太陽光発電のモジュールとパネルとは?太陽電池ってなに?
近年、何かと話題の太陽光発電システム。
太陽光発電パネルには、太陽電池や太陽モジュールなどの呼び方があります。
今回は、太陽光発電システムについて詳しくなれる専門用語や、変換効率について解説します。
目次
「太陽電池モジュール」・「太陽光パネル」・「太陽電池」は同じもの!
太陽光発電システムの主役とも言える太陽光パネルは、太陽電池モジュールや太陽電池とも呼ばれています。
メーカーやウェブサイトによって呼び方が変わるので、別物だと勘違いしてしまう人も多いですが、同じものだと思っていて問題ありません。
【知っておくと便利】太陽電池モジュール以外にも専門用語が!
太陽光発電システムには、太陽電池モジュールや太陽電池以外にも、様々な専門用語があります。
太陽光発電システムを導入する時や、修理する時など、知っておくと便利な場面もあるので、覚えておくことがおすすめです。
用語① 太陽電池セル
太陽電池セルとは、太陽電池モジュール内に配列されている部品のことを指しています。
太陽電池セルは、太陽光を受けることで電気を作り出します。
太陽電池セルの特性を利用して、太陽電池モジュールは電気を作り出しています。
用語② 単結晶・多結晶
太陽電池モジュールには「単結晶」と「多結晶」という種類があります。
太陽電池モジュールに使われているシリコンは、大きなシリコンから切り出されたものを「単結晶」と言います。
対して、単結晶のシリコンを作った際の切れ端を固めたものを「多結晶」と言います。
単結晶の太陽電池モジュールの方が純度が高く、多結晶の太陽電池モジュールよりも発電量が多くなります。
ただし、単結晶の太陽電池モジュールは、多結晶の太陽電池モジュールよりも価格が高いので注意が必要です。
用語③ 変換効率
太陽光発電システムの変換効率とは、太陽電池モジュールに受けた光を「どれだけ電気に変換することができるか」の値です。
変換効率は、「%」で表され、パーセンテージが高いほど、太陽光を電気に変換できる力があることを指しています。
太陽電池モジュールの「変換効率」がいいものは優秀?
太陽電池モジュールの変換効率は、太陽光を電気に変換できる値を示していると説明しました。
太陽光発電システムの設置するスペースが少ない場合には、変換効率がいい太陽電池モジュールを導入することで、発電量を増やすことができるでしょう。
ただし、変換効率がいい太陽電池モジュールほど、価格が高くなってしまう点には注意が必要です。
ポイント① 住宅向けのモジュール変換効率は20%前後
2023年現在、太陽電池モジュールの変換効率は20%前後が平均です。
ただし、変換効率にばかり目を取られてしまってはいけません。
いくら変換効率がよくても、保証内容や品質などの点も必ず確認しておきましょう。
ポイント② 商品カタログに記載されているケースが多い
変換効率は、カタログなどの太陽電池モジュールのスペックを確認できる書類や、ホームページなどで確認することができます。
変換効率のいい太陽電池モジュールを導入したい場合には、それぞれの変換効率に加えて、導入費用もしっかり確認しましょう。
ポイント③ モジュール変換効率は年々アップしてる
太陽電池モジュールの変換効率は、年々アップしています。
特に、近年は環境保護などの関係から太陽光発電システムの需要が世界的に上昇しています。
一般家庭でも導入しやすい太陽電池モジュールは、この先も企業努力によって、変換効率が上がっていくことが予想されています。
太陽電池モジュールの変換効率が落ちる原因は?
太陽電池モジュールの変換効率は、カタログなどで確認することができます。
しかし、太陽電池モジュールの置かれている環境によっては、変換効率が落ちてしまうので注意しましょう。
原因① 高温
太陽電池セルは、高温によって発電量が低下してしまいます。
太陽光が多い夏季は、発電量が多いと思われがちですが、太陽電池モジュールの発電量が多いのは春です。
春は、程よい日差しで気温も適温、なおかつ日が長いので、発電量が増加傾向にあります。
原因② メンテナンス不足
太陽電池モジュールの表面は、雨で汚れが落ちる設計になっています。
しかし、長く雨が降らない日が続くと、太陽電池モジュールの表面に汚れが溜まってしまうので注意が必要です。
太陽電池モジュールの表面に汚れが溜まってしまうと、汚れている部分の発電量が落ち、結果的に全体の発電量が低下します。
原因③ 積雪
太陽電池モジュールの汚れと同様に、太陽電池モジュールの表面に積雪すると発電ができなくなってしまうので注意が必要です。
ただし、近年では両面発電が可能な太陽電池モジュールが販売されています。
両面発電が可能な太陽電池モジュールは、モジュールの裏面でも発電することができ、発熱するので発電量アップに加えて、雪を溶かす効果が期待できます。
原因④ 劣化
太陽電池モジュールを導入して何十年も経つと、太陽電池モジュールは劣化していきます。
劣化が進むと、変換効率はどんどん落ちてしまいます。
「最近発電量が少なくなってきた」と感じた場合、太陽電池モジュールの買い替え時かもしれません。
原因⑤ 塩害
塩害によって、太陽電池モジュールが不調を起こした場合も変換効率が落ちてしまいます。
特に、塩害が起こる地域に塩害対策のされていない太陽電池モジュールを導入した場合、変換効率が落ちるだけではなく、太陽電池モジュールの故障につながります。
塩害が起こる地域で太陽電池モジュールを導入する場合、必ず塩害対策がされている太陽電池モジュールを導入しましょう。
【パネル選びの参考に】太陽電池モジュールには製品によって素材が異なる!
最後に、太陽電池モジュールの種類別の特徴と、メリットとデメリットを紹介します。
太陽電池モジュールの種類は、近年増えてきており、特徴やメリットを知っておかないと、何がいいのかわからなくなってしまいます。
太陽電池モジュールを導入し、後悔しないためにも、どの素材の太陽電池モジュールを導入したいかを確認しておきましょう。
素材 | 特徴 | メリット | デメリット |
単結晶シリコン | ・シリコン純度が高い ・発電量が比較的多い ・生産量が少ない | ・発電量が多い ・狭い場所に最適 | ・価格が高い傾向 ・予算オーバー に注意 |
多結晶シリコン | ・シリコン純度が劣る ・大量生産可能 | ・価格が安い傾向 ・広い場所に最適 | ・単結晶よりも 発電量が落ちる傾向 |
薄膜シリコン | ・結晶ではないシリコン ・軽量 ・大量生産可能 | ・軽い ・熱に強い | ・発電量は比較的劣る |
化合物系 | ・CIS太陽電池とも 呼ばれる ・比較的新しい製品 | ・熱に強い ・価格が安い傾向 | ・発電量が劣る ・有害物質が含まれるケースがある |
素材① 単結晶シリコンパネル
単結晶シリコンパネルは、シリコンを切り出し、純度の高いシリコンから作られています。
シリコンの純度が高いので、比較的発電量が多く、発電量を増やしたい場合におすすめの太陽電池モジュールです。
ただし、単結晶シリコンパネルは、他の太陽電池モジュールに比べて価格が高くなってしまうので、予算オーバーに注意が必要です。
素材② 多結晶シリコンパネル
多結晶シリコンパネルとは、単結晶シリコンパネル製造時に出たシリコンを固めて作られています。
単結晶シリコンパネルに比べて、シリコン純度が低いことが特徴です。
シリコン純度が低いので、発電量は落ちてしまいますが、単結晶シリコンパネルに比べて安価で導入することができます。
素材③ 薄膜(アモルファス)シリコンパネル
薄膜(アモルファス)シリコンパネルとは、単結晶シリコンパネルや多結晶シリコンパネルと異なり、シリコンを結晶化しない「薄膜」で作られています。
シリコンが結晶化していないので、結晶系の太陽電池モジュールよりも軽量化を実現しています。
薄膜シリコンパネルは、薄くて軽量なので、ガラスなどに貼り付けるなど用途が多く、熱に強いことが特徴です。
ただし、結晶系の太陽電池モジュールに比べて、発電量が減ってしまう点には注意が必要です。
素材④ 化合物系太陽電池
化合物系太陽電池とは、比較的新しく開発された太陽電池モジュールの素材です。
CIS太陽電池とも呼ばれ、銅(Cu)・インジウム(I)・セレン(Se)を原料としています。
化合物系太陽電池は、熱に強く、低価格で薄く作ることができるという点が特徴です。
しかし、結晶系の太陽電池モジュールに比べて発電量が落ちてしまう点には注意しましょう。
太陽電池モジュールと太陽光パネルは同じ!変換効率や素材に注目!
今回は、太陽電池モジュールや太陽光パネルについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
太陽電池モジュールと太陽光パネル、太陽電池は同じものです。
メーカーなどによって呼び方が異なるので、混乱してしまうことがあるので、覚えておくと便利でしょう。
また、太陽電池モジュールには、様々な種類や専門用語があり、よく知らないと混乱してしまうことも多いです。
特に、これから太陽電池モジュールを導入する場合には、予備知識として太陽電池モジュールの種類や専門用語を知っておくことがおすすめです。
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