太陽光の発電ロスはなぜ起こる?原因と対処法を紹介!
「太陽光発電で発電ロスはどうして起こるのだろうか。」
「発電ロスを少なくする方法を知りたい!」
このように考えている方はいませんか。
太陽光発電を導入する方が増えていますが、導入した後に発電ロスに気づくことがあります。
そして、発電ロスに気づくのは難しいです。
そこで今回は発電ロスを中心に太陽光発電について知っていきましょう。
目次
太陽光発電の発電ロスの改善方法を紹介!
ここでは、まず太陽光発電の基礎知識を知り、次に発電量が変わるポイント、そして発電ロスの原因と対策、最後に他の再エネの発電効率についてみていきましょう。
太陽光発電の基礎知識
まずは太陽光発電の基礎知識から紹介します。
仕組み
まずは、太陽光発電の仕組みから紹介します。
太陽光発電を構成している主な設備は、太陽光をエネルギーに変換する太陽光モジュールです。
これは太陽光パネルとも呼ばれ、一般住宅の屋根についているのを見たことがある方も多いでしょう。
そのモジュールで太陽光のエネルギーを吸収し、電気エネルギーに変換します。
そして変換された電気エネルギーは接続箱にまとめられ、直流の電気としてパワーコンディショナーに送られます。
パワーコンディショナーでは受け取った直流の電気を家で使う交流の電気に変換します。
そして、交流電流が分電盤から各出力地点に送られ、家庭で使えるようになります。
収入
発電効率とも関わってきますが、太陽光発電には売電制度があります。
売電とは、発電した電力で使いきれなかった分を電力会社に買い取ってもらうことです。
太陽光発電と聞くと、クリーンな発電方法というイメージを持っている方も多いですが、加えて、経済合理性があることもメリットとなっています。
単位
また、太陽光発電で使われる発電容量の単位ですが、kWとkWhが使われています。
kWは瞬間的に生み出せる電力で、太陽光モジュールやパワコンの性能を表す際に用いられます。
また、kWhは実際に生み出した電力量で、kW数が高くても天候などでkWhが落ちることもあります。
太陽光発電の性能などを見ていく時にはこれらの似た単位を見ることが多いですが、間違えないようにしましょう。
発電量が変わるポイント
次は発電量が変わるポイントについて3つ紹介します。
発電量が多ければ、発電効率が多少悪くても多くの電気を生み出すことができます。
屋根の形状・方位・角度
1つ目は、屋根の形状・方位・角度です。
まず、屋根の形状として向いているのは切妻屋根・片流れ屋根・段違い屋根・陸屋根です。
共通点としては、「フラットな四角い面の面積が大きい」ことが挙げられます。
三角形の屋根だと面積を有効活用できません。
次に、方位です。
太陽光発電は太陽の力を利用するので、当然日当たりが良い方が発電量が増えます。
おすすめはやはり南です。
北にすると、南面に比べて60%程度になってしまいます。
東と西でも良いですが、南よりは発電量が落ちてしまうことは頭に入れておきましょう。
最後は角度です。
パネルに対して垂直に光が入ると効率的に発電できるため、角度も大切な要素になります。
理想的な屋根勾配は3.5寸〜4寸と言われています。
3.5寸と4寸屋根の角度は19.29°と21.8°です。
日照時間
2つ目は、日照時間です。
住んでいる地域によって異なることなので変えようのないことですが、日照時間によっても発電量は左右されます。
日本海側や山間地域は比較的日照時間が少ない傾向にあります。
ただ、太陽光パネルは暑くなりすぎると発電効率が落ちてしまうので、「沖縄などであれば発電量が確実に多くなる」というわけではありません。
パワコン性能
3つ目は、パワコン性能です。
太陽光パネルで発電した電気を、家の電気として使えるように変換するのがパワコンです。
各メーカーであまり差はないですが、長期間で考えると僅かな差が大きな差になるので、効率の高いパワコンを選びましょう。
発電ロスが起こる原因
ここからは、太陽光発電の発電ロスについて見ていきます。
ちなみに、発電ロスとは発電効率が落ちることです。
まずは発電ロスが起こる原因を6つ見ていきましょう。
シミュレーションの精度が悪い
1つ目は、シミュレーションの精度が悪いことです。
シミュレーションはその土地の周辺環境や日照時間などを細かく調べてから行います。
しかし、遮光物などの影を考慮していないと、発電量が思ったより伸びないことがあります。
予想よりもだいぶ低い数値の場合「発電ロスが生じている」と感じるかもしれませんが、このケースは発電ロスが起きているわけではありません。
シミュレーションが悪かっただけなので、変えることは難しいです。
天候が悪いわけでも、暑すぎるわけでもなく、天候が良い日が続いているのに全然発電しないと感じる場合、販売店やメーカーに問い合わせて見ましょう。
天気や気温
2つ目は、天気や気温です。
天気が悪い時はどうしても発電量と発電効率が落ちてしまいます。
太陽光パネルは気温25度前後が最も発電効率が良くなると言われています。
あまりに暑すぎたり、逆に寒すぎたりする場合はどうしても発電ロスが出てしまうでしょう。
ソーラーパネルの汚れや破損
3つ目は、ソーラーパネルの汚れや破損です。
鳥のフンや落ち葉、砂や黄砂、埃などがソーラーパネルにつくと、発電ロスが起きてしまいます。
最近のソーラーパネルは雨などで汚れが落ちるように作られていますが、鳥のフンが落ちたり、晴れの日が続いたりすると、汚れが落ちにくいです。
ケーブルの破損
4つ目は、ケーブルの破損です。
ケーブルが何らかの原因で破損した場合も発電ロスが起きます。
ネズミなどの害獣の影響や窃盗、悪戯などが原因として考えられます。
ケーブルに破損があるとせっかく電気を作っても、電気が無駄になるでしょう。
経年劣化
5つ目は、経年劣化です。
発電ロスは経年劣化でも生じます。
長期間にわたって使用している場合、買い替えを検討してみるのも良いでしょう。
太陽光パネルによっては出力保証があるものもあります。
保証期間内であれば無償、もしくは低額で修理してもらえるので確認して見ましょう。
雑草による影
6つ目は、雑草による影です。
雑草が伸びるとソーラーパネルに影ができてしまい、発電ロスにつながります。
雑草であれば対応しやすいですが、建物などであれば対応するのが難しいです。
設置する際に注意しましょう。
改善方法
次に、発電ロスの改善方法について2つ紹介します。
汚れや影がないか確認
1つ目は、汚れや影がないか確認することです。
先ほど紹介したように、汚れや影があると発電ロスが生じてしまいます。
月に一度はチェックするようにしましょう。
パネルに汚れが溜まっている場合、メーカーや販売店に問い合わせをすると手入れしてくれることがあります。
雨が降らない時や落ちない汚れがある時は連絡すると良いでしょう。
また、パネル近くに大きな木や雑草が生えている場合、それが影になっていないか確認する必要があります。
場合によっては手入れをする必要があります。
できるだけ太陽光パネルに影ができないようにしましょう。
ケーブルが破損しないように対策
2つ目は、ケーブルが破損しないように対策することです。
ケーブルは破損しにくいように設置されていますが、壊れることもあります。
不十分だと感じる場合は自分で対応してみても良いでしょう。
害獣がケーブルを傷つけられないようにネットを貼ったり、害獣を駆除したりなどが対策として考えられます。
また、遠隔監視システムも便利です。
遠隔監視システムには、発電量のグラフ化や、日報メール、アラートメールの配信機能付きのものなど、使いやすく確認が負担にならない機能が揃ったものがあります。
さらに、スマホから24時間いつでも発電量をチェックできるものもあります。
ケーブルが破損していた場合は気付きにくいので、不具合にすぐに気づけるようにしておきましょう。
他の再エネとの発電効率の比較
最後に、太陽光発電やその他の再エネの発電効率について紹介します。
太陽光発電
まずは太陽光発電です。
太陽光発電の発電効率は20%ほどと言われています。
人工衛星で使用される太陽光発電システムは発電効率が40%程まで上がりますが、制作コストが高いです。
一般的な設備としては経済的ではなく、あまり普及していません。
風力発電
次に、風力発電です。
風のエネルギーで風車を回して発電機で電気エネルギーに変換する風力発電は、20〜40%ほどです。
発電時に摩擦などの損失が生じるため、発電効率が下がってしまいます。
水力発電
続いては、水力発電です。
水の持つ位置エネルギーを利用して発電する水力発電は、80%もの発電効率を誇ります。
再生可能エネルギーの中では最も発電効率が高いです。
理由としては、水路に流した時の摩擦損失が小さく、ほとんど運動エネルギーに変換できるからです。
地熱発電
次に、地熱発電です。
地下のマグマの熱で水が水蒸気になったエネルギーを使って発電機を動かして発電する地熱発電は、10〜20%ほどの発電効率しかありません。
発電の原理は火力発電や原子力発電と同じですが、水蒸気の温度が火力や原子力よりも低いため、発電効率も低くなっています。
バイオマス発電
最後はバイオマス発電です。
動植物などの有機性燃料を燃焼させて発電機を回し、発電するバイオマス発電は、20%ほどの発電効率です。
地熱発電と同じく温度が低いため、発電効率も高くありません。
太陽光発電の発電ロスを少なくしていこう!
今回は太陽光発電について紹介しました。
太陽光発電で大切なのは発電量と発電効率です。
発電ロスが生じていると感じる時には、早めに原因を見つけることが大切です。
効果的に太陽光発電を運用していくために、今回紹介したポイントを意識して利用していきましょう。
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この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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