長期不在時にエコキュート設定はどうする?放置するリスク・期間別の対策法を解説!
家族旅行や出張などで長期間家を空ける際に、「エコキュートの設定はそのままでいい?」「それとも特別な対策が必要?」と迷ってしまった経験はありませんか?
そこで本記事では、長期不在時にエコキュートをそのまま放置する「4つのリスク」や、外出前に取るべき対策法を不在期間別にわかりやすく解説していきます。
記事の後半では、外出から戻った際の復旧手順や、貯湯タンクの水抜きなどを行う際の注意点などもくわしくご紹介しています!
目次
長期不在時にエコキュートを放置する「4つのリスク」
諸事情により長期間家を空ける際に、エコキュートをそのまま放置するリスクは以下の4つです。
- ムダな電気代がかかる
- 貯湯タンクが不衛生になる
- 漏電や火災の原因となる
- 冬季に凍結する恐れがある
それぞれのリスクの要点を、次項からくわしく解説していきます。
リスク①:余計な電気代が発生してしまう
長期不在中にエコキュートをそのまま放置する「最大のデメリット」は、不在中に設備を使用していなくても沸き上げ・保温」などの電気代が余分に発生してしまうことです。
電源が入ったまま・設定も普段どおりのエコキュートは、不在期間中でも毎日自動的にお湯を温め直す動作を繰り返すため、一ヶ月で数千円単位の電気代がかかる可能性もあります。
また、貯湯タンク内のお湯が沸騰により蒸発すると、自動的に水を注ぎ足して再加熱を行う仕組みになっているため、ムダな水道代も発生します。
以上の余計な光熱費は家を空ける期間が長いほど高額になりますので、不在中のランニングコストをなるべく抑えたい方は、適切な対策を取るべきでしょう。
リスク②:貯湯タンク内に雑菌が繁殖する
長期不在中のエコキュートの見過ごしがちなデメリットとして、貯湯タンク内に雑菌が繁殖し、設備寿命を縮める可能性がある点も挙げられます。
不在中の貯湯タンクは水の入れ替わりが不十分になってしまうため、雑菌やカビ、水垢や不純物などが溜まって不衛生な状態が続くことになります。
貯湯タンクは内部の直接洗浄が難しい構造になっており、カビや汚れなどの状況によっては、貯湯タンクユニット全体の交換が必要となる場合もあるでしょう。
後述する「貯湯タンクの水抜き」を行えばタンク内を衛生的に保てますので、不在期間が長い場合は必ず実施することをおすすめします。
リスク③:設備の故障や漏電・火災の原因となる
長期不在時の対策を実施していないエコキュートは毎日自動運転を行うため、万が一漏電や配線のショートなどの不具合が発生しても、不在中に気づくことができません。
エコキュートの不具合を放置し続けると「買い替えが必要な故障」につながるだけでなく、漏電が「火災」を引き起こす可能性もゼロではありません。
漏電による火災は他の家電や住宅設備でも起こり得ますので、長期の外出時にはエコキュートの電源を切るだけでなく、家全体のブレーカーを落とすことも検討しましょう。
リスク④:冬場に凍結する可能性がある
冬場に長期外出する際にエコキュートをそのまま放置すると、貯湯タンクや配管の水が凍結してトラブルを引き起こすリスクも考えられます。
在宅時は給湯側の水を出すことで凍結を予防できますが、長期不在時は対策が行えないため、寒さの厳しい日には凍結が発生する可能性が高まります。
エコキュートの貯湯タンク周辺や各配管には保温工事が施されているため、多少の寒さには耐えうるものの、外気温が氷点下を超える環境下では十分な注意が必要です。
凍結によって配管などが故障した場合「5万円」を超える修理費用が発生するケースもありますので、冬季の外出前にはなるべく水抜きなどの対策を行いましょう。
長期不在時のエコキュート対策を「期間別」に徹底解説!
長期不在時のエコキュートの対策・設定方法は、不在期間に応じて以下のように変わります。
- 1日〜数日:特別な対策は不要
- 1週間〜1か月:沸き上げ休止設定を行う
- 1か月以上:電源を切って水抜きを行う
それぞれの手順やポイントを、次項から確認していきましょう。
【1日〜数日】特別な設定・対策はしないでOK
1泊2日や2泊3日、1週間に満たない短期の外出であれば、後述する沸き上げ休止設定や水抜き作業などを行う必要性や、特別な設定・作業は不要です。
理由としては、沸き上げ休止や水抜きを行ったエコキュートを復旧するには「2〜5時間以上」かかるため、帰宅後に長時間お湯が使えず不便な思いをするからです。
数日程度であれば発生する余計な電気代も微々たるものですので、エコキュート復旧にかかる手間や時間を考えれば、普段どおりの設定で外出するほうがメリットが大きいでしょう。
【1週間〜1か月】「沸き上げ休止」機能を利用する
1週間〜1か月程度の外出であれば、エコキュートに搭載されている「沸き上げ休止機能」を利用し、不在期間中に発生する余計な電気代を節約しましょう。
沸き上げ休止機能とは、任意で設定した帰宅日まで一時的に沸き上げや保温を休止する機能のことで、家に帰ってすぐにお湯を使える点がメリットです。
電源を落とさないため待機電力は発生しますが、冬季でも凍結防止機能が作動するため、配管や貯湯タンクの凍結を心配せずに外出できます。
なお、帰宅後に利用できるお湯は「外出期間中タンク内で保温したお湯」であり、飲用には不向きであることも覚えておきましょう。
【1か月以上】電源を切ってから「水抜き」を行う
1か月を超える長期外出時には、凍結リスクの回避・貯湯タンク内の状態維持のためにも、電源を切ってから「水抜き作業」を行いましょう。
電源オフ・水抜きを実施することで、長期不在中のムダな電気代を節約できるほか、貯湯タンク内の雑菌繁殖や冬季の凍結、漏電による故障などのリスクをすべて予防できます。
水抜き作業の手順はメーカーやモデルによって異なりますが、おおむね以下の手順で行います。
- 浴室リモコンの追い炊きを押し、配管に残った水を抜く
- 台所リモコンの「水抜き準備設定」を押す
- エコキュートの「配線用ブレーカー」を切る
- 貯湯タンクの「漏電遮断器」をオフにする
- 浴室や台所からぬるま湯を出し続け、水になることを確認する
- 貯湯ユニットの「給水元栓」を閉じる
- 貯湯ユニットの「逃し弁レバー」を上げる
- 貯湯ユニットの「排水栓」を開いて排水する
- 貯湯ユニットのすべての「水抜き栓」を緩めて「ストレーナー」を外す
- ヒートポンプユニットの水抜き栓を緩める
- 両設備の排水が完了したら、水抜き栓を締めストレーナーを戻す
- 貯湯ユニットの排水栓を閉じ、逃し弁レバーを下げて完了
冬季にエコキュート凍結防止用のヒーターを作動させている場合、水抜き後は作動させる必要がないため、電源プラグを抜いておきましょう。
長期不在から戻った際にエコキュートを平常運転に戻す方法は?
長期不在から戻った際に、水抜きしたエコキュートを平常運転に戻す方法(一例)を以下にご紹介していきます。
- 貯湯ユニットの「給水元栓」を開ける
- 貯湯ユニットの「逃し弁レバー」を上げる
- 排水口・排水配管から水が出ることを確認する
- 貯湯ユニットの逃し弁レバーを下げる
- 浴室などの水栓のお湯側を開き、水が出るのを確認して閉じる
- ヒートポンプユニットの「水抜き栓」をすべて開く
- ヒートポンプユニットの水抜き栓から1分以上水を出してから閉じる
- エコキュートの「配線用ブレーカー」をオンにする
- 貯湯タンクの「漏電遮断器」をオンにする
- 台所リモコンの「空気抜き」を押す
- 浴室などの水栓のお湯側を開き、連続で水が出ることを確認して閉じる
- 沸き増し・沸き上げ機能を使ってお湯を作る
帰宅後、沸き上げボタンを押してから100Lのお湯ができるまで「約1時間」の時間がかかりますので、湯船に入る場合は時間に余裕を持って作業をしましょう。
長期不在時のエコキュート対策で「気をつけたいポイント」とは?
さいごに、長期の外出前にエコキュートの水抜きを行う前に、注意しておきたい「2つのポイント」をご紹介していきます。
注意点①:電源オフだけでは不十分!必ず水抜きを実施する
「水抜き作業は面倒だから」とエコキュートの電源を落とすだけで外出してしまうと、「貯湯タンク内が不衛生になる」「冬場に凍結する」などのトラブルにつながります。
そのため、長期不在時には必ず水抜き作業を実施しましょう。
「作業時間がない」など事情がある場合は、沸き上げ休止設定を利用するか、電源を入れたままで外出したほうがリスクを回避できます。
特に、冬季の凍結で配管やヒートポンプユニットが故障すると高額な修理費用がかかりますので、電源を切るだけで済ませずに、適切な対応を心がけましょう。
注意点②:水抜きが故障の原因に?手順通り安全に作業を行う
慣れてしまえば難しくないエコキュートの水抜きですが、説明書どおりに作業を行わないとヒートポンプユニットや貯湯タンクの故障につながる恐れがあります。
また、貯湯タンク内のお湯が完全に排出されたことを確認せずに「排水栓」などを開くと、高温のお湯が流れ出てヤケドを負ってしまう可能性にも要注意です。
万が一のリスクに備えるためにも、水抜き作業時にはゴム手袋や長袖などを着用し、安全に配慮しながら作業を進めましょう。
まとめ:長期不在時はエコキュートを水抜きすべき!適切な管理で長持ちさせよう
長期不在時にエコキュートをそのまま放置すると「貯湯タンクに雑菌が繁殖する」「故障や凍結の原因となる」などリスクが生じるため、水抜きなどの対応が必要です。
2週間〜1か月程度の外出なら、「沸き上げ休止設定」を利用すれば余計な電気代の発生を防げますので、状況に応じて使い分けるとよいでしょう。
定期的なメンテナンス依頼や自分でできる清掃・水抜きなど、しっかり管理することでエコキュートの寿命を伸ばせますので、この機会に適切な管理を覚えましょう!
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この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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