グリーンアンモニアとは?注目の理由や今後の動向についても解説!
昨今の地球温暖化対策の一環として、グリーンアンモニアが注目されています。
では、グリーンアンモニアとは具体的にどういう特徴のあるものなのでしょうか。
今回の記事では、グリーンアンモニアの概要や将来性を徹底解説します。
目次
グリーンアンモニアとは?注目されている理由や類似名と違いも!
グリーンアンモニアは、なかなか聞き慣れない名前ですよね。
とはいえ、地球温暖化を食い止めるための水素発電に代わる省エネ発電として、昨今とても話題になっているものになります。
そこで今回の章では、そもそもアンモニアとは何なのか、グリーンアンモニアが注目されている理由、類似名との違いを紹介します。
そもそもアンモニアとは?
アンモニアは元素記号「NH3」で、窒素(N)と水素(H)が成分です。
肥料として使われることが多く、世界的に一定の需要がある物質になります。
昨今は、地球温暖化を食い止めるために世界各国が協力していますが、その中で注目されているのがアンモニアを原料とした発電方法です。
もっというと、グリーンアンモニア発電が注目されています。
グリーンアンモニアが注目されている理由
アンモニアとグリーンアンモニアは、成分はまったく同じです。
ただ、製造工程が異なります。
通常のアンモニアは、製造過程で二酸化炭素が排出されてしまうため、地球温暖化を食い止める役割をまっとうできるか、と聞かれると嘘になります。
一方、グリーンアンモニアは再生可能エネルギーを使って作られるため、非常にエコ。
二酸化炭素が排出されることはないので、地球温暖化を食い止める役割を担うことができるのです。
アンモニアとグリーンアンモニアの注目度を比較した場合、グリーンアンモニアが勝者になるのは当然ですね。
似たような名前を持つものとの違いについて
アンモニアの中には、省エネタイプのグリーンアンモニアがあります。
しかし、それだけではなく、実は「グレーアンモニア」と「ブルーアンモニア」というのもあるのです。
それぞれの特徴について具体的に解説します。
グレーアンモニアの特徴
グレーアンモニアは、化石燃料から生成されたアンモニアです。
製造過程で二酸化炭素を排出してしまうため、地球環境のためを思うと極力使用を避けたいものになります。
グレーアンモニアは、いわゆる従来のアンモニアです。
ブルーアンモニアの特徴
ブルーアンモニアの特徴は、従来のアンモニア同様、製造過程で二酸化炭素が排出されてしまうものの、それを次世代技術といわれているCCSやCCUSなどを使って回収できるという特徴があります。
つまり、グリーンアンモニアまではいかないけれど、従来のアンモニアよりは省エネということです。
グリーンアンモニアはなぜ注目されている?具体的な理由を3つ紹介!
前章で、グリーンアンモニアがいかに省エネかがお分かり頂けたことでしょう。
では、グリーンアンモニアはなぜ注目されているのか、具体的な理由を3つ紹介します。
注目されている理由①二酸化炭素を排出しないから
グリーンアンモニアが注目されている理由の1つ目は、二酸化炭素を排出しないからです。
グリーンアンモニア発電では、発電時に再生可能エネルギーを使用するため二酸化炭素は排出されません。
再生可能エネルギーは、太陽光や風力などの常に地球上に存在するもののことを指し、いくら使っても二酸化炭素を排出しないという特徴があります。
太陽光発電が注目されている理由は、この「いくら使っても二酸化炭素を排出しない」点にあるといっても過言ではありません。
同じように、グリーンアンモニアは再生可能エネルギーを使っているため、非常にエコ。
同じ「アンモニア」であれば、グリーンアンモニアを使うのが断然良いのです。
注目されている理由②発電コストが非常に安いから
グリーンアンモニアが注目されている理由の2つ目は、発電コストが非常に安いからです。
グリーンアンモニアで発電された電力は1kWhあたり12.9円と破格。
この値がいかに凄いものかというのは、以下の関西電力が発表している主な発電コストの表をご覧ください。
発電方法 | 1kWhあたりの値段 | |
火力発電 | 石油利用 | 24.9円以上 |
石炭利用 | 13.6円以上 | |
天然ガス利用 | 10.7円以上 | |
水素発電 | 20.9円 | |
原子力発電 | 11.7円 | |
太陽光発電 | 8.2円 |
この表に記載のあるもので省エネなのは太陽光発電だけですから、グリーンアンモニアの発電コストがいかに安いかがお分かり頂けることでしょう。
注目されている理由③水素よりも扱いが簡単
グリーンアンモニアは、水素発電に代わる新世代の燃料になる予定です。
先ほどの表の通り、グリーンアンモニアは水素発電に比べて発電コストが非常に安いというメリットがあります。
それは、輸送や貯蔵にかかるコストが水素と比べて破格だからです。
実は水素は、輸送や貯蔵に気を配らなければならず、それなりにコストもかかります。
一方、アンモニアは冒頭でお話した通り、世界各国で肥料として使われているもの。
したがって、既に輸送や貯蔵に対する知識は十分にあるので「扱いやすい」という特徴があります。
グリーンアンモニアの今後は?想定されている使い方を徹底解説!
最後に、グリーンアンモニアの今後について見ていきましょう。
想定されている使い方には何があるのでしょうか。
石炭火力発電で使う
グリーンアンモニアは、石炭火力発電で使うといった取り組みが考えられています。
前章で紹介した通り、石炭火力発電はグリーンアンモニア発電に比べてコスト高。
しかも、他の石油や天然ガスに比べて、二酸化炭素の排出量も多いというデメリットがあります。
グリーンアンモニアは燃料速度が石炭火力発電に近いという特徴があるため、今後はグリーンアンモニアを石炭火力発電に使用するという話が進められているのです。
この置き換えが成功すれば、二酸化炭素排出量を年間2億トン程度減らすことができるといわれています。
船舶のエネルギー源として使う
日本は、日常にある様々なものを輸入に頼っている国です。
輸入品の多くは船舶を利用して日本に運ばれますが、そのエネルギーをグリーンアンモニアが代用するという話も出ています。
なんでも、船舶の中でも「液化天然ガス船の設備をグリーンアンモニアで転用可能」という試算が立っているのだとか。
地球温暖化防止のために輸入船を止めるようなことはできないですから、グリーンアンモニアの転用はなかなか素晴らしい考えといえるでしょう。
工業炉で活用する
グリーンアンモニアを工業炉で活用する案も出ています。
工業炉とは、自動車や鉄鋼など、部品を熱の力で加工する設備のことです。
工業炉も、日本の未来のために排除できないものですから、工業炉で使用する熱源をグリーンアンモニアに置き換えるというのは、とても良い案ではないでしょうか。
グリーンアンモニアの今後は明るい!地球温暖化のために活用しよう!
今回の記事では、グリーンアンモニアの概要や特徴、今後の使われ方を見てきました。
グリーンアンモニアは省エネで、昨今問題視されている地球温暖化防止の観点から、とても注目されている物質であることがわかりました。
今後どのように活用されていくのか、注目していきたいですね。
▼関連記事はこちら
この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
光熱費削減に関するお悩み等ございましたら、お気軽にご相談下さい。
光熱費削減コンサルタント
中田 萌ご相談やお見積もりは
完全無料です!