エコキュートの水抜きは業者に頼むべき?費用や注意点・自分でやる方法まで解説!

貯湯タンクの衛生管理、冬場の凍結対策として欠かせないメンテナンスであるエコキュートの「水抜き」。定期的に実施していないと、配管やタンクの故障を招くだけでなく、「給湯効率の低下」といったデメリットも起こりうることをご存じでしょうか?
本記事では、水抜きの重要性から、自分で行う具体的な手順・タイミング、業者に依頼した場合の費用相場やメリットまでくわしく解説していきます。さらに、突然訪問してくる「点検業者」の信頼性を見分ける方法や、万が一、悪質な業者と契約してしまった場合の「クーリングオフ手順」もご紹介。
本記事を参考に、エコキュートを適切にメンテナンスして快適に使うためのポイントを押さえて、設備本来の寿命までエコキュートを活用していきましょう。
目次
そもそも「エコキュートの水抜き」とは?重要性もあわせて解説
エコキュートの「水抜き」とは、貯湯タンクに残っている水(お湯)を一部、またはすべて排出することで、タンク底部に溜まった汚れや不純物を洗い流すメンテナンスのことです。
そもそもエコキュートは、空気の熱を利用してヒートポンプでお湯を沸かし、タンクに貯めてから家庭へ給湯する仕組み。沸き上げは毎日自動で行われるため、タンクは常に大量のお湯が貯まった状態です。
沸き上げに使用する水道水には、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分や、目に見えない微細な不純物が含まれており、定期的に排出する水抜き作業を行わないと、じょじょにタンク底部に蓄積していきます。
タンク内部に不純物が溜まりすぎると「雑菌の繁殖」や「配管の詰まり」など、さまざまなデメリットの要因となってしまうため、衛生管理や故障を未然に防ぐ対策としても、水抜きは非常に重要なメンテナンスといえます。
水抜きをしないとどうなる?よくある「3つのトラブル事例」
定期的な水抜きを実施しないままエコキュートを使い続けると、タンクに溜まった不純物や配管のダメージなどが原因となり、見えないところで不具合が進行していく可能性があります。ここでは、水抜きの放置でよくある「3つのトラブル事例」を確認していきましょう。
トラブル①:タンクや配管の汚れがお湯に混ざる
水抜きをせずにエコキュートを使い続けると、タンクや配管内に水道水に含まれるカルシウムやマグネシウム、サビや砂といった不純物が少しずつ溜まっていきます。これらは「水質低下」の原因となり、具体的には、蛇口やシャワーのお湯の「においや濁り」といった症状で現れる可能性があります。
においや濁りのあるお湯を使用すると、入浴や調理で使用する際に不快感を感じたり、お湯の見た目や香りに違和感を覚えたりするでしょう。精神的にも衛生面でも、好ましい状況とは決していえません。
こうした問題は、水抜きでタンクや配管の不純物をしっかり排出することで予防できます。家族の安心を守るためにも、定期的に水抜きを行い、お湯をいつも清潔で快適な状態に保つことが大切です。
トラブル②:給湯効率が落ちて電気代が高くなる
水抜きを実施せずにエコキュートを使い続けると、「給湯効率の低下」を招く要因となり、結果的に電気代がじわじわ高くなる状況を引き起こす恐れがあります。理由は、タンクや配管に溜まった不純物が給湯のスムーズな流れを阻害し、その分ヒートポンプが沸き上げや給湯に余計な運転時間と電力を使うようになるからです。
不純物による悪影響はじょじょに現れるため、電気代の上昇に気づきにくいケースも少なくありません。「なんとなく高くなった?」と感じる頃には、汚れがかなり進行している事態も考えられます。
定期的に水抜きを行うことは、水質の低下を予防するだけでなく、エコキュート本来の効率的な運転を維持することにもつながります。節電と機器の長寿命化のためにも、忘れずに実施したいですね。
トラブル③:設備に負荷がかかり故障リスクが増える
定期的に実施すべき水抜きを放置し、タンクや配管に不純物が蓄積すると、ヒートポンプや配管に余分な負荷がかかり、「設備の故障リスク」の増大につながります。たとえば、「ヒートポンプから異音がする」「設定温度よりお湯がぬるく感じる」など、さまざまな不具合の要因となりかねません。
また、配管内部に詰まった不純物や汚れは「水漏れ」の原因となるほか、金属部品の腐食やサビを招き、結果的に「配管の損傷」といった大きなトラブルの引き金となる可能性も。
こうした不具合は「エラーコード」として表示される場合もありますが、気づかず進行して突然設備が停止する可能性もゼロではありません。最悪の場合、修理費用が「数万円」を超えるケースや、設備をまるごと交換せざるをえない事態を引き起こす状況も考えられます。
余計な修理費用が発生するだけでなく、「修理や交換が完了するまでお湯が使えない」点もメンテナンス不足の大きなデメリット。お金や精神的なストレスを予防するためにも、定期的な水抜きは欠かさず実施しておきましょう。
初心者でもできる!エコキュートの水抜き手順・頻度の目安
一見、難しそうなエコキュートの水抜きですが、特別な道具や専門知識がなくても、取扱説明書を見ながら慎重に進めれば、初心者でも意外とかんたんに実施できます。作業のポイントは「マニュアル通りに進める」「安全に作業する」の2点だけ。
本項では、「三菱エコキュート」の取扱説明書を参考に、実際の水抜き手順をご紹介していきます。
- エコキュートの電源を切る
- (脚部カバーが付いている場合)脚部カバーを外す
- 給水配管専用止水栓を閉じる
- 逃し弁操作窓を開けて、逃し弁レバーを手前に起こす
- 排水栓を約1〜2分開く(熱湯注意)
- 排水栓を閉じる
- 給水配管専用止水栓を開く
- 排水溝から勢いよく水が出たら、逃し弁レバーを戻す
- (脚部カバーを外した場合)脚部カバーを付ける
- エコキュートの電源を入れる
三菱や多くの製造メーカーでは、「年に2〜3回」ほどの頻度で、定期的に水抜きすることを推奨しています。「排水栓を約1〜2分開く」工程の際に、タンクの状況によっては熱湯が飛び出す可能性がありますので、作業の際にはゴム手袋・長袖などの着用がおすすめです。
プロに任せるとここが安心!水抜きを業者に頼む費用とメリット
水抜きを自分で行うのが不安な場合や、購入してから何年も水抜きしてしておらず、点検も同時に依頼したい場合は、業者に作業を依頼するのが安心です。エコキュートの水抜き・点検費用の相場はおおよそ「1〜3万円」が目安であり、各メーカーも「3年に1度」ほどのプロ点検を推奨しています。
業者に任せるメリットは、作業が安全かつ確実に行われることに加え、タンクや配管の状態、設備全体の稼働状況も同時にくわしくチェックしてもらえる点です。初期の小さな不具合や汚れの蓄積を発見してもらえるため、後々のトラブルや大きな修理費用を未然に防ぐ効果も期待できます。
プロによる点検や水抜きには費用が必要ですが、安全性や効率を重視するなら、定期的にプロに任せるのがかしこい選択。メンテナンスの放置で高い修理費用を払うよりはお得ですので、必要経費と割り切って点検を依頼しましょう。
参考:カインズリフォーム
突然訪問する点検業者にはご用心!よくあるトラブルと見分け方
突然自宅に訪問して営業を行う業者は後を絶たないもの。そんな中には、エコキュートの点検や水抜きを勧める業者も存在します。「今すぐ点検・水抜き作業が必要」などと言われると、つい不安になってしまいますよね。
ここでは、エコキュートの悪質な点検業者のよくある手口の一例や、訪問業者が信頼できるかを見分けるポイント、もしも契約してしまった場合のキャンセル方法をわかりやすく解説していきます。
「無料点検」「緊急対応」に注意!悪質な勧誘の手口とは?
悪質な訪問エコキュート点検業者の代表的な手口は、「無料点検ですぐに対応します」と勧誘し、「見つかったトラブルを修理した」などと偽り、高額な作業費用を請求するというもの。悪質なケースでは、「メーカー公認業者」などと身分を偽るケースも見受けられるようです。
こういった悪質な業者の多くは、親切そうな態度で最初は安心感を与えつつ、「今すぐ点検しないと故障して危険」と不安を煽ったり、「特別価格で今日中に契約すれば割引します」と契約を急かすケースも少なくありません。
悪質な業者に共通する特徴として、訪問者が「信頼できるかを判断する前に契約を迫る」点が挙げられます。大切なのは、その場の勢いで契約せず、一度冷静に訪問者の身分や信頼性を確認すること。公式メーカーや正規販売店に訪問の予定があったか問い合わせるだけでも、被害を防ぐ効果があります。
その訪問業者、本当に信頼できる?見極める「3つのポイント」
突然訪問してきた業者は「点検のメリット」ばかりを強調するケースも多く、本当に信頼できるのか、見極めるのは簡単ではありません。一方で、訪問業者が来た場合の「3つのチェックポイント」を事前に押さえておけば、不安や迷いを減らして冷静に断ることができるでしょう。
会社情報や資格・身分を偽っていないか? | 名刺や作業車に会社名・所在地・連絡先がきちんと記載されているか、公式サイトや固定電話があるかをチェックしましょう。メーカー公認と自称している場合は、メーカーに問い合わせるのも有効です。 |
身だしなみや態度・話し方に不審な点はないか? | 制服や作業着が清潔で、名札や身分証を提示できるかは信頼性の大きな目安です。質問にも落ち着いて答え、強引な態度を取らない業者は安心度が高いといえます。デメリットを隠す業者は避けましょう。 |
作業内容や見積もり・契約に関する説明がていねいか? | 作業内容や費用の内訳、作業後の保証内容を具体的に説明し、書面で渡してくれるかどうかは重要な判断材料です。あいまいな説明や口約束だけで作業を急ぐ業者はおすすめできません。 |
訪問業者のすべてが悪質というわけではないものの、信頼できる業者は情報や説明を隠す必要がありません。これらのポイントを押さえておけば、その場の雰囲気や急な勧誘に惑わされず、冷静かつ安全な判断ができるでしょう。
もし悪質な業者と契約してしまったら?【クーリングオフの手順】
万が一、悪質な訪問業者と契約してしまった場合でも、条件を満たせば「クーリングオフ制度」で契約を解除できます。クーリングオフは、訪問販売など特定取引に該当する契約で、契約書を受け取った日から8日以内であれば無条件で解約できる制度のことです。
手順としては、まず契約書面に記載されている販売会社の住所・担当者名を確認し、クーリングオフの意思を示す書面(ハガキや内容証明郵便)を送付します。文面には契約日、契約内容、解除の意思を明記し、控えを必ず保管しましょう。
送付後は、業者からの引き止めや撤回要求に応じる必要はありません。少しでも不安や不明点があれば、消費生活センターや国民生活センターに相談することで、手続きや文面作成はもちろん、精神面でもサポートしてもらえます。
まとめ:水抜きは正しく・安全に!不安なときは「信頼できる業者」に依頼しよう
エコキュートの水抜きは、きれいで安全なお湯を保ち、毎日の暮らしを快適にするための大切な習慣です。「年に2〜3回」を目安に定期的に行うことで、においや濁りのないお湯を安心して使え、余計な電気代や突然の故障からも家計と生活を守れます。
また、設備全体の点検も兼ねて、「3年に1回」はプロによる点検や水抜きを依頼することもおすすめです。プロの点検では、素人では確認できない内部の不具合を早期発見できるため、結果的に設備寿命を伸ばすことにつながります。
業者に水抜きや点検を依頼する際には、突然訪問した点検業者より、施工を行った業者など、より信頼できる業者を選んだほうが安心です。万が一、悪質な点検業者と契約してしまった場合は、クーリングオフ制度で解約できることも覚えておきましょう。
エコキュートを長持ちさせ、家族の安心を守るためにも、ぜひ定期的な水抜きを「新しい習慣」として取り入れてみてくださいね。
この記事の監修者

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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