太陽光パネルの雪下ろしは必要?除雪しないデメリットや解決法も解説!
冬季に太陽光パネルに積もった雪について、「発電力が落ちるから雪下ろししたほうが良い」とお考えの方も多いのではないでしょうか?
実は、極端な積雪時を除いて太陽光パネルの雪下ろしは「やらなくても大丈夫」であり、むしろ無理に自分で行うと「パネルの破損」などのトラブルにつながる可能性すらあります。
本記事では、太陽光パネルの雪下ろしをしないことで起こるデメリットや、それでも雪下ろしをしないほうが良いと断言できる理由をわかりやすく解説していきます。
記事の後半では、太陽光パネルの雪下ろしをせずに積雪のトラブルを回避する「2つの解決策」についてもご紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください!
目次
【結論】太陽光パネルの雪下ろしはしないほうがメリットが大きい
結論から言えば、太陽光パネルの雪下ろしは「行うメリット」より「行わないメリット」のほうが大きいため、極端な積雪時を除いて基本的には行う必要性がありません。
太陽光パネルの雪下ろしをしないと「発電量が落ちる」などのデメリットはあるものの、自分で行うと転倒やパネルの故障など、より大きなデメリットの原因となり得ます。
一方で、太陽光パネルは「2.5m以上の積雪」で破損する可能性があるため、あまりにも降雪が多い日はメンテナンス業者に雪下ろしを依頼することをおすすめします。
太陽光パネルの雪下ろしがおすすめできない「3つの理由」とは?
つぎに、積雪していても太陽光パネルの雪下ろしをするべきではない「3つの理由」について解説していきます。
理由①:作業中のトラブルでケガをする危険性があるから
太陽光パネルの雪下ろしがおすすめできない最大の理由は、雪下ろしの作業には多大な労力が必要なうえに、作業中にケガをしてしまう可能性があるからです。
そもそも、屋根の上に登って行う除雪作業は「転倒や落下」などの危険性が高いうえに、太陽光パネルに足を乗せた際に滑ってしまう状況も考えられます。
さらに、太陽光パネルに積もった雪は、一般的な住宅屋根の雪より滑りやすいため、落ちてきた雪に巻き込まれて転倒してしまう恐れもあるでしょう。
理由②:雪下ろし作業でパネルが破損する可能性があるから
太陽光パネルの雪下ろしがおすすめできない2つ目の理由は、雪下ろしの作業の衝撃でパネルやシステムが破損してしまう可能性があるからです。
太陽光パネルの表面は丈夫な素材でできているものの、雪下ろし道具の角などが当たって割れる可能性があるうえに、誤って配線を切断してしまうケースも考えられます。
太陽光パネルのヒビに水が入ると故障やショートの原因となり、余計な修理費用が発生してしまう恐れもあるため、雪下ろしを行うことで逆に損する結果となってしまいます。
理由③:太陽光パネルの雪は屋根の雪より溶けやすいから
太陽光パネルの雪下ろしがおすすめできない3つ目の理由は、そもそもパネル上の雪は溶けて落ちやすく、発電量の低下による経済的デメリットがそれほど大きくないからです。
太陽光パネルに雪が積もっていても「雪を通り抜けた日光」により発電は行われ、発電の際にパネルに発生する熱で自然に雪が溶けていきます。
さらに、太陽光パネルの表面は滑りやすいガラス素材で構成されており、発電により溶けた雪が落ちやすい仕組みになっているため、雪下ろしを急ぐ必要性は低いでしょう。
太陽光パネルを雪下ろしをしないと発生する「3つのデメリット」
つづいて、太陽光パネルの雪下ろしをしないことで起こり得る「3つのデメリット」をくわしく解説していきます。
デメリット①:発電量が大きく下がる
太陽光パネルに雪が積もったままの状態では日光をうまく取り込めないため、一日の発電量が大きく下がる結果となってしまいます。
雪下ろしをすれば通常の発電量に戻すことは可能ですが、せっかく除雪してもまた雪が降ってくる可能性は充分あるため、労力に見合った利益を得ることは難しいでしょう。
そもそも冬季は他の季節に比べて日照時間が短く、年間でもっとも発電量が低下する季節のため、無理に雪下ろしを行ってもそれほど多くの発電量が期待できません。
デメリット②:雪の重みでパネルが破損する
太陽光パネルの上に「想定を超えた大量の雪」が積もると、パネルが破損または故障したり、パネルを支える架台が損壊してしまう可能性があります。
一般的な太陽光パネルの耐荷重性能は「5,400Pa」ほどに設定されており、雪の重みで換算すると「約2.5m」ほどの積雪が耐久限界ラインの目安となります。
2.5mを超える雪が積もった際は雪下ろしをすべきですが、素人が行うには落雪事故などの危険性が高すぎるため、必ず業者に除雪を依頼しましょう。
デメリット③:落雪が近隣トラブルの原因になる
太陽光パネルの雪下ろしをしないデメリットとして、「落ちた雪が原因で近隣トラブルに発展する」可能性があることも挙げられます。
たとえば、落雪の際に歩行者が通行していたら苦情の原因になりますし、隣家との距離が近い場合は、落雪の重みで窓ガラスなどを損壊してしまう可能性もあります。
最悪の場合、賠償責任などが発生するケースも想定できますので、太陽光パネル用の「雪止め」を設置するなど、トラブルが起こり得る部分に対策を施しておくべきでしょう。
太陽光パネルの雪下ろしを自分でやらずに解決する「2つの方法」とは?
さいごに、自分で太陽光パネルの雪下ろしをしなくても積雪の問題を解決できる「2つの方法」をご紹介していきます。
方法①:想定以上の雪が降ったら業者に雪下ろしを依頼する
日常的な積雪量であれば自然に溶けるため雪下ろしをする必要はありませんが、2mを超える積雪が予想される日には、前もって業者に依頼する準備を整えておきましょう。
とくに、積雪量が「2.5m」を超えるとパネルや架台に想定以上の負荷がかかるため、故障する前に業者に除雪を依頼するべきです。
雪の多い日は除雪業者への依頼が集中し、対応までに時間がかかる可能性もありますので、1社だけでなく複数の業者の連絡先を控えておくと安心です。
方法②:「融雪ヒーター」や「融雪パネル」を設置する
「融雪ヒーター」や「融雪装置」と呼ばれる設備を導入すれば、太陽光パネルに積もった雪を電気やボイラーなどで溶かすことができます。
また、新たに太陽光パネルを設置する際には、パネル自体に融雪装置が搭載された「融雪パネル」と呼ばれる雪国用のシステムを導入するのもおすすめです。
融雪ヒーターや融雪パネルの設置には、一般的な太陽光パネルの導入費用よりコストが必要ですが、落雪によるトラブルを予防するためにも検討する価値はあるでしょう。
まとめ:太陽光パネルの雪下ろしは必要なし!溶けるのは意外と早い
本記事でくわしく解説してきた「太陽光パネルの雪下ろしはしないほうが良い理由」についての重要ポイントを、以下にもう一度まとめていきます。
- 太陽光パネルの雪下ろしは、ケガや設備の破損などの原因となるためおすすめできない
- 太陽光パネルに積もった雪は発電による熱で溶けやすいため、そのまま放置して問題ない
- 2.5mを超える雪が積もるとパネルが損壊する恐れがあるため、業者に除雪を依頼するべき
- 融雪ヒーターや融雪パネルなど、積もった雪を溶かすシステムも販売されている
太陽光パネルの雪下ろしが原因でパネルが破損してしまうと「5〜15万円」ほどの修理費用がかかってしまうため、基本的には自然に溶けるまで放置することをおすすめします。
落雪による近隣トラブルが心配な方には「融雪ヒーター」や「雪止め」などで解決する方法もありますので、施工業者や取り扱いメーカーに一度相談してみてはいかがでしょうか?
<メタディスクリプション>
「太陽光パネルの雪下ろしって必要なの?」と気になっている方に向けて、本記事では太陽光パネルの雪下ろしをしないことで起こる問題やしなくても大丈夫な理由、自分で雪下ろしをせずに積雪の問題を解決する方法を解説していきます。
この記事の監修者
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