太陽光発電問題点を知って賢い選択を

太陽光発電システムの主な問題点
初期費用の負担が重い
太陽光発電システムの導入において、多くの方が最初に直面するのが初期費用の高さという問題です。一般的な家庭用太陽光発電システム(4kW~5kW)を導入する場合の費用相場は140万円~200万円程度が目安となっており、決して安い投資ではありません。
太陽光パネルの設置費用の相場は、パネルの種類や設置面積、工事内容などによって大きく異なりますが、一般的には1kWあたり35万円~40万円程度となっています。この初期投資の大きさが、導入を検討する際の大きな障壁となることがあります。
天候に左右される発電量の不安定性
太陽光発電の本質的な問題として、発電量が天候や季節によって大きく変動することが挙げられます。曇りや雨の日には発電量が著しく低下し、冬季には日照時間の短縮により年間を通じて最も発電量が少なくなります。
この不安定性により、期待していた発電量を得られない場合があり、投資回収期間が延長される可能性があります。特に日照条件が良くない地域では、導入効果が限定的になることがあります。
売電価格の継続的な下落
住宅用太陽光発電(10kW未満)の売電価格は、1kWhあたり15円となっていますが、設置年度や電力会社によって異なります。近年、この売電価格は継続的に下落傾向にあり、初期の売電価格よりも大幅に低下しているのが現状です。
売電価格の下落により、太陽光発電システムの投資回収期間が延長され、経済的メリットが以前ほど期待できなくなっています。
設置に関する問題点
屋根の条件による制約
太陽光パネルの設置には、屋根の構造や方角、築年数などの条件が大きく影響します。屋根の耐荷重が不足している場合や、設置に適さない形状の屋根では導入が困難になることがあります。
また、周辺建物による日陰の影響も深刻な問題となり、一部でも影ができると発電効率が大幅に低下してしまいます。
複雑な手続きと長期間の待機
太陽光発電システムの設置には、電力会社への系統連系申請をはじめとした複雑な手続きが必要です。系統連系は申請から承認までに要する期間は通常3ヵ月~6ヵ月程度となっており、手続きの複雑さと長期間の待機が導入の障壁となることがあります。
太陽光発電システムの設置工事は、一般的な住宅用システムの場合、1~2日程度で完了しますが、工事前には電力会社への連系申請や各種手続きが必要で、申請から工事完了まで全体では3~6ヶ月程度の期間を要することが一般的です。
システム運用時の問題点
パワーコンディショナーの早期劣化
太陽光発電システムの重要な構成要素であるパワーコンディショナーは、電力会社との系統連系を行う場合、経年劣化が早まることがあります。パワーコンディショナーの故障や性能低下は、システム全体の発電効率に直接影響を与えるため、定期的なメンテナンスや交換が必要になることがあります。
メンテナンス費用の発生
太陽光発電システムは「メンテナンスフリー」と言われることがありますが、実際には定期的な清掃や点検が必要です。パネルの汚れや故障により発電効率が低下する可能性があり、専門業者によるメンテナンス費用が継続的に発生します。
特に、鳥の糞や落ち葉、砂埃などの汚れは発電効率に大きく影響するため、定期的な清掃が欠かせません。
将来的な問題点
廃棄処理とリサイクルの課題
太陽光パネルの処分費用は1枚あたり5,000円からが相場となっており、システムの寿命が来た際の廃棄費用も無視できない負担となります。
太陽光発電設備の廃棄等費用の積立ては2022年7月1日から義務化されており、10kW以上の太陽光発電設備については、発電事業者が廃棄費用を事前に積み立てることが求められています。適切なリサイクル体制の整備も今後の重要な課題となっています。
技術進歩による既存システムの陳腐化
太陽光発電技術は日々進歩しており、新しい技術の登場により既存システムが相対的に性能面で劣る可能性があります。導入時点では最新だったシステムも、数年後には効率の低いシステムとなってしまうリスクがあります。
問題点を踏まえた対策と検討事項
導入前の十分な検討
太陽光発電システムの導入を検討する際は、自宅の立地条件や屋根の状況を詳細に調査することが重要です。日照条件や周辺環境を十分に評価し、期待される発電量と投資回収期間を現実的に算出する必要があります。
蓄電池との併用検討
売電価格の下落を受けて、発電した電力を自家消費する「自家消費型」のシステムが注目されています。家庭用蓄電池(4kWh~7kWh)を導入する場合の費用相場は100万円~200万円程度が目安となりますが、蓄電池との併用により電力の自給自足率を高めることができます。
蓄電池の寿命は30年前後とされており、長期的な活用が期待できます。蓄電池の標準的な設置工事費用は20万円~35万円程度で、設置環境や配線の複雑さ等により変動します。詳しくはお気軽にリノベステーションにお問い合わせください。
専門業者による適切な提案
太陽光発電システムの導入においては、信頼できる専門業者による詳細な現地調査と提案を受けることが重要です。設置条件や期待効果について、客観的で現実的な評価を求めることをお勧めします。
まとめ
太陽光発電システムには多くのメリットがある一方で、初期費用の負担、天候による発電量の変動、売電価格の下落、メンテナンスの必要性など、様々な問題点も存在します。導入を検討する際は、これらの問題点を十分に理解した上で、自宅の条件に適したシステムかどうかを慎重に判断することが重要です。
問題点を理解した上で適切な対策を講じることで、太陽光発電システムを有効活用することが可能になります。導入前には複数の業者から提案を受け、総合的に検討することをお勧めします。
よくある質問
Q1. 太陽光発電の初期費用はどのくらいかかりますか?
一般的な家庭用太陽光発電システム(4kW~5kW)の導入費用は140万円~200万円程度が目安となります。費用は1kWあたり35万円~40万円程度が基準となりますが、パネルの種類や設置条件により変動します。
Q2. 雨や曇りの日でも発電しますか?
太陽光発電は天候に大きく左右されるため、雨や曇りの日は発電量が大幅に低下します。完全に発電しないわけではありませんが、晴天時と比較すると発電効率は著しく下がります。
Q3. 太陽光パネルのメンテナンスは本当に必要ですか?
太陽光パネルは基本的にはメンテナンスフリーとされていますが、発電効率を維持するためには定期的な清掃や点検が推奨されます。鳥の糞や落ち葉などの汚れは発電効率に影響するため、適切な管理が必要です。
Q4. 売電価格は今後も下がり続けるのでしょうか?
近年、売電価格は継続的に下落傾向にあります。現在の住宅用太陽光発電の売電価格は1kWhあたり15円となっていますが、設置年度により異なります。今後の価格動向については政府の政策により決定されるため、導入時点での価格で計画を立てることが重要です。
Q5. 太陽光パネルの廃棄費用はどのくらいかかりますか?
太陽光パネルの処分費用は1枚あたり5,000円からが相場となっています。2022年7月1日からは、10kW以上の太陽光発電設備について廃棄費用の事前積立てが義務化されており、将来的な廃棄費用も考慮した計画が必要です。
この記事の監修者

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