停電で水が出ない?一戸建てやマンションに違いも!非常時の備えは?
2024年1月1日に日本を襲った「能登半島地震」、2011年3月11日に起こった「東北大震災」。
多くのプレートの上に位置している日本では、地震が頻繁に起きます。
地震による被害として挙げられるのが、停電、断水、火災などです。
2024年1月1日に起こった能登半島地震でも、地震直後には広い地域で断水がおきました。
今回は、停電で水が出ない場合の対処法や、水が出ない「断水」になってしまう前にできる対策などを解説します。
目次
停電で水が出ないのはなぜ?停電で断水するの?
実は、断水が起こっていなくても停電が起こるだけで水が出なくなってしまうケースがあります。
停電で水が出なくなるのは、電気で水を部屋に供給しているケースです。
電気で各部屋に水を供給しているのは、マンションやアパート、ビルなどです。
電気で部屋に水を供給している場合、断水していなくても部屋に水が供給されなくなってしまうので注意が必要です。
供給方法① 直圧直結給水方式
直圧直結給水方式とは、水道内を通る水の圧力を利用して給水する方法です。
直圧直結給水方式では、電気を使って水を汲み上げることはないので、停電が起きても水道が止まってしまうことはありません。
供給方法② 直結増圧方式
直結増圧方式とは、水道に繋がっていますが電気の力を利用して各部屋に水道水を届ける方法です。
水圧だけでは各部屋に水を届けられない場合に採用され、マンションやアパート、ビルなどで採用されている方法です。
直結増圧方式は、水の供給に電気を使用しているので、停電が起きると水道も止まってしまいます。
供給方法③ 受水槽式
受水槽式とは、受水槽に貯めた水をポンプを使用して各部屋に水を届ける方法です。
直結増圧方式と同様、電気を利用して各部屋に水を届けているので、停電が起こると水道も止まってしまいます。
停電などで水が出なくなったらするべきこと・してはいけないこととは?
直圧直結給水方式以外を採用したマンションやアパートでは、停電が起こると水道が止まってしまいます。
断水を含め、水道が止まってしまった場合には、下記の点に注意する必要があります。
- 止水栓・蛇口を閉める
- 水道管に残っている水を使わない
- トイレを無理に流さない
それぞれ詳しく解説します。
対応① 止水栓・蛇口を閉めよう
停電や断水などで水道が止まってしまった場合には、止水栓や蛇口を閉めましょう。
特に、トイレや洗濯機の止水栓は忘れてしまうことが多いので注意が必要です。
停電や断水が長引いた場合、水道管に留まった水はどんどん汚れていきます。
止水栓が開いていると、汚れた水が自宅の水道管に入ってきてしまう可能性があるので注意が必要です。
また、水道が出ないことを確認したら、すぐに蛇口を閉める必要があります。
水道が使えるようになった時に蛇口が開いていると、いきなり水が出てきて危険です。
水道が出ないからと言って慌てず、必ず各場所の蛇口が閉まっていることを確認しましょう。
対応② 水道管に残っている水を使わない
断水や停電により水が出なくなってしまった後、水が出るようになってもすぐに水道の水を使用してはいけません。
水道管に留まっていた水は、汚れていることがあります。
水が止まって復旧した後に水を使用する場合には、出てくる水の色や匂いに違和感がないかを必ず確かめましょう。
もし、いくら水を出しても水に違和感がある場合には、修理を依頼する必要があります。
対応③ トイレは無理に流さない
断水や停電で水が出ない場合、トイレの使い方には注意が必要です。
水道管に何らかの障害がある場合、無理にトイレを流すとトイレや配管が破損してしまう可能性があります。
トイレを流さないように通達が出た場合や、トイレの流れ方がおかしい場合には、非常用のトイレを使用する必要があります。
【困ることをシミュレーション】停電で水が出ないと何が困る?
断水や停電などで水が出ないと、想像している以上に困ることがあります。
断水や停電は、いつ起こるか予想することはできません。
いつ水道から水が出なくなっても困らないよう、水が出なくなった場合を想定して「何が困るか」をシミュレーションしておきましょう。
困りごと① 飲み水がなくなる
断水や停電などで水が出なくなってしまうと、飲み水がなくなってしまいます。
数分の短い間の断水や停電であれば問題ないことが多いですが、断水や停電が長引いた場合には、脱水などの危険があるので注意が必要です。
特に、小さい子供や高齢者が家族にいる場合や、夏場には特に注意が必要です。
困りごと② トイレが流せなくなる
断水や停電により水が出なくなってしまうと、トイレが流せなくなってしまいます。
水が出ない状況が長く続く場合には、非常用トイレを使用したり、備えておいた水を使用したりしなければいけません。
水が出なくなりトイレが流せない場合、水道管などの破損がない場合に限りお風呂の水などでトイレを流すことが可能です。
お風呂の水などでトイレを流す場合には、便器に直接水を流し込み、大量の水で排泄物を流すようにしましょう。
少ない水でトイレを流したり、排泄物を大量に貯めてしまったりした場合には、トイレが詰まってしまう危険性があります。
困りごと③ 体を洗えなくなる
水が出なくなってしまったら、体や顔、手指などを洗うことができません。
短期間であれば問題ないかもしれませんが、水が出ない状況が長期間に及ぶと感染症の危険が増したり、ストレスが溜まったりしてしまうので注意しましょう。
困りごと④ 調理ができない
断水や停電などで水が出なくなってしまった場合、水を使用した調理を行うことができません。
停電により断水が起こる給水方式のマンションやアパートに住んでいる場合には、水がなくても調理することができるような食料の備蓄が必要です。
困りごと⑤ 水をもらいに行かなければならない
停電や断水により水が出なくなってしまったら、給水所まで水をとりに行かなければいけません。
人は、1日に大量の水を消費します。
給水所に行ったとしても、一人で運べる水の量には限界があります。
特に、力の弱いお年寄りや、重いものを運ぶのに自信がない場合には、何らかの対策をしておく必要があるでしょう。
水が出なくなる前にどんな対策をしておくと安心?
日本に住んでいる以上、地震が起きた時のための災害対策は欠かせません。
地震などの災害対策を行う場合には、停電対策に加えて、水が出なくなってしまった時の対策をする必要があります。
対策① ペットボトルで飲み水の確保
水がいきなり出なくなってしまった時のために、ペットボトルに入った水などを常備して飲み水の確保をしておきましょう。
お風呂に張った水や、エコキュート内の水は、飲み水の備蓄として活用することができません。
綺麗ではない水を非常時に飲んでしまうと、お腹を壊したり、体調を崩したりして脱水してしまう可能性があるので注意しましょう。
対策② 断水が起きる可能性がある時は浴槽に水を
断水や停電などで水道が止まってしまう可能性がある場合には、浴槽に水を張っておきましょう。
特に、台風の日や風が強い日には、電線が切れるなどして停電が起こるリスクが高まります。
電気の力を使用して部屋に水を供給している場合には、停電対策と共に水が止まってしまった時の対策をしておく必要があります。
浴槽に水を張っておくことで、トイレの水を流すときや掃除の時などに使用することができます。
ただし、浴槽に溜めた水は飲み水として使用することはできません。
下の部屋への水漏れや、子供が溺れる事故が起きる可能性がある点には注意が必要です。
対策③ 非常用トイレを用意しておく
水が止まってしまった場合には、無理にトイレを使用してはいけません。
トイレが使えなくなってしまった時に備え、非常用トイレをいくつか用意しておきましょう。
近年では、100均などでも非常用トイレが販売されています。
非常用トイレは腐るものではないので、数に余裕を持たせて保存しておくと良いでしょう。
対策④ 調理に水が必要ない食料を備蓄する
いきなり水が止まってしまった場合に備え、調理に水を必要としない食料を常備しておきましょう。
ペットボトルなどの飲料水を常備している場合には、調理に水を使用することができます。
ただし、ペットボトルの飲料水はなるべく多く飲料水として残しておきたいので、調理に水が必要な食品は最小限の備蓄に留めておくことがおすすめです。
対策⑤ 水道水を確保しておく
飲料用などのために、水道水をポリタンクなどに入れて保存しておくこともおすすめです。
ただし、水道水を飲料水として備蓄する場合には、保存期間に注意しましょう。
水道水は、塩素が含まれているので、水道から備蓄してから3日程度は飲料水として活用することができるとされています。
しかし、水道水の管理状況や気温・室温などによって菌が繁殖してしまう可能性がある点には注意が必要です。
水道水をポリタンクなどに備蓄する場合には、なるべく頻繁に水をとりかえ、安全に飲用できるように注意しておく必要があります。
対策⑥ 給水所の確認をしておく
いきなり水が止まってしまった場合、短時間であれば給水所に水をとりに行く必要がないかもしれません。
しかし、断水や停電が長引いた場合には、給水所へ水をとりに行かなければいけません。
停電や断水のための災害対策をする場合には、給水所や避難所の場所を事前に確認しておきましょう。
また、給水所で水をもらうためのポリタンクなどを複数用意しておく必要があります。
水が元通り出るようになったらどうしたらいい?
最後に、水が止まってしまった後、水が元通り出るようになった時の復旧方法について解説します。
水が止まってしまった後、いつも通り水が出るようになってもすぐに使ってはいけません。
ポイントは以下の通りです。
- しばらく置いてから止水栓を開く
- 色や匂いを確認
- 綺麗な水が出るまで出し続ける
それぞれ詳しく解説します。
ポイント① 止水栓は水道が普及してしばらく置いてから開く
断水や停電により水道が止まってしまった場合、水が出るようになったら、なるべくすぐに使用したいですよね。
しかし、水が出るようになったからといって、すぐに使い始めるのはおすすめできません。
水が出るようになってすぐに止水栓を開けると、水道菅の中に入った不純物やサビが自宅の水道管に入ってきてしまう可能性があります。
また、地域の水道管に空気が入ってしまっている場合、自宅の止水栓をすぐに開けることで自宅内の水道管に空気が入り、水道管が破損してしまう恐れがあります。(エアーハンマー現象)
断水や停電後に水が供給されるようになっても、すぐに止水栓を開けず、しばらく置いてから止水栓をゆっくり開けることがおすすめです。
ポイント② 色や匂いを必ず確認する
水が出るようになり、部屋に水が供給されるようになったら、水道から出る水の色や匂いを必ず確認しましょう。
長時間水道管の中にあった水は、水道管の不純物やサビなどを含んでいる可能性があります。
水が出るようになってもすぐに使用することは避け、水の色や匂いを確認できる洗面所などで異常がないかを確認しましょう。
もし、いくら水を出しても水に匂いがあったり、色がおかしかったりする場合には、水道管が破損している可能性があります。
ポイント③ 綺麗な水が出るまで水を出し続ける
水が出るようになったら、完全に綺麗な水が出るまで水を出し続けましょう。
水を出し続ける時間の目安は10分前後です。
「10分も出し続けるなんて水がもったいない」と感じる人もいるかも知れません。
しかし、安全な水を使うためにも、完全にいつもと同じような綺麗な水が出るまで待ちましょう。
停電で水道が止まるのは人ごとじゃない!対策は万全に!
今回は、停電が原因で水が出なくなる原因と、水が出なくなってしまった時の対処法、断水対策について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
少しでも災害が起こる可能性がある以上、停電も断水も人ごとではありません。
特に、電気を利用して各部屋に水を供給しているマンションやアパートでは、停電による断水に十分対策をしておく必要があります。
この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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