停電時に水道は止まる?マンション・戸建ての違いと、蓄電池・エコキュートでできる「流せる」対策

地震や台風などの災害による停電時、「水道は使えるのか?」「トイレは流せるのか?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。電気が止まると、私たちの生活は一変します。特に水は命に直結するインフラです。
結論から言うと、停電しても水道が「使える場合」と「使えない場合」があり、それはお住まいの環境によって大きく異なります。
この記事では、停電と水道の関係性、特に「停電 水道」に関する疑問について、専門編集者がE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の観点から徹底的に解説します。ご自身の住まいがどのケースに当てはまるか確認し、万全の対策を整えましょう。
目次
この記事の要点
- 水道局からの配水は停電でも止まりにくいですが、建物の給水方式(特にマンションのポンプ)が停電で停止すると水が出なくなります。
- 戸建てでも井戸水やエコキュートなどのお湯は、停電でポンプや制御系が止まり、使えなくなるケースがほとんどです。
- 停電時でもポンプや給湯器を動かし、水道やお湯を維持するためには、太陽光発電と蓄電池による電源確保が最も有効な対策の一つとなります。
停電で水道が止まる「本当の理由」とは?
停電時に水道が止まるかどうかは、「水道局からの配水」と「建物内の給水」の2段階で考える必要があります。多くの場合、問題は「建物側」にあります。
1. 水道局の配水システムは停電に強い
まず、大元の水道局(水道事業者)の配水システムについてです。水道局は、浄水場で作った水を「配水池」に貯め、そこから各家庭に水を送っています。
この配水方法には、主に「自然流下式(高低差を利用)」と「ポンプ圧送式」がありますが、どちらも大規模な停電に備えています。
- 自然流下式: 高台にある配水池から低い場所へ、重力を利用して水を送るため、電力は不要です。
- ポンプ圧送式: ポンプで圧力をかけて水を送る方式ですが、水道局の重要な施設は自家発電設備や非常用電源を備えており、短期間の停電であれば稼働を継続できるよう設計されています。
そのため、水道局の管轄する「水道本管(道路の下にある太い管)」までは、停電しても水が流れているケースがほとんどです。
2. 問題は「建物側の給水ポンプ」
問題は、水道本管から分岐して、個々の建物(特にマンションやビル)の蛇口まで水を届ける「給水設備」です。
戸建てやマンションの低層階では、水道本管の水圧だけで蛇口まで水を届けられる「直結給水方式」が多いため、停電の影響を受けにくいです。
しかし、マンションの中高層階では水圧が足りないため、一度「受水槽」に水を貯め、それを「給水ポンプ」で各戸に圧送する方式(受水槽方式)や、ポンプで直接水圧を高めて給水する方式(増圧直結給水方式)が採用されています。
これらの給水ポンプは電気で動いています。したがって、停電するとポンプが停止し、受水槽に水が残っていても蛇口から水が出なくなる(=断水する)のです。
章のまとめ:
停電になっても、水道局からの配水がすぐに止まる可能性は低いです。しかし、マンションなど給水ポンプを使っている建物では、ポンプが停止することで「建物内断水」が発生するリスクが高くなります。
【住居別】停電時の水道・トイレ影響(マンション・戸建て)
停電が水道に与える影響は、お住まいの形態(マンションか戸建てか)や、採用されている給水方式によって大きく異なります。ご自身の住まいがどのタイプか確認してみましょう。
マンションの場合(特に中高層階)
前述の通り、マンション(特に3階建て以上)の多くは、電力で動く給水ポンプを使用しています。
- 受水槽方式(高架水槽あり): 屋上に設置された「高架水槽」に水が残っていれば、ポンプが止まってもその分の水(重力で)は使えます。しかし、水槽が空になれば断水します。
- 受水槽方式(ポンプ圧送): 地下や1階にある受水槽から直接各戸へポンプ圧送している場合、停電と同時に断水する可能性があります。
- 増圧直結給水方式: 水道本管から直接ポンプで加圧しているため、停電と同時に断水します。
さらに、マンションでは「排水」にも注意が必要です。一部の建物では、地下階などに集まった汚水を、ポンプ(排水ポンプ)で公共下水道へ排出している場合があります。この排水ポンプも停電で止まると、トイレの水を流した際に下層階で汚水が逆流・溢水(いっすい)する大惨事につながる恐れがあります。
停電時は、水が出ても「流してはいけない」ケースがあることを覚えておきましょう。
戸建ての場合
多くの戸建ては、水道本管からの水圧で直接給水する「直結給水方式」です。この場合、水道局からの配水が続いている限り、停電しても蛇口から「水」は出ます。
ただし、戸建てでも以下の点には注意が必要です。
注意点1:井戸水(飲用)
水道水ではなく、敷地内の井戸水をポンプ(電動)で汲み上げて利用しているご家庭(特に郊外や地方)では、停電するとポンプが停止し、完全に断水します。
注意点2:お湯(給湯器)
停電しても「水」は出ますが、「お湯」は出なくなります。ガス給湯器も、電気温水器も、エコキュートも、すべて制御や着火、ポンプの動作に電気を使用しているため、停電すると機能停止します。(※エコキュートについては次章で詳述)
| 住居タイプ | 給水方式 | 停電時の「水」 | 停電時の「お湯」 |
|---|---|---|---|
| 戸建て(水道) | 直結給水方式 | 使える(場合が多い) | 使えない(給湯器が停止) |
| 戸建て(井戸水) | (電動ポンプ) | 使えない(ポンプが停止) | 使えない |
| マンション(低層階) | 直結給水方式 | 使える(場合が多い) | 使えない(給湯器が停止) |
| マンション(中高層階) | 受水槽方式 / 増圧方式 | 使えない(ポンプが停止) | 使えない |
章のまとめ:
マンション高層階や井戸水利用家庭は、停電が即断水につながるリスクが非常に高いです。戸建て(水道)の場合も、「水」は出ても「お湯」は止まるため、生活に大きな支障が出ます。
停電・断水のリスクに備える「蓄電池」の基礎知識
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停電時に「エコキュート」と「トイレ」はどうなる?
停電時に特に困るのが「お湯」と「トイレ」です。オール電化住宅で普及しているエコキュートや、最近の多機能トイレは、停電時にどうなるのでしょうか。
エコキュートは「生活用水」のタンクになる
エコキュート(自然冷媒ヒートポンプ給湯機)は、停電するとお湯を沸かす機能も、シャワーなどでお湯を出す機能(ポンプ)も停止します。
しかし、エコキュートには大きなメリットがあります。それは、貯湯タンクに貯まっている水(またはお湯)を、「生活用水」として取り出せることです。
- 機種にもよりますが、370Lや460Lといった大容量の水を確保できます。
- タンク下部の非常用取水栓から、バケツなどに水を取り出せます。
- ただし、この水は飲用には適さない場合が多いため、トイレを流したり、体を拭いたりする「生活用水」として使用するのが基本です。(※詳細は各メーカーの取扱説明書をご確認ください)
停電が復旧した際は、時刻設定がリセットされている場合があるため、再設定が必要か確認しましょう。
停電時の「トイレ」利用の注意点
停電時のトイレ使用可否は、非常にシビアな問題です。
1. 水が止まった場合(マンション高層階など)
給水ポンプが停止し断水している場合は、絶対に流してはいけません。タンクに水がないため流れませんし、前述の「排水ポンプ」が停止している場合、無理に流すと逆流・溢水の危険があります。
2. 水が出る場合(戸建て・マンション低層階など)
水が出ても、トイレのタイプによって対応が分かれます。
- タンク式トイレ: 停電していても、タンク横のレバーで流すことができます。
- タンクレストイレ / 一部の一体型トイレ: 電磁弁や電動ポンプで排水を制御している機種が多く、停電するとボタンを押しても流れません。多くの場合、停電時用の手動レバーや電池(オプション)が装備されていますが、操作方法を知らないと使えません。
停電に備え、携帯トイレの備蓄や、お風呂の残り湯を(生活用水として)捨てずに取っておく習慣が重要です。
章のまとめ:
エコキュートの水は非常時の貴重な生活用水として役立ちます。トイレは「水が出るか」「排水ポンプが動いているか(マンションの場合)」「トイレの機種(タンク式か)」の3点を確認し、不明な場合は使用を控えるのが安全です。
停電時の水道・お湯を守る「太陽光発電+蓄電池」という備え
停電時でも自宅の給水ポンプ(井戸水含む)や給湯器(エコキュート)を動かし、普段に近い生活(水やお湯)を維持するには、どうすればよいでしょうか。その最も強力な答えが「電源の確保」です。
なぜ太陽光発電+蓄電池が必要なのか
停電時に電力を供給する方法として、ポータブル電源や発電機もありますが、家庭全体のインフラを守るには限界があります。
- 太陽光発電だけの場合: 日中の晴天時であれば、自立運転モードで一部の電気が使えます。しかし、夜間や悪天候時には発電できず、停電対策としては不十分です。
- 蓄電池だけの場合: 蓄電池に貯めた電力は使えますが、使い切れば終わりです。停電が長引くと対応できません。
「太陽光発電+蓄電池」の組み合わせであれば、日中に太陽光で発電した電気を蓄電池に貯め、夜間や悪天候時の停電にも備えることができます。発電と蓄電を繰り返すことで、停電が長引いても電力を使い続けることが可能になります。
「全負荷型」蓄電池がインフラ維持の鍵
蓄電池には「特定負荷型」と「全負荷型」の2種類があります。
- 特定負荷型: 停電時、あらかじめ決めておいた特定の部屋やコンセント(例:冷蔵庫、リビングの照明)だけに電力を供給します。
- 全負荷型: 停電時、家全体のほぼすべての電気(200V含む)をバックアップします。
停電時に「水道(井戸水ポンプ)」や「お湯(エコキュート)」を使いたい場合、これらは200Vの大型機器であることが多く、家全体をカバーする「全負荷型」の蓄電池でなければ対応できない可能性が高いです。
停電対策として蓄電池を導入する際は、「停電時に何を守りたいか」を明確にし、それに合ったシステム(特定負荷か全負荷か、必要な容量はいくつか)を選ぶことが非常に重要です。
出典:経済産業省 「蓄電池」
導入費用と補助金
太陽光発電や蓄電池の導入にはコストがかかりますが、国や自治体(都道府県・市区町村)が手厚い補助金制度を用意している場合があります。
特に近年は、災害対策(レジリエンス強化)や電力の安定化(DR:ディマンド・リスポンス)を目的とした補助金が充実しています。これらの制度を活用することで、初期費用を大幅に抑えられる可能性があります。
ただし、補助金は予算や期限が定められており、申請も複雑なため、専門知識を持つ販売・施工店への相談が不可欠です。
章のまとめ:
停電時でも水道(ポンプ)やお湯(エコキュート)を使いたい場合、「太陽光発電+全負荷型蓄電池」の導入が最も確実な対策です。費用はかかりますが、補助金を活用し、平時の電気代削減と災害時の安心を両立する選択肢となります。
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停電・断水に備えて今からできること(蓄電池以外の対策)
蓄電池のような設備投資がすぐに難しくても、停電や断水に備えて日頃からできる対策はたくさんあります。これらを徹底するだけでも、いざという時の安心感が大きく変わります。
飲料水・生活用水の備蓄
最も重要なのが「水」の備蓄です。
- 飲料水: 1人1日3Lを目安に、最低3日分(できれば1週間分)を備蓄しましょう。ローリングストック(普段使いしながら買い足す)方法がおすすめです。
- 生活用水: お風呂の残り湯は、すぐに捨てずに貯めておく習慣をつけましょう。トイレを流したり、体を拭いたりするのに使えます。ポリタンクに水道水を汲み置きしておくのも有効です。
携帯トイレ・簡易トイレの準備
前述の通り、停電・断水時に最も困るのがトイレです。水が流せない状況に備え、凝固剤と袋がセットになった「携帯トイレ」や「簡易トイレ」を必ず準備しておきましょう。
自宅のインフラ状況の確認
いざという時に慌てないよう、平時に自宅の状況を確認しておくことが大切です。
- マンションの方: 管理組合や管理会社に、停電時の給水・排水ポンプの対応(非常用電源の有無など)を確認しておきましょう。
- 戸建ての方: 井戸水か水道水か、給湯器(エコキュート)の取扱説明書(停電時の操作)はどこにあるか、確認しましょう。
- タンクレストイレの方: 停電時の手動での流し方を、取扱説明書で必ず確認し、一度試しておきましょう。
停電復旧時の注意点
停電が復旧した直後にも注意が必要です。
- 通電火災: 停電中に倒れた家電(アイロン、ヒーターなど)が、復旧と同時に作動して火災になるケースがあります。停電時は家電のプラグを抜くか、ブレーカーを落としましょう。
- 水道水の濁り: 断水が復旧した直後は、水道管内のサビなどが混じり、水が濁ることがあります。しばらく水を流し続け、透明になってから使用してください。
章のまとめ:
日頃からの「水の備蓄」「携帯トイレの準備」「自宅のインフラ状況の把握」が、停電・断水という災害を乗り切るための基本であり、最も重要な対策です。
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「停電時の水道」に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 停電したら水道は必ず止まりますか?
いいえ、必ず止まるわけではありません。水道局からの配水は非常用電源などで維持されることが多いです。しかし、お住まいがマンション(中高層階)や井戸水利用の戸建ての場合、電気で動く給水ポンプが停止するため、断水する可能性が非常に高いです。
戸建て(水道)やマンション低層階(直結給水)の場合は、停電しても水が出続けることが多いですが、お湯(給湯器)は使えなくなります。
Q2. マンションで停電すると水道が止まるのはなぜ?
多くの中高層マンションでは、水道本管の水圧だけでは各戸に水を届けられないため、「受水槽」に貯めた水を「給水ポンプ」で圧送したり、「増圧ポンプ」で水圧を高めたりしています。
これらの給水ポンプが電気で動いているため、停電するとポンプが止まり、蛇口まで水が届かなくなるからです。管理組合が非常用電源をポンプに接続している場合を除き、停電=断水となるリスクが高いです。
※お住まいのマンションの給水方式や非常用電源の有無については、管理組合や管理会社にご確認ください。
Q3. 停電中、エコキュートのお湯は使えますか?
シャワーや蛇口からのお湯(給湯)は使えません。 エコキュートは電気でお湯を沸かし、ポンプで給湯するため、停電すると両方の機能が停止します。
ただし、タンク内に貯まっている水(またはお湯)を、生活用水として取り出すことは可能です。多くの機種で「非常用取水栓」が備わっており、バケツなどに水を受けられます。これは飲用には適さない場合が多いため、主にトイレを流す水などに使用します。
出典:一般社団法人 日本冷凍空調工業会 「自然災害後対応可否チェックリスト」
Q4. 停電時にトイレが流せない場合の対処法は?
断水していて水が流せない場合は、絶対にレバーを操作しないでください(特にマンション)。
対処法としては、「携帯トイレ(凝固剤で固めるタイプ)」を使用するのが最も衛生的で確実です。また、エコキュートや備蓄水、お風呂の残り湯などの「生活用水」が確保できれば、バケツで便器内に直接水を流し込むことで排水させることも可能です(タンクレストイレを除く)。
※マンションでは排水ポンプが停止している可能性もあるため、水を流す際は管理組合の指示に従ってください。
Q5. 停電対策に蓄電池はどのくらい役立ちますか?
停電対策としての蓄電池の有用性は非常に高いです。特に、停電時に「水道(井戸水ポンプ)」や「お湯(エコキュート)」を使いたい場合、これら200V機器にも対応できる「全負荷型」の蓄電池と、日中の発電・充電を可能にする「太陽光発電」を組み合わせることで、停電が長引いても生活インフラを維持できる可能性が高まります。
冷蔵庫や照明、スマートフォンの充電といった最低限の備えであれば「特定負荷型」やポータブル電源でも対応できますが、「停電時でも普段に近い生活」を目指す場合は、全負荷型蓄電池が推奨されます。
出典:経済産業省 資源エネルギー庁 「太陽光発電について」
この記事の監修者

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
光熱費削減に関するお悩み等ございましたら、お気軽にご相談下さい。
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