IHクッキングヒーターは必要ない?デメリットとメリットを比べてみよう!
IHクッキングヒーターとは、電気を使って熱を発生させる調理器具です。
一般的に普及しているガスコンロと比べ、安全面に優れていると評価される一方、使用できる器具が限られることなどから、敬遠する人も少なくありません。
本記事では、IHクッキングヒーターがどのようなものか、IHクッキングヒーターが必要ない3つの理由、IHにすることで得られる4つのメリットについて、わかりやすく解説します。
目次
IHクッキングヒーターとは
IHとは「Induction Heating(電磁誘導加熱)」の略で、電気を使って鍋やフライパンを熱する調理器具です。
IHクッキングヒーターの中には金属線をぐるぐるにまいたコイルが入っています。
これに電流を流すと、コイルの周りに磁力が発生します。
磁力は、磁石が持つ力で、鉄などの金属を引き寄せる力のことです。
電源を入れると、中のコイルに電流が流れて磁力が発生します。
すると、鍋やフライパンの底に”渦電流”という電気が流れ、金属を熱するエネルギーが生み出されます。
この働きを使って、IHクッキングヒーターは鍋やフライパンを熱しているのです。
直接鍋やフライパンを熱するため、約90%という高い熱効率を実現しました。
IHクッキングヒーターが必要ない3つの理由
IHクッキングヒーターは非常に便利だという声がある一方で、買う必要はなかったという意見も見られます。
なぜ、必要ないと判断されたのでしょうか。
ここでは、必要ないと考えられた3つの理由について解説します。
使用できる鍋が限られてしまうから
1つ目の理由は、使用できる鍋が限られてしまうからです。
基本的に、IHクッキングヒーターは、IH対応の鍋・フライパン以外は使用できません。
IHに最も適した素材は鉄で、少し前まで、それ以外の素材の調理器具は使用できませんでした。
最近、各メーカーが「オールメタル」のIHを開発したため、以下のタイプの鍋も使用できるようになりました。
- アルミニウムの鍋やフライパン、圧力鍋
- ステンレス多層鍋
- 銅鍋
- IH対応の土鍋
しかし、一般的な土鍋やガラス鍋といった金属以外の素材で作られた調理器具は、IHで使用できません。
停電時に使用できないから
2つ目の理由は、停電時に使用できないからです。
IHクッキングヒーターは電気を使った調理器具であるため、停電時に使用できないのは当然のことです。
停電に備えるのであれば、ガスボンベとガスコンロを準備しておくのが無難です。
感覚的に火力調整がしにくく、炙りが使用できないから
3つ目の理由は、火力調整がしにくく、炙りができないからです。
IHクッキングヒーターには、火力を調整するメモリがついており、数値で細かく設定できるため、火力調整がしやすいように思えます。
しかし、これまでガスコンロの使用に慣れ、火を見ながら火力を調整してきた人にとっては、火が見えないガスコンロは感覚的に火力調整がしにくいと感じるかもしれません。
調理に慣れてくると、調整しにくさも緩和されるでしょう。
もし気になるようでしたら、視覚的に火力をとらえられるデザインの機種にすることもできます。
食材を火であぶることができないというデメリットもあります。
この場合は、オーブントースターを使用するのがおすすめです。
IHにすると得られる4つのメリット
IHにすると、使用できる鍋が限られたり、停電時に使えなかったり、火力調整が難しくなったりといったデメリットがあるとわかりました。
しかし、IHにはそのデメリットを補える4つのメリットがあります。
火を使わないため安全性が高い
1つ目のメリットは火を使わないことです。
これは、IHに限らずオール電化住宅全体のメリットでもありますが、火を使わないことで火災リスクを大幅に低下させることできます。
2021年に発生した火災の出火原因は1位がタバコ、2位がたき火、3位がコンロで、コンロによる火災は全火災の7.6%を占めます。
中でも、コンロの消し忘れによる火災は1,154件とコンロ関連の火災の半数以上を占めています。
出典:消防庁「火災予防」
コンロをIHに置き換えることで、消し忘れが原因の火災を防ぐことができ、住宅の安全性を高めることができます。
掃除がしやすい
2つ目のメリットは、調理器具の掃除がしやすいことです。
IHには、ガスコンロに必ずついている五徳(ごとく)がありません。
五徳は鍋などを火にかけるために必要な部品ですが、IHは鍋などを直接温めるため五徳が必要ありません。
そのおかげで調理機全体に凹凸がなくなり、掃除がしやすくなります。
調理で発生する油跳ねや拭きこぼれも、すぐに拭き取れるため、きれいな状態をキープしやすいといえます。
熱効率が高く省エネである
3つ目のメリットは、熱効率が高いということです。
見た目だけでいえば、火で鍋をあぶっているガスコンロの方が熱効率が高いように見えます。
しかし、ガスコンロの火は鍋だけではなく、周辺の空気も温めているため熱効率が悪くなってしまいます。
実際、ガスコンロの熱効率は40〜55%程度であるのに対し、IHの熱効率は80〜90%と非常に高いのです。
熱効率が高いということは、それだけ少ないエネルギーで調理できます。
熱効率が高いと、お湯が沸くまでの時間を短くでき、炒め物をするときなども食材にはよく火が通せます。
つまり、IHはガスコンロより熱エネルギーのロスが少なく省エネなのです。
調理時に暑くならない
4つ目のメリットは、調理するときにキッチンが暑くなりにくいことです。
ガスコンロは周囲の空気も熱するため、どうしてもキッチンが高温になりがちです。
一方、IHは鍋の底を熱するだけであるため、調理中もキッチンが暑くなりにくいのです。
夏場の気温が高い時期に料理をする際、キッチンが暑くなりにくいIHのメリットは、とてもありがたいものです。
まとめ
今回は、IHクッキングヒーターが必要ないと考えられる3つの理由や、IHならではの4つのメリットについて解説してきました。
IHにすると、今まで使ってきた調理器具が使えなくなったり、停電時に使用できなかったり、感覚的な火力調整がしにくいといったデメリットがあります。
しかし、火を使わないため火災リスクを大幅に抑えられる点や掃除がしやすい点、熱効率が高い点、調理時にキッチンが暑くなりにくい点は、IHならではのメリットといえます。
これから、調理器具をIHクッキングヒーターにするかどうか迷っている人は、両者のメリット・デメリットを比較し、どちらが自分の生活にマッチしているか考えて購入したほうがよいでしょう。
▼関連記事はこちら
この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
光熱費削減に関するお悩み等ございましたら、お気軽にご相談下さい。
光熱費削減コンサルタント
中田 萌ご相談やお見積もりは
完全無料です!