エコキュートで入浴剤は使える?三菱・パナソニックの可否と故障しない選び方

エコキュートを設置した、または検討中の方から、「冬場は入浴剤を使いたいが、三菱製やパナソニック製のエコキュートで使っても大丈夫?」「故障の原因にならないか心配」というご相談を多くいただきます。
結論から言うと、エコキュートで使える入浴剤はありますが、多くの種類がメーカーによって禁止されています。特に三菱電機の場合、指定された製品以外の使用は故障の原因となるため、厳重な注意が必要です。
この記事では、エコキュートの仕組みと故障リスクの観点から、入浴剤使用の可否について、メーカー公式情報を基に専門家が詳しく解説します。
- エコキュートで入浴剤が禁止される2つの主な理由(配管の詰まり・腐食)
- 【メーカー別】三菱電機・パナソニックが推奨する入浴剤、禁止する入浴剤
- 入浴剤使用時の注意点と、NG品を使った場合の対処法
- エコキュートの寿命(10年~15年)と、補助金を使った賢い交換術
お使いの高価なエコキュートを長く安心して使うために、まずは「なぜ入浴剤に注意が必要なのか」という仕組みから理解していきましょう。
目次
なぜエコキュートは入浴剤に注意が必要か? 故障の仕組み
エコキュート(特にフルオートタイプ)で入浴剤の使用が制限される最大の理由は、従来のガス給湯器と異なり、お湯を循環させて温め直す「追いだき(ふろ自動)」機能の仕組みにあります。この循環構造が、特定の成分によって故障するリスクを抱えています。
故障の主な原因は「配管の詰まり(物理的要因)」と「部品の腐食(化学的要因)」の2つです。
原因1:配管・フィルターの「詰まり」
「にごり湯」タイプの入浴剤に含まれる酸化チタンなどの微粒子や、ハーブ、バスボムに含まれる固形物は、お湯に溶け切りません。これらが追いだき運転によって浴槽とエコキュート本体を行き来するうちに、配管の内部や、浴槽の循環フィルター(循環口)に蓄積し、目詰まりを起こします。
詰まりが発生すると、お湯の循環が正常に行えなくなり、追いだきができない、お湯が出ない、といったエラー(故障)につながります。
原因2:金属部品の「腐食」
温泉成分(硫黄)やバスソルト(塩分)、または酸・アルカリを強く含む入浴剤は、エコキュート内部の金属部品(熱交換器や配管の接続部)を化学的に腐食させる(錆びさせる)原因となります。
部品が腐食すると、水漏れやセンサーの誤作動を引き起こし、最悪の場合、高額な部品交換や本体の買い替えが必要になるケースもあります。
※本章のまとめ:エコキュートの「追いだき」機能は、入浴剤の成分(固形物・にごり成分・硫黄・塩分)に非常にデリケートです。メーカーの推奨品以外を使うことは、高額な修理リスクを伴います。
【メーカー別】三菱・パナソニックで使える入浴剤・NGな入浴剤
では、具体的にどのメーカーがどの入浴剤を許可しているのでしょうか。三菱電機とパナソニックの公式見解を中心に、主要メーカーの傾向を比較します。
三菱電機(Mitsubishi Electric)の場合
三菱電機は、エコキュートでの入浴剤使用に関して比較的厳しい基準を設けています。公式ウェブサイトでは、以下のタイプを「故障の原因となるため使用しないでください」と明記しています。
- にごりタイプのもの
- 硫黄、酸、アルカリ、塩分を含むもの
- 固形物(炭酸カルシウム、薬草など)を含むもの
- シリカ(ケイ酸)を配合したスキンケア入浴剤
一方で、三菱電機が動作確認を行い、使用可能としている製品(推奨品)もあります。代表的なものは以下の通りです(※にごりタイプを除く)。
- 花王:「バブ」シリーズ(にごりタイプ除く)、「バブ メディキュア」
- アース製薬:「バスロマン」シリーズ(にごり・硫黄タイプ除く)
- バスクリン:「きき湯」シリーズ(にごりタイプ除く)、「バスクリン」(にごりタイプ除く)
出典:三菱電機 FAQ「エコキュートで入浴剤は使えますか?」
パナソニック(Panasonic)の場合
パナソニックも基本的には三菱電機と同様の基準です。にごり湯、硫黄、塩分、固形物を含むものは禁止されています。パナソニックが推奨(使用可能と確認)しているのは、主に以下の製品です。
- 花王:「バブ」シリーズ(にごりタイプ除く)
- アース製薬:「バスロマン」シリーズ(にごり・硫黄タイプ除く)
- バスクリン:「きき湯」シリーズ(にごりタイプ除く)
出典:Panasonic FAQ「エコキュートで、入浴剤は使えますか。」
ダイキン・コロナ・日立の傾向
他の主要メーカー(ダイキン、コロナ、日立など)も、ほぼ足並みを揃えて「にごり湯、硫黄、塩分、固形物」を禁止しています。いずれのメーカーも、花王の「バブ」(透明タイプ)は使用可能としているケースがほとんどです。
【一覧表】入浴剤のタイプ別 可否まとめ
| 入浴剤のタイプ | 使用可否(全メーカー共通傾向) | 主な故障リスク |
|---|---|---|
| 透明タイプ
(例:バブ、きき湯 ※にごり除く) |
△(メーカー推奨品のみ可) | (推奨品はリスク小) |
| にごり湯・白濁タイプ
(例:乳白色の湯、スキンケア系) |
×(全面禁止) | フィルター・配管の詰まり(酸化チタン等) |
| 硫黄(イオウ)成分入り
(例:湯の花、温泉系) |
×(全面禁止) | 金属部品・配管の腐食 |
| 塩分(塩化ナトリウム)入り
(例:バスソルト) |
×(全面禁止) | 金属部品・配管の腐食 |
| 固形物・不溶解物入り
(例:バスボム、薬草、ゆず等) |
×(全面禁止) | フィルター・ポンプの詰まり |
| 酸・アルカリ成分が強いもの | ×(全面禁止) | 金属部品の腐食 |
※本章のまとめ:三菱電機を含むほぼ全てのメーカーが「にごり湯」「硫黄」「塩分」を厳禁としています。迷ったら「花王のバブ(透明タイプ)」を選ぶのが最も安全な選択肢の一つと言えます。
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入浴剤使用時の注意点と「NG品」を使った時の対処法
メーカー推奨の入浴剤であっても、使い方を誤れば故障のリスクは残ります。安全に楽しむための注意点と、万が一禁止されている入浴剤を使ってしまった場合の対処法を解説します。
推奨品を使う場合の注意点
- 入浴剤のパッケージを確認する「エコキュート(ヒートポンプ給湯器)対応」「追いだき機能付き給湯器OK」といった記載があるか確認しましょう。記載がない場合は使用を避けるのが賢明です。
- 用法・用量を守る(入れすぎない)推奨品であっても、規定量より多く入れると成分が濃くなり、配管内に蓄積しやすくなります。
- 「ふろ自動」運転を併用しない(推奨)メーカーは推奨品であれば「ふろ自動」や「追いだき」も可能としていますが、より安全を期すなら、入浴剤を入れた日はこれらの自動運転をオフにし、「高温差し湯」機能で湯温を調整する方が、機器への負担を最小限に抑えられます。
- 浴槽の循環フィルターをこまめに掃除する入浴剤を使用すると、フィルターは通常よりも汚れやすくなります。週に1回以上を目安に、フィルターを取り外して歯ブラシなどで清掃してください。
禁止品(NG品)を誤って使った場合の対処法
もし、にごり湯やバスソルトなど禁止されている入浴剤を誤って使ってしまった場合は、以下の手順で速やかに対処し、機器へのダメージを最小限に食い止めてください。
- 「ふろ自動」「追いだき」を即時停止するこれ以上、入浴剤成分が配管内を循環しないようにします。
- 浴槽のお湯をすべて排水する入浴剤の成分が残ったお湯を配管内に留めないようにします。
- フィルターを清掃する浴槽の循環口からフィルターを外し、付着した固形物やにごり成分を徹底的に洗い流します。
- 配管を洗浄する浴槽に再度きれいな水を溜め、エコキュートの「配管洗浄」機能(または「追いだき」運転)を実行します。これにより、配管内部に残った成分を洗い流します。1回で不安な場合は2~3回繰り返してください。
- エラー表示が出た場合上記対処を行ってもエラーコードが消えない、またはお湯の出がおかしい場合は、速やかに設置した施工業者またはメーカーのサポートセンターに連絡してください。その際、「誤って禁止された入浴剤を使用した」ことを正直に伝えてください。
※本章のまとめ:推奨品でも用法を守り、フィルター清掃を徹底することが重要です。NG品を使った場合は、配管内を循環させず、すぐに排水と配管洗浄を行ってください。
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エコキュートの寿命と賢い交換術(補助金・太陽光発電)
入浴剤トラブルの心配もさることながら、エコキュート本体には寿命があります。「最近エラーが増えた」「お湯の出が悪い」と感じる場合、機器の寿命が近づいているサインかもしれません。
エコキュートの寿命は約10年~15年
エコキュートの寿命は、一般的に10年~15年とされています。特に、お湯を沸かす「ヒートポンプユニット」と、お湯を貯める「貯湯タンク」、そして制御を行う「電子基板」は、使用状況によって10年を待たずに不具合が出始めることもあります。
設置から10年近く経過し、入浴剤の使用などで不具合(エラー)が頻発するようになった場合、高額な修理費用(数万円~十数万円)をかけても、すぐに別の箇所が故障するリスクがあります。このタイミングは、最新の省エネモデルへの「交換」を検討する最適な時期と言えます。
2025年「給湯省エネ事業」補助金を活用した交換
エコキュートの交換には、本体と工事費を合わせて約40万円~70万円程度の費用がかかります。しかし、現在は国が省エネ設備の導入を強力に後押ししており、高額な補助金を利用できるチャンスです。
2025年度(令和7年度)も継続・後継事業が期待される「給湯省エネ事業」では、省エネ性能の基準を満たしたエコキュートの導入(交換)に対し、1台あたり8万円~18万円といった高額な補助金が交付されています(※金額は性能要件により変動)。
入浴剤トラブルによる故障修理に10万円を支払うよりも、この補助金を利用して最新モデルに交換するほうが、長期的な光熱費削減と安心につながる可能性があります。
最も効果的な節約術:エコキュート+太陽光発電
エコキュートは「夜間の安い電力」でお湯を沸かすため、それだけでも光熱費削減効果は高いです。しかし、昨今の電気代高騰で、その夜間電力の単価も上昇傾向にあります。
そこで最も効果的なのが、「太陽光発電」との連携です。日中に太陽光発電でつくった「無料の電気」を使い、エコキュートのお湯を沸かす設定(昼間沸き上げ)に変更することで、電力会社から電気を買う量を極限まで減らすことができます。これは、電気代高騰に対する最も強力な防衛策の一つとなります。
※本章のまとめ:エコキュートの寿命は10年~15年です。故障が頻発するなら「給湯省エネ事業」などの補助金を活用した交換が賢明です。電気代を根本から削減するには太陽光発電との連携が最も効果的な対策の一つとなります。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 三菱エコキュートで「バブ」は使えますか?
はい、にごりタイプ(白濁するもの)を除き、使用可能です。三菱電機は、花王の「バブ」シリーズ(透明タイプ)や「バブ メディキュア」について、動作確認試験を行い、使用できることを公式に発表しています。
ただし、同じ「バブ」ブランドであっても、「至福の森」「至福の柑橘」などの詰め合わせに含まれる「にごりタイプ」は使用できません。パッケージ裏面を確認し、「にごりタイプ」や「白濁」の記載がないか必ず確認してください。
※ご使用の際は、用法・用量を守り、こまめに浴槽の循環フィルターを清掃してください。
Q2. なぜ「にごり湯」タイプは使えないのですか?
にごり湯タイプの入浴剤には、お湯を白く見せるための「酸化チタン」などの微細な粒子が含まれているためです。これらの粒子は水に溶けず、追いだき運転の際にお湯と一緒に配管内を循環します。
その結果、お湯の循環量を検知するセンサー(流量センサー)や、浴槽の循環フィルター、配管の細い部分に粒子が蓄積・付着し、目詰まりを起こします。これにより、追いだきができない、お湯が止まる、といった故障(エラー)の原因となります。
Q3. 故障した場合、保証(メーカー保証)は効きますか?
いいえ、メーカー保証の対象外となる可能性が非常に高いです。メーカーが取扱説明書や公式ウェブサイトで「使用禁止」としている入浴剤(にごり湯、硫黄、塩分など)を使用したことが原因で故障した場合、それは「お客様の誤った使用方法」によるものと判断されます。
保証期間内(通常1~5年、機種により異なる)であっても、修理費用は全額自己負担(有料修理)となるケースがほとんどです。高額な修理費用を避けるためにも、入浴剤の選定は慎重に行う必要があります。
Q4. エコキュート交換の費用と補助金(2025年)は?
エコキュートの交換費用(本体+標準工事費)は、容量や機能(高圧タイプ、薄型など)にもよりますが、約40万円~70万円が相場です。
国の補助金としては、2025年度(令和7年度)も継続・後継が期待される「給湯省エネ事業」があります。これは、省エネ性能(2025年度基準など)を満たした高効率エコキュートに交換する場合、1台あたり8万円~18万円(※性能要件により変動)が補助される強力な制度です。
これらに加え、お住まいの自治体(都道府県・市区町村)が独自に上乗せ補助を行っている場合もあります。補助金は予算上限(先着順)があるため、早めの情報収集が重要です。
※補助金の最新情報は、経済産業省や環境省の特設サイトをご確認ください。
出典:住宅省エネ2024キャンペーン(給湯省エネ事業)(※2025年度情報は後継サイトを要確認)
まとめ:三菱エコキュートの入浴剤は「透明タイプ」限定で
三菱電機製エコキュートをはじめ、多くのメーカーの製品では、入浴剤の使用に厳しい制限があります。故障を防ぎ、長く安心して使い続けるための結論は以下の通りです。
- 「にごり湯」「硫黄」「塩分」「固形物」は絶対に使用しない。
- 使用する際は、三菱電機が推奨する「バブ(透明タイプ)」など、メーカー確認済みの製品を選ぶ。
- 推奨品であっても、用法・用量を守り、こまめなフィルター清掃を徹底する。
もし、お使いのエコキュートが設置から10年以上経過し、入浴剤の使用に関わらず不具合が増えている場合は、修理よりも交換が賢明な時期かもしれません。
「給湯省エネ事業」などの高額補助金が出ている今、最新の省エネモデルへの交換は、将来の修理リスクを減らすだけでなく、日々の光熱費削減にも大きく貢献します。さらに太陽光発電と組み合わせれば、電気代高騰の不安から解放される生活も夢ではありません。
この記事の監修者

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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