太陽光発電撤去費用の相場と注意点を詳しく解説

目次
太陽光発電撤去費用の基本情報
太陽光発電システムの撤去を検討している方にとって、撤去費用は重要な判断材料の一つです。設置時には多額の初期投資を行った太陽光発電システムですが、老朽化や住宅の建て替え、売却などの理由で撤去が必要になる場合があります。
太陽光発電撤去費用の相場
太陽光発電システムの撤去費用は、一般的に20万円~50万円程度が相場とされています。ただし、この費用は設置されているシステムの規模や設置状況、撤去する業者によって大きく変動します。
住宅用太陽光発電システム(4kW~5kW)の場合、撤去費用は概ね以下のような内訳となります:
- パネル撤去工事費:15万円~30万円
- 配線・パワーコンディショナー撤去費:5万円~10万円
- 足場設置費:3万円~8万円
- 廃棄処分費:3万円~7万円
撤去費用に影響する要因
撤去費用は複数の要因によって決まります。最も大きな要因は設置されているシステムの規模です。パネルの枚数が多いほど、作業時間と人件費が増加するため、撤去費用も高くなります。
また、屋根の形状や高さ、設置方法も費用に大きく影響します。複雑な屋根形状や高所作業が必要な場合、安全対策のための追加費用が発生することがあります。
太陽光発電撤去工事の流れ
事前準備と調査
撤去工事を開始する前に、現地調査による詳細な見積もり作成が必要です。専門業者が現地を訪問し、システムの設置状況、屋根の状態、アクセス方法などを確認します。
この段階で、撤去後の屋根補修の必要性や範囲についても検討します。太陽光パネルを撤去した後の屋根には、取り付け金具による穴が残るため、適切な防水処理が必要になります。
実際の撤去作業
撤去作業は通常1~2日程度で完了します。作業の流れは以下の通りです:
- 電力会社への連系停止手続き
- システムの電源切断
- 足場の設置(必要に応じて)
- パネルの取り外し
- 配線・パワーコンディショナーの撤去
- 取り付け金具の撤去
- 屋根の補修・防水処理
作業中は安全確保が最優先となるため、経験豊富な専門業者に依頼することが重要です。
撤去費用を抑える方法
複数業者からの見積もり取得
撤去費用を適正な価格に抑えるためには、複数の業者から見積もりを取得することが効果的です。業者によって工法や価格設定が異なるため、比較検討することで最適な業者を選択できます。
見積もりを依頼する際は、撤去工事の内容を詳細に確認し、追加費用が発生する可能性についても事前に確認しておきましょう。
設置業者への相談
太陽光発電システムを設置した業者に撤去を依頼すると、設置時の情報を把握しているため効率的な作業が期待できます。また、長期的な関係性から割引価格で作業を行ってくれる場合もあります。
ただし、設置業者が撤去工事に対応していない場合や、既に廃業している場合もあるため、事前の確認が必要です。
廃棄処分費用について
パネルの処分費用
太陽光パネルの処分費用は1枚あたり5,000円からが相場です。一般的な住宅用システムでは15~20枚程度のパネルが設置されているため、パネルの処分費用だけで7万5千円~10万円程度かかります。
太陽光パネルには有害物質が含まれている場合があるため、適切な処理施設での廃棄が必要です。処分費用を抑えるために不適切な処分を行うと、環境問題や法的な問題に発展する可能性があります。
廃棄費用の積立制度
2022年7月1日から、10kW以上の太陽光発電設備については廃棄費用の積立てが義務化されています。この制度により、事業用太陽光発電では撤去・廃棄費用が事前に積み立てられるため、適切な処分が担保されています。
住宅用太陽光発電(10kW未満)については現在のところ積立義務はありませんが、将来的に制度が拡大される可能性があります。
撤去時期の判断基準
システムの経年劣化
太陽光発電システムの主要機器であるパネルの寿命は一般的に20~25年程度とされています。パワーコンディショナーの寿命は10~15年程度であり、交換時期に合わせてシステム全体の撤去を検討する方も多くいます。
(※電力会社との系統連系を行う場合、経年劣化が早まることがあります)
発電量の著しい低下や頻繁な故障が発生するようになった場合は、修理費用と撤去費用を比較検討することが重要です。
住宅の建て替えや売却
住宅の建て替えや売却を予定している場合、太陽光発電システムの取り扱いについて事前に検討が必要です。新築住宅では最新の高効率システムへの更新が効果的な場合があります。
売却時には、買主が太陽光発電システムの継続利用を希望するか、撤去を条件とするかによって対応が変わります。
撤去後の選択肢
新システムへの更新
既存システムを撤去した後、最新の高効率太陽光発電システムに更新する選択肢があります。技術の進歩により、同じ設置面積でもより多くの発電が期待できる場合があります。
一般的な家庭用太陽光発電システム(4kW~5kW)を導入する場合の費用相場は140万円~200万円程度が目安です。パネルの種類や設置面積、工事内容などによって大きく異なる旨を考慮し、一般的には1kWあたり35万円~40万円程度とされています。
蓄電池システムとの連携
新しいエネルギーシステムとして、蓄電池の導入を検討する方も増えています。家庭用蓄電池の費用相場は容量1kWhあたり20万円~30万円程度が基準となります。
家庭用蓄電池(4kWh~7kWh)を導入する場合の費用相場は100万円~200万円程度が目安です。蓄電池の標準的な設置工事費用は20万円~35万円程度とし、設置環境や配線の複雑さ等により変動します。詳しくはお気軽にリノベステーションにお問い合わせください。
注意すべきポイント
屋根の補修費用
太陽光パネルを撤去した後の屋根には、取り付け金具による穴や劣化箇所が残る場合があります。適切な防水処理や屋根材の補修が必要になるため、これらの費用も撤去費用に含めて検討することが重要です。
屋根の補修費用は劣化の程度や補修範囲によって大きく変動しますが、数万円から数十万円程度の追加費用が発生する可能性があります。
電力会社への手続き
太陽光発電システムを撤去する際は、電力会社への系統連系解除手続きが必要です。手続きを怠ると、撤去後も基本料金が発生し続ける可能性があります。
また、売電契約の解除手続きも同時に行う必要があります。これらの手続きは通常、撤去業者が代行してくれますが、事前に確認しておくことが大切です。
撤去業者の選択
太陽光発電システムの撤去は専門的な知識と技術が必要な作業です。経験豊富で適切な資格を持った業者を選択することが重要です。
価格だけでなく、過去の実績や保証内容、アフターサービスの充実度も考慮して業者を選択しましょう。不適切な撤去作業により屋根が損傷した場合、修理費用が高額になる可能性があります。
まとめ
太陽光発電システムの撤去費用は、システムの規模や設置状況によって20万円~50万円程度の幅があります。撤去を検討する際は、複数業者からの見積もり取得と十分な比較検討が重要です。
撤去後の選択肢として、最新システムへの更新や蓄電池の導入なども検討に値します。どのような選択をする場合でも、専門業者による適切なアドバイスを受けることで、最適な判断ができるでしょう。
太陽光発電システムの撤去や新たなエネルギーシステムの導入について詳しく知りたい方は、お気軽にリノベステーションにお問い合わせください。
よくある質問
太陽光発電の撤去費用はどのくらいかかりますか?
一般的な住宅用太陽光発電システム(4kW~5kW)の撤去費用は20万円~50万円程度が相場です。システムの規模や設置状況、屋根の形状などによって費用は変動します。詳細な費用については、専門業者による現地調査と見積もりが必要です。
太陽光パネルの処分費用はいくらですか?
太陽光パネルの処分費用は1枚あたり5,000円からが相場です。一般的な住宅では15~20枚程度のパネルが設置されているため、パネルの処分費用だけで7万5千円~10万円程度かかります。適切な処理施設での廃棄が必要なため、処分費用は撤去費用の重要な要素となります。
撤去工事にはどのくらいの期間がかかりますか?
太陽光発電システムの撤去工事は、一般的な住宅用システムの場合1~2日程度で完了します。ただし、システムの規模や設置状況、屋根の補修が必要な場合は追加で時間がかかることがあります。事前の準備や電力会社への手続きを含めると、全体で1週間程度の期間を見込んでおくことをお勧めします。
撤去後の屋根の補修は必要ですか?
太陽光パネルを撤去した後は、取り付け金具による穴や劣化箇所の補修が必要になる場合があります。適切な防水処理を行わないと雨漏りの原因となる可能性があるため、専門業者による点検と必要に応じた補修工事を行うことが重要です。補修費用は劣化の程度により数万円から数十万円程度の追加費用となります。
設置業者以外に撤去を依頼しても大丈夫ですか?
設置業者以外でも、太陽光発電システムの撤去に対応している専門業者であれば問題ありません。ただし、適切な資格と経験を持った業者を選択することが重要です。複数業者から見積もりを取得し、過去の実績や保証内容を確認して信頼できる業者を選びましょう。設置時の情報がない場合でも、現地調査により適切な撤去工事が可能です。
この記事の監修者

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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