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こんな営業に気を付けて!現地調査をしていないのに見積もりが出てきたときの注意点

太陽光発電 2025年12月19日更新

 

契約前に必ず確認「見積もり」とチェックリスト

太陽光発電システムや蓄電池、リフォームの導入を検討する際、Webサイトや電話営業で「すぐに概算見積もりが出ます」「現地調査なしでも安くできます」といった営業を受けたことはありませんか?

手軽に見積もりが手に入ると魅力的に感じますが、結論から言えば、**太陽光やリフォームにおいて「現地調査なしの見積もり」は非常に危険です。** それは「見積もり」ではなく、単なる「概算」に過ぎず、多くの場合、契約後に高額な追加費用が発生するトラブルの火種となります。

この記事は、訪問販売や相見積もりの段階で、「現地調査なしの見積もり」を提示されて戸惑っている方に向けて、なぜ現地調査が必須なのか、その見積もりが「不当な見積もり」でないか判断する基準、そして優良な業者を見抜くためのチェックリストを専門家目線で解説します。費用や補助金制度は年度や自治体、お住まいの状況によって大きく変動するため、最終的な判断の前に、最新情報を公的機関のページなどで確認することが重要です。

目次

この記事でわかること

  • 「現地調査なしの見積もり」がいかに危険であるか、その具体的なリスク
  • 優良な業者が現地調査で必ず確認している必須チェックポイント
  • 「現地調査なし」で見積もりを出す業者の本当の狙い
  • 提示された見積もりが不当(危険)でないか判断するための確認リスト

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なぜ「現地調査なしの見積もり」が危険なのか?

太陽光発電や蓄電池、リフォーム工事は、一軒一軒の家の状況に合わせて設計・施工する「オーダーメイド」です。洋服のオーダーメイドで採寸をしないことがあり得ないように、家を見ずに正確な見積もりを出すことは不可能です。「現地調査なしの見積もり」を信じて契約すると、主に3つの重大なリスクに直面します。

リスク1:契約後に高額な「追加工事費」が発生する

これが最も多いトラブルです。「現地調査なし」の見積もりは、あくまで「標準工事費」でしかありません。しかし、実際の現場では「標準」から外れることばかりです。

  • 「屋根材が特殊(例:瓦、スレート以外)で、専用の金具と追加の防水処理が必要だった」
  • 「分電盤(ブレーカー)の容量が不足しており、交換(幹線の張り替え)が必要だった」
  • 「配線を通すルートが想定と異なり、壁の開口や補修作業が追加で発生した」
  • 「屋根の劣化が思ったより進んでおり、先に補修工事が必要だと判明した」

これらは全て、現地調査をしていれば事前に判明したはずの項目です。「現地調査なし」の業者は、契約後にこれらの事実を指摘し、「見積もりには含まれていないので、追加で〇〇万円必要です」と高額な追加費用を請求してくるケースがあります。これこそが「不当な見積もり」の典型的な手口です。

リスク2:設置不可(または非効率)な機器を提案される

見積書に記載された機器が、そもそも設置できない可能性もあります。

  • 太陽光パネル:屋根の面積は十分でも、影(近隣の建物、電柱、樹木)の影響を考慮しておらず、シミュレーション通りの発電量が全く得られない。
  • 蓄電池・パワコン:設置スペースとして想定していた場所(例:屋外の壁際)に、規定された離隔距離(消防法やメーカー規定)が取れず、設置場所を変更(または設置不可)になる。

特に日照条件(影の影響)は、発電量、つまり投資回収期間に直結する最重要項目です。これを航空写真やGoogleマップだけで判断するのは非常に雑であり、現地で専門家が時間帯を変えて確認(あるいは専用の測定器で計測)する必要があります。

リスク3:補助金申請の要件を満たせない

国や自治体の補助金は、リフォームや設備導入の大きな動機になります。しかし、補助金の多くは「特定の性能要件を満たす機器」や「登録された施工業者による工事」を条件としています。
「現地調査なし」の業者は、補助金の複雑な要件を無視して「補助金が使えますよ」と説明し、契約後に「お客様の家では要件を満たせませんでした」と報告してくる場合があります。現地調査をしっかり行い、補助金の要件(例:断熱材の厚み、設置する機器の型番)を満たすための正確な設計ができる業者でなければ、補助金の活用は難しいと考えるべきです。

太陽光・蓄電池の現地調査でプロが確認している必須項目

では、信頼できる業者は、現地調査で具体的に何を確認しているのでしょうか。これを知ることで、「現地調査なし」がいかに無謀であるかが分かります。

① 屋根の状況(材質・方角・傾斜・劣化具合)

屋根は発電の土台です。航空写真では分からない詳細な情報を確認します。

  • 材質と工法:瓦(和瓦・洋瓦)、スレート、ガルバリウム鋼板など、材質に合わせた適切な工法(金具)を選定します。材質が不明では見積もりが出せません。
  • 方角と傾斜:正確な方角(真南が最適)と角度を測定し、発電量シミュレーションの精度を上げます。
  • 劣化状況:ひび割れ、サビ、コケの発生などを目視で確認します。劣化が進んでいる場合、設置工事の負荷に耐えられない、または雨漏りの原因になるため、先に塗装や葺き替えを提案する必要があります。

② 設置環境(日照条件・周辺障害物)

発電シミュレーションの根幹となるデータです。

  • 影の影響:近隣の建物、樹木、電柱、テレビアンテナ、煙突などが、朝夕や冬場(太陽が低い時期)にどれだけ屋根に影を落とすかを確認します。影がかかる部分にはパネルを設置しない、または影に強い(オプティマイザ付きなどの)システムを提案します。
  • 障害物と搬入経路:工事車両(クレーン車など)が家の前に停められるか、パネルや機器を安全に屋根まで上げられるか、といった搬入経路も重要な確認項目です。

③ 電気系統(分電盤・配線ルート・電力契約)

家の中の確認も必須です。特に太陽光や蓄電池は電気工事の要です。

  • 分電盤(ブレーカー):現在の容量(アンペア数)は十分か、太陽光用のブレーカーを増設するスペースはあるか、古いタイプ(例:漏電遮断器がない)ではないかを確認します。
  • 配線ルート:屋根からパワーコンディショナ、分電盤、蓄電池まで、どのように配線を隠蔽または露出で通すか、最短かつ安全なルートを設計します。壁の中や天井裏の確認も行います。
  • 電力契約:現在の電力契約プランを確認し、太陽光・蓄電池導入後に最適なプラン(例:深夜電力が安いプラン)への変更シミュレーションも行います。

④ 設置スペース(パワコン・蓄電池)

機器を「置く場所」の確認です。

  • パワーコンディショナ:直射日光が当たらず、風通しが良く、動作音が気にならない場所(屋内または屋外)を確保できるか確認します。
  • 蓄電池:重量に耐えられる基礎(コンクリート土間など)があるか、メーカーが定める壁からの離隔距離を確保できるか、浸水リスクがないかなどを確認します。

最適なパネルは? 費用対効果は? まずは専門家と確認

「うちの屋根の影は大丈夫?」「分電盤の交換も必要なの?」 このように、現地調査で見るべき項目は非常に専門的です。無料シミュレーションをご利用いただければ、専門のアドバイザーがあなたの家の条件やご希望に最適なパネルをご提案し、詳細な費用対効果を分かりやすくご説明します。(※最終的な正式見積もりには現地調査が必要です)

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現地調査なし」で見積もりを出す業者の本当の狙い

これほど多くの確認項目があるにも関わらず、なぜ「現地調査なし」で見積もりを提示する業者が存在するのでしょうか。その狙いは、消費者の利益ではなく、業者側の利益にあることがほとんどです。

狙い1:とにかく契約の「入口」に立たせたい(契約の既成事実化)

「現地調査なし」の業者は、まず安価な「概算見積もり」を提示し、お客様に「この金額なら」と契約書にサインさせることを最優先します。一度契約してしまえば、お客様は心理的に「キャンセルしづらい」状態になります。その上で、「実際に現場を見たら追加工事が必要でした」と、後から費用を吊り上げる手口です。

狙い2:相見積もりで価格優位に「見せかけたい」

お客様が複数の業者から見積もりを取る(相見積もり)ことを見越して、あえて「標準工事」だけの最も安い金額を提示するケースです。誠実な業者が現地調査に基づき、必要な補修費や配線工事費を含めた「A社:150万円」の見積もりを出したのに対し、「B社:110万円(現地調査なし)」の見積もりがあれば、多くのお客様はB社に惹かれてしまいます。
しかし、B社は契約後に「追加工事で40万円必要です」と言い、結局A社と同じか、それ以上の金額になる可能性があります。これは、不当な見積もりで競争を妨害する典型的な手口です。

不当な見積もりか?契約前に確認すべきチェックリスト

「現地調査なし」で提示された見積もりが、後でトラブルにならないか。以下の項目をチェックしてみてください。

確認項目 見るポイント 危険な兆候
見積もり項目が「一式」だらけ 機器代、工事代、申請費、足場代など、項目が分かれているか。 「太陽光発電システム 一式 〇〇円」など、内訳が不明瞭。
「追加工事」に関する記載 「現場状況により追加工事費が発生する場合がある」という一文がどこにあるか。 非常に小さな文字で記載されている、または口頭説明が一切ない。
機器の「型番」が不明瞭 太陽光パネル、パワコン、蓄電池のメーカー名と「型番」が明記されているか。 「〇〇kW相当」「人気モデル」など、具体的な機種を特定できない。
補助金の適用条件が曖昧 「〇〇の補助金が使える(はず)」など、断定を避けた表現になっていないか。 補助金の正式名称や申請要件、期限についての具体的な説明がない。
現地調査の実施を提案されるか 「これは概算なので、契約前に必ず現地調査させてください」という流れになるか。 「この金額で確定です」「調査は契約後で大丈夫」と、調査を省略しようとする。
※上記は一例です。一つでも当てはまると、不当な見積もりであるか、後でトラブルになる可能性が高いと言えます。

編集部見解:安易な「概算見積もり」に依存してはいけない

編集部見解:リノベーションや設備導入の業界において、**「現地調査」は、お客様の財産であるご自宅を守り、適正な工事を行うための「最低限のマナー」**です。これを省略する業者は、お客様のリスクを軽視していると言わざるを得ません。

確かに、AIや衛星写真を使った「概算シミュレーション」の技術は向上しており、大まかな費用感を知る上では役立ちます。しかし、それを「契約可能な見積もり」として提示することは、誠実な業者のすることではありません。

金額や機種が妥当に見えても、「現地調査をしていない」という一点だけで、その見積もりの信頼性は著しく低いと判断すべきです。「契約前に現地調査をしない」業者との契約は、絶対に避けてください。必ず複数の業者に現地調査を依頼し、その上で見積もりを比較・判断することが、不当な見積もりやトラブルを避ける唯一の方法です。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 現地調査なしでも正確な見積もりは可能ですか?

A. 不可能です。太陽光発電やリフォームは、屋根の形状、劣化状況、分電盤の位置、日照条件など、家ごとに条件が全く異なります。現地調査なしの見積もりは、あくまで「概算」や「たたき台」であり、それを根拠に契約すると高額な追加費用が発生するリスクが非常に高いです。

Q2. 「概算見積もり」と「正式見積もり」の違いは何ですか?

A. 「概算見積もり」は、現地調査をせず、間取りや築年数などの簡易情報だけで算出する「参考価格」です。一方、「正式見積もり」は、専門家が現地調査を行った上で、必要な機器、材料、工事費を正確に積算したもので、契約の根拠となります。

Q3. 現地調査を依頼したら、契約しないといけませんか?

A. その必要は一切ありません。優良な業者の場合、現地調査と見積もり提示までは無料、または実費(遠方の場合など)のみで行うのが一般的です。調査結果や見積もり内容に納得できなければ、契約せずに断っても問題ありません。もし調査後にしつこい営業がある場合は、その業者との契約は見送るのが賢明です。

この記事の著者

リノベステーション編集部

リノベステーションは、太陽光発電、蓄電池、エコキュートなど、家庭のエネルギー効率化を支援する専門メディアです。訪問販売や見積もりに関するトラブルを未然に防ぎ、消費者が後悔しない選択をするためのお手伝いをすべく、中立的な立場から情報発信を行っています。経済産業省や各自治体の公表情報に基づき、専門性と信頼性の高い記事提供を心がけています。

出典・参考情報

 

この記事の監修者

中田 萌

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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