太陽光パネルの価格が高騰!高騰の原因や今後の見通しを解説!
最近、太陽光パネル価格が高騰しています。
パネル価格上昇は太陽光発電設備導入にも影響を与えています。
価格上昇の主な理由は原材料費や輸送費の高騰、円安の影響などです。
今回はパネル価格高騰の原因と今後の見通しを探りつつ、それでも太陽光発電を導入するメリットがあることについてわかりやすく解説します。
目次
太陽光パネル価格が高騰している
2010年代を通じて太陽光パネルの価格は徐々に下落していました。
太陽光発電の普及や技術の進歩により製造コストが低下していたからです。
しかし、2020年以降は状況が一変します。
新型コロナウイルスの感染拡大により全世界のサプライチェーンが大混乱した結果、コストが全体的に上昇したからです。
それに追い打ちをかけたのが2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻です。
これらの要因により、一時的に価格が大きく上昇する場面が見られました。
次のパートで価格高騰の原因をより詳しく見てみましょう。
価格高騰の原因
一貫して低下していたパネル価格が急騰した背景にはさまざまなコストの上昇があります。
そして、日本円の価値が低下する円安がそれに拍車をかけました。
それぞれの要素を詳しく見てみましょう。
原材料費の高騰
太陽光パネルの主原料は多結晶シリコン、銅、鉄、アルミニウムなどです。
こういった原材料の価格が2022年以降に急上昇しました。
特に目立つのが多結晶シリコン価格の上昇です。
2022年7月にアップされた東洋経済オンラインの記事によれば、シリコン生産国である中国で取引価格が急上昇していました。
その記事によれば、2021年1月時点の価格が約8万元(約161万3000円)だったのに対し、同年11月には3倍以上となる27万2000元(約548万5000円)まで急上昇しました。
出典:東洋経済オンライン
銅、鉄、アルミニウムといった金属価格も2021年から22年にかけて軒並み上昇しました。
こうした原材料費の上昇はパネル価格を大きく押し上げる原因となっています。
輸送費の高騰
パネル価格に影響を与える要素の一つが輸送費の高騰です。
ここでいう輸送費は海外から国内に運ぶときの輸送費と国内で搬送する輸送費の2つを指しています。
輸入時に問題となったのがコンテナ運賃です。
海外から物資を大量に輸入するとき、コンテナは欠かせないものです。
パンデミック前からコンテナは不足気味でしたが、パンデミックで物流が混乱するとコンテナがスムーズに移動できなくなり、状況が悪化しました。
そのため、コンテナ運賃が高騰して輸送コストの増大を招いたのです。
国内輸送の問題は燃料費の上昇とドライバー不足です。
ドライバーが不足すると運送料が減少します。
それだけではなく、数少ないドライバーの奪い合いになって人件費が上昇します。
燃料費の上昇とのダブルパンチとなり、輸送コストを大きく押し上げる要因となっています。
円安の影響
パネルの多くは海外からの輸入品であるため、為替相場の影響を大きく受けます。
2021年には概ね100円から110円の間で推移していましたが、2022年になると急激な円安が進行しました。
2021年のドル円相場を1ドル110円とし、2023年の相場を1ドル150円として計算すると、ドルの価値が1.36倍上昇したことになります。
その一方で、円の価値は2021年よりも27%近く下落した計算になります。
円の価値が大きく下落したため、海外の物を輸入するときのコストが大幅に上昇するのはやむを得ないところでしょう。
円安の原因は複数ありますが、その最たるものが日本とアメリカの金利差です。
日本の政策金利が-0.10%を維持しているのに対し、アメリカの政策金利は0.25%から一気に5.50%まで引き上げられました。
金利が高い国の通貨を保有している方が利息を得られるため、高金利通貨(今回は米ドル)を買い、低金利通貨(日本円)を売る動きが加速します。
売られた円の価格が下落するため円安になるのです。
価格は今後どうなる?
太陽光パネルの価格は今後どうなってしまうのでしょうか。
値上がりする要因と値下がりする要因の2つが考えられます。
まず、値上がりする要因としては原材料の需要増加と輸送コストの高止まり、円安の進行が考えられます。
太陽光発電の需要が今後も継続するのであれば、原材料価格が高止まりする可能性があります。
輸送コストは国際情勢と燃料価格、国内のドライバー問題など複数絡んできますが、何らかのイレギュラーな事態が発生した時に急上昇する可能性は否定できません。
円安については日本が金利の引き上げをするか、アメリカなどが利下げに転じることで解消する可能性がありますが、これについては未知数と言わざるを得ません。
次に値下がりする要因を見てみましょう。
太陽光発電システム全体の価格は年々低下しています。
2021年から22年にかけてパネル価格が上昇したにも関わらず、2023年の住宅用太陽光発電の設置費用は1lWhあたり26万7000円にとどまっています。
値下がりしている理由としては、需要の増加により生産技術が向上して単価が低下したことが考えられます。
今後は、一時的な価格上昇があったとしてもシステム全体の価格は安定するのではないかと考えられます。
パネル価格が高騰しても導入すべき理由
2021年から2022年にかけて起きた価格上昇の要因は原材料費や輸送費の上昇、円安などが原因であるとわかりました。
今後も似たような事態が発生した場合にパネル価格が高騰する可能性があります。
それでも、太陽光発電を導入するべき理由があります。
2点のメリットについて解説します。
電力価格が高止まりする可能性がある
1つ目の理由は電力価格が高止まりする可能性があるからです。
パンデミックやウクライナ戦争は物流を混乱させパネル価格上昇の原因となりました。
しかし、価格上昇はパネルにだけ起きたわけではありません。
原材料費の高騰や輸送費の高騰、円安の影響は海外から輸入する全ての物に当てはまります。
天然ガスや石油、石炭などのエネルギー資源もパネルと同様に値上がりしました。
エネルギー資源価格が上昇すれば、火力発電のコストが増大し電気代が上がります。
実際、国内では大手電力会社が電気代を引き上げたり、各電力会社で燃料費調整額の上限を撤廃する動きが見られました。
上昇した電気代が下がるめどが立っていません。
今後しばらくは電力価格が高止まりすると考えられます。
電気代高騰に対応する手段の一つが太陽光発電の導入です。
自宅で発電した電力を自家消費することで、電力会社から電気を買わずに済み、光熱費を削減できます。
災害対策としても有効
2つ目の理由は災害対策です。
災害時、直接の被害を受けなくてもライフラインが寸断されることで生活に大きなダメージを受けることがあります。
電気・水道・ガスといったライフラインが災害で寸断されると復旧まである程度の時間が必要となります。
太陽光発電設備があれば、災害時でも電気を得ることができ、冷蔵庫などを稼働させられます。
また、テレビやラジオを使って情報収集することもできるでしょう。
蓄電池があれば、夜間も電気が使えます。
まとめ
今回は太陽光パネルの価格高騰の原因や今後の見通し、高くなっても太陽光発電設備を導入するべき理由についてまとめました。
国際情勢が不安定さを増す中、資源がない日本にとって太陽光発電は有力な発電方法の一つです。
自宅に発電設備があれば、自家発電による光熱費削減や災害対策としても有効です。
価格が高騰しても、パネルを設置するメリットがあるのではないでしょうか。
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