ガス料金が2万は高い?料金が高くなる理由は何?徹底解説!
毎月届く電気料金の明細の中に「再エネ賦課金」の項目があります。
再生可能エネルギーの普及を目的に電気利用者から徴収している料金ですが、どのように決まっているかご存じでしょうか。
今回は再エネ賦課金の導入の経緯や買取対象となる再生可能エネルギーの種類、賦課金の推移や計算方法などについて解説します。
目次
電気料金の決まり方
最初に電気料金の決まり方について確認します。
電気料金の計算式は以下のとおりです。
- 電気料金=基本料金+電力量料金+再エネ賦課金
※電力量料金=電気使用量×電力単価+燃料費調整額
基本料金はアンペア数によって決まります。
一般家庭であれば20〜40Aとなっていることが多いのではないでしょうか。
電力量料金は1ヶ月で使用した電力量に1kWhあたりの電力単価を掛け合わせて算出します。
これにエネルギー価格の価格変動を反映させた燃料費調整額を足すことで割り出せます。
これに後ほど解説する再エネ賦課金を足して電力料金の総額が決定します。
再エネ賦課金とは?
正式名称は「再生可能エネルギー発電促進賦課金」といいます。
再生可能エネルギー(以下、再エネ)の普及を促進するため、再エネを買い取るための費用を電力料金に上乗せしています。
いったい、どのような経緯で導入されたのでしょうか。
導入のいきさつと買取対象となる再エネについて解説します。
再エネ賦課金はなぜ導入されたのか
この制度は再エネの普及を促進するために設けられました。
火力発電などと比べコスト面で劣っていた再エネの割合を増やすため、固定価格買取制度(FIT制度)が導入されました。
目的は電力を固定価格で買い取ることで再エネ事業者の利益を安定化させ普及・促進を図ることです。
FIT制度が導入された2012年には309億kWhだった発電量は2020年には1199億kWhまで増加します。
実に3.9倍もの発電量増加を達成したのです。
政府は2030年までに割合を36〜38%まで増やす方針で、今後も継続されると予想されます。
買取対象となる再エネ
買取対象となっている再エネは以下の5つです。
- 太陽光発電
- 風力発電
- 地熱発電
- 中小水力発電
- バイオマス発電
太陽光発電は再エネの中で最も割合が高い発電方法です。
太陽光パネルの調達価格下落に伴い、コストが大幅に低下しています。
今後も主力として活躍するでしょう。
最近、政府が力を入れているのが風力発電です。
これまでは陸上の風力発電が主流でしたが、今後は洋上風力発電も積極的に開発を進める方針です。
再エネ賦課金の推移
賦課金が再エネ普及に大きな役割を果たしていることがわかりました。
しかし、負担は年々増加しています。
ここからは賦課金の推移と2023年に初めて低下したことを取り上げます。
導入時は1kWhあたり0.22円
再エネ賦課金が初めて導入されたのは2012年です。
そこから2022年まで一貫して増加してきました。
年 | 1kWhあたりの賦課金額 |
2012年 | 0.22円 |
2013年 | 0.35円 |
2014年 | 0.75円 |
2015年 | 1.58円 |
2016年 | 2.25円 |
2017年 | 2.64円 |
2018年 | 2.90円 |
2019年 | 2.95円 |
2020年 | 2.98円 |
2021年 | 3.36円 |
2022年 | 3.45円 |
2023年 | 1.40円 |
導入当初は電力料金の1%の負担に過ぎませんでした。
しかし、その後増加の一途をたどり、2017年以降は電気料金の10%以上を占めるまでになります。
電気料金の高騰もあり、国民にとってかなり重い負担となっていたのは否めません。
2023年に初めて低下
2023年、導入以来初めて前年を下回りました。
1kWhあたり1.4円と前年の約40%と大きく低下したのです。
低下の理由は2つ考えられます。
1つ目の理由はFIT制度の買取価格が年々下落したからです。
FIT制度が始まった2012年には1kWhあたり42円(10kW未満)で買い取っていました。
しかし、2023年度の買取価格は16円にすぎません。
2つ目の理由は電力価格の大幅な上昇です。
エネルギー資源の高騰により再エネのスポット価格が大幅に上昇したため、再エネ賦課金を使わなくてもFIT制度を維持しやすくなったのです。
再エネ賦課金の計算方法
ここまで、導入から現在までの推移についてみてきました。
年々、賦課金が増加していることや2023年に大幅に低下したことがわかりました。
ここでは、国の決定方法や各自が負担する再エネ賦課金の計算方法について解説します。
国が再エネ賦課金単価を決定
資源エネルギー庁によれば、再エネ賦課金の単価は買取価格などを踏まえて年間でどのくらい導入されるかを見極めたうえで経済産業大臣が決定するとしています。
2023年のように電力価格が高騰すれば、賦課金が少なくても十分に採算が取れるため、賦課金単価が低くなります。
使用した電力量に掛け合わせて支払額が決定
再エネ賦課金の計算方法は以下のとおりです。
- 再エネ賦課金=使用した電力量(kWh)×再エネ賦課金単価
※2023年の再エネ賦課金単価は1.40円ですので、電力使用量×1.40で求められます。
検針票を見ると計算済みの再エネ賦課金が明記
再エネ賦課金は自動的に計算されて電気料金に付加されます。
検針票に金額が明記されていますので自分で計算する必要はありません。
自家発電なら再エネ賦課金の支払額を減らせる
再エネ賦課金は2022年まで一貫して増加し続けました。
2023年に大幅に低下したとはいえ、世界情勢の変化や為替相場次第では再び上昇に転じたとしても何の不思議もありません。
実は負担を減らす方法があります。
それは、太陽光発電設備を取り付けて自家発電を行うことです。
再エネを導入して自家発電を行っている家庭や企業は治める必要がない賦課金です。
自家発電を行うとどのようなメリットがあるのでしょうか。
- 電気代を大幅に削減できる
- 二酸化炭素の排出量を減らせる
- 蓄電池や電気自動車の充電ができる
- おひさまエコキュートを導入すれば給湯コストも下げられる
自家発電を行うと電力会社から買う電力量を減らせるため電気代を大幅に削減できます。
同時に、電気代に上乗せされている賦課金の支払金額を減らすこともできます。
太陽光発電は化石燃料のように二酸化炭素を排出しません。
温室効果ガスを排出しないため、環境負荷の減少にも貢献できます。
蓄電池を購入して太陽光発電と組み合わせると、太陽光発電の発電量によっては、終日、再エネ由来の電力を利用できます。
V2Hを組み合わせると太陽光発電の電力で電気自動車の充電ができるので、環境負荷をさらに減らせるでしょう。
太陽光発電を利用してお湯を沸かすおひさまエコキュートを導入すると、給湯コストの削減が期待できます。
これらの設備の導入には多額のコストが必要ですが、各種補助金を活用することで初期投資を削減できるかもしれません。
導入を検討する際は、補助金についてもしっかり調べることをおすすめします。
まとめ
今回は再エネ賦課金の決まり方やこれまでの賦課金の推移、再エネ賦課金の計算方法などについて解説してきました。
再エネ賦課金は導入から2022年までは一貫して増加し、電力料金の10%以上を再エネ賦課金が占めていたため、国民にとってかなり大きな負担となっていました。
しかし、2023年に大きく減少したことで、負担が低下しました。
再エネ賦課金の単価はそのときの経済状況で決まるため、今後も低く推移するとは言い難い状況です。
太陽光発電などを導入することで、再エネ賦課金の負担軽減を考えてもよいかもしれません。
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この記事の監修者
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太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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