太陽光発電のメンテナンスは何をするの?どのくらい費用がかかるの?徹底解説します!
太陽光発電といえば、設置費用や補助金、ランニングコストといった面が非常に注目されます。
ややもすれば、メンテナンスについては関心が薄れてしまうかもしれません。
しかし、10年以上使用する設備であることを考えると、設備の維持管理をおろそかにすることはできません。
本記事では太陽光発電システムのメンテナンスの必要性や内容・費用、自分でできるメンテナンスなどについて解説します。
目次
太陽光発電設備のメンテナンスが必要な理由
2017年4月、改正されたFIT法では住宅用太陽光発電システムについて、メンテナンスが義務付けられました。
その理由は設備が経年劣化するからです。
ここでは、発電効率と安全性に着目して必要性を解説します。
発電効率が低下しないようにするため
太陽光パネルが汚れてしまうと発電効率が低下してしまいます。
ほこりや鳥の糞、水垢、黄砂などの汚れがこびりついてしまうと発電量が低下してしまいます。
太陽光パネルの表面には汚れが付着しにくい加工が施されているため、ほとんどの汚れは雨風で流されてしまいます。
それでも、しつこい汚れがこびりついてしまうことがあるため、定期的にメンテナンスしてきれいにしておく必要があります。
設備の安全性を保つため
太陽光発電設備は長期間の使用を前提としているため、安全性についてもしっかり配慮されています。
しかし、長年使っていると経年劣化により破損することもあります。
太陽光パネルの一部が剥離して周辺に飛んでいく可能性や、パワーコンディショナーの換気フィルターにゴミやほこりが貯まってしまう可能性、パネルの架台が破損してパネルが落下する可能性など、さまざまな可能性に考慮しなければなりません。
最も恐ろしいのは太陽光パネルの発火です。
パネルに汚れが付着し影が発生してしまうと、その部分が高温となるホットスポット現象が発生し、発電量が低下します。
そのまま放置していると、最悪の場合、火災を発生させてしまうかもしれません。
そうした事態を防ぐため、定期的にメンテナンスを行い設備の保守点検をしなければならないのです。
メンテナンスの内容
メンテナンスはどのように進められるのでしょうか。対象機器と点検方法について紹介します。
対象機器
対象となるのは太陽光パネル本体、パワーコンディショナー、接続箱、発電設備の配線、電力量計、ブレーカー、パネルを支える架台です。
接続箱は太陽光パネルとパワーコンディショナーをつなぐ機器です。
大規模な太陽光発電であれば、複数の接続箱を束ねる集電箱もメンテナンス対象となります。
点検方法
点検方法は目視と機器による測定の2つです。
目視は機器の状態を目で見て確認する方法で、パネル表面の汚れや破損、鳥の糞、フレームの破損状況などをチェックします。
機器による測定では電気が漏れていないか、発熱している箇所はないか、メーカーの資料と同じように機器が作動しているかなどを計器類で測定し、異常の有無をチェックします。
目視では異常がないように見える太陽光パネルでも、パネル内部が故障し一部だけ発熱するような「クラスタ故障」の発見にも役立ちます。
メンテナンスにかかる費用
メンテナンスの必要性は理解できるものの、どのくらい費用がかかるか気になるところではないでしょうか。
ここからは、費用面に話を絞って解説します。
一般的なメンテナンスなら年間1~2万円
定期的なメンテナンスの場合、費用の相場は年間1〜2万円です。
これは1回あたりの費用ですのでメンテナンスが2年に一度ならその半分、4年に一度なら年間費用はさらに安くなります。
ただし、ここであげている費用は点検だけなので注意してください。
足場代や修理費、パネルの清掃費用が加算される可能性がある
パネルの設置場所によっては点検のために足場を設置しなければなりません。
足場費用の目安は、壁1面で8万円です。
点検の結果、修理費が必要と判明すれば修理費を用意しなければなりません。
修理費用は破損した部位によって異なりますので、点検前に業者と打ち合わせし、相場を聞いておくとよいでしょう。
パネルの汚れがひどい場合は清掃が必要となります。
清掃費用の目安は3〜6万円です。
メンテナンスに関して自分でできること
太陽光発電パネルのメンテナンスは安全性の面から考えても専門業者に委託するのが無難です。
しかし、自分でもメンテナンスできる部分はあります。
ここからは、自分でできることを4つ取り上げて解説します。
点検スケジュールを立てる
1つ目は点検スケジュールを立案することです。
自分で実際に作業しなくても、スケジュールを組んでメンテナンスに要する費用を用意することはできます。
スケジュール立案に迷うようであれば、最初から業者と相談してあらかじめ予定を立てておきましょう。
予定が決まったら、点検実施までに費用を用意します。
大体の目安がわかっていれば、どのくらい積立てればよいかの見当もつきます。
いきなり費用を用意するのは難しいですので、中長期的に資金を要しておくのがおすすめです。
モニターのデータを記録する
2つ目はモニターデータの記録です。
太陽光発電システムのモニターを見ると発電量、消費量、売電量などを確認できます。
短期間であれば機器にデータが保管されていますが、保存できる期間が限られているので、日々記録して別の場所にデータを記録するのがおすすめです。
一部の機種ではデータを出力できますので、そうした機能を活用すると手間をかけずに記録できます。
チェック表を使った日常点検
3つ目はチェック表の作成と日常点検です。
自分で目視できる場所といえば、太陽光パネルの周辺や接続箱、パワーコンディショナーの外側や駆動音などがあります。
パワーコンディショナーのモニターにエラーメッセージが出ていないかについても、確認しておくとよいでしょう。
点検管理表の保管
せっかく点検管理したのであれば、点検管理表を保管しておくのがおすすめです。
Excelなどの表計算ソフトやWordで点検票を作成し、パソコン上に記録しておくと紛失しにくくなります。
この点検票が役立つのはトラブルが発生したときです。
1週間に一度でもチェックしていると、システムに異常があった時にすぐ気が付きます。
点検票があれば、いつから発生した不具合なのか、それによってどのような影響が出ているかなどが一目でわかります。
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この記事の監修者
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