卒FIT後の対処方法を5つ紹介【余剰電力をフル活用する!】
2012年から始まったFIT制度は、10年の有効期間があります。
そして2019年になって、ついにFIT制度の有効期間が切れた家庭が登場しました。
いわゆる卒FITです。
では卒FIT後は、発電した電気をどのように活用するのがいいのでしょうか。
本記事では卒FIT後の対処方法を5つ紹介していきます。
ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
卒FITとは?
卒FITとは、固定価格買取制度(FIT制度)の期間が満了したことを指します。
FIT制度とは簡単に言えば、発電した電気を高値で販売できる価格制度のことです。
このFIT制度が満了するということは、従来のように、自家発電した電気を高値で売電することができなくなります。
そのため、卒FIT後に、自家発電した電気をどのように利用するかを考える必要があるのです。
卒FIT後の売電価格は?
では、具体的に卒FIT後の売電価格はどのようになるのでしょうか。
まず2022年度のFIT制度では、住宅用太陽光発電の買取価格が17円に設定されていました。
その一方で、各電力会社の買取価格は以下の通りです。
電力会社 | 余剰電力買取価格 |
北海道電力 | 8円/kWh |
東北電力 | 9円/kWh |
東京電力 | 8.5円/kWh |
北陸電力 | 8円/kWh |
中部電力 | 8円/kWh |
関西電力 | 8円/kWh |
中国電力 | 7.15円/kWh |
四国電力 | 7円/kWh |
九州電力 | 7円/kWh |
沖縄電力 | 7.7円/kWh |
以上の通り、卒FITになると、買取価格が9〜10円低くなってしまうのです。
そのため、従来通り売電しても、高いコストパフォーマンスを見込めなくなります。
卒FIT後の対処方法
卒FIT後の対処方法は以下の5つです。
- 引き続き売電する
- 可能な限り自家消費に回す
- 売電先を変更する
- 蓄電池を導入する
- 電気自動車を導入する
それぞれ解説していきます。
引き続き売電する
まず考えられるのが、引き続き売電するというものです。
たしかに卒FIT後では買取価格が大きく減少します。
しかしその一方で、買取価格が全くのゼロになるわけではありません。
そのため、引き続き売電するという選択肢も十分考えられます。
メリットとしては、やはり手続きを変更する手間を省けることが挙げられるでしょう。
本業の仕事や家事で忙しいのであれば、一旦、引き続き売電しておいて、時間があるときに契約を見直すのが良さそうです。
デメリットとしては、高いコストパフォーマンスを見込めない点が挙げられます。
例えば東京電力の場合、従量料金が1kWhあたり25円以上に設定されています。
一方で買取価格は、その半分以下です。
それでも売電し続けるメリットがあるかと言われれば、ほとんどゼロに等しいと筆者は考えます。
可能な限り自家消費に回す
おそらく最もベターな方法が、可能な限り自家消費に回すというものです。
先ほど述べた通り、大手電力会社の従量料金と買取価格では、数倍の差がつくこともあります。
そのため、可能な限り自家消費に回して従量料金を下げた方が、高いコストパフォーマンスが見込めるようになるでしょう。
メリットとしては、その高いコストパフォーマンスが挙げられます。
特に現代は電気代が高騰しているため、自家発電した電気を自家消費に回すのは、高いパフォーマンスが期待できるでしょう。
一方でデメリットとしては、蓄電池を導入しなければならないことが挙げられます。
例えば日中に電気をほとんど使わない家庭の場合、日中に発電した電気を、何かしらの形で夜まで蓄電しなければなりません。
そのため、効率的に自家消費しようと思うのであれば、ほぼ間違いなく蓄電池を導入する必要があります。
もちろん蓄電池は優れた製品ですが、初期投資が高額なのがネックです。
もし導入するのであれば、お住まいの地域の補助金制度の利用を検討しましょう。
売電先を変更する
自家消費の必要性がなく、どうしても売電したいのであれば、売電先を変更して、可能な限りパフォーマンスを高めるのも手です。
先ほど、東京電力の買取価格が8.5円/kWhであることを紹介しました。
その一方で、売電先は大手電力会社だけではありません。
各民間企業も電気の買取を実施しています。
例えば伊藤忠エネクス株式会社は関東エリアの場合、14.5円/kWhの買取価格を設定しているのです。
他にもENEOSは11円/kWh、東急でんきは12円/kWhなど、いずれの民間企業も東京電力を上回る買取価格を提示しています。
そのため、売電を継続したいのであれば、売電先を各民間企業に切り替えるべきです。
蓄電池を導入する
やはり、卒FIT後では、自家発電した電気は自家消費に回した方が、パフォーマンスが高いと言えます。
可能な限り、電気を購入しないで、全て自家消費だけで賄うのが理想でしょう。
その際に必要不可欠となるのが蓄電池です。
蓄電池を利用すれば、太陽光で日中発電した電気を夜間にも利用することができます。
また、雨などで上手く発電できそうにない場合は、あらかじめ電気代の安い夜間電力を蓄電しておくという選択も可能です。
それに、やはり災害時のバックアップ電源として機能するのが、最も大きなメリットでしょう。
電気自動車を導入する
蓄電池と同様に、電気自動車を導入するのもおすすめです。
実は電気自動車は、家庭用蓄電池に比べて蓄電容量が大きいにもかかわらず、蓄電池に比べると価格が低いのです。
そのため、蓄電池代わりに電気自動車を導入しておくのも悪い選択肢ではありません。
電気自動車は、言ってしまえば「動く蓄電池」です。
もし災害時に電気の供給がストップしてしまっても、電気自動車であれば、遠方から電気を持ち帰ることができます。
なお、太陽光発電で発電した電気を電気自動車に蓄電したい場合は、V2Hという機器を購入する必要があります。
本体価格と設置工事で合わせて80万円ほど必要ですが、十分すぎるほどの投資効果が見込まれるでしょう。
まとめ
それでは本記事をまとめていきます。
- 卒FITとは、固定価格買取制度(FIT制度)が満了したことを指す
- 卒FITになると、電気を高値で売電できなくなる
- 卒FIT後は、自家消費に回したり、蓄電池・電気自動車を導入することで、コストパフォーマンスを高めるべき
これからFIT制度を利用する方でも、卒FIT後の計画を立てることは非常に意義のあることだと筆者は考えます。
そうすれば、あらかじめ電気自動車を導入するなど、事前に対策を実施できるからです。
一般的には自家消費の方が、コストパフォーマンスが高いと考えられます。
ただし、どうしても売電したいのであれば、売電先を変更して、なるべく高い買取価格で契約するようにしましょう。
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この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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