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【2023年】蓄電池の補助金制度を徹底解説!申請時の注意点も!

補助金関連 2024年01月04日更新

蓄電池の需要が高まっていますが、高額な商品ゆえ手が出しにくいと思っている方も多いでしょう。

今回の記事では、蓄電池の補助金制度の目的や種類、国と地方自治体の補助金制度の具体的な内容を紹介します。

蓄電池の補助金制度の内容は?補助金制度の目的や種類を紹介!

蓄電池の補助金制度は、蓄電池の初期費用を大きく軽減できるシステムです。

では、そもそも蓄電池の補助金制度は何のために存在しているのでしょうか。

蓄電池の補助金制度の種類も紹介します。

蓄電池の補助金制度の目的

蓄電池の補助金制度の目的は、急激に増加した需要に対応するためです。

実は蓄電池が日の目を見るようになったのはここ最近の話で、具体的にいうと2019年前後になります。

2019年前後に何があったかというと、太陽光発電の卒FITです。

太陽光発電は、最初の10年は売電価格が高額なFIT(固定買取)制度を利用できるとあって、2009年頃から徐々に需要を伸ばしていきました。

しかし、2019年を過ぎると卒FIT(FIT制度から卒業)する家庭が増え、売電するにも売電価格があまりにも低すぎて売電する理由が見付からないという状況に陥ったのです。

そこで登場したのが蓄電池になります。

蓄電池は、その名の通り電力を蓄えることができるので、太陽光発電の余剰電力を売電ではなく自家消費したいと考える家庭によって需要が高まったのです。

しかし、当時の蓄電池の販売価格はとても高額で、一般国民が手を出すのはなかなか難しいものでした。

そこで補助金制度が登場し、希望する人が手を出しやすい価格帯での販売が始まったのです。

蓄電池の補助金制度の種類

蓄電池の補助金制度は、国と地方自治体のものの2種類があります。

国の補助金は、一般社団法人 環境共創イニシアチブという経済産業省が管轄している団体(略して“Sii”)が出しています。

地方自治体の補助金制度は、自治体が独自に行っている補助金制度のことです。

補助金制度を実施していなくても罰則はないので、補助金制度を実施しているかの有無は各自治体で異なります。

両者の具体的な部分は、次章以降で解説したいと思います。

蓄電池の補助金①国(Sii)のDER補助金制度とは?

国(Sii)が実施している蓄電池の補助金制度は、一体どういうものなのでしょうか。

今回の章では、Siiが実施しているDER(分散型エネルギーソース)とDER補助金を紹介します。

DERの概要

DER(分散型エネルギーソース)で行われている内容は、以下の通りです。 

  1. 各家庭や事業所などに設置されている太陽光発電が発電した電力や蓄電池に貯めた電力などを、アグリゲーターと呼ばれるエネルギーを管理する機関に集める
  2. 電力の安定供給を目的に、アグリゲーターが蓄電池の放充電のタイミングを自動で決める

日本全国で見たときに、太陽光発電で日中に発電される電力と従来の火力発電で作り出す電力は需要を大きく上回り、供給過多の状態になっています。

ちなみに、余剰電力は処分されてしまうので、私たちは日々、無駄を作り出してしまっているのです。

しかし、夕方以降になると電力の需要と供給のバランスがひっくり返り、需要過多になります。

この悪循環に歯止めをかけるのがDERです。

DERでは①②を繰り返し行うため、電力の需要と供給のバランスを常に保った状態でキープさせることができます。

DER補助金を受け取るための条件

DER補助金は、とても高額な補助金を受け取れると話題になっています。

しかし、補助金を受け取るための条件がいささか複雑なので、内容をしっかり頭に入れた上で蓄電池を購入できると良いでしょう。

DER補助金を受け取るための具体的な条件は、以下の通りです。

  1. Siiが事前に登録している蓄電池を購入すること
  2. 蓄電池本体+工事費の合計が1kWhあたり15.5万円以下の蓄電池であること
  3. DER実証実験に参加すること
  4. 蓄電池・太陽光発電・HEMS機器のすべてが揃っていること
  5. 購入先の販売会社がアグリゲーション事業者と連携していること

①②に関しては、限られた機種の中から自宅に合う蓄電池を探さなければならないので、蓄電池に対して何らかの妥協が必要になるかもしれません。

③に関しては「DERの概要」で解説した①②の実証実験への参加が必須です。

とはいえ、実験に参加するのは1年で1週間程度

これを3年間繰り返すだけなのでノンストレスです。

④⑤に関しても、DER補助金を受け取るために設備をしっかり整えておきましょう。

DER補助金で受け取れる補助金額

DER補助金で受け取れる金額は設備・工事にかかった費用の3分の1」もしくは「1kWhあたり3.7万円」のどちらか低い方です。

補助金の上限金額は、初期実効容量の4万円/kWhになります。

初期実効容量とは、蓄電池で実際に使える容量のこと。

多くの蓄電池で、蓄電容量と初期実効容量の差は1.0kWh前後で、記載されている蓄電容量よりも実際に貯められる容量は少ないです。

DER補助金の申請スケジュール

DER補助金の2022年における申請スケジュールは以下の通りでした。

  • 公募期間:2022年6月1日~2022年12月23日
  • 連携運転開始:2022年12月23日まで
  • 実証実験(予定):2023年2~3月頃
  • 報告書提出期限:2023年2月9日
  • 補助金支払日:2023年3月31日

ちなみに、公募期間は約半年設けられていましたが、最初の2日で予算に達し、受付が終了してしまったという事実があります。

そして、2022年7月5日に追加公募がかかったのですが、こちらは申請開始1分で新規申し込みが終了したということです。

それほどまでに、昨今では蓄電池の需要が急増しているのです。

DER補助金を受け取るための注意点

DER補助金を受け取るための主な注意点は、以下の通りです。 

  1. 先着順なのでなるべく早めに申請手続きを行うこと
  2. 蓄電池の工事契約は補助金の交付決定後に行うこと
  3. 実証実験中は守るべきことをしっかり守ること

①に関しては、2022年の「たった2日(およびわずか1分)で予算に達して受付けが終了した」という凄さが物語っています。

2023年の補助金スケジュールは公にされていませんが、情報を逐一確認して申請開始日に行動できるよう、下準備をしっかりしておきましょう。

②に関しては、1つ前の「DER補助金の申請スケジュール」の①と②の間に工事の契約を行います。

間違っても、蓄電池を購入してから補助金の申請をしないよう、気を付けてください。

③に関しては、実証実験中(1年で1週間程度)は以下の2つの最低条件を守る必要があります。

  • HEMSを24時間インターネットに接続すること
  • 蓄電池の設定を変更するのは禁止

実証実験中は、蓄電池の充放電が予期せぬタイミングで行われる可能性があります。

つまり、一時的に経済的損失が増えてしまうかもしれません。

しかし、あくまでも一時的なもので、実証実験に参加して補助金をもらうほうがお得です。

一時的な損失に驚いて設定を変えてしまうなどの行動はやめましょう。 

蓄電池の補助金②地方自治体の補助金制度とは?

お住まいの自治体が蓄電池の補助金制度を実施している場合、必要条件をクリアすることで補助金を受け取ることができます。

今回の章では、地方自治体が実施している補助金制度について、具体的に解説します。

最大3種類の補助金制度を受け取ることができる

地方自治体の補助金制度では、一部の地域限定にはなりますが「都道府県が実施している補助金制度」および「市区町村が実施している補助金制度」の2種類を受けることができます。

都道府県が蓄電池の補助金制度を実施しているのは、東京都や埼玉県などの一部です。

また、これら地方自治体の補助金制度は、前章で紹介したSiiのDER補助金と併用できます。

つまり、東京都などにお住まいの方は、最大3種類の補助金を受け取ることができるのです。

とてもお得に蓄電池が手に入るチャンスです。

ぜひ、申請開始と共に早急に行動できると良いでしょう。

東京都が実施している補助金制度を紹介!

続いて、東京都が独自に実施している補助金制度を紹介します。

東京都は2023年6月22日〜2026年3月31日までの期間、先着順で蓄電池の補助金制度を実施します。

補助金額は「設置価格の4分の3」もしくは「蓄電容量1kWhあたり15万円」の低い方です。

補助金の上限は120万円で、過去最高額の補助金を受け取ることができます。

ちなみに、前章で「国(Sii)の補助金制度を受けるためには、蓄電池・太陽光発電・HEMS機器のすべてが揃っていることが条件」とお伝えしました。

東京都では、太陽光発電と蓄電池をセット購入した場合、太陽光発電に対して以下のような充実した補助金を出すと発表しています。

 

 

補助金額(/kW)

最大補助金額

【新築】

 

3kW以下

12万円

500万円

 

3kW以上

10万円

【既存】

 

3kW以下

15万円

600万円

 

3kW以上

12万円

つまり、東京都にお住まいでまだ太陽光発電も蓄電池も設置していないという方は、セット導入を前向きに検討すべきです。

地方自治体の補助金制度の注意点

都道府県で補助金制度が実施されていない場合は、公式ホームページなどを使ってお住まいの自治体の補助金制度を確認しましょう。

以下は、東京都の市区町村が実施している補助金の例です。

 

補助金額(/kWh)

上限金額

港区

4万円

20万円

新宿区

1万円

10万円

中野区

一律10万円

上記の表を見ると、同じ東京都23区内でも、蓄電池の補助金額が異なることが分かります。

ちなみに、同じ東京都内でも世田谷区や豊島区などは蓄電池の補助金制度を実施していません。

お住まいの自治体の補助金制度が乏しくても「もらえるだけ有難い」と思えると良いですね。 

蓄電池の補助金制度は複雑!前もって調べてから蓄電池を購入しよう!

今回の記事では、蓄電池の補助金制度について詳しく解説しました。

蓄電池の補助金は、国(Sii)によるDER補助金と、都道府県、市区町村が実施しています。

地方自治体の補助金制度に関しては、お住まいの地域によって内容が異なるので、ぜひ公式ホームページなどで補助金の具体的な内容を確認してみてください。

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この記事の監修者

中田 萌

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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