トイレの換気扇「つけっぱなし」の電気代は月額いくら? 24時間換気 vs こまめに消す、メリット・デメリットと掃除・交換目安を解説

トイレの換気扇を「24時間つけっぱなし」にしていると、電気代がどれくらいかかっているか不安に感じる方も多いでしょう。「トイレの換気扇 電気代」と検索される方の多くは、このランニングコストと、こまめに消した場合の節約効果を知りたいと考えています。
結論から言うと、トイレの換気扇を24時間つけっぱなしにした場合の電気代は、月額数十円から100円程度と非常に安価です。電気代の節約効果よりも、つけっぱなしにする衛生面・建物維持のメリットの方が大きい可能性があります。
この記事では、トイレの換気扇の電気代の具体的な計算方法、24時間つけっぱなしにするメリット・デメリット、そして電気代を無駄にしないための掃除方法や交換目安まで、専門家の視点で詳しく解説します。
- 電気代の目安:最新のDCモーター製品(約1.5W)なら月額約34円。古いACモーター製品(約5W)でも月額約112円程度が目安です。
- 24時間換気のメリット:電気代以上に「臭気・湿気の排出」「カビ・結露の防止」「壁紙や建材の保護」といったメリットが重要です。
- 注意点:電気代は安いものの、掃除を怠ると換気効率が落ちて電気代が実質的に無駄になるほか、寿命(約10〜15年)を超えると異音や故障のリスクが高まります。
ご自宅の換気扇のタイプや使い方を見直すきっかけとして、ぜひ最後までご覧ください。
目次
第1章:トイレの換気扇「つけっぱなし」の電気代はいくら?
トイレの換気扇にかかる電気代は、具体的な計算式を知ればご自身でも簡単に算出できます。「つけっぱなし」運用が家計にどれくらいの影響を与えるのか、最新の電力単価を基にシミュレーションしてみましょう。
電気代の計算方法
家電の電気代は、以下の計算式で求められます。
電気代 = 消費電力(W) ÷ 1,000 × 1日の使用時間(h) × 1kWhあたりの電力量料金単価(円/kWh)
ここで重要なのが「消費電力(W)」と「電力量料金単価」です。
- 消費電力(W): 換気扇の性能を示します。近年の省エネ型(DCモーター)製品では1.5W〜3W程度、少し古いタイプ(ACモーター)では3W〜5W程度のものが一般的です。お使いの換気扇の取扱説明書や本体側面のシールで確認できます。
- 電力量料金単価(円/kWh): 電気1kWhあたりの料金です。契約している電力会社やプランによって異なりますが、この記事では公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が定める電力料金の目安単価である31円/kWh(税込)(2022年7月改定)を使用します。 (出典:公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会「よくある質問Q&A」)
【タイプ別】24時間つけっぱなしの電気代シミュレーション
では、消費電力が異なる3パターンの換気扇を、24時間(1日)つけっぱなしにした場合の電気代を試算します。
| 換気扇のタイプ(消費電力目安) | 1日の電気代
(24時間稼働) |
1ヶ月(30日)の電気代 | 1年間(365日)の電気代 |
|---|---|---|---|
| 省エネ型(DCモーターなど)
例:1.5W |
1.5W ÷ 1000 × 24h × 31円 = 約1.12円 | 約1.12円 × 30日 = 約33.6円 | 約1.12円 × 365日 = 約408.8円 |
| 標準型(ACモーターなど)
例:3W |
3W ÷ 1000 × 24h × 31円 = 約2.23円 | 約2.23円 × 30日 = 約66.9円 | 約2.23円 × 365日 = 約813.9円 |
| 旧型・大型(ACモーターなど)
例:5W |
5W ÷ 1000 × 24h × 31円 = 約3.72円 | 約3.72円 × 30日 = 約111.6円 | 約3.72円 × 365日 = 約1,357.8円 |
シミュレーション結果の通り、最も消費電力が大きい旧型(5W)の換気扇を24時間つけっぱなしにしても、月額で約112円、年間でも約1,358円です。最新の省エネ型であれば、月額約34円、年間約409円と、さらに安価になります。
「こまめに消す」運用(例:1日合計2時間使用)にした場合、旧型(5W)でも月額約9.3円となり、月あたり約102円の節約になりますが、この節約額と次章で解説するメリットを天秤にかける必要があります。
トイレの換気扇の電気代は非常に安いことが分かりました。しかし、家計全体で見ると、昨今の電気代高騰は大きな負担となっています。
換気扇のような小さな節約も大切ですが、電気代高騰の根本的な原因や、国がどのような対策(補助金など)を準備しているかを知っておくことも重要です。まずは無料で「最新の電気代高騰対策と補助金」に関する資料で全体像を把握してみませんか。 ※電気代の仕組みや制度の概要を把握できます。
第2章:24時間つけっぱなしにするメリットとデメリット
トイレの換気扇の電気代が非常に安いことは分かりましたが、それでも「使わない時は消したい」と思うかもしれません。しかし、特に近年の住宅では、24時間つけっぱなしにすることが推奨されています。その理由(メリット)と、あえて消した場合のデメリットを比較検討します。
メリット1:臭気と湿気の常時排出(カビ・結露防止)
最大のメリットは、トイレ空間の空気を常に入れ替え、快適な環境を維持できることです。
- 脱臭効果: トイレ使用後のアンモニア臭だけでなく、壁紙や床材に染み付いた臭い、排水管から上がってくる微かな臭気も継続的に排出します。芳香剤で臭いをマスキングするのではなく、根本的に空気をきれいに保てます。
- 湿気対策: トイレは水を流すため、意外と湿度が高い空間です。特にタンク内で結露が発生しやすい冬場や、梅雨時期は湿気がこもりがちです。換気扇を回し続けることで湿気を排出し、カビや結露の発生を強力に抑制します。
メリット2:壁紙や建材の保護(家の長寿命化)
湿気やアンモニアは、住宅の建材に対しても悪影響を及ぼします。
換気扇を止めて湿気がこもると、壁紙(クロス)が剥がれたり、裏側でカビが繁殖したりする原因となります。また、アンモニアは木材や金属部品を劣化させる可能性もあります。換気扇を常時稼働させることは、目に見えない部分での住宅の劣化を防ぎ、長持ちさせることにも繋がります。
メリット3:シックハウス対策(建築基準法)
2003年7月に施行された改正建築基準法により、原則としてすべての住宅に「24時間換気システム」の設置が義務付けられました。これは、建材や家具から発生するホルムアルデヒドなどの化学物質(VOC)を排出し、シックハウス症候群を防ぐためです。
トイレの換気扇がこの「24時間換気システム」の一部(排気口)として設計されている場合、法的に常時稼働させること(または浴室などと連動して稼働すること)が前提となっています。この場合、換気扇を止めてしまうと家全体の換気計画が崩れ、化学物質や湿気が室内に滞留する恐れがあります。
つけっぱなしのデメリット(懸念点)
一方、つけっぱなしにすることのデメリットも確認しておきましょう。
- 微々たる電気代の発生: 第1章で試算した通り、月額数十円~100円程度の電気代がかかり続けます。
- ファンの寿命: 換気扇(ファンモーター)には寿命があります(一般的に約10年~15年、時間に換算すると約87,000~130,000時間)。24時間稼働させ続けると、使用時のみ稼働させる場合よりも早く寿命が来ます。 ただし、こまめにON/OFFを繰り返すことは、モーターの起動時に負荷がかかるため、一概に「つけっぱなし=寿命が縮む」とは言い切れない側面もあります。
- 外気(花粉・排気ガス)の流入懸念: 換気扇(排気)を回すと、家のどこか(給気口など)から外気が入ってきます。給気口のフィルター性能が低いと、花粉や排気ガス、PM2.5などが流入する可能性がゼロではありません。(ただし、これは換気扇を回している以上、程度の差こそあれ発生します)
このように、電気代や寿命のデメリットは存在するものの、衛生面や建物の保護、法的要請(24時間換気)といったメリットと比較すると、「24時間つけっぱなし」の方が合理的であると結論付けられます。
重要なのは、電気代を気にしてON/OFFすることよりも、換気扇が持つ本来の性能を維持するために、定期的なメンテナンスを行うことです。
第3章:トイレ換気扇の性能維持と掃除方法
トイレの換気扇は24時間つけっぱなしが推奨されますが、それは「換気扇が正常に機能している」ことが大前提です。もしフィルターやファンがホコリで詰まっていれば、いくらモーターが回っていても換気効率は著しく低下します。これは、電気代を捨てているのと同じ状態です。
掃除をしないとどうなる?
換気扇の掃除を怠ると、以下のような問題が発生します。
- 換気効率の低下: ホコリが空気の通り道を塞ぎ、臭いや湿気が排出されにくくなります。
- 電気代の実質的な無駄: モーターは同じ電力(W数)を消費していても、排気量が減るため、消費電力あたりの仕事効率が悪化します。
- 異音や故障の原因: ファンにホコリが偏って付着すると、回転のバランスが崩れて「ブーン」「カラカラ」といった異音が発生しやすくなります。最悪の場合、モーターに過度な負荷がかかり故障の原因となります。
- ホコリやカビの飛散: 溜まったホコリや、そこで繁殖したカビが、換気扇の振動でトイレ内に落下・飛散する可能性があり、不衛生です。
基本的な掃除の手順と頻度
安全かつ効率的に掃除を行うため、以下の手順を守ってください。
【重要】掃除の前には、必ず換気扇のスイッチを切るか、ブレーカーを落としてください。
- カバーとフィルターの取り外し(目安:1〜3ヶ月に1回)換気扇のカバーを外します。多くの製品は手前に引く、あるいは特定の方向にスライドさせると外れます。内側にフィルター(不織布やスポンジ状のもの)があれば、それも取り外します。
- フィルターの掃除フィルターについたホコリを掃除機で吸い取ります。汚れがひどい場合は、中性洗剤を溶かしたぬるま湯で優しく洗い、完全に乾かしてから元に戻します。(※使い捨てタイプの場合は新品に交換します)
- カバーの掃除カバーも同様に、掃除機でホコリを吸った後、水拭きや中性洗剤での水洗いをし、よく乾かします。
- 内部(シロッコファンなど)の掃除(目安:1年に1回)カバーを外した奥に見えるのがファン(筒状のシロッコファンが多い)です。手が届く範囲のホコリを、使い古しの歯ブラシや掃除機(ブラシノズル)で丁寧に取り除きます。※注意:ファン自体を取り外しての丸洗いは、製品知識がないと困難であり、破損や回転バランスが崩れる原因となります。無理に分解せず、見える範囲の清掃に留めましょう。
- 組み立てすべての部品が完全に乾いたことを確認し、フィルター、カバーの順に元通り取り付けます。
このように、トイレの換気扇の電気代自体は微々たるものですが、その性能を維持するためには定期的な掃除が不可欠です。小さなメンテナンスを怠ると、結局は無駄な電気代を払い続けることになりかねません。
第4章:換気扇の交換時期と費用相場(寿命と故障サイン)
定期的に掃除をしていても、換気扇は機械である以上、いつかは寿命を迎えます。異音や性能低下を放置すると、換気不良だけでなく漏電や火災のリスクもゼロではありません。適切な交換時期を見極めることが重要です。
換気扇の寿命と交換サイン
一般的なトイレ用換気扇(モーター)の設計上の標準使用期間(寿命)は、約10年〜15年とされています。(※使用頻度や環境、メーカーにより異なります)
24時間つけっぱなしの場合、10年で約87,600時間となり、製品の想定耐久時間に近づきます。以下のようなサインが現れたら、寿命が近いか、故障の前兆である可能性が高いです。
- サイン1:「ジー」「ブーン」「カラカラ」などの異音がする 最も分かりやすいサインです。モーター内部のベアリング(軸受)の摩耗や、ファンの軸ズレ、ホコリの固着などが原因です。掃除をしても音が消えない場合は、交換を検討すべきです。
- サイン2:スイッチを入れてもファンが回らない、または回転が遅い モーター自体の故障や、内部配線の不具合が考えられます。
- サイン3:換気扇の吸い込みが極端に弱い 掃除をしても換気効率が改善しない場合、モーターのトルク(回転する力)が低下している可能性があります。ティッシュペーパーをカバーに当ててみて、吸い付かないようであれば性能低下が疑われます。
- サイン4:焦げ臭い匂いがする モーターの過熱や内部のショートが疑われる非常に危険な状態です。直ちに使用を中止し、ブレーカーを落として専門業者に連絡してください。
トイレ換気扇の交換費用と業者の選び方
10年以上使用しており、上記のようなサインが出た場合は、修理よりも本体ごと交換する方が長期的にはコストパフォーマンスが高いです。
交換にかかる費用の目安は、総額で約20,000円〜45,000円程度です。
| 項目 | 費用目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 換気扇本体代 | 5,000円〜20,000円 | シンプルなパイプファンか、高機能なシロッコファンか、人感センサー付きかなどで変動します。 |
| 交換工事費 | 10,000円〜20,000円 | 既存換気扇の撤去、新規取り付け、ダクト接続、電気配線接続(※要電気工事士資格)を含みます。 |
| 諸経費・出張費 | 3,000円〜5,000円 | 業者により異なります。 |
| (オプション) | 5,000円〜 | 天井や壁の開口部サイズの変更、スイッチ交換などが伴う場合。 |
換気扇の交換は、電気配線を伴うため「電気工事士」の資格が必要です。DIYでの交換は法律違反となるだけでなく、漏電や火災のリスクがあり非常に危険です。必ず、お近くの電気工事業者、リフォーム会社、家電量販店の工事サービスなどに依頼してください。
トイレの換気扇は電気代こそ安いものの、快適な住環境を維持するための重要な設備です。日々の掃除と、10年~15年を目安にした適切な交換を心がけましょう。
換気扇の交換のように、住宅設備の見直しには費用がかかります。しかし、最近は電気代高騰対策として、国や自治体が様々な補助金制度を用意しています。ご自宅が対象になるか、無料で「電気代見直しと活用できる制度」の情報を確認しておくことをお勧めします。 ※費用や制度適用は条件により異なります。
よくある質問(FAQ)
Q1. トイレの換気扇「つけっぱなし」の電気代は月額いくら?
トイレの換気扇を24時間つけっぱなしにした場合の電気代は、機種の消費電力(W数)によって異なりますが、月額約34円〜112円程度が目安です。
これは、電力量料金単価を31円/kWh(税込)として計算した場合の試算です。
- 省エネ型(例:1.5W)の場合:月額 約33.6円
- 標準型(例:3W)の場合:月額 約66.9円
- 旧型(例:5W)の場合:月額 約111.6円
このように、電気代への影響は非常に軽微であるため、節約のためにこまめに消すよりも、常時稼働させて換気効果を得るメリットの方が大きいと考えられます。
※金額は目安です。ご契約の電力プランや実際の消費電力により変動します。
Q2. 「使用時のみ」と「つけっぱなし」はどっちが得?
電気代の節約だけを見れば「使用時のみ」が安くなりますが、その差は月額数十円程度です。一方で、「つけっぱなし」は、衛生面(脱臭、カビ防止)や建物の保護(湿気による劣化防止)において大きなメリットがあります。
特に2003年以降に建てられた住宅では、トイレの換気扇が家全体の「24時間換気システム」の一部となっていることが多く、その場合は法律(改正建築基準法)の観点からも常時稼働が推奨されます。
月額数十円の電気代節約のために換気を止め、カビや臭気の発生、壁紙の劣化リスクを負うことは、総合的に見ると合理的ではない可能性が高いです。
Q3. 換気扇の掃除をしないと電気代は上がりますか?
厳密には、掃除をしない(ホコリが詰まる)ことで換気扇の消費電力(W数)が直接的に上がるわけではありません。
しかし、ホコリでファンやフィルターが詰まると、空気の排出能力(換気効率)が著しく低下します。つまり、「同じ電気代(例:月額100円)を払っているのに、換気能力は新品時の半分以下」という状態になり得ます。
これは「実質的に電気代が上がっている(無駄になっている)」のと同じです。また、ホコリによる負荷はモーターの異音や故障の原因にもなるため、定期的な掃除(フィルターは1〜3ヶ月、内部は1年目安)が不可欠です。
Q4. 換気扇から異音がする時の対処法は?
まず、換気扇の電源を切り(またはブレーカーを落とし)、カバーやフィルター、ファンの見える範囲にホコリが溜まっていないか確認し、清掃してください。ホコリの塊が回転バランスを崩している場合、掃除で改善することがあります。
掃除をしても「ジー」「ブーン」「カラカラ」といった異音が消えない場合、モーター内部のベアリング(軸受)の摩耗や軸ズレなど、部品の劣化が原因と考えられます。これは寿命のサインです。
特に使用開始から10年以上経過している場合は、修理よりも本体交換を推奨します。異音を放置すると、最悪の場合モーターが停止したり、過熱したりするリスクもあるため、早めに専門業者(電気工事業者など)に点検・交換を依頼してください。
※賃貸住宅の場合は、まず大家さんや管理会社にご相談ください。
この記事の監修者

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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