5人家族の電気代、平均はいくら？高い理由と今すぐできる節約術、太陽光発電まで徹底解説

「最近、電気代の請求額が上がっている」「5人家族だと、電気代はいくらくらいが普通なの？」とお悩みではありませんか。

物価高騰が続くなか、特に人数の多いご家庭では電気代の負担が家計に重くのしかかります。ご家庭の電気代が平均と比べて高いのか安いのか、気になっている方も多いはずです。

この記事では、公的データを基にした5人家族の電気代平均額から、電気代が高騰する理由、今日から実践できる具体的な節約術、そして根本的な解決策としての太陽光発電導入まで、専門家の視点で詳しく解説します。

この記事のポイント（結論）

• 総務省の家計調査によると、5人家族の電気代平均（2023年）は月額 約16,634円です。ただし、この数値は地域や季節、ライフスタイルによって大きく変動します。
• 電気代が高騰する主な要因は、「燃料費調整額」の上昇、家族の在宅時間の増加、消費電力の大きな家電（エアコン、給湯器、冷蔵庫）の使用頻度にあります。
• 節約には「契約プランの見直し」「家電の効率的な使用」が有効ですが、根本的な解決策として「太陽光発電と蓄電池による自家消費」が非常に効果的です。

5人家族の電気代、平均は月額16,634円

【この章の要旨】

公的な統計データに基づき、5人家族の電気代の平均額を明らかにします。ご家庭の電気代が平均と比較して高いのか安いのかを判断する基準（季節変動・地域差）についても詳しく解説します。

「5人家族の電気代」といっても、その金額は住んでいる地域、家の広さ（戸建てかマンションか）、オール電化かどうか、家族の在宅時間など、多くの要因によって変動します。

まずは、客観的なデータとして最も信頼性の高い、総務省統計局の「家計調査」の結果を見てみましょう。

公的データに見る「5人家族」の電気代平均

総務省統計局が公表している「家計調査（家計収支編）」では、世帯人員別の詳細な支出データが確認できます。2023年（令和5年）のデータによると、世帯人員「5人」の場合の電気代平均は以下の通りです。

項目	月額平均	年間（月額×12）
5人家族の電気代	16,634円	約199,608円
4人家族の電気代	15,649円	約187,788円
（参考）2人家族の電気代	11,308円	約135,696円

2023年の平均では、5人家族の電気代は月額16,634円でした。4人家族（15,649円）と比較すると約1,000円高く、人数が増えるほど電気代が順当に増加していることが分かります。

もし、あなたのご家庭の電気代がこの平均額を大幅に超えている場合（例えば2万円台後半～3万円台）、何らかの対策が必要かもしれません。

電気代は「夏」と「冬」に急増する

電気代は一年中一定ではありません。特に5人家族のように人数が多いと、季節による変動幅が大きくなる傾向があります。

家計調査のデータを四半期別（3ヶ月平均）で見ると、その差は明らかです。

時期（2023年）	5人家族の電気代（月額平均）	主な要因
第1四半期（1〜3月）	21,085円	暖房（エアコン、電気ストーブ、こたつ）の使用
第2四半期（4〜6月）	13,639円	冷暖房の使用が少ない時期
第3四半期（7〜9月）	15,282円	冷房（エアコン）の使用
第4四半期（10〜12月）	16,530円	暖房の使用開始

最も電気代が安価な「4〜6月」と、最も高額な「1〜3月」を比較すると、その差は月額約7,400円にも達します。

これは、冬の暖房（エアコンやヒーター）や、夏の冷房（エアコン）の使用量が、電気代に直接的な影響を与えるためです。特に5人家族では、リビングだけでなく子供部屋など複数の部屋で同時にエアコンを使用する機会が増えるため、変動幅が大きくなります。

地域によっても電気代は異なる

電気代は、お住まいの地域（電力会社の管轄）によっても差が出ます。気候条件（冬の寒さが厳しい北海道・東北）や、電力会社の料金設定（燃料費の違い）が影響するためです。

例えば、家計調査の地方別データ（2023年・二人以上世帯の平均）を見ると、北陸地方（15,220円）や北海道地方（13,912円）が、沖縄地方（11,288円）や関東地方（13,116円）よりも高い傾向にあります。

5人家族の場合、これらの地域差がさらに拡大する可能性があるため、「全国平均」だけでなく「お住まいの地域の気候特性」も考慮して比較することが重要です。

【この章のまとめ】

5人家族の電気代平均は月額約1.6万円（2023年）ですが、冬場（1〜3月）は2.1万円を超えることもあります。ご家庭の電気代がこれらの平均、特にピーク時期の金額を上回っている場合は、次の章で解説する「電気代が高くなる理由」が当てはまっていないか確認しましょう。

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なぜ5人家族の電気代は高くなるのか？内訳と要因

【この章の要旨】

5人家族の電気代が他の世帯より高くなりやすい具体的な理由を深掘りします。電気料金の仕組み（内訳）から、家庭内の電力消費の「犯人」までを特定します。

平均額と比べて「うちの電気代はやっぱり高い」と感じた場合、その原因はどこにあるのでしょうか。電気料金の仕組みと、5人家族特有の事情から要因を探ります。

電気料金の内訳：高騰の正体は「燃料費調整額」

まず、毎月の「電気ご使用量のお知らせ（検針票）」に記載されている内訳を確認しましょう。電気料金は、主に以下の3つで構成されています。

1. 基本料金（または最低料金）：契約アンペア（A）数やプランごとに固定でかかる費用。
2. 電力量料金：使用した電力量（kWh）に応じてかかる費用。
3. 再生可能エネルギー発電促進賦課金（再エネ賦課金）：再生可能エネルギーの普及のために、全世帯が負担する費用。

そして、近年電気代高騰の最大の要因となっているのが、(2)の電力量料金に含まれる「燃料費調整額（燃調費）」です。

燃料費調整額とは、火力発電に使う燃料（原油、LNG、石炭）の輸入価格変動を電気料金に反映させる仕組みです。世界情勢の不安定化により燃料価格が高騰すると、この燃調費が上昇し、私たちがいくら節電を頑張っても電気代全体が上がってしまうのです。

2022年から2023年にかけての急激な電気代上昇は、この燃料費調整額の高騰が大きな原因でした。政府の「電気・ガス価格激変緩和対策事業」による補助金で一時的に負担は軽減されましたが、燃料価格の動向次第では、今後も電気代が上昇するリスクは常につきまといます。

5人家族で電力消費が増える3つの理由

燃料費高騰という外部要因に加え、5人家族には特有の「電気を多く使う」内部要因があります。

1. 家電の数と使用時間の増加

人数が増えれば、当然ながら家電の数も使用時間も増えます。

• 照明・テレビ：家族がそれぞれ別の部屋で過ごす時間が増え、照明やテレビの同時使用が増加。
• エアコン：リビング＋子供部屋（2〜3部屋）など、同時に複数台が稼働。
• 冷蔵庫：食材のストックが増えるため、大型の冷蔵庫が必要になり、開閉回数も増加。
• 洗濯機：洗濯の回数が1日2〜3回になることも。乾燥機まで使えばさらに増加。
• その他：ドライヤー、スマホの充電、ゲーム機なども5人分となります。

2. 在宅時間の長さ（ライフスタイルの多様化）

5人家族と一口に言っても、夫婦共働き、専業主婦（主夫）、未就学児、学生など、ライフスタイルは様々です。

• 日中も誰かしら（例：未就学児と親）が家にいる。
• 夕方〜夜は学生（子供）が帰宅し、深夜まで受験勉強やゲームをする。
• テレワーク（在宅勤務）で日中の電力消費が増加。

このように、家族の誰かが在宅している時間が長くなりがちで、結果として1日中電気を使っている状態になります。

3. 給湯（お風呂・食器洗い）の使用量

電気代高騰の影に隠れがちですが、「給湯」も光熱費を押し上げる大きな要因です。5人家族が毎日お風呂に入り、シャワーを使えば、お湯を沸かすエネルギー（ガスまたは電気）が大量に必要です。

特に「オール電化」でエコキュートや電気温水器を利用している場合、夜間の割安な電力でお湯を沸かしますが、お湯の使用量が想定（タンク容量）を超えると、日中の割高な電気で「沸き増し」を行う必要があり、電気代が跳ね上がる原因となります。

【この章のまとめ】

電気代の高騰は、「燃料費調整額」という外部要因と、5人家族特有の「家電の多用」「在宅時間の長さ」「給湯量の多さ」という内部要因が組み合わさって発生しています。次の章では、これらの要因を踏まえた具体的な節約術を見ていきましょう。

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今日からできる！5人家族のための電気代節約術10選

【この章の要旨】

家計への負担を少しでも減らすため、今日からすぐに実践できる具体的な節約術を紹介します。「契約の見直し」と「家電の効果的な使い方」の2つの側面からアプローチします。

電気代が高い原因が分かったところで、具体的な節約アクションに移りましょう。効果が出やすい順に紹介します。

（A）契約・設定の見直し（効果大）

1. 契約アンペア数を見直す（従量電灯プランの場合）

東京電力などの「従量電灯」プランでは、契約アンペア（A）数（30A, 40A, 50A, 60Aなど）に応じて基本料金が決まっています。5人家族だからと余裕をもって60Aにしているかもしれませんが、同時に使う家電を工夫すれば50Aや40Aでも足りる場合があります。

（例：東京電力 従量電灯Bの場合、60A→50Aに変更するだけで月額約300円、年間約3,600円の固定費が削減できます）

ただし、下げ過ぎて頻繁にブレーカーが落ちると不便なため、過去1年間で最も電気を使った時期の電力使用量を確認してから判断しましょう。

2. 電力会社・料金プランを見直す

2016年の電力自由化以降、私たちは自由に電力会社を選べるようになりました。5人家族で電気使用量が多い（月400kWh以上など）ご家庭ほど、新電力への切り替えメリットが大きくなる可能性があります。

また、在宅時間が長い（日中の電気使用量が多い）ご家庭、逆（夜間や週末に集中する）ご家庭など、ライフスタイルに合ったプラン（時間帯別料金プランなど）に変更するだけでも、電気代が安くなるケースがあります。

3. オール電化プランの「時間帯」を意識する

オール電化住宅にお住まいの場合、多くは「夜間電力（深夜1時〜朝6時など）が安く、日中が高い」プランに加入しています。5人家族で日中の在宅者が多い場合、この「割高な時間帯」に電気を大量に使っている可能性があります。

洗濯乾燥機、食洗機、炊飯器のタイマー機能などを活用し、できるだけ「夜間の安い時間帯」に動作させるよう工夫しましょう。

（B）家電の使い方を見直す（効果中〜小）

家庭の電力消費の多くを占める「エアコン」「冷蔵庫」「給湯」「照明」の使い方を見直します。

4. エアコン（冷暖房）

• フィルター掃除は2週間に1回：フィルターが目詰まりすると冷暖房効率が著しく低下します。5人家族で複数台をフル稼働させているなら、掃除の頻度が節約に直結します。
• サーキュレーターの併用：冷気は下に、暖気は上に溜まります。サーキュレーターで空気を循環させ、部屋全体の温度ムラをなくすことで、エアコンの設定温度を1℃変える（約10%の節電）効果が期待できます。
• 自動運転モードの活用：最新のエアコンは、自動運転が最も効率的に室温を維持できるように設計されています。

5. 冷蔵庫

• 設定温度を「強」から「中」へ：庫内の温度を確認し、冷やしすぎないように設定します。
• 詰め込みすぎない（冷凍庫は別）：冷蔵室は7割程度に。冷気の通り道を作ることで効率よく冷やせます。逆に冷凍庫は、凍った食品同士が保冷剤代わりになるため、ある程度詰まっている方が効率的です。
• 開閉時間を短く：5人家族だと開閉回数が多くなりがち。「マイルール（飲み物はドアポケットに集約など）」を決めましょう。

6. 給湯（エコキュート・電気温水器）

• 「沸き増し」を避ける：日中の割高な電力での沸き増しは、電気代が高くなる大きな要因です。タンクのお湯が頻繁に足りなくなる場合は、家族のお風呂の時間をまとめる、シャワーを出しっぱなしにしない、といった工夫が必要です。
• 季節ごと（夏・冬）の設定見直し：冬場は湯温を高めに、夏場は低め（または「おまかせ」）に設定するなど、季節ごとに設定を見直します。

7. 照明

• LEDへの交換：まだ白熱電球や蛍光灯を使っている部屋があれば、すぐにLEDに交換しましょう。消費電力は約1/5〜1/8になり、寿命も格段に長くなります。5人家族で点灯時間も部屋数も多いため、交換費用も比較的短期間で回収できる可能性があります。
• こまめに消灯：基本的なことですが、使っていない部屋（子供部屋、トイレ、洗面所）の電気は消す習慣を家族全員で共有しましょう。

8. 洗濯乾燥機・食洗機

• まとめて洗う：5人家族分の洗濯物や食器は、こまめに洗うより、容量いっぱいまで溜めてから（または1日1〜2回にまとめて）運転する方が効率的です。
• 乾燥機能より自然乾燥：電気代（特に乾燥機）を節約するなら、極力自然乾燥（部屋干し＋サーキュレーター）を心がけましょう。

9. 待機電力のカット

使っていない家電の待機電力も、積み重なれば無視できません。長期間使わないゲーム機、テレビ、パソコンなどは、主電源を切るか、節電タップでこまめにオフにしましょう。

10. 最新の省エネ家電への買い替え

10年以上前のエアコンや冷蔵庫を使っている場合、最新の省エネモデルに買い替えるだけで、電気代が劇的に下がる可能性があります。特に5人家族用の大型冷蔵庫や、長時間稼働するリビングのエアコンは特に高い節約効果が期待できます。初期費用はかかりますが、数年で元が取れるケースも少なくありません。

【この章のまとめ】

節約術は「契約見直し（固定費削減）」と「家電の使い方（変動費削減）」の二段構えで実行すると効果的です。しかし、これらの節約術を徹底しても、燃料費高騰の影響を受け続ける限り、電気代の悩みから完全に解放されるのは難しいかもしれません。

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節約の「次」へ。根本解決としての太陽光発電とオール電化

【この章の要旨】

日々の節約術には限界があります。電気代高騰のリスクから家計を守るための、より根本的・長期的な解決策として「太陽光発電」「蓄電池」「エコキュート（オール電化）」の導入メリットと役割を解説します。

前章で紹介した節約術は、いわば「支出を減らす」努力です。しかし、燃料費高騰が続けば、その努力も追いつかなくなります。
そこで注目されるのが、「電気を電力会社から買う量を減らし、自分でつくる（自家消費）」という根本的な解決策です。

太陽光発電：日中の電気を「買う」から「つくる」へ

5人家族の電気代が高くなる要因の一つに、「日中の在宅時間が長く、電力消費が多い」点がありました。太陽光発電は、まさにこの弱点を強みに変えることができます。

太陽光発電システムを導入すると、太陽が出ている日中の時間帯、発電した電気を家庭内で優先的に使うことができます。これが「自家消費」です。

日中に発電した電気で、エアコン、冷蔵庫、テレビ、洗濯機などの電力をまかなえれば、電力会社から電気を買う量（kWh）が大幅に減ります。特に5人家族の場合、日中の消費量が多いため、発電した電気を無駄なく自家消費に回せる可能性が高く、大きな節約効果が期待できます。

仮に日中の割高な電気（例：35円/kWh）の購入を、自家消費で月100kWh減らせたとすれば、それだけで月3,500円の電気代削減になります。

蓄電池：つくった電気を「貯めて」夜間に使う

太陽光発電は、太陽が出ていない夜間や雨の日は発電できません。そこで活躍するのが「家庭用蓄電池」です。

蓄電池を併設することで、日中に太陽光発電でつくった電気のうち、使い切れずに余った分（余剰電力）を貯めておくことができます。そして、太陽が沈んだ夜間に、貯めた電気を放出して使うのです。

これにより、夜間（本来なら電気を買わなければならない時間帯）の電力購入量も減らすことができます。また、災害などで停電が発生した際も、蓄電池に電気が残っていれば、非常用電源として使える（自立運転）という大きな安心感も得られます。

エコキュート（オール電化）：夜間の電気を「活用」する

5人家族の光熱費を押し上げる「給湯」。この給湯コストを劇的に下げるのが、エコキュート（自然冷媒ヒートポンプ給湯機）です。

エコキュートは、空気の熱を利用してお湯を沸かすため、従来の電気温水器やガス給湯器に比べて非常に高効率（消費電力が約1/3程度）です。
さらに、太陽光発電と組み合わせる場合、以下のようなメリットがあります。

• 夜間電力で沸かす（従来型）：オール電化の夜間プランを利用し、深夜の安い電力でお湯を沸かしておく。
• 太陽光で沸かす（おひさまエコキュートなど）：日中の太陽光発電の余剰電力を利用して、お湯を沸かす。これにより、売電するよりも自家消費（給湯）に回した方が経済的メリットが大きくなる場合があります。

5人家族でお湯の使用量が多いため、高効率なエコキュートに切り替えるだけでも、光熱費全体の大幅な削減が期待できます。

【この章のまとめ】

日々の節約には限界があります。「太陽光発電（つくる）」「蓄電池（ためる）」「エコキュート（かしこく使う）」を導入することで、電気代高騰のリスクに左右されにくい「電気の自給自足」に近い生活を目指すことが、5人家族の家計を守る強力な手段の一つとなります。

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導入で失敗しないために。業者選びと補助金の注意点

【この章の要旨】

太陽光発電や蓄電池の導入は大きな投資です。高額な買い物で後悔しないために、優良な業者の見極め方、補助金制度の正しい理解、そして訪問販売などへの対処法といった「失敗しないための注意点」を解説します。

太陽光発電や蓄電池は、正しく導入すれば5人家族の家計を長期的に支える強力な味方になります。しかし、導入時に判断を誤ると、期待した効果が得られないばかりか、大きな損失を被る可能性もあります。
最後に、失敗しないための重要な注意点を3つお伝えします。

注意点1：補助金は「年度」と「自治体」が命

太陽光発電や蓄電池、エコキュートの導入には、国や地方自治体（都道府県・市区町村）から補助金が交付される場合があります。5人家族向けの「子育て世帯支援」といった上乗せ措置がある場合もあり、活用しない手はありません。

【注意点】

• 補助金には必ず「予算」と「期限」があります。「今ならまだ間に合います」という営業トークを鵜呑みにせず、必ずご自身で自治体の公式ホームページを確認するか、複数の業者に裏付けを取ることが重要です。
• 申請は「契約前」が原則：多くの補助金は、「工事の契約前」または「着工前」に申請が必要です。契約後に補助金の存在を知っても手遅れになるケースがほとんどです。
• 国と自治体の併用可否：国の補助金と自治体の補助金は、条件次第で併用できる場合があります。知識豊富な業者であれば、利用可能な制度を最大限活用する提案をしてくれるはずです。

注意点2：「実質0円」や「シミュレーション」の罠

訪問販売や電話勧誘で、「太陽光発電が実質0円で設置できます」「売電収入だけでローンが返せます」といった勧誘を受けることがあるかもしれません。これらは非常にリスクの高いトークです。

【注意点】

• 「実質0円」は存在しない：初期費用0円の「リース契約」や「PPAモデル」である可能性が高く、月額利用料が発生したり、契約期間中は自由に売電できなかったりする場合があります。
• 甘いシミュレーションに注意：発電量は、屋根の形状、方角、日射量、周辺の建物の影などによって大きく変動します。業者から提示されたシミュレーションが、ご自宅の条件を無視した「最大値」や「理想値」になっていないか、厳しくチェックする必要があります。
• 回収期間の前提条件：10年で元が取れる、といった試算も、「将来の売電価格」や「電気代の上昇率」をどう設定しているかによって変わります。その前提条件が現実的かを見極める必要があります。

注意点3：業者選びは「相見積もり」と「施工実績」で決める

太陽光パネルや蓄電池は、10年、20年と長く使い続ける設備です。設置工事の品質や、導入後のアフターフォロー体制も非常に重要になります。

【注意点】

• 必ず3社以上から相見積もりを取る：1社だけの見積もりでは、その価格が高いのか安いのか、提案された機器（パネルや蓄電池のメーカー・容量）がご家庭に最適なのか判断できません。
• 見積書の内訳を比較する：「一式」ではなく、機器の型番、容量（kW, kWh）、工事費、諸経費が詳細に記載されているかを確認します。
• 施工実績と保証内容を確認する：ご自宅と似た条件（例：同じ地域の戸建て、5人家族向け）での施工実績が豊富か、メーカー保証（製品）と施工保証（工事）の内容が充実しているかを確認しましょう。

特に訪問販売で即決を迫られた場合は、その場で安易に契約せず、一度冷静になって比較検討することが、高額な設備投資で失敗しないための鉄則です。

【この章のまとめ】

5人家族の電気代対策としての設備導入は、焦らず、信頼できる情報源を基に判断することが成功の鍵です。補助金情報を正しく理解し、「実質0円」の謳い文句に惑わされず、複数の業者を比較して、ご家庭に最適な提案と施工品質を提供してくれるパートナーを選びましょう。

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「5人家族の電気代」に関するよくある質問（FAQ）

Q1. 5人家族で電気代が月2万〜3万円は高すぎ？

A. 平均よりは高いですが、状況次第ではあり得ます。

2023年の5人家族の電気代平均は月額16,634円、最も高い冬（1〜3月）でも平均21,085円でした。そのため、通年で月2万円台後半や3万円を超えている場合は「高い」と言えます。

ただし、以下のようなご家庭は平均よりも高額になりがちです。

• オール電化住宅で、日中の「沸き増し」が多い。
• 家族の在宅時間が長く、複数の部屋で冷暖房を常時使用している。
• 電力消費の大きい古い家電（10年以上前のエアコンや冷蔵庫）を使っている。
• お住まいの地域（電力会社）の料金単価が高い。

※まずは本文で紹介した節約術を試し、それでも下がらない場合は、電力プランの見直しや設備導入の検討をおすすめします。

出典：総務省統計局「家計調査（2023年）」

Q2. 電気代が特に高い季節（夏・冬）だけの対策は？

A. 夏と冬は「エアコン」と「給湯」の対策が特に重要です。

5人家族の電気代が跳ね上がる夏と冬は、電力消費のツートップであるエアコンと給湯器（エコキュート含む）の使い方が鍵を握ります。

• エアコン（共通）：フィルター掃除（2週間に1回）を徹底し、サーキュレーターを併用して設定温度を（冷房は高め、暖房は低め）に保ちます。
• エアコン（夏）：日中は「すだれ」や「遮熱カーテン」で窓からの日差しを遮断し、室温の上昇を防ぎます。
• エアコン（冬）：窓の断熱（断熱シート、厚手のカーテン）を行い、暖気を逃さないようにします。
• 給湯（冬）：お風呂のお湯が冷めないよう、家族が入る時間をまとめる。エコキュートの湯温設定を季節（冬）モードに切り替えます。

※特にエアコンは、5人家族だと複数台が稼働するため、1台ずつの地道な対策が大きな節約につながります。

Q3. 太陽光発電で電気代はどれくらい安くなる？

A. ご家庭の電気使用量や導入するパネル容量によりますが、日中の電気代を大幅に削減できる可能性があります。

太陽光発電のメリットは、発電した電気を家庭で使う「自家消費」により、電力会社から買う電気を減らせる点にあります。5人家族で日中の電力消費が多いご家庭は、発電した電気を無駄なく使えるため、高い節約効果が期待できます。

例えば、日中に30円/kWhの電気を月150kWh（月4,500円分）買っていたとして、その全てを太陽光の自家消費でまかなえれば、単純計算で月4,500円の節約になります。さらに蓄電池を導入すれば、夜間の電力購入も減らすことができます。

※正確な削減額は、お住まいの地域の日射量、屋根の方角・傾斜、現在の電気使用状況（ライフスタイル）によって異なります。専門業者による詳細なシミュレーションが必要です。

Q4. 賃貸（マンション）の5人家族でもできる節約術は？

A. 設備導入は難しいですが、「契約見直し」と「家電の使い方」で節約が可能です。

賃貸やマンションでは太陽光発電などの設備導入はできませんが、諦める必要はありません。本文の第3章で紹介した節約術の多くは、賃貸でも実践可能です。

• 電力会社の切り替え：電力自由化により、賃貸でも電力会社は自由に選べます。電気使用量が多い5人家族向けのプランに変更できないか検討しましょう。（※建物全体で一括受電している場合は不可）
• 家電の使い方：エアコンのフィルター掃除、冷蔵庫の設定見直し、LEDへの交換、待機電力のカットなどは、持ち家・賃貸問わず効果があります。
• 省エネ家電への買い替え：冷蔵庫やテレビなど、ご自身で所有している家電が古い場合は、省エネモデルへの買い替えも有効です。（エアコンは備え付けの場合、大家さんとの相談になります）

Q5. 太陽光発電やエコキュートに使える補助金は？

A. 国や自治体（都道府県・市区町村）が、年度ごとに様々な補助金事業を実施しています。

例えば、国では2024年の「子育てエコホーム支援事業」の後継事業である「子育てグリーン住宅支援事業（2025年）」や、「先進的窓リノベ2025事業」、経済産業省による蓄電池関連の補助金などがあります。東京都のように、自治体独自で手厚い補助金（例：東京ゼロエミ住宅）を用意している場合も多くあります。

特に5人家族（子育て世帯）であることは、補助金の対象要件や交付額の上乗せ条件になる場合があります。

※補助金は予算と期限があり、申請要件も複雑です。必ず最新年度の募集要項を自治体の公式ホームページで確認するか、補助金申請に詳しい専門業者に相談してください。

出典：住宅省エネ2025キャンペーン（国土交通省・経済産業省・環境省）