太陽光発電の売電が始まらない!売電しない原因・売電契約や申請を解説
「売電収入を期待して太陽光発電を設置したのに、2か月経っても売電が始まらない…」とお困りの方は意外と多いのではないでしょうか?
売電がなかなか始まらない理由は「条件が厳しくなった」「手続きが複雑化した」などさまざまですので、現状を把握しつつ今できる対策を取っていきたいところですよね。
そこで本記事では、「太陽光発電の売電が始まるまでの期間の目安」や「なかなか売電がスタートしない3つの原因」を徹底解説していきます。
記事の後半には、「売電開始を待つ間にできるだけ損しない対策法」についてもご紹介していますので、売電が始まらずにモヤモヤしている方はぜひ読んでみてくださいね!
目次
太陽光発電の売電開始まではどれくらいかかる?【申請の流れも解説】
まずはじめに、2023年における太陽光発電の売電開始までの期間の目安や、設備の契約から実際に売電がスタートするまでの流れをご紹介していきます。
【期間の目安】契約から「3か月〜6か月」ほどで売電が始まる
2023年における太陽光発電の売電開始までの期間は、設備を契約してから「約3か月〜6か月以上」が目安とされています。
2017年以前は「約1か月〜2か月」で売電がスタートするのが普通でしたが、「手続きの複雑化」や「申請者の増加」などが原因で待機期間は長期化しています。
残念ながら、現状で「待機期間を短縮する有効策」などは存在しないため、「売電開始までしばらく待つ」ことを想定した家計のシミュレーションが肝心といえそうです。
【手続きの流れ】売電スタートには「2種類」の申請が必要
太陽光発電で作った電気を売るためには、「①電力会社との買取契約」「②資源エネルギー庁の認定」という2種類の申請が必要です。
それぞれの手続きの流れを以下にまとめましたので、太陽光発電の契約前に確認しておきましょう。
売電に必要な手続き | 手続きの流れ |
①電力会社との買取契約 | ・「系統連系申請書」など必要書類を準備し、電力会社に申請する ・2週間〜2か月ほどで申請が完了し、「接続同意書類」が届く |
②資源エネルギー庁の事業計画認定 | ・電力会社の接続同意書類や必要書類を準備し、資源エネルギー庁に申請する ・1か月〜3か月ほどで申請が完了し、電気の買取がスタートする |
売電開始の手続きは販売会社や施工店が代行するため特別な知識は不要ですが、「今は手続きのどの段階なのか」を確認するためにも流れは覚えておいて損はありません。
「①電力会社との買取契約」を行う前には、太陽光発電の契約と設置が必須ですので、どれだけ急いでも現状では「3か月〜6か月」の待機期間が必要となるでしょう。
太陽光発電の売電が始まらない!予定より遅れる「3つの原因」とは?
つづいて、太陽光発電の売電スタートが想定期間より遅れる際に考えられる「3つの原因」について解説していきます。
【原因①】2020年から認定条件が厳しくなったから
太陽光発電の売電開始が予定より遅れる原因のひとつに、「2020年から設備を認定する条件が厳しくなった」ことが挙げられます。
以前は設備の安全性を確認する「設備認定」だけでOKでしたが、現在は発電量の見込みや20年後の計画などを含む「事業計画認定」の基準を満たす必要があります。
認定条件の変化により、必要な書類やチェックする時間などが大幅に増えたため、結果的に売電開始に遅れが出る原因となっています。
【原因②】申請手続きのステップが増えたから
2017年の「改正FIT法」により、電力会社と資源エネルギー庁への「同時手続き」ができなくなったことも、太陽光発電の売電スタートが遅れる原因です。
以前は電力会社への「売電契約」と資源エネルギー庁の「単価決定」は同時進行が可能でしたが、現在は「①電力会社」「②資源エネルギー庁」と2つのステップを踏む必要があります。
買取を行う電力会社は「土日・祝日は手続きや問い合わせができない」ケースも多く、ますます売電開始までの期間が伸びる結果となってしまいます。
【原因③】申請数が多すぎて処理が遅れているから
太陽光発電の売電スタートが遅れる直接的な理由として、「そもそも電力会社や資源エネルギー庁の処理が追いついていない」ことも挙げられます。
FIT法が改正された2017年は売電の申請者が「1.7倍」も増加しているほか、2023年も順調に増え続けており、以前は1か月〜2か月で済んでいたものが倍以上に延びる結果となっています。
政府や電力会社は人員を増やして対応しているものの、「改善された」とは言いにくく、現在では3か月〜6か月ほど待たなければならない状態が続きそうです。
太陽光発電の売電が始まらない期間に「損しない」対策法はある?
さいごに、太陽光発電の売電開始を待つ間に「できるだけ損しない」ための、2つの効果的な対策法をご紹介していきます。
【対策①】発電中にできるだけ多くの電気を「自家消費」する
太陽光発電の売電が始まるまでの待機期間には、パネルが発電している日中に「できるだけ多くの電気を自家消費する」対策が効果的です。
待機期間は「使い切れない太陽光エネルギーがタダで出て行ってしまう」ため、発電中にどれだけ効率よく電気を使えるかがカギといえるでしょう。
「洗濯や掃除、エコキュートの湯沸かし」や「料理の作り置き」などを昼間にまとめて行うことで、売電開始までの経済的デメリットをかしこく軽減できます。
【対策②】「蓄電池」に充電して夜間に有効活用する
「日中は仕事だから自家消費できない…」「まとめて自家消費するのは面倒…」とお悩みの方は、「蓄電池に余った電気を充電する」対処法をおすすめします。
蓄電池に貯めた太陽光エネルギーは「24時間好きなときに使える」ため、せっかく発電した電気を無駄なく夜間などに有効活用できます。
また、蓄電池があれば「発電できない時間でも停電対策できる」というメリットも見逃せません。太陽光発電と蓄電池は非常に好相性ですので、ぜひ導入を検討してみましょう。
まとめ:太陽光発電の売電開始までの待機期間は「長期化」している
本記事でくわしく解説してきた「太陽光発電の売電が始まらない原因と対策法」についての重要ポイントを、以下にもう一度まとめていきます。
- 2023年の太陽光発電の売電開始までの期間は「契約から約3〜6か月」が目安
- 2017年の改正FIT法や、2020年の事業計画認定などの制度変化で待機期間が延びている
- 太陽光発電の売電申請者が急増していることも、なかなか手続きが進まない原因のひとつ
- 売電開始を待っている期間は、発電中にできるだけ多くの電気を自家消費するべき
- 日中の自家消費が難しい方は、「蓄電池」に充電して夜間などに使う対処法がおすすめ
2017年以前は「1か月〜2か月」で済んでいた売電手続きですが、現在は「約3倍」も待たなければならない不利な状況となっています。
売電開始までの期間を短くする方法はないため、「とにかく自家消費する」「蓄電池に充電する」などの対処法で「電気のタダ漏れ」を防ぎましょう。
太陽光エネルギーを蓄電池に充電すれば、昼間に無理して家事をまとめる必要がなくなるうえに「夜間の停電対策もできる」というメリットも生まれます。
数年前は「200万円」を超えることが多かった蓄電池も現在はかなり価格が落ち着いていますので、補助金なども含めて「できるだけ安く買う方法」を探してみてくださいね!
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この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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