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蓄電池は災害対策になる?災害時の活用法と使えない場面を紹介!

2024年01月04日更新

地震などの災害対策として注目を集めている「家庭用蓄電池」。

今回は、災害対策として蓄電池を使用するメリットや、蓄電池が使えなくなるケースなどを解説します。

記事の最後には、災害対策として蓄電池を購入する時の選び方を紹介していますので、参考にしてみてください。

目次

2020年に災害対策として蓄電池に注目が集まった!

世界的にみても地震が多い日本。

日本列島は、4つの岩盤の上にまたがって位置しており、岩盤の境目が多いことから、日本は他の国に比べて地震が起きやすくなっています

地震によって電線が破損するなどした場合、大規模な停電が起こるリスクが大きくなってしまいます。

特に、今後起こるとされている「南海トラフ地震」には、しっかりとした対策が必要です。

地震以外にも、2024年7月現在、大雨の被害が目立っています。

2020年には、九州で大型台風による大規模停電が起きました。

上記のように、地震や台風などによる停電対策として「家庭用蓄電池」が注目を集めています

ポイント① 2024年現在蓄電池を導入する家庭は増加傾向に

蓄電池が普及し始めた2015年の蓄電池の導入量実績は1,000MWhを少し超えるくらいでした。

対して、2021年の導入量実績は6,000MWhを超えており、日本国内だけで見ても導入量が6倍になっていることがわかります。

2024年現在では、卒FIT家庭の増加や電気代の高騰などが原因となり、蓄電池の導入数がさらに増え続けていると言われています。

ポイント② 地震や台風による大規模停電のリスク

今後来るとされている南海トラフ地震をはじめ、日本では地震が多く発生します。

さらに、毎年台風が来て、大規模な被害をもたらすリスクも懸念されます。

地震や台風対策として、食料や日用品の備蓄や、防災セットの準備などが挙げられますが、太陽光発電や蓄電池のように「いつも通り電気を使える」設備は今の所ありません

災害対策として蓄電池を導入する時のメリットは?

災害対策として蓄電池を導入する最大のメリットは、停電が起きた時に電気を使うことができる点です。

特に、太陽光発電システムと併用した場合には、長期的な停電が起こっても発電ができる限り電気を使うことが可能です。

メリット① 停電が起きても電気を使うことができる

蓄電池単体で導入した場合には、あらかじめ電気を蓄電池に溜めておくことで、災害による停電が起きても電気を使用することが可能です。

さらに、太陽光発電システムを併用した場合には、停電が起きても昼間発電した電気を蓄電池に充電し、夜間に使用することが可能です。

メリット② メンテナンスの手間がない

蓄電池は、ポータブル蓄電池や発電機のように、基本的にはメンテナンスする必要がありません。

蓄電池を導入した際には、故障していないかの動作確認や、蓄電池周りの掃除などをするだけで基本的にはOKです。

最近では、遠隔で安全管理を行ってくれる蓄電池も販売されているので、万が一故障が起こっても、早急に対処することができます。

メリット③ 騒音を出さない

蓄電池は、発電機のように作動中に音を出しません。

蓄電池は基本的に屋外に設置するケースが多いので、なおさら動作音は気にならないでしょう。

メリット④ 災害に以外にも使用できる万能性

家庭用の蓄電池は、災害による停電が起きた時以外でも、日常的に使用することが可能です。

蓄電池単体の運用であれば、夜間の安い電気を充電し、昼間に使用することで電気代の節約が可能です。

太陽光発電システムとの併用であれば、昼間発電した電気を充電し、夜間に使用することで、電気の自給自足を目指すことができます。

メリット⑤ 自宅が避難所に早変わり

蓄電池を導入しておくことで、災害が起きた時に「自宅に帰れば電気を使える」という状況を作ることができます。

電気を使えることで、スマホなどで災害情報を調べたり、家族と連絡を取ったりすることが可能です。

また、エアコンや家電が使用できるので、最低限の生活が保証されます。

【注意】災害対策として蓄電池が使用できなくなる場合もある?

災害対策として蓄電池を導入した場合であっても、蓄電池が使用できなくなってしまうケースがあります。

蓄電池が災害時に使用できなくなってしまうケースは、以下の通りです。

  • 蓄電池が破損した
  • 断線した
  • 充電できていなかった
  • 浸水してしまった
  • 蓄電容量が足りなかった

それぞれ解説します。

注意① 蓄電池が破損してしまった場合

災害による被害で蓄電池が破損してしまった場合には、蓄電池を使用することができません。

万が一蓄電池が動く場合であっても、破損している蓄電池を使用してはいけません

破損している蓄電池を無理に動かした場合、発火や転倒などの危険があるので十分注意しましょう。

また、無理に自分で直そうとすると、感電してしまう危険性があるので、絶対にやめましょう。

注意② 断線してしまった場合

蓄電池内外のケーブルなどが断線してしまった場合には、災害対策として蓄電池を使用することができません。

大きな被害があり、蓄電池を使用する場合には、破損や断線がないかを必ず確認してから使用しましょう。

また、蓄電池が破損してしまった時同様に、ケーブルが断線している場合には蓄電池を使用してはいけません

注意③ 充電していなかった場合

充電し忘れや、電気の使いすぎで充電していなかった場合には、災害で停電が起きても電気を使うことができません。

台風や強風など、停電が起こるリスクがある場合には、充電モードを利用して十分に蓄電池を充電しておくことがおすすめです。

近年は、外出先から蓄電池のモード変更を行える機種があるので、外出する機会が多い家庭では、遠隔で操作できる蓄電池の導入がおすすめです。

注意④ 蓄電池が浸水してしまった場合

台風などの大雨の際に蓄電池が浸水してしまった場合、蓄電池を使用することができません。

蓄電池が浸水してしまった場合には、発火・発熱だけではなく、有毒ガスの発生や感電の危険性があるので絶対に近づいてはいけません

また、一度浸水したと思われる蓄電池は、使用すると危険です。

蓄電池が浸水した可能性がある場合には、使用せず、近づかないようにしましょう。

注意⑤ 蓄電容量が足りなかった場合

災害による停電対策として蓄電池を導入したとしても、蓄電容量が足りなかった場合には、蓄電池として役に立ちません。

特に、電気使用量や家族人数が多いにも関わらず、小さい容量の蓄電池を導入した場合には、思ったよりも使えなくて後悔してしまうケースもあるでしょう。

蓄電池を導入する時には、停電時に使用したい電気使用量を確認しておくことが大切です。

また、蓄電容量を使い切ってしまっても、太陽光発電システムと併用することで、発電した電気を充電することができます。

災害対策として蓄電池を導入する場合には、太陽光発電システムとの併用がおすすめです。

災害対策として蓄電池を導入してどのくらい電気が使えるのか?

次に、災害対策として蓄電池を導入した場合に、どのくらい電気を使うことができるのかを解説します。

環境省のデータによると、2020年の年間電気消費量は4258kWhでした。

年間4258kWhを1日に換算すると11kWhになります。(小数点以下切り捨て)

実際の電気使用量は、使用する家電や家族人数によって異なるので、それぞれの家庭にあった蓄電容量の蓄電池を選ぶことが大切です。

ケース① 太陽光発電なしの場合

今回は、長州産業の蓄電池「スマートPVマルチ」の6.5kWhを導入した場合に使用できる家電を紹介します。

太陽光発電システムと併用しない場合、大容量の蓄電池の導入がおすすめです。

ただし、大容量の蓄電池は導入費用も高くなってしまうので注意しましょう。

〈「スマートPVマルチ」の6.5kWhの場合〉

使用家電

消費電力

使用時間

テレビ

約160W

3時間

照明

約60W×3箇所

7時間

冷蔵庫

約100W

15時間

エアコン

約600W

1時間

ケース② 太陽光発電と併用の場合

太陽光発電システムと蓄電池を併用した場合には、夜間に電気を使い切ってしまっても昼間に再度蓄電池を充電することが可能です。

単純に考えれば、先述した「スマートPVマルチ」の6.5kWhで使用できる家電を、何日も使用できることになるでしょう。

ただし、昼間の発電がうまくできない場合には、蓄電池を充電することができないので注意が必要です。

【蓄電池以外】災害対策として使用できる住宅設備は?

蓄電池以外にも、災害対策として利用することができる住宅設備はいろいろあります。

災害による停電対策として蓄電池を使用したい場合には、太陽光発電システムやエコキュート、V2Hなどとの併用を検討してみましょう。

設備① 太陽光発電システム

太陽光発電システムは、災害対策として役立ちます。

太陽光発電システム単体での使用の場合、発電ができれば停電時にいつも通り電気を使用することが可能です。

蓄電池と太陽光発電システムを併用した場合、発電ができる昼間だけではなく、夜間にも電気を使用することができます。

設備② エコキュート

オール電化住宅で導入されるエコキュートですが、太陽光発電システムや蓄電池と併用することで、停電が起きてもお湯を使うことが可能です。

また、エコキュート内に入っている水道水は、災害が起きた時に取り出して使うことができます

飲料水として使用することはできませんが、トイレの水を流したり、手を洗ったりなどで活用することが可能です。

設備③ V2H×EV

V2Hは、EVと併用することで、EVを蓄電池として使用することができる住宅設備です。

蓄電池と併用する場合は、蓄電容量を増やすことができ、太陽光発電システムを併用している場合には、発電ができる限り再充電することが可能です

設備④ 発電機

停電時に電気を使える設備として、発電機が挙げられます。

発電機は、太陽光発電システムのように電気を作ることができます。

ただし、発電機の使用には騒音が伴う点は忘れてはいけません。

また、太陽光発電システムのように、家中の電気を賄うことができるわけではないので注意しましょう。

設備⑤ ポータブル蓄電池

ポータブル蓄電池も、蓄電池と同じように災害による停電時に使用することができます。

ポータブル蓄電池を導入した場合、停電時だけではなく、アウトドアでも使用することができるでしょう。

ただし、定置用の蓄電池に比べて蓄電容量が少ない点には注意が必要です。

【災害対策で選ぶ前に!】蓄電池の機能や仕様

蓄電池には、ハイブリッド・単機能や全負荷・特定負荷など、様々な種類の蓄電池があります。

それぞれの特徴やメリットを知っておくことで、災害対策として蓄電池を導入する際の蓄電池選びに役立つでしょう。

① ハイブリッド×単機能

蓄電池のハイブリッドとは、太陽光発電システムと蓄電池の2つを同時制御できるパワコンが搭載されている蓄電池のことを指しています。

対して、単機能蓄電池は1つのパワコンで、蓄電池のみ動かすことができるパワコンを搭載している蓄電池です。

ハイブリッド・単機能以外にも、近年ではトライブリッドパワコンも販売されています。

しかし、トライブリッドパワコンを搭載している蓄電池は、取り扱いメーカーが限られてしまうので注意が必要です。

性能

メリット

デメリット

ハイブリッド

・変換ロスが少ない

・太陽光発電の

パワコンを新しくできる

・販売されている数が多い

・導入費用が高い

・太陽光発電のパワコンが

新しい場合、無駄になってしまう

単機能

・導入費用が安い

・太陽光発電のメーカーを

気にしなくていい

・比較的価格が安い

・販売されている数が少ない

トライブリッド

・太陽光発電、蓄電池、V2Hを同時制御できる

・パワコンの数を最小限にできる

・価格が高い

・取り扱いメーカーが少ない

② 全負荷×特定負荷

蓄電池の全負荷タイプは、停電時に建物内の全部屋で電気を使用することができる性能を指しています。

全負荷対応の蓄電池は、いつも通り電気を使うことができるので、動揺させたくない家族がいる家庭におすすめです。

対して、特定負荷タイプの蓄電池は、停電時に特定の部屋でしか電気を使うことができません

しかし、電気を使える部屋が限られているので、蓄電池内の電気を無駄遣いしてしまうことがありません。

性能

メリット

デメリット

全負荷

いつも通りの生活ができる

・小さい子供や高齢者が

家庭にいる場合に最適

・電気消費量が多い

・価格が高くなる場合がある

特定負荷

・電気の消費量を抑えることができる

・価格が安い場合がある

・電気が使えない部屋がある

・事前に使いたい部屋を

決める必要がある

③ 200V対応

蓄電池には、200V対応という商品があります。

200V対応の蓄電池は、IHや大型のエアコンを蓄電池内の電気で使用したい場合におすすめです。

特に、オール電化住宅が災害対策として蓄電池を導入する場合には、200V対応の蓄電池を選ぶことがおすすめです。

災害対策として蓄電池を導入する場合の蓄電池の選び方は?

最後に、災害対策として蓄電池を導入する場合の選び方を紹介します。

ポイントは以下の5つです。

  • 大容量の蓄電池がおすすめ
  • 特定負荷がおすすめ
  • 自動切り替え機能の有無
  • 太陽光発電との併用の有無
  • 補助金の利用

それぞれ解説します。

ポイント① なるべく大容量の蓄電池を!

災害対策として蓄電池を導入する場合には、大容量の蓄電池を選ぶことがおすすめです。

特に、家族人数が多く、停電時の電気消費量が多くなってしまいそうな場合には、予想される電気使用量に合った蓄電容量を選びましょう。

しかし、蓄電池は蓄電容量が多くなればなるほど価格が高くなり、大きさが大きくなる傾向にあります。

蓄電池の導入費用と、設置するスペースと相談しながら選びましょう。

ポイント② 特定負荷で長期的な停電に対応

災害対策として蓄電池を選ぶ場合には、特定負荷の蓄電池がおすすめです。

特定負荷の蓄電池であれば、特定の部屋以外に電気の供給がされないので、電気の無駄遣いを防ぐことができます。

災害による停電時には、電気が命綱となる場合が多くあり、電気は無駄遣いしないことに越したことはありません。

ポイント③ 自動切り替え機能がついているかどうか

現在販売されている蓄電池には、停電時に自動で切り返してくれる機能が搭載された蓄電池が販売されています。

停電時に自動で電力の供給方法を切り替えてくれる蓄電池であれば、停電が起きても暗い中動く必要がありません

怪我や思わぬトラブルのリスクを減らすことができるので、災害対策として蓄電池を導入する場合には、自動切り替え機能が搭載されている蓄電池を選びましょう。

ポイント④ 太陽光発電と併用がおすすめ

災害対策として蓄電池を導入する場合には、太陽光発電システムとの併用を検討してみましょう。

太陽光発電システムと蓄電池を併用することで、長期的な停電にも耐えることができます。

また、太陽光発電システムと蓄電池を併用していれば、日常的にも大幅な電気代の節約が可能になります。

ポイント⑤ 補助金を利用しよう!

2024年現在、蓄電池の導入で補助金を受け取れるケースがあります。

補助金は、国から以外にも都道府県や市町村から受け取れる場合があるので、蓄電池の購入前に必ず確認しましょう。

【災害対策は早めに!】災害時に蓄電池は命綱になることも!

今回は、災害対策としての蓄電池について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

蓄電池は、電気代の節約以外にも災害対策としても役立ちます。

災害対策として蓄電池を導入する場合には、太陽光発電システムとの併用も検討してみましょう。

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この記事の監修者

中田 萌

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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中田 萌
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