オール電化住宅に太陽光パネルはいらない?向き不向きを徹底解説
オール電化住宅を建てる際に、太陽光パネルの設置を検討している人も少なくありません。
そこで今回の記事では、オール電化住宅に太陽光パネルがいらないと言われる理由や設置に向き不向きの特徴、設置前後の電気代について紹介します。
目次
オール電化に太陽光パネルがいらないと言われる理由
オール電化に太陽光パネルがいらないと言われる理由は、以下の5つです。
- 設置後、自宅の周囲に建物がたつ可能性がある
- 変わった形の屋根は工事費用が高額になりやすい
- 自宅を留守にしがちであまり電気を使わない
- 将来転居したり、住宅を解体したりする可能性がある
- 初期費用の元を取るのに時間がかかる
それぞれの太陽光パネルがいらないと言われる理由について見ていきましょう。
太陽光パネルがいらない理由①設置後、自宅の周囲に建物がたつ可能性がある
太陽光発電の効率は、太陽光が当たる方向だけでなく、周りの建物や植物などの環境にも影響されます。
設置場所を選ぶときは、周囲の状況も大事に考えるべきです。
周囲に建物ができる可能性があれば、太陽光パネルの発電量は影響を受ける可能性が高くなります。
新しい建物が太陽光パネルの太陽光を遮ることがあるため、日照条件を考慮して設置場所を検討することが大切です。
設置前に、建設計画や樹木の成長もしっかりチェックし、最大限の発電効率を確保しましょう。
太陽光パネルがいらない理由②変わった形の屋根は工事費用が高額になりやすい
屋根のデザインやタイプによって、太陽光パネルを設置できる枚数が変わるため、相場価格よりも高額になる場合があります。
太陽光パネルの設置費用は、特別な条件が必要な場合に高くなることがあります。
例えば、瓦の屋根や特殊な平屋根の場合、特別な取り付け方法が必要で、それに伴って費用がかさんでしまうことがあります。
また、雪の多い地域では雪対策が必要で、これも工事費用を上昇させる要因となります。
見積もりを取る際には、自宅の屋根のタイプに合わせた工事費用も含めて、総額を確認することが大切です。
太陽光パネルがいらない理由③自宅を留守にしがちであまり電気を使わない
太陽光パネルだけを設置した場合、自宅を留守にすることが多い家庭では、メリットを直接感じにくいかもしれません。
太陽光パネルで発電した電力は、日中の使用に限られるため、留守が多い場合はメリットを感じづらい可能性があります。
しかし、留守にしがちな家庭でも、太陽光パネルで昼間に発電した電力を蓄電池に貯めて使えば夜間の使用に回すことも可能です。
電気をたくさん使う時間帯に買う電気をおさえられるので、電気代を削減できるでしょう。
太陽光パネルがいらない理由④将来転居したり、住宅を解体したりする可能性がある
太陽光発電は、設置時と撤去時の費用がかかるため、将来的に引っ越しや住宅解体を考えている場合、太陽光発電の設置は必要ないかもしれません。
住宅を取り壊す際に、同時に太陽光パネルも取り外すための撤去代も別にかかることになり、費用が高額になってしまいます。
将来、転職に伴う引っ越しや、リフォームなどがある場合は、太陽光パネルの設置は避けた方が良いでしょう。
太陽光パネルがいらない理由⑤初期費用の元を取るのに時間がかかる
太陽光パネルは、10年以上の利用期間が経過しないと、初期投資が回収できないことが一般的です。
初期費用が高くなるほど、元を取るまでの時間も長くなるため、初期費用を計算して回収までのシミュレーションが大切です。
さらに、太陽光パネルを設置した後も、保守、点検、修理などにかかる追加費用を考慮しなければなりません。
パネルのクリーニングやパワーコンディショナーの交換など、長期的な維持コストも考慮しましょう。
オール電化に太陽光パネルがいらない家庭の特徴
オール電化に太陽光パネルがいらない家庭の特徴を大きく分けると、以下の3つです。
- ガス料金があまりかかっていない家庭
- 発電量や日照量が少ないエリアに住んでいる家庭
- 屋根の形が凸凹だったり小さかったりする家庭
太陽光パネルの設置が向いていない特徴について、くわしく解説していきます。
ガス料金があまりかかっていない家庭
ガス料金があまりかからない家庭は、太陽光パネルの導入に適していない可能性があります。
例えば、オール電化製品でエコキュートの設置費用よりも光熱費が下回った場合、逆に光熱費が高くつくことがあります。
しかし、太陽光発電との併用は、ガス代が月に6,000円以上かかる場合に限り、オール電化との経済的なメリットを実感できます。
ガスの使用状況をチェックして、太陽光パネルの導入を考えるのが良いでしょう。
発電量や日照量が少ないエリアに住んでいる家庭
日照時間が短い地域では、太陽光発電の発電量が少なくなるため、設置に適していないかもしれません。
なぜなら、発電量が少ないと、電気代の節約や売電収入に対して、維持費が高くつきやすいからです。
太陽光発電は、1日の日照時間が長い地域ほど発電効率が良いので、太陽光パネルの設置に適しています。
ただし、日射量が少なくても最新モデルの太陽光パネルを導入することで、発電力が上がる可能性があります。
日射量があまり見込めない地域でも、高効率の太陽光パネルを導入するメリットを感じることができるでしょう。
屋根の形が凸凹だったり小さかったりする家庭
屋根がでこぼこだったり、小さかったりする家は、太陽光発電の設置には適していないことが多いです。
太陽光パネルは、平らな屋根に設置することが大切です。
なぜなら、屋根の形状や面積によって、太陽光パネルの発電効率が大きく変わるからです。
特に南向きの片流れ屋根の家は、太陽光パネルの設置に適しており、高い発電効率が期待できます。
そのため、自家消費や売電を増やすためには、この条件が向いていると言えます。
オール電化に太陽光パネルが向いている家庭の特徴
オール電化住宅に太陽光パネルが向いている家庭の特徴を大きく分けると、以下の3つです。
- 新築を建てる際に太陽光パネルを設置する家庭
- 家族人数が多くガス代が高い家庭
- 日中に自宅で過ごすことが多い家庭
上記の特徴についてくわしく解説していきます。
3-1.新築を建てる際に太陽光パネルを設置する家庭
新築時に太陽光パネルを設置することで、初期費用の分割払い、高い発電効率の確保、施工費用の削減といったメリットがあります。
太陽光パネルの費用を住宅ローンに組むことで、太陽光パネルのローンよりも低い金利で長い期間、支払いを分割できる点も魅力です。
また、家のデザインやエネルギーの効率を高めつつ、将来的に電気代を節約することができます。
屋根の形や屋根材、太陽光パネルのタイプを自分の好みに合わせて選択できるメリットもあります。
後付けする場合は、屋根の形状に合わせる必要があるため、発電効率の低下や設置工事のコストが高くつく可能性があるので新築時の設置がおすすめです。
3-2.家族人数が多く光熱費が高い家庭
オール電化で、家族人数が多く光熱費が高い場合は、太陽光パネルを設置するのがおすすめです。
特に、エコキュートやIHクッキングヒーターを使っている家庭では、太陽光パネルで発電した電力を活用することで、電気代を大幅に節約できます。
現在も電気代が高騰し続けているため、オール電化に太陽光発電の導入は、夜間を含む電力会社からの電気を購入しないための対策として有効でしょう。
3-3.日中に自宅で過ごすことが多い家庭
「専業主婦で家で過ごすことが多い」、「自宅で日中に仕事をする機会が多い」家庭には太陽光発電がぴったりです。
昼間、家にいるときに太陽光発電で作った電気を使いつつ、残った電気を電力会社に売ることができます。
太陽光パネルを設置していれば、日中の高い電気料金が減り、電気代を節約できるんです。
太陽光パネルを設置することは、将来の家計を支える大事な投資になります。
4.オール電化住宅に太陽光パネルを載せるメリット
オール電化住宅に太陽光パネルを載せるメリットは、以下の5つです。
- 高い電力料金を支払わずに済む
- エコキュートのお湯をタダで沸かせる
- CO2排出量を軽減できる
- 緊急時でも一部の家電製品が使える
- 電気自動車や蓄電池と併用で補助金が使える
それぞれのメリットを比較して、太陽光パネルの設置が向いているのか検討してみましょう。
高い電力料金を支払わずに済む
太陽光発電で電力を作るので、電力会社から買う電力量が減り、電気代が安くなります。
各電力会社では、オール電化向けのプランを用意しており、夜間の電力料金が従来より2~3円ほど安く使えるので、電気代を節約できます。
太陽光発電で自家発電した電力を使えば、日中の電気料金が高い時間帯でも、時間を気にせず電気を使うことができます。
自家発電した電気を活用することで、家計に優しいエネルギー利用ができるでしょう。
エコキュートのお湯をタダで沸かせる
エコキュートに太陽光発電を併用すると、日中もお湯を効率的に温めることができることができます。
外の気温が高いと、お湯を効率的に沸かせるので、夜にお湯を沸かした場合よりも、お湯が冷めにくいです。
太陽光発電とエコキュートを連携させて、余剰電力を使って昼間にお湯を沸かすことで、効率的にエネルギーを使い、光熱費を節約できるでしょう。
CO2排出量を軽減できる
太陽光パネルの導入は、地球温暖化の抑制に役立ちます。
化石燃料を燃やす発電所と太陽光発電には、CO2排出量に大きな違いがあります。
- 化石燃料:690g/kW
- 太陽光発電:17~48g/kW
(引用元:国立研究開発法人産業技術総合研究所)
太陽光発電は、化石燃料を使わずに電力を作るため、温室効果ガスの量を減少させることができます。
太陽光発電を使うと、1kWhの電力を作る際に約650gものCO2を削減できます。
化石燃料を使う場合と比べて、CO2の削減が大きいことが分かります。
太陽光発電を利用すると、大量のCO2を削減でき、地球温暖化を防ぐのに役立ちます。
緊急時でも家電製品が使える
オール電化に太陽光パネルを連携することで、災害時に強い住宅になります。
オール電化では、電気蓄熱式床暖房機エコやキュートなどが使われています。
停電が起きても事前にお湯や熱を貯めているため、停電時にすぐ使用できなくなるという訳ではありません。
また、太陽光発電を利用している場合は、発電可能な時間に停電が起きても電気が利用できるので安心です。
蓄電池と併用で補助金が使える
新しい家を建てる予定や新築の注文住宅を考えている方には、太陽光発電や蓄電池の設置に国からの補助金が利用できる可能性があります。
新築のZEH住宅には、1戸あたり55万~100万円の補助金が支給されます。
太陽光発電のあるZEH住宅は、お金を節約できるだけでなく、環境にもやさしい選択です。
さらに、太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、蓄えた電力を有効に活用でき、一石二鳥の効果が得られます。
オール電化に太陽光パネルを載せるデメリット
オール電化に太陽光パネルを載せるデメリットは、以下の5つです。
- 数百万円の初期コストが必要になる
- 環境によって電力不足のリスクがある
- 設置スペースを確保する必要がある
- メンテナンス費用がかかる
- 反射光の問題が起きる可能性もある
メリットだけでなく、デメリットも理解しておくことが重要です。
オール電化住宅に太陽光パネルを載せるデメリットについて見ていきましょう。
数百万円の初期コストが必要になる
太陽光発電の導入費用は、様々な要因によって異なりますが、一般的には130万円から280万円程度かかります。
2023年の太陽光発電設置の相場価格は、1kWあたり25.9万円です。
例えば、5kWのシステムを設置する場合、約130万円の費用がかかることになります。
新築でオール電化に太陽光パネルを載せるためには、最初に高い初期費用がかかりますが、重要なのはその後の年間の電気代が安くなることです。
節約したお金は貯金に回せるため、経済的にも大きなメリットがあります。
環境によって電力不足のリスクがある
太陽光発電が必ずしもどんな家にも適している訳ではありません。
以下の条件が当てはまる場合、太陽光発電の設置に向いていない可能性があります。
- 築年数が古い
- 日当たりが悪い
- 屋根が日影になる
北向きの屋根や日当たりが適当な屋根、または日陰にある屋根は、十分な発電量を得るのが難しいため、太陽光発電には適していない可能性が高いでしょう。
設置スペースを確保する必要がある
太陽光パネルのパワコンの設置は、上下30cm、左右10cmほどのスペースが必要です。
電力を守るためには、パワコンをブレーカーボックスの近くに配置するのがベストです。
しかし、設置するのがむずかしい場合は、屋外設置型のパワコンを選択することもできます。
ただし、劣化が早まりやすいことや、同じ容量の室内型に比べて費用が高くなることがあります。
設置コストを検討する際に、これらの要因も考慮しておくと良いですね。
メンテナンス費用がかかる
太陽光発電を設置した後、定期的に点検とパワコンの交換が必要です。
「資源エネルギー庁」のデータによると、点検は4年に1回で約2.9万円、パワコンの交換は20年に1回で約22.4万円かかります。
例えば太陽光発パネルを20年以上使うと、メンテナンス費用は14.5万円、最低でも36.9万円の費用がかかることになります。
太陽光発電を長く安定して使うためにも、定期的なメンテナンスが必要です。
反射光の問題が起きる可能性もある
太陽光発電の設置は、周囲の住宅と問題が起こりやすい場合があります。
太陽光パネルが太陽光を反射し、他の建物や窓に光が当たると、反射光の影響が広がり、トラブルの原因になりやすくなります。
反射光の問題を回避するためには、事前に周辺の住宅環境を調査し、慎重に太陽光パネルの設置場所を選ぶことが大切です。
オール電化住宅に太陽光パネルの設置で電気代はお得になる?
太陽光パネルを使って昼間の電力を作れるので、電気代が減ってお金を節約できます。
太陽光発電を利用すると、日常の電力をほぼ無料で得られるだけでなく、停電時にも多くの家電製品が使えます。
さらにオール電化住宅に蓄電池を追加すれば、電気代をほぼゼロにすることも可能です。
蓄電池は、太陽光発電で作った電力を貯めることができたり、夜間の電力料金が低い時間帯に電力を貯めておいたりと、夜間に使うことで電気代を削減できます。
オール電化をすでに使用している方や太陽光パネルの導入を考えている方は、太陽光発電パネルと蓄電池を組み合わせたセット導入がおすすめです。
2つの組み合わせでオール電化のデメリットを解消し、快適な生活を実現できるでしょう。
オール電化住宅に太陽光パネルいらないは勿体ない!
今回は、オール電化住宅に太陽光パネルはいらないと言われる理由や太陽光パネル設置の向き不向きなどについて紹介しました。
確かに、太陽光パネルを必要としない理由も存在します。
しかし、太陽光パネルを導入することで、オール電化製品の電気代を大幅に削減できます。
さらに、蓄電池と組み合わせることで、電気代をほぼゼロにすることも可能です。
光熱費をできるだけ抑えたい方には、太陽光パネルの導入を検討してみる価値があるでしょう。
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この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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