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【2023年】太陽光発電のシミュレーション方法や計算方法を解説

太陽光発電 2024年01月04日更新

太陽光発電の導入を考える際は、シミュレーションが重要ですが、どうすればいいか迷うことがあります。

そこで、今回の記事ではシミュレーションの方法や、気をつけたいポイントについて分かりやすく解説します。

目次

住宅用太陽光発電の経済シミュレーションとは?

太陽光発電のシミュレーションとは、太陽光パネルを設置して発生する電力が、電気代の節約や余った電力の売却でどれだけお金になるかを予測してくれるものです。

太陽光発電を導入するには、最初に約200万円ほどの費用がかかります。

この中にはパネルや設置工事の費用が含まれ、融資を受けて支払うことも可能です。

一方で、太陽光発電により毎月の電気代が減り、余った電力を売ることで収入が得られます。

たとえば、月に1万円の電気代の節約と、更に5,000円の売電収入があるとしましょう。

これらの収支を考えて、融資の返済や太陽光発電の初期費用をまかなうことができます。

ただし、地域や気象条件によってシミュレーションの内容は変動するため、検討の際は慎重に調査し、計画を立てることが大切です。

太陽光発電のシミュレーション方法は?

太陽光発電の発電量や売電収入、そして投資回収までを予測するには、いくつかのシミュレーション方法を検討して選ぶ必要があります。

  • 太陽光パネルメーカーへの依頼やツールの活用
  • 設置業者や販売店への依頼
  • シミュレーションソフトの利用
  • 自己計算

上記の手法を組み合わせて、しっかりとした情報を集めることが大切です。

さまざまな情報源のデータをくらべてみて、自分の状況に合ったシミュレーションをおこなうと、より正確な予測ができます。

太陽光発電の導入を考える際、設置業者や販売店に頼む場合は、地元の太陽光発電設置業者に相談して、予算や期待される発電量、回収期間などを具体的に話し合い、提案をもらうことができます。

一方、自分で計算する場合は、太陽光発電の基本的な計算方法や地域の日射量を調べて、自分で発電量や回収期間を算出することも可能です。

太陽光発電を選ぶ際は、家庭の状況にピッタリな情報を選び、考え抜いて家庭に合った手法を見つけることが大切です。

1枚あたりの太陽光パネル発電量を予測する方法は?シミュレーション手法を解説

太陽光発電の発電量を予測する方法は、以下の方法があります。

  • 屋根の広さや傾斜角度を活用した計算方法
  • 太陽光パネルの設置枚数と発電量を計算する方法
  • エリアごとの太陽光発電がもたらす経済効果のシミュレーション

それぞれの方法について、分かりやすく紹介します。

屋根の広さを活用した計算方法

太陽光パネル1枚分の広さに必要な設置枚数をかけると、屋根面積を求めることができます。

たとえば、5kWの容量で最大出力が250Wのパネルを20枚設置する場合、容量を最大出力で割ることで20枚分のパネルが必要であることがわかります。

一般的な太陽パネル1枚分の広さは、1.7㎡なので、この広さに20枚を掛けると、屋根に必要な面積が30㎡になります。

ただし、実際には太陽光パネル同士で一定の間隔を確保したり、メンテナンス作業の際には作業スペースも考慮する必要があります。

太陽光パネルの設置枚数を計算する方法

通常の太陽光パネル1枚分の最大発電能力は、200〜350kWほどです。

必要なパネルの枚数は、欲しい発電容量を1枚の太陽光パネルの出力で割ることで求めることができます。

たとえば、必要な発電容量が5,000W(5kW)なら、1枚あたりの太陽光パネルの出力が250Wだとすると、必要なパネルは20枚です。

発電したい量と1枚のパネルの出力によって、必要なパネルの枚数は変動するので、自宅の電気使用状況に応じて計算してみてください。

年間の発電量から設置容量を計算する方法

「システム出力 × 1kWあたりの年間発電量」の計算式を使えば、簡単に年間の発電量から設置容量を求めることができます。

たとえば、システム出力が5kWで、1kWあたりの年間発電量が1000kWhなら、5kW × 1000kWh = 5,000kWhとなります。

上記の計算式は、年間の発電量が大まかにわかるので、シミュレーションに使うには便利な計算方法です。

さらに詳しい年間予想発電量を知りたい場合は、以下の計算式を使うのがおすすめです。

年間予想発電量= 1日あたりの年平均日射量(kWh/㎡/日)× 損失係数 ×  システム容量(kW)× 365 (年間の日数) ÷ 標準状態における日射強度(kW/㎡)

上記の計算式を使って、以下の条件で年間の発電量を詳しく求めてみると

 

設置条件

  • 設置エリア:東京都
  • 年平均日射量:3.53kWh
  • 損失係数:0.7
  • 方角位:南
  • 傾斜角度:30度
  • システム容量:5kW

(※参照:環境省:3.2 住宅用等太陽光発電の導入ポテンシャルの再推計太陽光発電協会JPEAの表示ガイドライン

 

3.53kWh(1日あたりの年平均日射量)× 0.7(損失係数)× 5kW(システム容量)× 365日(日数)÷ 1kW/㎡(標準状態における日射強度)=4,509kWh

年間で4,509kWhの発電量を見込むことができます。

1ヵ月間にすると376kWhとなり、1日あたりの発電量は、約11kWhです。

たとえば4人家族の場合、月の電力使用量は平均して316kWh〜436kWhで、昼間の電気使用量が約3割の場合、113kWh〜124kWhとなります。

したがって、1ヵ月あたり376kWhの発電量で昼間の電気使用量が113kWh〜124kWhなので、5kWの太陽光発電システムは十分な容量といえます。

このように、家族の人数に合わせて必要な発電容量を計算できるため、設置容量の目安を求めることができます。

エリアごとの太陽光発電がもたらす経済効果のシミュレーション

北海道から沖縄県までの太陽光発電の経済効果シミュレーション結果は、次の通りです。

 

設置エリア

年間の節約電気料金

年間の売電金額

年間の節約料金+売電金額

10年間の節約料金+売電金額

北海道電力

北海道根室市

12万8,096円

7万5,507円

20万3,603円

236万30円

東北電力

青森県青森市

11万5,024円

6万3,821円

17万8,845円

178万8,450円

東京電力

東京都八王子市

13万903円

7万7,241円

20万8,144円

208万1,440円

北陸電力

石川県金沢市

11万6,174円

6万6,066円

18万2,240円

182万2,400円

中部電力

岐阜県長岡市

12万144円

6万8,239円

18万8,383円

188万3,830円

関西電力

大阪府堺市

12万2,560円

6万8,463円

19万1,023円

191万230円

中国電力

広島県呉市

12万388円

6万5,486円

18万5,874円

185万8,740円

四国電力

高知県安芸市

13万7,688円

8万1,724円

21万9,412円

219万4,120円

九州電力

熊本県熊本市

11万7,228円

6万4,607円

18万1,835円

181万8,350円

沖縄電力

沖縄県宮古島

12万6,282円

7万1,252円

19万7,534円

197万5,340円

(条件:5kWの太陽光パネル、4人家族の電気代平均額1万1,376円、南向き、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の日射量データを参照)

 

2023年の太陽光発電の設置費用は、経済産業省の調達価格等算定委員会によると、1kWあたり25.9万円が基準となります。

たとえば、5kWの太陽光発電システムを設置する場合、129.5万円ほどです。

各エリアで設置した場合、売電収入と電気料金の節約により10年間で、181万〜236万円の見込みがあります。

つまり、10年間で初期費用を回収できる可能性が高いといえるでしょう。

太陽光発電の効率アップ方法は?発電量を増やすためのポイント

太陽光発電の発電効率を上げる方法は、以下の3つのポイントです。

  • 南向きの屋根に太陽光発電パネルを設置する
  • 太陽の光を垂直に太陽電池に当てるように配置する
  • 都道府県ごとに日射量の高低を比較して調査する

それぞれのポイントについて、詳しく紹介します。

発電量を増やすポイント①南向きの屋根に太陽光発電パネルを設置する

太陽光発電を導入する場合、最も効果的なのは南向きの屋根です。

なぜなら、昼の12時に太陽が真南にあるため、太陽光が最も垂直に当たるからです。

その結果、太陽電池パネルが真南に向いていれば、太陽光を最大限に取り込むことができます。

日本建築学会技術報告集」によると、南向きの場合、104%の発電量に対して、西・東向きは83~86%の発電量となり、北向きになると約51%まで減少します。

つまり、南向きがベストで、他の向きでは発電効率が低下するというわけです。

つまり、太陽光パネルは、「南・南西・南東」の方向に設置するのがおすすめです。

発電量を増やすポイント②太陽の光を垂直に太陽電池に当てるように配置する

太陽光発電の発電量は、太陽電池の設置角度が大きく影響します。

日本では、太陽光発電の最適な設置角度は一般的に20度から30度の範囲です。

最適な角度に設置することで、発電量を最大化することができます。

ただし、太陽の南中高度は設置場所によって異なります。

設置エリア

最適な傾斜角度

北海道(根室市)

36.3度

東京都

26.2度

大阪府

21.3度

沖縄県

15.1度

(引用元:学術研究発表会論文集:太陽光発電のための光電池パネルの最適傾斜角

 

北のエリアでは太陽電池の傾斜を高くする必要があり、一方で南のエリアでは傾斜を低く調整する必要があります。

太陽パネルを設置する際は、地元の状況に合わせて適切な設置ができる専門業者に相談しましょう。

発電量を増やすポイント③都道府県ごとに日射量の高さ低さを比較する

発電量を増やすためには、設置する地域の日射量が多いかどうかも重要です。

2023年7月17日〜11月14日までの日照時間が多かったエリアは、以下の5つです。

都道府県

2023年7月17日~11月14日までの合計日照時間

千葉県銚子市

1,003時間

神奈川県三浦市

955時間

静岡県磐田市

946時間

千葉県勝浦市

934時間

茨城県竜ケ崎市

914時間

(引用元:気象庁:日照時間一覧表

 

一般的に、北海道・東北や日本海側では太陽光の当たり具合が比較的少なく、逆に太平洋側の関東や中部地方は日射量が多いです。

住んでいる場所を変えるのはむずかしいかもしれませんが、もし日射量が多いエリアに住んでいるなら、太陽光発電の設置が適しています。

なぜなら、日照時間が豊富な地域では、太陽エネルギーをより多く取り込むことができ、経済的なメリットにつながるからです。

発電量を増やし、同時にエネルギーコストを削減することが期待できます。

太陽光パネルの発電量シミュレーションで重要なポイント

太陽光パネルの発電量シミュレーションで重要なポイントは、以下の3つです。

  • 影の影響を受けないか確認する
  • 太陽電池やパワコンの寿命を確認する
  • 日射量の変動を確認する

それぞれの重要なポイントについて詳しく紹介します。

影の影響を受けないか確認する

太陽電池に影がかかると、発電量が激しく減少する可能性があります。

そのため、影のかかりやすい場所への太陽光発電システムの設置はおすすめしていません。

実際の発電シミュレーションでは、影は考慮されないため、太陽光パネルはできるだけ直射日光が当たる場所に設置するのが大切です。

太陽光パネルの配置において、影の影響を最小限にするためには、以下の方法があります。

  • 直射日光が当たる場所を選ぶ
  • 建物や木などの遮蔽物がない場所
  • パネルの傾斜角を最適な角度に調整する
  • パネル同士の間隔を適切にする

上記のポイントを考えることで、太陽光パネルの配置を最適化し、影の影響を受けにくくすることができます。

太陽電池やパワコンの寿命を確認する

太陽光発電設備は優れた耐久性を持ちつつも、時間の経過とともに太陽電池やパワコンが劣化して発電量が低下する可能性があります。

太陽電池は一般的に20年〜30年ほどもちますが、対照的に、パワコンは寿命が短く、通常は10年〜15年ほどが限度です。

太陽電池は長寿命で、何十年も発電可能ですが、パワコンは部品の経年劣化が速く、一定の期間ごとに交換が必要です。

発電システムは長寿命であるものの、徐々に性能が低下する可能性があることを前もって理解しておくと良いでしょう。

日射量の変動を確認する

年度によって、平均よりも太陽光の量が多い年もあれば、少ない年もあります。

気象庁」のデータによると、2022年の沖縄と奄美では、9月と10月は頻繁に台風の影響を受け、10月半ば以降は前線や湿った空気により曇りや雨が続いた結果、秋は太陽の光が極端に少ない日が続きました。

このように天気が変わると、太陽光発電の発電量にも大きな変化が生じることがあります。

そのため、太陽光発電を導入する際には、地域の気象条件や季節の変化を考慮して、発電量の変動に備えることが重要です。

住宅用太陽光発電の初期投資にかかる一般的な価格の目安

2023年の太陽光発電設置費用は、「経済産業省の調達価格等算定委員会」の資料によると、1kWあたり25.9万円を目安にしています。

たとえば、4kWの太陽光発電システムを設置する場合、約103.6万円かかります。

経済産業省が提示する金額は、実際の取引情報をもとにしていますが、実際の太陽光発電を高い価格で販売している企業が多い傾向です。

太陽光発電は利益を生む可能性がありますが、高い購入費用の場合、元を取るのに時間がかかります。

もし見積もりが相場よりも高い場合や、適正価格での見積もりを希望する場合は、太陽光発電や蓄電池の専門業者に相談すると良いでしょう。

太陽光発電のシミュレーションを頼む際に気をつけるポイント

太陽光発電のシミュレーションを頼む際に気をつけるポイントは、以下の3つです。

  • 日照時間以外のデータをちゃんと考慮している?
  • 太陽光発電の維持管理費用を見逃していない?
  • 必要なデータは提供できている?

それぞれについて、詳しく紹介します。

日照時間以外のデータをちゃんと考慮している?

シミュレーション結果を確認する際は、日照時間だけでなく、太陽光パネルの向きや傾きに注意しましょう。

たとえば、南向きに設置し、傾斜を30度傾けると、太陽の光を最大限に受けられ、発電量が最適になります。

ただし、一部のツールやサービスは実際の発電量とのずれがあるため、業者の実績や評判、サービス内容もしっかり確認しましょう。

太陽光発電の維持管理費用を見逃していない?

太陽光発電のシミュレーションをするときは、維持管理費用も確認しましょう。

太陽光発電システムは経年劣化のほかに、自然災害の影響を受ける可能性があります。

太陽光発電システムを維持するためには、故障や損傷時の修理費用や撤去費用も考えておくべきです。

また、年間の保守点検費用や保険料、そして売電収入にかかる税金なども含めて、シミュレーションする必要があります。

維持にかかる管理費用をきちんと見積もり、安定的な収支を保つためには、専門の販売店やサービスに相談するのがおすすめです。

必要なデータは提供できている?

シミュレーションソフトやサービスを利用する際は、必要なデータを提供することが重要です。

たとえば、電気料金の明細書や電気料金プラン、住宅の設計図や周辺の環境データを提供することで、シミュレーションが現実的で信頼性が高くなり、最適な計画が立てられます。

また、太陽光発電システムと蓄電池の効果をシミュレーションする際に正確な計算が可能になります。

たとえば、蓄電池を導入する場合、太陽光発電との組み合わせによる電気代削減効果や、買電量の削減量も含めて計算できるかどうかを確認しておくと良いでしょう。

これにより、具体的な投資リターンや収支バランスを見極めることができます。

太陽光発電で快適生活!シミュレーションで電気代の悩みを解消

太陽光発電のシミュレーションは、損失を最小限にするために必要な作業です。

シミュレーション方法は、「メーカーへの依頼やツールの活用」、「設置業者や販売店への依頼」「手計算」などがあります。

事前にシミュレーションを使って収支を確認すれば、計画を立てやすくなります。

太陽光発電の導入は、電気代の節約と、同時に売電収入も得られるので、経済的なメリットが感じやすいでしょう。

太陽光発電を考えている方は、電気代の節約や売電による収入の点からも、ぜひ導入を検討してみてください。

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この記事の監修者

中田 萌

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
光熱費削減に関するお悩み等ございましたら、お気軽にご相談下さい。

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