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FIT制度とFIP制度の違いは?卒FIT後の対応策を紹介!

2024年01月04日更新

再生可能エネルギーの普及を図るため、2012年に本格的にFIT制度が導入されました。

それから10年後の2022年、FIT制度に加えてFIP制度が導入されます。

FIT制度とFIP制度は何が違うのでしょうか?

今回はFIT制度とFIP制度の特徴や違い、FIT制度終了後の卒FITの内容や卒FIT後の対応、余剰電力を蓄電するメリットなどについてまとめます。

FIT制度とは何か

FIT制度(固定価格買取制度)とは、再生可能エネルギーを固定価格で買い取る制度です。

経済産業省が2012年に開始した仕組みで、再生可能エネルギー(太陽光・水力・風力・バイオマス・地熱など)から作られた電気を電力会社が一定期間、一定の価格で買い取ります。

FIT制度をスタートさせた目的は、再生可能エネルギーの普及率を高めることでした。

日本の再生可能エネルギーの割合はOECD(経済協力開発機構)35か国中34位であったため、再エネの割合を増やす必要がありました。

買取の財源は電力価格に付加される再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)です。

再エネの買取価格は年々低下しており、家庭用が中心の10kWh以下では1kWhあたり19円です。

これは、FIT制度が始まった2012年の買取価格である1kWhあたり42円の半分以下の価格です。

買取価格は今後ますます低下することが予想されます

FIP制度とは何か

FIP制度とは、再エネ由来の電力を固定価格で買い取るのではなく、市場価格に一定額の補助金(プレミアム)を上乗せする仕組みです。

従来のFIT制度は電力の市場価格と関係なく価格が決められていましたが、FIP制度では市場価格に連動して電力価格が決定します。

FIT制度とFIP制度の違い

FIT制度とFIP制度はどのように違うのでしょうか。

買取価格と買取対象に注目して違いを解説します。

買取価格が違う

1つ目の違いは買取価格です。

FIT制度は買取価格が10年間固定される仕組みで、売電する側からすれば安定して収入が得られる仕組みでした。

それに比べFIP制度は市場価格と連動した参考価格を基準に電力価格を決定します。
そのため、
FIT制度よりも価格安定性が劣るという弱点を有しています。

では、FIP制度が不利かというと、一概にそうとも言い切れません。

FIP制度の場合は電力価格が安い時間帯に蓄電し、高い時間帯に売却するといった工夫をすることによりFIT制度よりも利益を上げられる可能性があるからです。

適用対象が違う

2つ目の違いは適用対象です。

FIP制度の開始により、1,000kW(1MW)以上の太陽光発電設備は自動的にFIP制度に移行します。
出力50kW〜1MWの太陽光発電設備はFIPかFITか選択できます。
50kWh未満の産業用太陽光発電や10kW以下の住宅用太陽光発電は従来通りFIT制度のみ提供されます。

2020年以降、出力10kW以上50kW未満の産業用太陽光発電は発電量の30%を自家消費しなければならないと定められました。
今後は、自家消費を強く意識した発電に移行する可能性があります。

卒FITとは

卒FITとは、固定価格買取期間である10年が経過した太陽光発電設備のことです。

FIT制度が初めて導入されたのは2009年11月であり、2019年11月以降、期間が満了する設備が出始めました。

これらの設備を卒FITと呼んでいるのです。

卒FIT後の対応

FIT制度が終了した設備について、どのように対応すればよいのでしょうか。

対応法を3つ紹介します。

より高く買い取ってくれる売電先を探す

1つ目の対応法は、より高く買い取ってくれる売電先を探すことです。

FIT終了後の余剰電力は電力会社が買い取ります。
ここでいう電力会社とは、発送電をまとめて請け負う電力会社10社(旧一般電気事業者)や2015年からスタートした新電力の事業者をさします。

買取価格は事業者によって大きく異なるため、最も買取価格が高い事業者と売電契約を結び、収入を高くできます。

現在の契約を続ける

2つ目の対応法は、現契約を継続することです。

売電先を変更するのが手間であるなら、FIT制度の時に利用していた電力会社と現在の契約を続行するのも一つの方法です。
その場合、競合他社と比べると電力の買取価格が安い可能性があります。

蓄電池を購入する

3つ目の対応法は、蓄電池を購入して自家消費に回すことです。

FIT制度における電力の買取価格は年々低下しています。
自宅の太陽光発電設備が卒FITする頃には、現在よりも低い買取価格である可能性が高いといえます。

それならば、いっそのこと発想を転換し電力を売却するのではなく蓄電して自家消費に回した方がよいかもしれません。

2022年現在、円安と原油価格の上昇により日本国内のエネルギー価格が上昇しつつあります。
大量の顧客を抱える旧一般電気事業者は2023年4月から電力料金を値上げする方向に動いています。
エネルギー価格の一層の高騰に備えるため、蓄電池を導入し自家消費を増やす方が合理的ではないでしょうか。

余剰電力を蓄電するメリット

蓄電池を導入し、余剰電力を蓄電しておくとどのようなメリットがあるのでしょうか。

3つのメリットについてまとめます。

災害時の非常電源として利用できる

1つ目のメリットは災害時の非常電源として利用できることです。

2019年10月、台風19号が上陸し、千葉県などに大きな被害をもたらしました。
このとき、送電用の鉄柱や鉄塔が倒壊したため、最大で64万戸が停電。完全復旧まで19日間かかりました。

長期停電時に役立つのが太陽光発電と蓄電池の組み合わせです。
昼間に太陽光発電で生み出した電力の一部を蓄電池に蓄えることで災害発生時に非常電源として活用できます。
これにより、冷蔵庫やエアコンなどが停電時でも使用できます。

ただし、消費電力が大きい電化製品を動かすには蓄電池の容量も大きくなければなりません
停電時にどの程度の電力が必要か計算したうえで蓄電池を設置するとよいでしょう。

電気代を削減できる

2つ目のメリットは電気代を削減できることです。

蓄電池導入を検討している人の中には、経済的メリットに着目している人もいるでしょう。
発電量や自宅での消費量、蓄電池の容量にもよりますが、毎月数千円の電気代節約が可能です。

節約額を大きくしたいのであれば、容量が大きな蓄電池の購入が必要です。
世界情勢が不安定であり、ウクライナでの戦争をはじめとする地政学的リスクが強く意識されているうちは電力価格が高止まりすると予想されるため、蓄電池による節約効果はいやが上にも高まりそうです。

補助金を利用できる

3つ目のメリットは補助金を利用できることです。

国や地方自治体は蓄電池購入に際して補助金を出しています。
国が環境共創イニシアチブを通じて支出しているDER補助金は1kWhあたり37,000円となっています。

地方自治体の補助金の例として東京都を取り上げると、1台あたり最大で100,000円の補助金を出しています。
こうした
補助金を上手に使うことで、コストを抑えた蓄電池導入が可能となります。

まとめ:卒FITを見据え、蓄電池導入を検討してもよい

今回はFIT制度とFIP制度の違いや卒FIT後の対応策、余剰電力を蓄電するメリットについてまとめました。

買取価格が固定であるFIT制度から市場価格に連動したFIP制度に移行するため、以前より売電収入が不安定となります。

固定価格での買取が終わった卒FITの太陽光発電設備は蓄電池と組み合わせることで新たな役割を果たせます。

それが、非常電源や電気代削減手段としての活用です。

蓄電池導入を進めたい国や地方自治体が補助金を出しているため、卒FIT後は蓄電池を導入し、電力を自宅で有効活用する方法を検討してみてはいかがでしょうか。

リノベステーションでは多くのメーカーの蓄電池や太陽光発電を取り扱っております。

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この記事の監修者

中田 萌

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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