【2023年最新版】電気料金の値上げは?各電力会社の値上げを比較
2022年から電気料金の値上げが始まり、いつまで続くのかと毎日の生活に不安を抱いていませんか?
今回は各電力会社の電気料金の値上げ比較や値上げに踏み切った理由、おすすめの節電対策まで紹介します。
目次
2023年各電力会社の電気料金の値上げ状況
各電力エリアの2023年の値上げ影響後の負担額や値上げ幅は以下のとおりです。
電力エリア | 値上げ幅 | 値上げ後(6月)の負担額 |
北海道電力 | 23.77% | +2,130円 |
東北電力 | 25.47% | +5,321円 |
東京電力 | 15.90% | +1,133円 |
北陸電力 | 39.70% | +3,915円 |
中国電力 | 26.11% | +2,399円 |
四国電力 | 28.74% | +2,155円 |
沖縄電力 | 33.30% | +2,771円 |
(※契約アンペア数:30A、1ヵ月の電気使用量:260kWh、5月・6月の電気料金の差額を記載)
2023年6月1日より、7社の電力会社が値上げに踏み切りました。
北海道と沖縄以外の5社は、「激変緩和措置」により2023年9月分までは割安になると予測されています。
7社の平均値上げ額は、1ヵ月あたり2,832円と高い金額になっています。
電気料金と燃料調整費額の値上がりの推移
全国の電気料金と燃料調整費額の値上がり推移を紹介します。
2021年~2023年にかけてどのくらい値上がりしたのか比較してみましょう。
2021年~2023年の電気料金の推移
電力市場データーを元に、低圧の電気料金の平均単価をまとめてみました。
年度 | 電気料金(平均単価) | 前年度との差額 |
2021年(5月~12月分) | 22.04円 | ー |
2022年(1月~12月分) | 26.84円 | +4.84円 |
2023年(1月~4月分) | 26.60円 | +0.24円 |
(引用元:新電力ネット 全国の電気料金単価)
2022年の電気料金単価がもっとも高く、前年度とくらべて+4.84円も値上がりしています。
また、2023年2月以降は、政府の負担軽減策や天然ガス・石炭の値下がりで大幅な値上げにはなりませんでした。
2021年~2023年の燃料調整費額の推移
電力市場のデーターを元に、低圧の燃料調整費額の平均単価をまとめてみました。
年度 | 電気料金(平均単価) | 前年度との差額 |
2021年(10月~12月分) | ー1.55円 | ー |
2022年(1月~12月分) | 4.62円 | +3.07円 |
2023年(1月~9月分) | 9.01円 | +4.39円 |
(引用元:新電力ネット 燃料調整単価の推移)
2022年2月から燃料調整費は値上がりし始め、2022年9月以降も値上がりが続いています。
2023年2月以降から、政府の「激変緩和措置」により緩やかに価格は下がっているのが現状です。
電気料金の値上げせざるを得なかった原因
全国の電力会社が電気料金を値上げせざるを得なかった原因を紹介します。
それぞれの原因についてくわしく見ていきましょう。
新型コロナウイルスやウクライナ情勢
2021年〜2022年にかけて新型コロナウイルスやウクライナ情勢により、電気代が高騰してしまったのが要因です。
世界的にコロナが流行してしまい、規制暖和措置がとられたことで家中需要が高まり化石燃料の供給が不足したことも要因の一つです。
また、ウクライナ情勢の影響で、ロシアから化石燃料の取引ができなくなり、火力発電で必要な化石燃料が高騰してしまったことも電気代の値上げを招いてしまいました。
2021年〜2022年の化石燃料の輸入単価は、石炭で4倍、液化天然ガスで2倍近くも値上がりしたことも電気代の高騰の要因だと言えます。(引用元:自然エネルギー財団)
2023年にスタートした託送料金の値上げ
2023年にスタートした「レベニューキャップ制度」により、9社の電力会社が託送料金の値上げに踏み切ったことも電気代が高騰した理由です。
各電力会社の託送料金の値上げ額は、以下のとおりです。
電力会社 | 基本料金 | 電力料金/kWh |
---|---|---|
北海道電力 | 低圧電灯:41.80円 高圧:+149.6円 特別高圧:+81.50円 | 低圧電灯:0.4円 高圧:+0.16円 特別高圧:ー0.29円 |
東北電力 | 高圧:+18.70円 特別高圧:変動なし | 高圧:0.06円~0.22円 特別高圧:0.02円~0.05円 |
東京電力 | 高圧:+98円 特別高圧:+43.89円 | 高圧:+6.27円 特別高圧:+6.19円 |
北陸電力 | 高圧:+154円 特別高圧:+137.5円 | 高圧:+0.19円 特別高圧:+0.11円 |
中国電力 | 高圧:+141.90円 特別高圧:+42.90円 | 高圧:+0.25円 特別高圧:+0.07円 |
四国電力 | 高圧:+118.8円 特別高圧:+1.20円 | 高圧:+0.17円 特別高圧:+0.02円 |
関西電力 | 低圧電灯:92.40円 低圧動力:31.90円 高圧:+146.30円 特別高圧:+33.00円 | 低圧電灯:変動なし 低圧動力:変動なし 高圧:+0.23円 特別高圧:変動なし |
九州電力 | 低圧電灯:+19.24円 低圧動力:+11.23円 高圧:+96.78円 | 低圧電灯:+0.74円 低圧動力:+0.07円 高圧:+0.30円 |
沖縄電力 | 低圧電灯:+67.10円 低圧動力:+74.80円 高圧:+221.10円 特別高圧:+134.20円 | 低圧電灯:1.40円 低圧動力:0.26円 高圧:+0.35円 特別高圧:+0.35円 |
各電力会社では、1.2円〜221円の値上げになり、毎月の電気代の負担になっています。
例えば、東北電力の従量電灯Bで電力使用量260kWhの場合、値上げ後の負担額は毎月2,110円もかかるということになります。
値上げによって年間25,320円も負担が増すのは生活が苦しくなりますよね。
再エネ賦課金の値上げ
2021年~2023年の再エネ賦課金の単価は、以下のとおりです。
年度 | 再エネ賦課金の単価 |
2021年 | 3.36円 |
2022年 | 3.45円 |
2023年 | 1.4円 |
2022年度より再エネ賦課金は、半分以下まで値下がりしており、落着きを取り戻しています。
再エネ賦課金は市場価格が高いと価格は下がりますが、電気代の負担が減るとはいえません。
再エネ賦課金の値下げは、政府による電気代の支援によって、2023年9月までの実施に限ります。
そのため、実施期間が終わったタイミングで再エネ賦課金の価格が戻る可能性が高いともいえるでしょう。
新電力や大手電力会社の電気料金プランの見直し
電力会社が事業を継続するためには、電気料金プランの値上げを実施せざるを得ないのが電気代高騰の要因です。
新電力や大手電力会社は、燃料費高騰による電力調達コストの影響をダイレクトに受けています。
そのため、電気料金の基本料金単価と従量料金単価の値上げにより、経営を継続させることができます。
また、電力高騰の影響を受けた消費者が新たな電力会社に乗り換えようとする動きが多いため新規の受付を停止する電力会社も出始めているのが現状です。
国内の電力供給不足による値上げ
古くから経営してきた火力発電所の停止や再生可能エネルギーの動きが進んできたことも電気代高騰の理由です。
火力発電や原子力発電の規模が減少していることも、国内の電力供給不足による値上げの原因として考えられます。
また「資源エネルギー庁」のデーターによると、2010年に原子力発電は日本全体の20%を占めていましたが、2022年で3.9%も低下しています。
原子力発電所や火力発電所の全国的な停止により、需要と供給のバランスが取れず、電気代の上昇につながっています。
今後も電気料金の値上げは止まらない?
今後の電気料金の値上げは、以下の要因が改善されない限りは値上がり傾向は続く可能性が考えられます。
- 石炭や天然ガスの燃料価格の高騰
- 電力供給不足による高騰
- 再エネ賦課金の高騰
ウクライナ情勢や燃料価格の高騰は見通しがつかないため、今後の電気代の値上げは止まらない可能性が高いです。
また、2030年までに再エネ賦課金の値上げが実施されることが予測されています。
電気料金の値上げ対策に効果的な節約方法
電気料金の値上げ対策に効果的な節約方法を紹介します。
値上げ対策に効果的な方法なので、どれか一つでも取り入れてみてくださいね。
電化製品の使い方を変える
日常によく使う照明やテレビなどの電化製品は、使い方を変えるだけで年間の電気代を大幅に削減できます。
- 白熱電球からLEDへ交換:年間2,000円の節約
- テレビからラジオの使用:年間3,600円の節約
特にBGM代わりにテレビをつけている場合は、消費電力の低いラジオの方が電気代の節約になります。
ふだんよく使う電化製品の使い方を見直すだけで、年間の電気代を安くできるのでおすすめです。
契約アンペア数の変更や見直し
契約アンペア数の見直しをすることも電気代の節約対策になります。
契約アンペアを10Aずつ下げると、毎月の基本料金が約150円〜300円ほど安くなり、年間1,800円〜3,600円の節約が可能です。
アンペアの変更工事は、基本無料で電力会社に依頼できるので、費用がかかることはありません。
ただし、アンペア数を無理に下げてしまうと、複数の電化製品の使用でブレーカーが飛んでしまう可能性もあります。
アンペア数を変更する前には、家庭で一度に使う最大アンペア数を確認し、変更するとブレーカーが落ちずに変更できますよ。
新電力への切り替える
大手電力会社から新電力に切り替えるのも電気代の節約対策になります。
新電力会社によって基本料金0円のプランや時間帯で単価が安くなるプランなどライフスタイルに合ったプランを選ぶのも節約に効果的です。
例えば、ガスやインターネットの回線とセットにした電力プランは、割引が効き請求額も一本化されるため管理や問い合わせも楽になります。
新電力の切り替えは、電気代以外の光熱費の見直しにもなるので検討してみるのも良いでしょう。
省エネ性能の高い家電製品に買い替える
省エネ性能の高い家電製品に買い替えるのも、電気代の大きな節約効果が期待できます。
家庭の中でも消費電力の6割を占めている家電製品を省エネ家電に買い替えることで、消費電力を半分以下までおさえることも可能です。
「環境省」のデーターによると、10年前の冷蔵庫を省エネ製品に買い替えると、約4,740円〜6,090円ほど年間の電気代がお得になります。
初期費用の負担額は、自治体によって補助金を受給できる場合もあるので、自治体のホームページや窓口に問い合わせてみましょう。
太陽光発電や蓄電池を使って自家消費する
太陽光発電や蓄電池の併用で電気代を実質0円に近づけることも可能です。
昼間に太陽光パネルで発電した電気をエコキュートの沸き上げに回すと、電気使用量が減り光熱費の削減になります。
また、余剰電力は蓄電池に貯めることで、夜間の使用に回せるため自家消費を効率的におこなえます。
使い方によっては、経済的な負担を大幅に減らせるため、ぜひ導入を検討してみましょう。
太陽光発電で自家消費型の生活へ!電気料金の値上げリスクに備えよう
今回は、電気料金の値上げ理由や電気料金・燃料調整費の推移などについて紹介しました。
現在もウクライナ情勢や燃料価格の高騰は見通しがつかないため、電気代の値上げは止まらない可能性が高いです。
政府による負担軽減策で一時的に電気代の負担額は減っているだけで、これまで以上に電気代の節約を心がけることが大切です。
電気料金の値上げリスクを上げないためにも、太陽光発電の導入で自家消費型の生活に切り替えることも検討してみましょう。
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この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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