賦課金とは?再エネ賦課金の概要や単価の推移・今後も見通しも!
電気料金の検針票に記載がある「再エネ賦課金」ですが、具体的にどういった内容の請求か知っていますでしょうか。
そもそも「賦課金」という聞きなれない単語はどういう意味なのか、という部分についても気になりますよね。
そこで今回の記事では、賦課金の読み方と意味を紹介すると共に、再エネ賦課金の概要や再生可能エネルギーや余剰電力の買取制度、電気代を抑える方法を解説します。
目次
賦課金とは何のこと?再エネ賦課金についても徹底解説!
電気料金の検針票を見ていると、再エネ賦課金という項目があることに気づくでしょう。
あまり聞きなれない再エネ賦課金なので、一体どういった内容の請求なのかが気になりますね。
そこで今回の章では、そもそもの賦課金という単語の読み方と意味についてはもちろん、電気料金の検針票に記載がある再エネ賦課金の概要についても解説します。
賦課金の読み方と意味
まずは、賦課金という単語の読み方と意味を紹介します。
賦課金は「ふかきん」と読み、意味は「受益者に対して課される税金」です。
再エネ賦課金の概要
再エネ賦課金とは、再生可能エネルギーの売電制度を維持するための税金です。
たとえば、再生可能エネルギーの一種である太陽光発電を所有すると、最初の10年間は売電価格が割高のFIT制度を利用できます。
FIT制度の利用者は、太陽光発電が発電した電力を契約している電力会社に売る代わりに、売電収入を得ることが可能です。
消費者に支払う売電費用は電力会社が一時的に負担しますが、実際には電力契約している家庭すべてが売電費用を分割して負担しているのです。
だからこそ、略して再エネといわれる「再生可能エネルギー」と「賦課金」を合わせて「再エネ賦課金」と呼ばれているのです。
再エネ賦課金とは?再エネの概要やFIT制度の誕生経緯を徹底解説!
続いて、再エネ賦課金の対象となる再生可能エネルギーや買取制度の具体的な概要を解説します。
再生可能エネルギーについて
再エネ賦課金は再生可能エネルギーを売電した際に得られる収入の大元となっている税金ですが、そもそも「再生可能エネルギーって何?」と思っている方もいるでしょう。
再生可能エネルギーとは、以下のようなもののことを指します。
- 半永久的に使える(枯渇しない)
- 発電時に二酸化炭素や温室効果ガスを排出しない
- どこにいてもエネルギーを得ることができる
再生可能エネルギーが注目され始めたのは、地球温暖化が深刻化されていると言われ始めた時期からです。
つまり、再生可能エネルギーを積極的に利用することで、地球温暖化の進行速度を遅らせる期待が持てるのです。
以下は、再生可能エネルギーとして多くの人に認識されているものになります。
- 太陽光発電
- 風力発電
- 水力発電
- 地熱発電
- バイオマス発電
- 太陽熱発電
特に太陽光発電は多くの一戸建て住宅や商業施設に設置してある設備なため、圧倒的な認知度を誇っているといえるでしょう。
太陽光発電のFIT制度の誕生経緯
一般住宅にも需要がある太陽光発電ですが、前章で紹介した通り、最初の10年間はFIT制度が利用できます。
FIT制度を利用することで、高額な初期費用を投じて太陽光発電を設置しても元が取れるといわれているのです。
では、なぜFIT制度が誕生したのでしょうか。
太陽光発電は超高額商品だった
地球温暖化の進行を少しでも遅らせるため、一般家庭でも導入しやすい太陽光発電が検討されました。
ただ、FIT制度が始まった2009年当時の太陽光発電は、1kWhあたり52円とかなりの高額商品だったのです。
一般的な家庭で4.5kWhを設置するといわれている太陽光発電ですから、最低でも234万円が必要だったということ。
一般家庭に普及するはずがないといえるでしょう。
FIT制度誕生で太陽光発電が全国的に普及した
太陽光発電が超高額商品だったことで登場したのが、FIT制度になります。
たとえば、2009年度に太陽光発電を所有した家庭は、余剰電力を1kWhあたり48円で売電することができたのです。
初期費用が高かった太陽光発電ですが、毎月それなりの売電収入を得られるということで話題になり、全国的に普及することになりました。
需要が高まったことで大量生産できるようになり、太陽光発電の初期費用は年々下落傾向にあります。
実際、2023年現在は1kWhあたり25.9万円ほどで購入できるようになりました。
再エネ賦課金単価の推移!最終的な電気代を抑える方法とは?
FIT制度が誕生したことで太陽光発電が全国的に普及したのは、地球環境のためにとても大きな一歩です。
しかしその半面、太陽光発電が全国的に普及したことで私たちが負担する再エネ賦課金が年々高くなっているのです。
一体どういうことなのでしょうか。
再エネ賦課金単価の推移
まずは、再エネ賦課金単価の推移を見ていきましょう。
以下の表をご覧ください。
年度 | 再エネ賦課金単価(/kWh) |
2012 | 0.22円 |
2013 | 0.35円 |
2014 | 0.75円 |
2015 | 1.58円 |
2016 | 2.25円 |
2017 | 2.64円 |
2018 | 2.9円 |
2019 | 2.95円 |
2020 | 2.98円 |
2021 | 3.36円 |
2022 | 3.45円 |
2023 | 1.4円 |
2012年度から2022年度にかけて、再エネ賦課金単価が値上がりを続けていることがわかります。
再エネ賦課金単価が値上がりを続けている理由は、FIT制度をはじめとする売電制度を利用する家庭が増えているからです。
2023年度の再エネ賦課金単価が急激に下落している理由は、市場価格が高止まりするという予想が立てられているからになります。
最終的な電気代を抑える方法
最後に、最終的な電気代を抑える方法を紹介します。
具体的には、電気の使い方を見直すこと、太陽光発電や蓄電池を導入することが挙げられますが、それぞれどういうことか具体的に見ていきましょう。
電気代を抑える方法①電気の使い方を見直す
電気代を抑える方法として、電気の使い方を見直すことが挙げられます。
そもそも再エネ賦課金は、電気使用量(kWh)×再エネ賦課金単価で決定するもの。
だからこそ、電気使用量を減らすことで、再エネ賦課金として請求される金額を抑えることができるのです。
再エネ賦課金単価は、国が全国一律で定めています。
だからこそ、この部分を個人の力で変えることはできません。
最終的な電気代を抑えたいのであれば、電気使用量を下げる対策を取れると良いでしょう。
たとえば、以下のような対策を講じてみてください。
- 待機電力になるものを排除する
- 使っていない部屋のブレーカーを落とす
- 洗濯機を「すすぎ1回コース」で使う
- 洗濯乾燥機や食洗器は使わない
- エアコンの設定温度を調整する
特に難しいものはないかと思います。
簡単に実践できる節電から始めましょう。
電気代を抑える方法②太陽光発電や蓄電池を導入する
電気代を抑える方法として、太陽光発電や蓄電池を導入することも挙げられます。
たとえば、太陽光発電を導入すると、日中に使う電力は太陽光発電が発電した電力で賄うことが可能です。
つまり、電力会社からの買電量を減らすことができます。
蓄電池も併用すれば、深夜の割安電力を積極的に蓄電することができるので、今までと同じ電力使用量だとしても、最終的に請求される電気代は安くなるでしょう。
さらに、日中に太陽光発電が発電した電力を蓄電池に貯めることで、電力会社からの買電量を極限まで減らすことができ、さらなる節約が期待できます。
再エネ賦課金とは?支払いは国民の義務!節約のために節電しよう!
今回の記事では、賦課金の概要や再エネ賦課金について解説しました。
再エネ賦課金の支払いは、国民の義務です。
だからこそ、再エネ賦課金の請求額を少しでも減らすため、電気使用量の見直しを徹底していけたら良いのではないでしょうか。
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この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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