【申請方法を解説】国や地方自治体が交付する蓄電池の補助金とは?
太陽光発電の普及率が高まる中、発電した電気を自宅で有効に使うために必要な蓄電池に関する関心が高まっています。
国や地方自治体は蓄電池設置に関して補助金を交付していますので、これらを利用することで導入コストが抑えられます。
今回は蓄電池補助金の種類やDER補助金、地方自治体の補助金の例として東京都の補助金などについて紹介し、内容や申請方法などについて解説します。
目次
蓄電池補助金の種類
蓄電池に関する補助金は大きく分けて2種類です。
国が交付するDER補助金と各地方自治体が独自で交付する補助金です。
それぞれの違いについて解説します。
国が交付するDER補助金
DERとは(Distributed Energy Resources)の略で分散型エネルギーリソースと訳されます。
自宅の太陽光発電設備や蓄電池、電気自動車、工場などで生み出される電力をアグリケーターと呼ばれる事業者が管理・運用する仕組みです。
DER補助金は国の委託を受けた環境共創イニシアチブ(SII)が交付する補助金のことで、太陽光発電設備や蓄電池、HEMS(家庭で使用する電力を最適化し、節約するシステム)などが対象となります。
各地方自治体が交付する補助金
各地方自治体では太陽光発電設備や蓄電池の普及を図るため補助金を交付しています。
補助金の交付額や適用期間・条件などは自治体によって異なりますので申請前に確認が必要です。
国のDER補助金と併用できる可能性もあるので、その点についても事前に調べておきましょう。
DER補助金とは
国が実施するDER補助金は環境共生イニシアチブ(SII)を通じて参加者に交付されます。
SIIやDER補助金の内容、DER補助金の申請についてまとめます。
DER補助金を担当するSII
環境共生イニシアチブ(SII)とは、電通や大日本印刷、野村総合研究所、みずほ銀行、石油連盟をはじめとする多数の企業により構成される組織で、省エネに関連する補助金制度の告知などを行っています。
加えて今回取り上げるDER補助金の交付も委託されています。
DER補助金の内容
DER補助金とはDER実証事業に参加する事業者や対象設備購入者に対する補助金です。
補助金交付の対象となる家庭用機器は以下の通りです。
- 家庭用蓄電システム
- 家庭用充放電設備
- 家庭用燃料電池(エネファーム)
- エネルギーマネジメント機器(HEMS)
それぞれの補助額は以下の通りです。
- 家庭用蓄電システム:設置費・工事費の3分の1以内
- 家庭用充放電設備:設備費の2分の1以内
- 家庭用燃料電池(エネファーム):1台あたり5万円
- エネルギーマネジメント機器(HEMS):10万円以内
ただし、対象となる機種が指定されていますので、購入前に補助金が受けられる機種か確認しておくとよいでしょう。
DER補助金の申請
DER補助金のうち、一般企業や家庭が応募できるのは充電システムやV2充放電システム、エネファーム等を対象とするC事業です。
補助金申請は「リソースアグリケーター」とよばれる事業者が代行して行いますので、個人で申請することはできません。
リソースアグリケーターによる申請書類が届いたらSIIによる審査が行われます。
審査を通過するとDER補助金を受けられます。
補助金を受けたらDER実証実験に参加しなければなりませんが、その際、電力制御機器(HEMS機器)が設置され、それを通じてデータを提供することになります。
東京都が交付する補助金
国の補助金とは別に各地方自治体が交付する補助金も存在します。
自治体ごとで交付条件が異なりますが、今回は代表例として東京都の補助金を取り上げます。
東京都を取り上げる理由は、東京都の補助金が非常に手厚いものだからです。
補助金の内容
東京都では断熱改修・蓄電池・太陽光発電設備等に対する補助を実施しています。
蓄電池を設置する場合やV2Hの設置、太陽光発電設備の設置にあたって一定の条件を満たせば補助金を出すという内容です。
蓄電池の場合、1戸当たり最大で80万円の補助金が支給され、太陽光発電設備についても発電量やセットで導入する蓄電池の容量などによって補助金が交付されます。
また、V2Hとはビークルトゥホーム(Vehicle to Home)とはEV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド車)に搭載されているバッテリーを家庭の蓄電池として利用する仕組みのことです。
EVやPHVを所有している又は今後購入予定である人はこちらの補助金を検討してもよいでしょう。
補助金交付の条件
東京都の補助金のうち、「家庭における蓄電池導入促進事業」についての補助金交付条件を紹介します。
助成対象 | 助成率 | 上限額 |
蓄電池システム | 機器費の1/2 | [太陽光(4kW以上)と蓄電池を併せて設置の場合] 以下のうちいずれか小さい額(最大1,000万円) (a)蓄電池容量:10万円/kWh(100kWh以下) (b)太陽光発電設備容量:20万円/kW |
[太陽光(4kW未満)と蓄電池を併せて設置又は蓄電池のみを設置の場合] 10万円/kWh(最大80万円/戸) | ||
太陽光発電設備 | 新築住宅 | [3kW以下の場合] 12万円/kW(上限36万円) [3kWを超える場合]10万円/kW(50kW未満) ただし、3kWを超え3.6kW未満の場合 一律36万円※ ※kWに応じた助成金額が逆転しないよう、一律の助成金額としています。 |
既住住宅 | [3kW以下の場合] 15万円/kW(上限45万円) [3kWを超える場合]12万円/kW(50kW未満) ただし、3kWを超え3.75kW未満の場合 一律45万円※ ※kWに応じた助成金額が逆転しないよう、一律の助成金額としています。 |
引用:クール・ネット東京
V2Hの補助金など詳しい内容は都の公式サイトや「クール・ネット東京」(東京都地球温暖化防止活動推進センター)のサイトなどをご覧ください。
補助金の注意点
補助金は全ての蓄電池システムが対象というわけではありません。
ここでは、補助金を受ける際の注意点を紹介します。
対象となる蓄電池は決められている
1つ目の注意点は補助金対象となる蓄電池が決められているという点です。
国の補助金であれ、地方の補助金であれ、対象となる蓄電池・蓄電システムの要件が細かく定められています。
補助金を当て込んで購入したは良いが、補助金対象機種でなかったため補助金を受けられなかったといったことが発生しないよう、購入予定の機種が補助金対象となるか事前に調べておきましょう。
予算が限られている
2つ目の注意点は予算が限られていることです。
DER補助金も東京都をはじめとする蓄電池システムの補助金にしても条件がよく非常に魅力的であるため、募集開始からすぐに締め切られてしまうことがあります。
締め切られてしまう理由は予算を消化してしまったからです。
現に、2022年分のDER補助金は開始早々3日ほどで締め切られてしまいました。
また、予算を消化していなくても期限が来れば締め切られてしまいますので、補助金利用を検討している場合は早めに動くことをおすすめします。
まとめ
今回は国や地方自治体が交付する蓄電池補助金について紹介しました。
国や地方自治体は太陽光発電や蓄電池の普及推進に積極的で、条件の良い補助金を用意しています。
以前のように買電で利益を上げることは難しいかもしれませんが、自家用消費と電気代削減という点ではまだまだ太陽光発電・蓄電池システムの魅力は色あせていません。
どちらの補助金も非常に人気があるため、導入を検討している方は早めに応募を検討してはいかがでしょうか。
リノベステーションでは多くのメーカーの蓄電池や太陽光発電を取り扱っております。
手続きが面倒な補助金申請も代行しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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