蓄電池で電気代をシミュレーション

目次
蓄電池導入による電気代削減効果とは
家庭用蓄電池の導入を検討する際、最も気になるのが実際の電気代削減効果でしょう。蓄電池は電力料金の安い夜間に電気を貯めて、料金の高い昼間に使用することで、月々の電気代を効果的に削減できる設備です。
蓄電池による電気代削減の基本的な仕組みは、時間帯別料金制度を活用した電力の時間シフトにあります。一般的な家庭では、深夜料金(23時~翌7時)は1kWhあたり約12円程度と安価ですが、昼間料金は1kWhあたり約30円と高額に設定されています。
蓄電池容量や使用パターンによって削減効果は変わりますが、適切に運用すれば月額3,000円から8,000円程度の電気代削減が期待できます。導入前には詳細なシミュレーションを行い、投資回収期間や実際の削減効果を把握することが重要です。
電気料金の基本構造と蓄電池の活用ポイント
時間帯別料金制度の特徴
電力会社が提供する時間帯別料金制度では、1日を複数の時間帯に分けて異なる料金単価を設定しています。一般的な料金体系は以下の通りです。
- 深夜時間帯(23時~翌7時):約12円/kWh
- 朝夕時間帯(7時~10時、17時~23時):約26円/kWh
- 昼間時間帯(10時~17時):約30円/kWh
この料金格差を活用し、安い深夜電力で蓄電池に充電し、高い昼間電力の代わりに蓄電池から放電することで電気代削減効果が生まれます。
基本料金と従量料金の考慮
電気料金は基本料金と従量料金で構成されており、蓄電池導入による削減効果は主に従量料金部分に現れます。契約容量を見直すことで基本料金の削減も可能ですが、必要最低限の容量は確保する必要があります。
蓄電池導入による電気代削減シミュレーション
容量別削減効果の計算方法
蓄電池の容量別に、具体的な電気代削減効果をシミュレーションしてみましょう。計算の前提条件は以下の通りです。
- 深夜料金:12円/kWh
- 昼間料金:30円/kWh
- 蓄電池の充放電効率:90%
- 月間稼働日数:30日
4kWh蓄電池の場合
4kWh蓄電池を毎日フル活用した場合、月間約3,888円の電気代削減効果が期待できます。
計算式:
- 1日あたりの削減額:4kWh × (30円 – 12円 ÷ 0.9) × 0.9 = 129.6円
- 月間削減額:129.6円 × 30日 = 3,888円
- 年間削減額:3,888円 × 12ヶ月 = 46,656円
7kWh蓄電池の場合
7kWh蓄電池では、月間約6,804円の削減効果が見込まれます。
計算式:
- 1日あたりの削減額:7kWh × (30円 – 12円 ÷ 0.9) × 0.9 = 226.8円
- 月間削減額:226.8円 × 30日 = 6,804円
- 年間削減額:6,804円 × 12ヶ月 = 81,648円
10kWh蓄電池の場合
10kWh蓄電池なら月間約9,720円、年間約116,640円の大幅な電気代削減が可能です。
計算式:
- 1日あたりの削減額:10kWh × (30円 – 12円 ÷ 0.9) × 0.9 = 324円
- 月間削減額:324円 × 30日 = 9,720円
- 年間削減額:9,720円 × 12ヶ月 = 116,640円
太陽光発電との組み合わせ効果
太陽光発電システムと蓄電池を組み合わせることで、さらなる電気代削減効果が期待できます。余剰電力を蓄電池に貯めることで、売電価格(15円/kWh)よりも高い昼間電力(30円/kWh)の購入量を減らせるためです。
太陽光発電5kwシステムと7kWh蓄電池を組み合わせた場合、年間約15万円から20万円程度の電気代削減効果が見込まれます。
蓄電池の導入費用と回収期間
容量別導入費用の相場
家庭用蓄電池の導入費用は容量によって大きく異なります。設置工事費を含めた費用相場は以下の通りです。
- 小容量(3kWh~5kWh):120万円~185万円程度
- 中容量(6kWh~10kWh):170万円~235万円程度
- 大容量(10kWh以上):220万円~385万円程度
蓄電池の標準的な設置工事費用は20万円~35万円程度となり、設置環境や配線の複雑さ等により変動します。詳しくはお気軽にリノベステーションにお問い合わせください。
投資回収期間の計算
導入費用を年間削減額で割ることで、投資回収期間を算出できます。
4kWh蓄電池の場合
- 導入費用:140万円
- 年間削減額:46,656円
- 回収期間:約30年
7kWh蓄電池の場合
- 導入費用:180万円
- 年間削減額:81,648円
- 回収期間:約22年
10kWh蓄電池の場合
- 導入費用:250万円
- 年間削減額:116,640円
- 回収期間:約21年
蓄電池の寿命は30年前後とされており、適切な容量選択により投資回収が可能です。
シミュレーションの精度を高めるための要素
実際の使用パターンの考慮
より正確なシミュレーションを行うには、各家庭の実際の電力使用パターンを考慮する必要があります。以下の要素が削減効果に大きく影響します。
昼間の在宅時間
在宅時間が長いほど蓄電池からの放電量が増え、削減効果が高まります。テレワークやリタイア世代の家庭では特に効果的です。
電力使用量の季節変動
冷暖房による電力使用量の季節変動も考慮が必要です。夏季と冬季は電力消費が増加し、蓄電池の活用頻度も高まります。
年間を通じた平均的な使用パターンでシミュレーションを行うことで、より実用的な削減効果を把握できます。
電力料金制度の変更リスク
将来的な電力料金制度の変更により、時間帯別料金の格差が縮小するリスクも考慮する必要があります。ただし、再生可能エネルギーの拡大に伴い、昼夜の料金格差は当面維持される見込みです。
蓄電池選択時の注意点とポイント
容量選択の基準
適切な蓄電池容量を選択するための基準は以下の通りです。
夜間電力使用量との比較
夜間に使用する電力量を基準に容量を選択します。一般的な家庭の夜間電力使用量は1日あたり4kWh~8kWh程度です。
停電時の必要電力量
停電時に必要最低限の電力を確保できる容量を選択することで、防災面でのメリットも得られます。冷蔵庫、照明、通信機器などの必須機器を12時間程度稼働させるには、最低3kWh程度の容量が必要です。
設置環境の確認
蓄電池の設置には適切な環境が必要です。屋外設置の場合は防水性能、屋内設置の場合は換気性能を確認しましょう。また、設置スペースや重量制限についても事前に確認が重要です。
補助金制度の活用による投資負担軽減
国の補助金制度
2025年度も家庭用蓄電池導入に対する補助金制度が継続されています。災害対策や脱炭素化推進の観点から、導入費用の一部が支援されます。
補助金額は機器の種類や設置条件によって異なりますが、一般的には導入費用の10%~20%程度の支援が受けられます。申請時期や予算枠に限りがあるため、早期の申請手続きが推奨されます。
地方自治体の補助金
多くの地方自治体でも独自の蓄電池導入補助金を実施しています。国の補助金と併用可能な場合も多く、総合的な支援額が大幅に増加する可能性があります。
導入前の準備とシミュレーション手順
現在の電気使用量の把握
正確なシミュレーションのため、過去1年分の電気使用量データを収集しましょう。電力会社から提供される検針票や専用アプリで確認できます。
時間帯別使用量の分析
可能であれば時間帯別の使用量を分析し、蓄電池活用の効果的なパターンを見つけます。スマートメーター対応の電力会社では、詳細な使用状況が確認できます。
複数メーカーの比較検討
蓄電池メーカーごとに性能や保証内容が異なるため、複数メーカーの製品を比較検討することが重要です。容量あたりの価格、充放電効率、保証期間などを総合的に評価しましょう。
詳しい製品比較や導入相談については、お気軽にリノベステーションにお問い合わせください。専門スタッフが最適な蓄電池選択をサポートいたします。
よくある質問
蓄電池の電気代削減効果はどの程度期待できますか?
一般的な家庭用蓄電池(4kWh~10kWh)では、月額3,000円から10,000円程度の電気代削減効果が期待できます。具体的な削減額は蓄電池の容量、使用パターン、契約している電力料金プランによって変動します。太陽光発電システムとの組み合わせにより、さらなる削減効果が見込まれます。
蓄電池の導入費用回収には何年かかりますか?
蓄電池の容量と導入費用により回収期間は変わりますが、一般的には20年~30年程度とされています。7kWh程度の中容量蓄電池では約22年、10kWh以上の大容量では約21年での回収が目安となります。蓄電池の寿命は30年前後のため、適切な運用により投資回収が可能です。
シミュレーション通りの削減効果が得られない場合はありますか?
実際の削減効果は使用パターンや季節変動により変わる可能性があります。在宅時間の変化、家電製品の追加、電力料金制度の変更などがシミュレーション結果に影響を与える場合があります。より正確な予測のため、過去1年間の詳細な電力使用データに基づいたシミュレーションを推奨します。
太陽光発電がない場合でも蓄電池導入のメリットはありますか?
太陽光発電システムがなくても、時間帯別料金プランを活用することで電気代削減効果は得られます。深夜の安い電力で充電し、昼間の高い電力の代わりに使用することで、月額数千円の削減が可能です。また、停電時の非常用電源としての価値も大きなメリットです。
蓄電池導入時に利用できる補助金制度はありますか?
2025年度も国や地方自治体による蓄電池導入補助金が実施されています。国の補助金では導入費用の10%~20%程度の支援が受けられ、地方自治体の補助金と併用可能な場合も多くあります。申請期限や予算枠に制限があるため、早期の申請手続きが重要です。
この記事の監修者

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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