太陽光パネルの廃棄費用はどのくらい?内訳も徹底解説!
太陽光発電は再生可能エネルギーを生み出す環境にやさしい設備として広く普及してきました。
しかし、寿命を迎えたパネルの処理が新たな問題として浮上しています。
パネルの廃棄やリサイクルにはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
本記事ではパネルの処分方法や処理費用の内訳、廃棄費用のつみたてなどについて詳しく解説します。
目次
太陽光パネルの寿命
太陽光パネルの法定耐用年数は17年と定められています。
これは減価償却できる期間のことで、実際の製品寿命はもっと長く見積もられています。
一般的なパネルの寿命は25年から30年ほどと見積もられています。
定期的なメンテナンスを実施することで寿命を延ばすことが可能です。
ただ、パネルのメンテナンスを自分で行うのはリスクがあります。
定期的に専門業者に点検・修理・清掃をしてもらうのがベストです。
廃棄する前に検討するべきこと
パネルを廃棄してしまう前に、太陽光発電設備を再利用できないか検討したほうがよいでしょう。
というのも、電力価格が高止まりする中、売電価格が低下しても自家発電の装置として光熱費削減に貢献してくれるかもしれないからです。
蓄電池や電気自動車を新たに購入し、その電源として既存の太陽光発電設備を利用する方法もあります。
廃棄してしまう前に、一度再利用を考えたほうがよいでしょう。
不要になったパネルはどうなる?
自宅から撤去した太陽光パネルはどうなってしまうのでしょうか。
撤去後のパネルの行方について解説します。
リユース・リサイクルされる
最もよいのはパネルそのものを再利用するリユースです。
パネルの状態によっては中古太陽光パネルを扱っている事業者に買い取ってもらえる可能性があります。
その際、古物営業法の許可を受けている事業者か確認しておきましょう。
リユースできなければ、産業廃棄物として処分しなければなりません。
その際、使用できる部分を再利用するリサイクルの措置が取られます。
産業廃棄物として処理される
産業廃棄物として処理される流れをもう少し詳しく見てみましょう。
産業廃棄物とは、廃棄物処理法などで定められた20品目の廃棄物のことです。
事業活動によって発生した廃棄物を指し、処分方法が定められています。
太陽光パネルは金属くず、ガラス・コンクリート・陶器くず、廃プラスチック類の混合物とみなされます。
パネルを支える架台の鉄やアルミなどはリサイクルされますが、リサイクルできないものについては埋め立て処分されます。
処理できるのはどんな業者?
産業廃棄物はどの事業者でも扱えるというわけではありません。
国が法律に基づいて与える2つの国家資格と都道府県知事の免許が必要です。
国家資格は以下の2つです。
- 特別管理産業廃棄物管理責任者
- 廃棄物処理施設技術管理者
特別管理産業廃棄物管理責任者は、爆発性や毒性などの恐れがある廃棄物を処理する事業者に設置しなければならない資格のことです。
廃棄物処理施設技術管理者は廃棄物処理施設に設置が義務付けられています。
都道府県知事の免許は以下の4つです。
- 産業廃棄物収集運搬業
- 産業廃棄物処分業
- 特別管理産業廃棄物収集運搬業
- 特別管理産業廃棄物処分業
太陽光パネルは金属くず、ガラス・コンクリート・陶器くず、廃プラスチック類の混合物として処理されるため、該当する産業廃棄物の収集運搬、処分の資格を持つ事業者でなければなりません。
処分業者を選ぶ際に、産業廃棄物の運搬・処理の資格を持っているか確認しましょう。
処理費用の内訳
太陽光パネルを処分するにはどの程度の費用を見込めばよいのでしょうか。
撤去費用と処分・運搬費用に分けて解説します。
撤去費用
太陽光発電には産業用と住宅用があります。
産業用の場合は足場を組んだりする必要がないため比較的費用を安く見積れます。
1kWあたり2万円というのが一つの基準となるでしょう。
住宅用に多い5kWであれば10万円となります。
しかし、実際には足場代や人件費などが含まれるためそれらを含めると30万円前後が一つの目安となります。
撤去に日数がかかってしまえば、その分だけ人件費・工事費がかさみますので注意が必要です。
処分・運搬費用
取り外したパネルの処分・運搬費の目安は1kWあたり2万円程度です。
ただ、撤去費用も処分・運搬費用も地域・事業者によって大きく異なります。
複数の業者に見積もりを取る相見積もりで地域の相場を探ることも重要です。
廃棄後に注意すべきこと
パネルは撤去してそれでおしまいというわけにはいきません。
撤去作業終了後、なるべく早く屋根の状態を確認することをおすすめします。
なぜなら、撤去時に屋根瓦や屋根そのものを破損してしまう可能性があるからです。
また、破損ではありませんが、パネルの架台設置時にあけた穴がそのまま残っている可能性もあります。
万が一、屋根の損傷や雨漏りなどがわかったら、すぐに撤去した業者と連絡を取り善後策を協議しましょう。
FIT制度を終了するための廃棄届を出す必要もあります。
太陽光発電設備を設置した事業者に依頼するか、自分で届け出るかして廃棄届を提出しましょう。
廃棄費用は設置時に積み立てるのがおすすめ
2022年から事業用太陽光発電事業者にはパネル廃棄費用の積み立てが義務付けられます。
住宅用の場合、積み立て義務はありませんが、廃棄時に数十万円の費用がかかることを考えると、自主的に積み立てするのがおすすめです。
太陽光パネルを20年間運用するとした場合、毎月2000円ずつ積立てれば、年額で2万4000円、20年間で48万円の積み立てが可能です。
修理費用もあわせて積み立てたいのであれば、毎月4000円ずつ、年額で4万8000円、20年間で96万円の積み立てがあると安心です。
この間にパワーコンディショナーが故障したり、メンテナンスの費用が発生すると予想されますが、積み立てがあれば慌てることなく対応可能です。
まとめ
今回は太陽光発電の廃棄費用や内訳について解説しました。
一般的な廃棄物と違い産業廃棄物となるため、粗大ごみのような処分はできません。
産業廃棄物処理の資格を持った事業者に適切に処理してもらうことが必要です。
そうなると、一定額の処理費用を見積もらなければなりません。
撤去費用や処分・運搬の費用などを含めると数十万円の処理費用を見込んでおくのが無難です。
処理する段階になってからそれだけのお金を用意するのは負担が大きくなり大変です。
太陽光発電設備を導入したときから、毎月数千円ずつの積み立てを実施しておくと処理時の負担を軽くできます。
運用中に破損したとしても、積み立てから出金できて便利です。
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この記事の監修者
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太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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