蓄電池後付け価格の相場と選び方

目次
蓄電池後付けの基本価格相場
容量別価格の目安
家庭用蓄電池の後付け設置における価格相場は、容量1kWhあたり20万円~30万円程度が基準となります。具体的な容量別の価格相場は以下のとおりです。
小容量(3kWh~5kWh)タイプ 価格相場:100万円~150万円
一般的な一人暮らしや夫婦世帯に適したサイズで、停電時の最低限の電力確保や電気料金の節約効果を期待できます。
中容量(6kWh~10kWh)タイプ 価格相場:150万円~200万円
4人家族程度の標準的な家庭に最も選ばれているサイズで、日常生活に必要な電力を十分に蓄えることができ、太陽光発電との連携効果も期待できます。
大容量(10kWh以上)タイプ 価格相場:200万円~350万円
大家族や電力使用量の多い家庭、長時間の停電に備えたい場合に適しており、電気自動車の充電なども可能です。
工事費込みの総費用
蓄電池本体価格に加えて、標準的な設置工事費用は20万円~35万円程度となります。設置環境や配線の複雑さ等により変動します。詳しくはお気軽にリノベステーションにお問い合わせください。
蓄電池後付けのメリット・デメリット
後付け設置のメリット
電気料金の削減効果
深夜の安い電力を蓄電し、日中の高い電力使用時間に放電することで、電気料金を大幅に削減できます。特に太陽光発電システムと組み合わせることで、売電価格の低下をカバーする効果があります。
停電時の備え 台風や地震などの自然災害による停電時に、冷蔵庫や照明、スマートフォンの充電など、生活に必要な電力を確保できます。
環境負荷の軽減 再生可能エネルギーの有効活用により、化石燃料への依存を減らし、CO2排出量の削減に貢献できます。
後付け設置のデメリット
初期投資の負担 100万円を超える初期費用は家計への負担が大きく、投資回収には10年程度の期間を要するケースが一般的です。
設置スペースの確保 屋外設置型の場合、適切な設置場所の確保と近隣への配慮が必要となります。
定期的なメンテナンス 蓄電池の寿命は30年前後とされていますが、性能を維持するためには定期的な点検とメンテナンスが必要です。
後付け設置工事の流れと期間
設置工事の手順
現地調査・見積もり(1~2週間) 専門業者による設置場所の確認、電気配線の状況確認、最適な蓄電池の提案を行います。
申請手続き(1~2ヶ月) 電力会社への系統連系申請や各種手続きを実施します。太陽光発電との連携を行う場合は、追加の申請が必要になることもあります。
設置工事(1~2日) 蓄電池本体の設置、電気配線工事、動作確認テストを実施します。一般的な住宅用システムの場合、1~2日程度で完了します。
運転開始 動作確認と取扱説明を行い、運転を開始します。
工事期間全体の目安
申請から工事完了まで全体では3~6ヶ月程度の期間を要することが一般的です。設置場所の条件や申請内容によって期間は変動します。
太陽光発電との連携効果
売電価格低下への対策
住宅用太陽光発電(10kW未満)の売電価格は、1kWhあたり15円となっており、設置年度や電力会社によって異なります。売電価格の低下により、発電した電力を自家消費に回すメリットが高まっており、蓄電池の導入効果が注目されています。
自家消費率の向上
太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、日中に発電した電力を蓄電し、夜間や雨天時に使用することができ、自家消費率を大幅に向上させることができます。
経済効果の試算
一般的な家庭用太陽光発電システム(4kW~5kW)と蓄電池を組み合わせた場合、年間の電気料金削減効果は8万円~15万円程度が期待できます。
補助金制度の活用
2025年度の主な補助金制度
国の補助金制度
経済産業省による「蓄電池等の分散型エネルギーリソースを活用したVPP構築事業」では、条件を満たす蓄電池設置に対して補助金が支給されます。
地方自治体の補助金
多くの都道府県や市区町村で独自の補助金制度を実施しており、国の補助金と併用することで初期費用を大幅に削減することが可能です。
補助金申請時の注意点
補助金の申請には期限があり、予算に達し次第終了となるケースが多いため、早めの検討と申請が重要です。また、指定された業者による設置や特定の機種に限定される場合もあります。
蓄電池の種類と特徴
リチウムイオン蓄電池
現在の主流となっている蓄電池で、最新のリチウムイオン蓄電池の充放電サイクル数は6,000回~12,000回程度となっており、長期間の使用が可能です。
鉛蓄電池
初期費用は安価ですが、寿命が短く、メンテナンスの頻度が高いため、長期的なコストを考慮すると推奨されません。
NAS電池
産業用途に適した大容量蓄電池で、NAS電池の寿命は15年程度とされています。一般家庭での使用には適していません。
後付け設置時の注意点
設置場所の選定
屋外設置の場合 直射日光を避け、風通しの良い場所を選ぶことが重要です。また、近隣住宅からの距離や騒音対策も考慮する必要があります。
屋内設置の場合 十分な換気と温度管理ができる場所を選び、床の耐荷重も確認する必要があります。
既設配線との整合性
既存の太陽光発電システムや住宅の電気配線との整合性を確認し、必要に応じて配線の変更や追加工事を実施します。
パワーコンディショナーとの連携
電力会社との系統連系を行う場合、経年劣化が早まることがあります。既設のパワーコンディショナーとの連携や、新規設置の必要性について事前に確認することが重要です。
業者選びのポイント
施工実績の確認
蓄電池の設置実績が豊富で、アフターサービス体制が整った業者を選ぶことが重要です。
保証内容の比較
機器保証と工事保証の内容を詳しく比較し、基本的には無償での保証対応が受けられる期間や条件を確認することが大切です。
見積もり内容の透明性
工事費の内訳が明確に記載されており、追加費用の有無について事前に説明を受けることが重要です。
維持管理とメンテナンス
定期点検の重要性
年1回程度の定期点検により、性能の維持と安全な運転を確保できます。点検では電池の劣化状況、配線の状態、制御システムの動作確認を行います。
交換時期の目安
蓄電池の寿命は30年前後とされていますが、使用環境や充放電の頻度により変動します。容量が初期値の70~80%程度まで低下した時点で交換を検討することが一般的です。
よくある質問
蓄電池の後付け設置にかかる期間はどのくらいですか?
現地調査から工事完了まで、通常3~6ヶ月程度の期間を要します。電力会社への申請手続きに1~2ヶ月、実際の設置工事は1~2日程度で完了します。申請内容や設置条件により期間は変動するため、余裕をもったスケジュールでの検討をお勧めします。
太陽光発電がない家庭でも蓄電池を設置するメリットはありますか?
太陽光発電がない場合でも、深夜の安い電力を蓄電して日中に使用することで電気料金を削減できます。また、停電時の備えとしても有効です。ただし、太陽光発電との組み合わせに比べて経済効果は限定的になるため、導入目的を明確にして検討することが重要です。
蓄電池の設置場所に制限はありますか?
屋外設置の場合は、直射日光を避けた風通しの良い場所で、近隣住宅からの距離を確保する必要があります。屋内設置の場合は、十分な換気と床の耐荷重を確認します。マンションなどの集合住宅では、共用部分への設置は管理組合の許可が必要になる場合があります。
蓄電池の容量はどのように選べばよいですか?
家族構成と電力使用量に応じて選択します。4人家族の標準的な家庭では6~10kWhの中容量タイプが適しています。停電時に使用したい機器と使用時間を具体的に想定して容量を決定することをお勧めします。過大な容量は初期費用が高額になるため、適切なサイズ選択が重要です。
蓄電池設置後のメンテナンス費用はどのくらいかかりますか?
年1回の定期点検費用として1~3万円程度が目安です。保証期間中は基本的には無償での点検サービスを受けられる場合が多く、保証期間終了後は有償でのメンテナンス契約を結ぶことが一般的です。重大な故障がない限り、大きなメンテナンス費用は発生しにくいのが特徴です。
この記事の監修者

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