や自治体の「蓄電池補助金」についてのアドバイスや代行申請を行ってくれる場合もありますので、積極的に利用してお得に蓄電池を導入しましょう!

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この記事の監修者

中田 萌

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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