太陽光発電は確定申告しないと脱税になる?罰則や申告条件・経費を解説!
太陽光発電を売電して得た収入は、「金額によっては確定申告しなければならない」ことをご存じでしょうか?
国民の義務である「納税」に関わる確定申告は、誤りがある場合「延滞税」などが請求されることも。
自分は申告の必要があるかどうか、しっかり確認しておきたいですよね。
そこで本記事では、「太陽光発電の確定申告を放置した場合の罰則」や「確定申告が必要となる条件」について、申告初心者にもわかりやすく解説していきます。
記事の後半には「太陽光発電の収益にかかる税金を節約する方法」や「落とせる経費の種類」もご紹介していますので、節税に興味がある方もぜひご覧ください!
目次
太陽光発電は確定申告してないとバレる!どんな罰則がある?
まずはじめに、太陽光発電の確定申告を怠った場合の罰則や、数年後に延滞税が請求される危険性、気をつけたい「太陽光発電の固定資産税」について解説していきます。
【罰則】確定申告してないと「延滞税」「無申告加算税」が請求される
太陽光発電の売電収入を確定申告せずに放っておくと、ほぼ確実に税務署より「延滞税」や「無申告加算税」の支払いを請求されます。
延滞税は放置した期間によって「約7.3%〜14.6%」と利息が増える仕組みになっており、支払いが遅れるほど多額の罰金を納めなくてはなりません。
無申告課税も「税額50万円未満は15%、50万円以上は20%」と利息が高く、2つの罰則を合わせると家計に大きなダメージを与えることは確実です。
【危険性】数年後に請求されるケースも!確定申告してないとバレる
そもそも、税務署は「個人の銀行口座の出入金」をいつでも照会できるため、太陽光発電の確定申告を怠ると「ほぼ100%」の確率で発見されてしまうでしょう。
また、税務署は約7年前までさかのぼって無申告加算税などを請求するケースも多く、「2年〜3年請求がないから大丈夫…」と放置するのはたいへん危険です。
特に、延滞税は文字どおり「滞納すればするほど請求額が増える」ため、税務署から通知が来た時点ですみやかに支払うことを強くおすすめします。
【注意点】10kW以上の太陽光発電は「固定資産税」もかかる
太陽光発電は所得税のほかにも、出力10kW以上のシステムには「固定資産税」が請求される点にも注意が必要です。
固定資産税は、設備の総費用に応じて変わる「評価額」の「1.4%」が毎年請求されるため、たとえば評価額が300万円なら、「4万2,000円」もの税金がかかる計算になります。¥
設備の評価額は「毎年下がる」ため納税額も下がるものの、金額的なデメリットを考えれば、「家庭用なら出力10kW未満までにしておく」といった対策も有効です。
太陽光発電の確定申告はいくらから必要になる?所得の種類も解説!
つづいて、太陽光発電の所得はいくらから確定申告が必要になるのか、所得の種類の違いも含めてわかりやすく解説していきます。
太陽光発電の「所得」とは、「売電収入から必要経費を差し引いた金額」のことであり、銀行に振り込まれた金額のことではない点を留意しておきましょう。
【雑所得】給与所得者は「20万円」から申告が必要
会社や職場から給料をもらっている「給与所得者」の場合、太陽光発電の所得が「20万円」を超えると「雑所得」とみなされ確定申告が必要になります。
「雑所得」とは本業以外の副収入すべてが当てはまるため、たとえば「太陽光発電で15万円」「フリマアプリで10万円」の所得があった場合は申告しなければなりません。
一般的に設置例が多い「出力4kW〜5kW」ほどの太陽光発電で所得が20万円を上回るケースはほぼないものの、別に副収入を得ている方は注意しておきたいところです。
【事業所得】自営業・事業者は「38万円」から申告が必要
自営業や会社の経営者などの事業者は、太陽光発電を含むすべての所得が「38万円」を超えると「事業所得」とみなされ確定申告が必要となります。
年間の所得の合計が38万円を下回るケースは少ないため、個人事業主や、副業として太陽光発電を始める方の大半は納税の対象者です。
さらに、出力10kW以上の太陽光システムには1.4%の「固定資産税」もかかりますので、あらかじめ年間の納税額をシミュレーションしておくべきでしょう。
【不動産所得】所有物件で売電しているなら申告が必要
所有する不動産物件で太陽光発電の売電を行う場合、家賃収入などと合わせて「不動産所得」として確定申告することになります。
たとえば、運営するマンションのエレベーターを太陽光発電で稼働させ、余った電気を売電している場合は、不動産所得として扱われます。
発電したエネルギーを所有物件で消費していない場合は不動産所得ではなく「雑所得・事業所得」とみなされますので、申告する際には注意が必要です。
太陽光発電の確定申告で損しない方法とは?落とせる経費をご紹介!
さいごに、太陽光発電の確定申告が必要な方に向けて、請求される税金を減らす方法や、経費として認められる費用の種類をご紹介していきます。
【損しない方法】経費を申告すると納税額が安くなる
太陽光発電の納税額を安くするたったひとつの方法は、「すべての経費を忘れず計上し、申告する所得額を下げる」ことです。
納税額は「収入から経費を差し引いた所得額」から計算されるため、経費を多く申告すればするほど、納めなければならない税金を節約できます。
太陽光発電の経費としてみなされる費用は、「清掃費用」「ローンの利息」など意外と多いですので、しっかり下調べしてもらさず申告することが肝心です。
【経費を解説】メンテナンス費用・ローンの利息も経費で落とせる
太陽光発電の経費として落とせる費用の一例と、注意すべきポイントを以下にまとめました。
太陽光発電で落とせる経費 | 注意すべきポイント |
点検・メンテナンス費用 | 自分で点検する場合の「工具の購入費」なども経費になる |
修理費用 | 設備のまわりの柵など、太陽光発電に関わる修理費用は経費になる |
清掃費用 | 自分で清掃する場合の「掃除用品や衣服の購入費」も経費になる |
減価償却費 | ・減価償却とは設備の初期費用を一度に計上せず、数年に分けて申告すること ・太陽光発電は「17年間」の減価償却が可能なため、長期間節税できる |
固定資産税 | 産業用や出力10kWの太陽光システムにかかる固定資産税も経費になる |
ローンの利息 | フェンス、看板など、太陽光発電に関わる設備をローン購入した利息も経費になる |
管理費用 | 遠隔管理システムの利用費や、業者に管理を依頼する費用も経費になる |
ほかにも、「土地の購入費・賃借料」や「パワコンの電気代」など、太陽光発電の運用に関わるほとんどの費用は経費として計上が可能です。
経費は申告すればするほど節税につながりますので、領収書や支払いデータは保管しておき、税務署や税理士にも相談しながら、納税額をかしこく抑えましょう。
まとめ:太陽光発電は確定申告してないとバレる!必ず申告しよう
本記事でくわしく解説してきた「太陽光発電の確定申告の条件や罰則」についての重要ポイントを、以下にもう一度まとめていきます。
- 太陽光発電の売電収入は、所得が「一定金額」を超えると確定申告する必要がある
- 一般的な給与所得者は、「20万円」を超える太陽光の所得があった場合、申告が必要
- 税務署は個人の銀行口座の流れを監視できるため、バレずに隠し通すことはできない
- 太陽光発電の確定申告を放置すると、「延滞税」や「無申告加算税」が請求される
- 10kW以上の太陽光発電を設置している場合、所得税のほかに「固定資産税」もかかる
一般家庭に多い「出力4kW〜5kW」の太陽光発電で、年間所得が20万円を超えることはまれですが、フリマアプリや副業などで雑所得を得ている方は要注意です。
一方で、太陽光発電の経費として認められる費用はとても多いため、忘れずに計上することで確定申告が不要になったり、納税額を下げることができます。
「我が家は確定申告が必要?」「この費用は経費で落とせる?」などの疑問は、お近くの税務署や役所の税務課にも問い合わせられますので、気軽に相談してスッキリしてくださいね!
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この記事の監修者
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