オフグリッド住宅とは?メリット・デメリットや住宅事例を紹介
最近注目の「オフグリッド住宅」は、環境対策や節約、災害対策に有益です。
まだ一般的ではなく、オフグリッドについて十分に知られていないのが現状です。
そこで今回は、オフグリッド住宅の特徴やメリット・デメリットなどを紹介します。
目次
オフグリッド住宅とは?仕組みも解説
オフグリッド住宅は、電気や水道のネットワークに頼らず、太陽や風の力で電気や水を自分で作り出して生活する家のことです。
電力会社の送電網とは独立しており、自給自足の生活が実現できます。
簡単に言えば、電力会社に頼らず自分でエネルギーを生み出す家のことです。
再生可能エネルギーの活用により、環境への負荷を軽減できるため、世界中で注目を集めています。
オフグリッド住宅を建てるメリット
オフグリッド住宅を建てるメリットを3つ紹介します。
電気代が一切かからないことを目指す
オフグリッド住宅にすると、自然エネルギーで発電した電力を使用するため、電力会社からの購入を削減し、結果として毎月の電気代を抑えることができます。
例えば、太陽光パネルなどのオフグリッドシステムを導入すると、自家発電で電力をまかない、電気代を削減できます。
太陽光発電を導入することで、電気代の上昇に左右されず、将来的には初期の投資を回収し、節約できる見込みがあります。
地球環境に優しい
オフグリッド住宅は、再生可能なエネルギーを使って生活することで、地球にやさしい取り組みができます。
太陽や風の力で電気を作るオフグリッド住宅は、石油やガスなどの化石燃料を使わずにすみます。
自然エネルギーで電気を生み出すことで、大気に放出される二酸化炭素の量が減り、環境への負担が減るのです。
エネルギーの効率的な利用は、持続可能な未来への一歩を踏み出す重要なきっかけとなります。
緊急事態に適切に対応できる
オフグリッドを家庭に取り入れると、自然災害などで停電が発生しても安心感が得られます。
例えば、太陽光パネルと蓄電池を組み合わせたオフグリッドシステムがあれば、晴天時には太陽光で電気を発電し、余ったエネルギーは蓄電池に蓄えます。
オフグリッド住宅にすれば、停電時でも自家発電で必要な電力を確保でき、照明器具やエアコンなどの使用が可能です。
オフグリッドシステムを家庭に取り入れると、災害や非常事態に強く、家族の安全を守る手助けとなるでしょう。
オフグリッド住宅を建てるデメリット
オフグリッド住宅を建てる際は、生活スタイルや住まいの条件に合わせて最適な選択をすることが大切です。
ここからは、オフグリッド住宅にするデメリットを3つ紹介します。
天候に左右されやすい
生活を完全にオフグリッドにすると、梅雨や台風の時期など太陽光が少ない場合、発電が十分できなくなります。
そのため、家にある蓄電池の残量を確認して、電気を使うタイミングや使い方を考える必要があります。
具体的には、晴れた日には十分な発電が期待できるので、その時にエコキューの使用や蓄電池を充電するなど、エネルギーを有効活用することが大切です。
一方で、発電量が不安定なときは、節電を心がけたり、必要に応じて予備の発電手段を考えたりすることが重要です。
建設コストは非常に高い
オフグリッド住宅には、太陽光発電や蓄電池、エコキュートなどの省エネ設備が必要ですが、これらをまとめて導入すると高額な費用がかかります。
しかし、今の電気代が高騰している状況や、政府や自治体からの補助金があることを考えると、初期投資をしっかり回収できる見込みがあります。
例えば、太陽光発電や蓄電池の設置により、毎月の電気代が大幅に削減され、その結果、数年後には初期費用を回収できるかもしれません。
メンテナンスにはコストが発生する
オフグリッド生活をスタートさせる際には、太陽光発電や蓄電池のメンテナンス費用がかかります。
例えば、太陽光パネルの清掃や蓄電池の点検には、洗浄用具やバッテリー交換は自己負担となります。
また、電力会社の送電網に頼らない場合、設備の故障時にはメーカー保証が適用されない可能性もあるため、修理費用も考えておくことが大切です。
予算とランニングコストをしっかり考え、安定的なオフグリッド生活を計画しましょう。
オフグリッド生活を実践した住宅の事例と価格相場
実際にオフグリッド生活を実現した住宅の例と、必要費用の目安について紹介します。
住宅事例①バレッグス
「大樹の杜」は、バレッグスが提供するオフグリッド住宅で、太陽光発電により1年中電力をまかない、自給率100%を実現します。
オフグリッドハウスの住宅事例
坪数:36坪
延床面積:119.66㎡
価格:2,580万円(税抜)
(参照:大樹の社)
2580万円のプランの他に、2300万円のプラン、完全オフグリッド住宅など、3つのプランから選べます。
基本理念に忠実で、余った電力を売却して年間20万円の収益が期待できる理想的な住宅を建築してくれます。
住宅事例②タイニーハウス
G.WORKSが提供する「タイニーハウス」は、龍神材や紀州材を主に使用し、高品質な材料でオフグリッド住宅を建築できます。
オフグリッドハウスの住宅事例
坪数:1.5坪
延床面積:4.97㎡
価格:300万円(税抜)(別途発電システム95万円)
(参照:紀州材タイニーハウス)
紀州材ターニーハウスのオフグリッド住宅は、電気が届かない森や山奥、キャンプ場などでも快適な生活ができるように設計されました。
1棟の建物にはソーラーパネル4台が設置され、太陽光をクリーンエネルギーに変換し、夜間の灯りなどの生活をサポートしています。
コンパクトなオフグリッド住宅は、必要なものだけを取捨選択してシンプルに暮らしたい人に最適です。
オフグリッド住宅に適した省エネ設備
以下は、オフグリッド生活に役立つ節電設備です。
- 太陽光発電:電気を作り出すシステム
- 蓄電池:作った電気を貯めて使うシステム
- 電気温水器・エコキュート:電気を使ってお湯を沸かすシステム
- IHクッキングヒーター:エネルギー効率が高く、ガス代が発生しない
- LED照明:通常の照明より消費電力を大幅に削減できる
オフグリッド生活を始めるには、まず太陽光発電などの設備を取り入れ、電気を作り、その電力を日々の生活に活かすことから始めましょう。
オフグリッド住宅で使える補助金
オフグリッド住宅の補助金は、国と自治体から利用することができます。
それぞれの補助金について、詳しく紹介します。
国からの補助金
補助金 | 追加補助額 | |
ZEH支援事業 | 定額55万円 | 蓄電システム:2万円/kWh (上限20万円、補助対象費の1/3のどちらか) 直交集成板:90万円/戸、地中熱ヒートポンプシステム:90万円/戸 PVTシステム:液体式60万~80万円/戸、空気式90万円/戸 液体集熱式太陽熱利用システム:12万~15万円/戸 |
次世代ZEH+実証事業 | 定額100万円/戸 | 蓄電システム:2万円/kWh (上限20万円、補助対象費の1/3のどちらか) V2H:補助対象費の1/2または75万円 燃料電池:2万円 太陽熱利用温水システム:液体式17万円、空気式60万円のどちらか |
こどもみらい住宅支援事業 | 50〜100万円/戸 | ー |
ZEH支援事業の補助金は自治体の補助金と併用できます。
ただし、こどもみらい住宅支援事業は、予算上限に達しているため、利用することができません。
具体的な募集状況は、地元の役所のウェブサイトを確認してみましょう。
自治体からの補助金
オフグリッド住宅で使える補助金の一例を紹介します。
補助金制度 | 補助金額 |
令和5年度 東金市住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金 | 定置用リチウムイオン蓄電システム:上限7万円 電気自動車(EV・プラグインハイブリッド車) ◎住宅用太陽光発電設備及びV2H充放電設備を併設している場合:上限15万円 ◎住宅用太陽光発電設備のみを併設している場合:上限10万円 V2H充放電設備:補助対象経費の10分の1(上限25万円) |
市川市スマートハウス関連設備導入費補助金交付事業 | 太陽光発電:2万円/kWh 太陽熱利用システム:上限5万円 家庭用燃料電池システム:上限10万円 定置用リチウムイオン:上限7万円 電気自動車・プラグインハイブリッド車:上限15万円(太陽光発電設備併設の場合:10万円) V2H充放電設備:本体購入費の1/10(上限25万円) 集合住宅用充電設備:【居住者のみが充電設備を利用可能な場合】 国の補助金×1/3(1基当たり上限50万円) 【居住者以外も充電設備を利用可能な場合】 国の補助金×2/3(1基当たり上限100万円) |
各地域の助成金には、名前や中身が異なるものがあります。
それに加えて、応募期限が終了してしまっていることもあるので、具体的な情報は各自治体の公式ウェブサイトを参照して確認してください。
電気代高騰や災害時も安心!まずセミオフグリッド生活から始めよう
今回は、オフグリッド住宅の仕組みやメリットデメリット、補助金について紹介しました。
完全にオフグリッドで生活するのはむずかしいため、最初は一部だけをオフグリッドでまかなう「セミオフグリッド」からスタートするのが現実的です。
つまり、太陽光発電だけでなく、必要に応じて電力会社から電気を購入しながら、徐々にオフグリッド生活に移行していくスタイルです。
太陽光発電に興味があるなら、太陽光発電や蓄電池の販売業者に相談してみましょう。
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この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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