EVの充電カードは必要?メリット・デメリットや各社の料金を徹底解説
外出中にEVを充電する際にあると便利な「充電カード」ですが、「月会費を払ってまで契約する必要はあるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、EV充電カードの特徴や必要性、使わず充電する際の「2つデメリット」や、カード発行元ごとの料金の違いをわかりやすく解説していきます。
記事の後半では、EV充電カードを使わずにお得に充電する方法や、自宅充電派におすすめの「V2H」の魅力もご紹介していますので、興味がある方はぜひご覧ください!
目次
EVの充電カードってどんなもの?
EVの「充電カード」とは、電気自動車をEV充電スポットで充電する際に、スムーズにユーザー認証や支払い手続きを実行できるカードのことです。
前もってEV充電カードにクレジットカード情報や支払い情報を登録しておくことができるため、充電する際の認証・手続きにかかる時間を大幅に短縮できます。
EV充電カードを利用するためには「カード発行手数料」や「月会費または年会費」が必要となるケースが多く、金額はそれぞれカード発行元によって変わります。
EVの充電カードがないと充電できない?
一般的なEV充電スポットの中には、クレジットカードやスマートフォンアプリで支払いできるEV充電スタンドが設置されているケースも多々あります。
お住まいの地域に充電カードを必要としないEV充電スタンドが多い場合は、充電カードを契約しなくても困る場面は少ないでしょう。
一方で、大半のEV充電スタンドは「現金決済には対応していない」ため、現金以外の決済手段を用意しておく必要があります。
EVの充電カードを使わないデメリットとは?
必ずしも契約する必要がないEV充電カードですが、状況によって以下の「デメリット」が発生します。
- 充電料金が高くなる
- 認証に手間がかかる
それぞれのポイントをくわしく解説していきます。
デメリット①:充電料金が高くなる
充電カードを契約せずにEV充電スポットを利用する場合、「ビジター料金」または「ゲスト料金」と呼ばれる通常より割高な充電料金が発生してしまいます。
たとえば、国内でもっとも広く普及している「e-Mobility Power(eMP)」の充電スポットの場合、通常料金とビジター料金は以下のように大きく変わります。
プラン名 | 急速・普通併用プラン | 普通充電プラン | ビジター料金 | |
月額料金(税込) | 4,180円 | 1,540円 | 無料 | |
都度利用料金(税込) | 急速:27.5円 / 分 | 利用不可 | 急速(最大出力50kW超) | |
385円 / 分 (利用時間1〜5分まで) | 77円 / 分 (利用時間5分以降) | |||
急速(最大出力50kW以下) | ||||
275円 / 分 (利用時間1〜15分まで) | 55円 / 分 (利用時間15分以降) | |||
普通:3.85円 / 分 | 普通:3.85円 / 分 | 普通:132円 / 分 | 普通:8.8円 / 分 |
表でわかるとおり、ビジター料金は利用時間1〜15分の料金が「数倍〜数十倍」も高いうえに、以降もかなり割高に設定されています。
旅行や仕事などでEV充電スポットの利用機会が多い方ほど、ビジター料金の負担が重くなってきますので、月会費を払って充電カードを作ったほうがお得です。
デメリット②:「ゲスト認証」に手間がかかる
充電カードを契約せずにEV充電スポットを利用する際には、EV充電スタンドの種類に対応した「ゲスト認証」を行う手間が発生します。
EV充電スタンドの決済手段は「エコQ電」「Smart Oasis」「EV・PHV充電クラウドサービス」など多岐にわたり、それぞれのシステムに応じた認証方法が必要となります。
充電カードを持たずに遠方へ外出する場合などは、EV充電スタンドの種類が変わるたびに面倒な手続きが必要となり、結果的に貴重な時間を浪費してしまいます。
EVの充電カードは何種類?各社の料金比較表もご紹介!
つぎに、現在国内で発行されているEV充電カードの種類や、発行元ごとの月会費・利用料金の違いについて解説していきます。
【種類】充電カードは大きく分けて2種類
現在国内で発行されているEV充電カードは、大きく分けて「①e-Mobility Power(eMP)カード」「②EVメーカーが発行する所有者用カード」の2種類が存在します。
EVメーカーの所有者用カードは「所有者しか利用できない」など縛りがあるものの、「月会費が一定期間タダ」「無料で普通充電を利用できる」といった独自サービスが特徴的です。
国内でもっとも普及しているe-Mobility Powerカードは「利用できない充電スタンドが非常に少ない」点が最大のメリットですが、月会費や発行手数料がかかります。
「どちらがお得か?」はお住まいの地域や走行距離などで変わりますので、「所有者用カードの月額無料期間に両方試して決める」など、一度比較してみると良いでしょう。
【料金】月会費・都度料金はカードごとに大きく違う
2024年現在、国内で発行されている代表的なEV充電カードの月会費や発行手数料、都度料金などの比較結果を以下にご紹介していきます。
①e-Mobility Powerネットワークで使用できる充電カード | |||||
カード名称 | プラン名 | 発行手数料 (税込) | 月会費 (税込) | 都度料金(税込) | |
急速 | 普通 | ||||
e-Mobility Power(eMP)カード | 急速・普通併用プラン | 1,980円 | 4,180円 | 27.5円 / 分 | 3.85円 / 分 |
普通充電プラン | 1,540円 | 利用不可 | 3.85円 / 分 | ||
おでかけCard (Smart Oasis) | レギュラー | 0円 | 1,650円 | 利用不可 | 4.95円 / 分 |
プレミア | 4,950円 | 38.5円 / 分 | |||
エコQ電カード | エコQ電プラン | 2,200円 | 0円 | 設置場所により変動 |
②EVメーカーが発行するEVオーナー用カード | |||||
カード名称 | プラン名 | 発行手数料 (税込) | 月会費 (税込) | 都度料金(税込) | |
急速 | 普通 | ||||
ZESP3 (日産) | シンプル | 1,650円 | 1,100円 | 99円 / 分 | 3.3円 / 分 |
プレミアム100 | 4,400円(※1) | 44円 / 分 | |||
プレミアム200 | 6,600円(※2) | 38,5円 / 分 | |||
プレミアム400 | 11,000円(※3) | 33円 / 分 | |||
電動車両サポート (三菱) | ベーシックプラン | 1,650円 | 550円 | 5.5円 / 分 eMP系列:13.2円 / 分 他社系列: 16.5円 / 分 | 1,54円 / 分 |
プレミアムプラン | 1,650円(※4) | 5.5円 / 分 eMP系列:8.8円 / 分 他社系列: 16.5円 / 分 | 0円 | ||
EV・PHV充電サポート (トヨタ) | 急速普通充電プランA | 1,650円 | 1,650円 | 66円 / 分 | 4.95円 / 分 |
急速普通充電プランA | 4,950円 | 55円 / 分 | |||
普通充電プラン | 770円 | 利用不可 | |||
Mercedes me Charge (メルセデス・ベンツ) | 急速普通併用プラン | 0円 | 5,720円 (初年度無料) | 16.5円 / 分 | 0円 |
普通充電プラン | 3,000円 (初年度無料) | 利用不可 | |||
BMV ChargeNow (BMV) | 急速普通併用プラン | 0円 | 5,500円 (初年度無料) | 16.5円 / 分 | 0円 |
普通充電プラン | 2,750円 | 利用不可 |
※1:急速充電10回または100分、普通充電600分まで無料。
※2:急速充電20回または200分、普通充電600分まで無料。
※3:急速充電40回または400分、普通充電600分まで無料。
※4:無料充電500円分を含む。
EVの充電カード以外で「外出中に安く充電する方法」はある?
最近では、EV充電カードを使わずに「スマートフォンアプリでお得に充電できるEV充電スタンド」の導入が全国各地で広がっています。
たとえば「エネチェンジ」は、普通充電より約2倍速い「6kW充電」に対応しているほか、都度料金「2.75〜5.5円 / 分」という低価格を月額料金0円で利用できます。
また、エネチェンジは「月額2,980円」で回数制限なく充電できるプラン(※利用可能時間は7〜16時)も提供しており、約9時間利用すればすぐに元が取れると評判です。
エネチェンジの他にも「Myプラゴ」「ENEOS Charge Plus」「DMM EV CHRGE」などお得なアプリが続々登場していますので、一度試してみてはいかがでしょうか?
EVの充電カードは結局必要?どんな人には必要ない?
結論から言えば、「EVを自宅で充電する環境が整っている」「EV充電を自宅でする機会が多い」方なら、EV充電カードを発行する必要性はそれほど高くありません。
理由としては、EVの充電費用は「自宅で充電したほうが安上がり」なうえに、カード発行手数料や毎月請求される「月会費」の支払いが不要だからです。
一方で、「住んでいるマンションにEV充電器がない」「仕事や趣味で遠出する機会が多い」方なら、ゲスト料金で充電するよりEV充電カードを発行したほうが安く済みます。
自宅でEVを充電するなら「V2H」の導入もおすすめ!
「V2H(Vehicle to Home)」とは、EVのバッテリーから電気を取り出し、家庭の電力として活用できる、次世代型の家庭用EV充電設備の総称です。
V2Hを設置することで通常の約2倍速の「6kW充電」が実現するほか、停電時にはEVバッテリーを利用して「200Vの高出力」で家全体の電力をバックアップできます。
さらに、深夜のお得な時間帯にEVを充電し、休日や外出していない日中にV2Hを通して家電に利用すれば、毎月の電気代を大幅に節約することも可能です。
国の補助金制度を利用すれば「本体半額(上限30万円)・工事費全額(上限15万円)」でV2Hを設置できますので、自宅充電派の方には特におすすめです。
まとめ:充電カードは外出の多い方に最適!自宅充電派ならV2Hも検討しよう
充電カードを使わずにゲスト料金で充電すると「数倍〜数十倍」も高くつくため、外出中にEVを充電する機会が多い方なら、月会費を払ってでも充電カードを利用したほうがお得です。
最近では充電カードを必要とせず、3,000円ほどの月額利用料で「充電し放題」のスマートフォンアプリも登場しており、どちらがお得か比較する価値は充分にあります。
自宅でEVを充電する機会の多い方なら、EVの豊富なバッテリーを停電対策や電気代節約に利用できる「V2H」も魅力的ですので、ぜひ一度検討してみてくださいね!
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この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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