蓄電池に将来性はある?必要性や将来的なコストも解説!
太陽光発電システムを導入する家庭が増えて十数年。
今では、街を見渡せば太陽光パネルを目にする機会も増えてきました。
太陽光パネルの普及に伴い、太陽光パネルと相性のいい蓄電池も普及し始めています。
今回は、導入する家庭が増えている「蓄電池」の将来性について解説します。
目次
蓄電池の将来性は?世界的にも蓄電池は普及し始めている
2023年現在、蓄電池は世界的に普及し始めています。
日本でも蓄電池を導入する家庭が増えてきましたが、世界的にみるとまだ少ない状況です。
世界の蓄電池の普及状況
2021年の蓄電池の導入量は以下の表の通りです。
米国・英国・ドイツ・中国・韓国のなかで、一番蓄電池の導入量が多いのは米国で、次に中国と続きます。
日本の蓄電池の導入量は後述しますが、日本の蓄電池の導入量は世界各国に比べて単位が違います。
国名 | 2021年度の定置用蓄電池の導入量 |
米国 | 19.2GWh |
英国 | 2.7GWh |
ドイツ | 4.5GWh |
中国 | 12.8GWh |
韓国 | 10.6GWh |
日本の蓄電池の普及状況
経済産業省のデータによると、日本の定置用蓄電池は2014年を境にじわじわと増え続けています。
2021年には、家庭用、産業用を含めた定置用蓄電池の導入量が6,000MWh(メガワットアワー)を超えました。
しかし、他の国との導入量を比べてみると、日本の蓄電池の導入量はまだまだ少ないことがわかります。
2023年以降も、定置用蓄電池の導入量は増える見込みで、これからの普及が期待されています。
【将来性あり】蓄電池の需要はなぜ伸びているのか?
世界各国で需要が伸びている蓄電池は、将来性があると言えるでしょう。
蓄電池の需要が伸びている要因は、主に以下の3つがあります。
- 温暖化対策
- 電気代の高騰
- 太陽光発電との相性
それぞれ解説します。
理由① 温暖化対策
近年、問題になっている「地球温暖化」。
地球温暖化の影響により、異常気象などの異変が起こっています。
地球温暖化をこれ以上悪化させないためには、CO2などの温室効果ガスを出さないことが先決です。
太陽光発電と蓄電池を併用することで、環境にやさしい再生エネルギーで生活することができます。
太陽光発電も蓄電池も、電気を作る時から使う時まで温室効果ガスを出さないので、環境にやさしい住宅設備です。
環境意識の高さから、太陽光発電と蓄電池を取り入れた生活を行う人が世界中で増えていることが、蓄電池の需要が伸びている一つの要因です。
理由② 電気代の高騰
世界情勢の悪化などから、電気代が高騰しています。
これから先も電気代が高騰し続ける可能性があり、電気代の高騰対策として太陽光発電と蓄電池を導入する人が増えています。
この先も電気代が高騰し続けた場合、電気代が人々の負担になっていくことは目に見えて分かることです。
太陽光発電と蓄電池を併用することで、買う電気を極力減らすことができるので、電気代の高騰に耐えることが可能です。
理由③ 太陽光発電との相性の良さ
近年、導入数を伸ばし続けている太陽光発電との相性の良さも、蓄電池の需要が増えている要因です。
特に、日本ではFIT制度が終了した「卒FIT家庭」で、蓄電池を導入する家庭が増えています。
太陽光発電と蓄電池を併用することで、朝昼だけではなく夜も発電した電気を使用することが可能です。
売電量を減らし、電気を自家消費することで、ほとんど電気を買わない生活を実現することができる点から、蓄電池の需要は伸び続けています。
【導入する家庭の増加も】蓄電池は将来的に導入費用が下がる見込み!
どんどん需要が伸びている蓄電池は、これからも需要が増えるので将来性があると言えるでしょう。
蓄電池は今後価格が下がっていく見込みで、太陽光発電に加えてEVやV2Hとの普及と比例して、導入量が増えていくでしょう。
将来性① 蓄電池の価格は下がる見込み
どんなモノもそうですが、価格競争などにより製品の値段はどんどん安くなっていきます。
例えば、太陽光発電システムの価格は、日本でFIT制度が始まった頃よりも、2023年現在の方がかなり価格が安くなっています。
蓄電池も、将来的に世界各国で価格が下がっていくと見込まれており「蓄電池導入=大金が必要」という構図がなくなることが予想されます。
将来性② EVやV2Hの普及と比例
太陽光発電や蓄電池と同様に、EVやV2Hも需要や導入数が増えています。
EVやV2Hは、蓄電池と併用することで、発電した電気を夜間にEVに充電できるようになります。
また、近年では太陽光発電・蓄電池・V2Hを同時制御できるパワコンも販売されています。
以上のことから、太陽光発電やEV、V2Hの需要増加と比例して、蓄電池の需要も将来的に上がっていくと予想できます。
将来性③ 卒FIT家庭が蓄電池を導入し始める
2009年から開始したFIT制度は、2019年から続々とFIT制度が終了する家庭が増えてきます。
FIT制度が終了すると、今まで高い売電価格で売電していた家庭の売電価格が4分の1以下まで下がってしまいます。
近年、電気料金が上がっていることも相まって、卒FITを機に蓄電池を導入する家庭が増えています。
これから卒FIT家庭は増えていくので、売電よりも自家消費を選ぶ家庭が増えることにより、蓄電池の需要が将来的に増えていく見込みです。
蓄電池単体でのメリットとデメリットは?
世界中で需要が高まっている蓄電池には、メリットだけではなくデメリットもあります。
需要が将来的に増加するからといって、どの家庭にもメリットがあるわけではないので注意が必要です。
蓄電池単体では停電対策がメリット
蓄電池単体で導入する場合、停電対策をできる点が大きなメリットです。
特に、地震が多い日本では、万が一に備えて停電対策ができる点は大きなメリットとなるでしょう。
蓄電池単体のデメリットは光熱費削減が不十分な点
対して、蓄電池単体導入のデメリットは、光熱費削減効果が不十分な点です。
太陽光発電システムと蓄電池を併用している場合には、発電した電気を蓄電池に貯めることで電気代を削減することができます。
しかし、蓄電池単体で運用する場合には、夜間の安い電気を貯めて昼間に使用することになります。
太陽光発電を併用した場合に比べて、蓄電池単体での運用は、電気代の削減効果が低いと言えるでしょう。
蓄電池+太陽光発電のメリットとデメリットは?
蓄電池は、太陽光発電システムと併用することで、メリットを最大限に引き出すことができます。
卒FIT家庭が蓄電池を導入するケースが多いのは、光熱費削減や停電対策などでメリットが多いからだと言えるでしょう。
これから蓄電池を導入する場合には、太陽光発電システムと併用することがおすすめです。
長期的な停電や電気代の高騰対策になることがメリット
太陽光発電システムと蓄電池を併用する場合、長期的な停電対策が可能になります。
万が一停電が起こった場合でも、昼間発電した電気を蓄電池に溜めて、発電できない時間に使用することが可能です。
また、停電が起きている時以外には、発電した電気を蓄電池に充電し、発電できない時間帯に使用することで、大幅な電気代の削減になります。
初期費用が多くなってしまう点がデメリット
太陽光発電システムと蓄電池を併用するデメリットは、導入費用にあります。
太陽光発電システムと蓄電池を同時に導入する場合、導入費用が300万円程度になってしまいます。
導入する太陽光発電の容量や、蓄電容量によって導入費用は変動しますが、それなりのお金が必要になってしまう点には注意が必要だと言えるでしょう。
蓄電池が「当たり前」になったらどんな暮らしが実現する?
2023年現在においても、太陽光発電と蓄電池、EVなどを導入している家庭があります。
エネルギー収支0の生活や、停電に怯えない生活をすでに実現している家庭もあります。
① ZEH住宅+蓄電池でエネルギー収支0の住宅の増加
太陽光発電を搭載している高気密住宅であるZEH住宅は、蓄電池と相性がいいことが特徴です。
ZEH住宅や蓄電池は、補助金事業も盛んになっており、光熱費削減効果も高いことから導入数が増えています。
この先の将来もZEH住宅や太陽光発電、蓄電池の導入数は増える見込みなので、エネルギー収支0の住宅がどんどん増えていくでしょう。
② 地震による停電に怯えない生活
太陽光発電と蓄電池の導入が当たり前になることで、地震による停電に怯えない生活が待っています。
太陽光発電と蓄電池が導入済みになることにより、停電が起きても自宅に帰ればスマホを充電することができ、ニュースなどで情報を確認することが可能です。
停電が起きた時に、自宅に帰ることが「安心」に変わる未来が待っているかもしれません。
③ 太陽光×蓄電池×HEMSでエネルギーを自己管理する時代
太陽光発電、蓄電池、HEMSを併用することで、時間帯別や家電別で電気消費量を確認することが可能になります。
将来的に太陽光発電、蓄電池、HEMSの導入が当たり前になった場合、電気の収支などの使用量を各家庭で自己管理できる時代に突入すると言えるでしょう。
蓄電池は将来性がある住宅設備!これからも普及していく見込み
今回は、蓄電池の将来性について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
蓄電池は、世界各国で需要が高まっている住宅設備で、将来性がある住宅設備だと言えるでしょう。
蓄電池の価格もこれからどんどん下がっていくことが予想されているので、太陽光発電や蓄電池を導入しやすい時代が来るかもしれません。
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この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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