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太陽光パネルは増設できる?タイミングやメリット・注意点は?

太陽光発電 2024年01月04日更新

経済産業省は2030年までに現在20%程度の再生可能エネルギーの割合を36〜38%まで増やそうと考えています。

その方法の一つとして太陽光パネルの増設に関するルール変更を検討しています。

本記事では太陽光パネル増設の意味や増設タイミング、増設の3つのメリット、増設時の注意点などについてまとめます。

太陽光発電の増設とは

太陽光発電で「増設」とは、太陽光発電設備を一度設置した後で太陽光パネルを追加することを意味します。

太陽光パネルを増設すると発電量を増やせるので、自宅で消費・蓄電できる電力量が増え、余剰電力を売電に回して収入を得やすくできます。

増設と似た用語に「過積載」があります。

過積載とはパワーコンディショナーの容量を上回る発電量の太陽光パネルを設置することで、追加で太陽光パネルを設置する増設と意味合いが異なります。

パワーコンディショナーの容量以内であれば増設しても過積載になりません。

また、増設であっても各自治体が設定している独自の補助金を受けられる可能性があります。

交付してもらえる補助金があるか、事前に調べておくとよいでしょう。

太陽光パネル増設のタイミングとは

太陽光パネルの増設を検討するのはどのようなタイミングになるのでしょうか。

2つの時期が検討タイミングとなります。

  • 消費電力の増加
  • 蓄電池の導入

1つ目のタイミングは消費電力が増えたときです。

子どもの成長やライフスタイルの変化により太陽光発電設備を設置するときに想定していたよりも消費電力が増えてしまうことがあります。

そんなときは太陽光パネルの増設を検討してもよいでしょう。

2つ目のタイミングは蓄電池を導入するときです。

蓄電池があれば太陽光発電の余剰電力を蓄え、夜間にも使うことができます

そうなると自宅で消費する電力の多くを太陽光発電でまかなえることになり、電力自給率をアップできます。

太陽光パネル増設の3つのメリット

太陽光パネルを増設することには3つのメリットがあります。

それぞれの内容について解説します。

売電収入の増加

発電量が増加すれば売電収入も増加します。

太陽光パネルを増設しても維持管理にかかるコストはあまり変化しません。

つまり、パネルを増やした分だけ売電収入が増加するため経済的メリットが大きいといえます。

ただし、売電収入に関しては以下の点に注意が必要です。

  • 売電価格は下落傾向である
  • 出力制限で買い取ってもらえない可能性がある

太陽光発電の余剰電力は電力会社に買い取ってもらえます。

しかし、買取価格は年々低下しています。

10kW未満の買取価格は2021年度に19円、2022年度に17円、2023年度に16円と下落の一途をたどっています。

また、電力の供給量が多くなりすぎると需給バランスが崩れてしまうため、電力会社は電力買取を抑制する出力制限を行います。

以上のことより、売電収入を増やすための太陽光パネル増設は慎重に検討する必要があるでしょう。

自家消費量の増加

発電量が増えると、自家消費に回せる電力が増えるため電気代をより多く削減できます。

売電価格が低下していることを踏まえ、近年は自家消費への関心が高まりつつあります。

自家消費に回せる電力が増えれば増えるほど電力会社から購入する電力を減らせますので、光熱費を削減できるのです。

2023年5月、経済産業省は大手電力会社7社からの値上げ申請を認可しました。

これにより標準家庭の電気料金は14〜42%値上げされました。

このように電気代が高騰する中、太陽光パネルを増設して発電量を増やすことは電気代抑制の方法としてきわめて有効です。

蓄電量の増加

発電量が増加することで蓄電量を増やすこともできます

ただし、蓄電量を増やすには蓄電池を新設・増設しなければなりません

蓄電量の増加を期待するのであれば、太陽光パネルの増設だけではなく、蓄電システムの整備も同時並行で進める必要があるでしょう。

太陽光パネル増設の注意点

太陽光パネルを増設する際、どのような点に注意すればよいのでしょうか。

3つの注意点についてまとめます。

「事前計画認定」の申請が必要となる

2017年、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーについて定めた「改正FIT法」が施行されました。

この法律では、増設などによって発電設備の出力が変更になるなどの大きな変化があったときは「変更認定申請」を出さなければならないと定められました。

変更認定申請は増加する出力に関わらず必ず出さなければなりません。

申請書の変更は専門的な知識を必要としますので、提出前に設置業者に確認して不備がないようにしましょう。

元のメーカーと異なるパネルを増設すると保証を外される可能性がある

最初に設置した太陽光発電設備のメーカーと、増設する太陽光パネルのメーカーが異なっていると、メーカーの保証を外されてしまう可能性があります。

故障などの不具合が発生したとき、スムーズに修理してもらえない可能性があるのです。

最初に設置したメーカーは、他のメーカーの製品との接続は前提としていません。

他のメーカーのパネルを増設して不具合が発生しても、設置当初と条件が違うため、保証するべき条件を満たしていないことになります。

同じメーカーの製品を増設したとしても、パワーコンディショナーの許容量を超えてしまう出力の太陽光パネルを増設すると保証対象外となる可能性があります。

増設する前に設置業者を通じて、保証継続の有無を確認しておくべきでしょう。

発電量が増えすぎ、売電価格が低下する可能性がある

太陽光パネルを増設し発電量を増やしてしまうと売電価格が下がってしまうケースがあります。

具体的には以下のケースで売電価格低下の可能性があります。

  • もとが10kW未満で、増設により合計出力が10kW以上になる場合
  • もとが10kW以上の設備で認定出力が少しでも増えてしまう場合
  • もとが10kW以上の設備で、3kW未満・3%未満の範囲を超える増設をした場合

これらの条件に当てはまってしまうと、発電量・売電量が増えても売電収入が低下してしまうかもしれません。

2023年度の10kW未満の買取価格は16円ですが、10kW以上50kW未満の区分になると10円まで買取価格が下がってしまいます。

増設によって売電収入がどうなるのか、設置する前にシミュレーションしておくべきでしょう。

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この記事の監修者

中田 萌

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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