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太陽光発電いつから義務化?新築に設置するメリット・対象エリアは?

太陽光発電 2024年01月04日更新

多くの人が太陽光発電の義務化に関する詳細を把握しておらず悩んでいるかもしれません。

そこで今回は、太陽光発電の設置義務化についての情報や、費用の負担について詳しく解説していきます。

新築住宅に太陽光発電を設置する義務化とは?

太陽光発電の義務化は、世界的な「温室効果ガス削減」と「2050年までに炭素排出のゼロ化」を目指す動きに応じた政策です。

2015年のパリ協定では全国が温室効果ガス削減に取り組むことが合意され、日本は2030年までに46%の削減を目指しています。

2025年4月から東京都では、新築住宅やマンション、ビルに太陽光発電の設置を義務化する政策が始まります。

年間約24,000棟の新築住宅については大手ハウスメーカーや工務店が設置をおこないますが、一定規模未満の建物や屋根面積が小さい住宅には除外規定があります。

設置対象は日照条件や建物の形状などを考慮して決定されます。

新築に太陽光発電が義務化されるのはいつから?【対象エリアを解説】

新築住宅への太陽光発電義務化の対象や期間について詳しく説明します。

東京都(2025年4月から)

開始期間

2025年4月

対象物件

・新築住宅(オーダーメイド住宅と分譲住宅を含む)

設置条件

・延床面積2,000平方メートル未満

設置業者

・ハウスメーカー

・工務店

・東京都で認可を受けた事業者

補助金

①東京ゼロエミ住宅

3.6kW以下の太陽光発電の場合

・オール電化住宅:13万円/kW(上限39万円)

・オール電化住宅ではない:12万円/kW(上限36万円)

3.6kW~50kW未満の太陽光発電の場合

・オール電化住宅:11万円/kW(50kW以上は対象外)

・オール電化ではない:10万円/kW(50kW以上は対象外)

・4kW以下の太陽光発電と蓄電池を単独で設置する場合

機器費・材料費または工事費の3/4(上限15万円/kWh、120万円/戸)

・4kW以上の太陽光発電と蓄電池を設置する場合

機器費・材料費または工事費の3/4(上限15万円/kWh、太陽光発電出力×30万円)

②災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業 

(新築住宅の場合)

・3kW以下:12万円/kW(上限36万円)

・3kW以上:10万円/kW(50kW未満)

・3kW~3.6kW未満の場合:一律36万円

 

東京都では、2,000平方メートル以上の大規模新築建物には建築物環境計画書制度が適用されています。

2025年4月以降には、2,000平方メートル未満の新築建物、たとえば小規模事務所や店舗なども対象です。

対象の建物は、太陽光パネルの設置が義務付けられ、設置はハウスメーカーや工務店がおこないます。

建築中には、太陽光パネルの性能と取り付けについて詳細な情報が提供されます。

神奈川県(2025年4月から)

開始期間

2025年4月

対象物件・設置条件

東京都や京都府の基準をもとに

設置業者

・ハウスメーカー

・工務店

・川崎市で認可を受けた事業者

 

【スマートハウス補助金】

・太陽光発電1kWあたり2万円(上限10万円)

・定置用リチウムイオン蓄電システム:1kWhあたり1万円(上限10万円)

・パワコンメンテナンス:5万円

(※2023年10月26日に交付申請終了)

 

神奈川県の川崎市は、2025年4月から太陽光発電の義務化を予定しています。

温室効果ガスの削減や再生可能エネルギーの利用を推進しており、現在は新築住宅への太陽光パネル設置義務化に関する条例案の議論が進行中です。

これにより、川崎市でも延床面積を基準とした太陽光パネルの設置が義務化される方針です。

群馬県(2025年4月から)

開始期間

2025年4月

対象物件・設置条件

・新築住宅(オーダーメイド住宅と分譲住宅を含む)

・延床面積2,000平方メートル以上

設置業者

・ハウスメーカー

・工務店

・群馬県で認可を受けた事業者

補助金

【電力価格高騰対策・再エネ導入支援事業費補助金】

個人の場合

・太陽光発電:1世帯当たり5万円

・蓄電池:1世帯当たり10万円

中小企業の場合

・停電以外の場合:発電出力×4万円/kW

・電力販売契約またはリース契約をして蓄電池とセット導入する場合:発電出力×5万円/kW

(※2023年8月31日に交付申請終了)

 

群馬県では、「ぐんま5つのゼロ宣言」の一環として、2050年までに災害や環境問題の解決に取り組んでいます。

この義務は、延床面積が2,000平方メートル以上の建築物を新築、増築、または改築する際に適用されます。

京都府(2020年4月から)

開始期間

2020年4月

対象物件・設置条件

・延床面積2,000平方メートル以上の建物の場合

・延床面積300平方メートル以上の事業所や新築住宅

・購入者は設置業者から太陽光発電の情報提供を受けること

設置業者

・ハウスメーカー

・工務店

・京都府で認可を受けた事業者

補助金

【京都市住宅用太陽光発電・太陽熱利用設備等設置補助事業】

・ 太陽光発電:1件あたり20万円

・蓄電池:1台あたり10万円

・太陽熱利用システム:1件あたり10万円

(※令和4年度以降、事業を休止)

 

京都府では、既に温室効果ガス削減のために太陽光パネルの設置義務化が進行中です。

2020年4月からは延床面積2,000平方メートル以上の建物に義務付けられ、2021年4月には延床面積300平方メートル以上の住宅やビルにも適用されました。

京都府は2050年までに実質的な温室効果ガス排出量ゼロを目指し、太陽光パネルの設置を推進しています。

新築住宅に太陽光発電を義務化するメリット

新築住宅に太陽光発電を義務化するメリットは、以下のとおりです。

 

  • 電気料金の節約
  • 電力の販売による収益化
  • 火災保険の補償対象になる
  • 災害に備えるための手段になる

 

それぞれのメリットについて詳しく紹介します。

電気料金の節約

新築に太陽光発電を設置すると、晴れた昼間はほとんど太陽の光で電気をまかなえるので、電力会社から買う電気が減ります。

発電した電力のうち7割は売電でき、3割は自分で使えることから、1kWあたり1000kWhの年間平均発電量が見込まれます。

たとえば、5kWの太陽光発電を設置すると、年間で5000kWhの発電が見込まれ、自家消費すると1500kWhで、年間で約4万6,500円の節約が期待できます(※電力量料金単価31円/kWhで計算)。

太陽光発電は20年以上も使用可能なので、長期間にわたって電気代を節約できるのです。

電力の販売による収益化

太陽光発電は、電気代を節約するだけでなく、発電した電力を売ることで収入が得られます。

太陽光パネルで発電した電力のうち、7割は売電できます。

「年間の発電量」と「売電量」と「売電価格」を使って、売電収入を計算してみました。

 

5000kWh(年間発電量)× 70%(売電量)× 16円(2023年度の売電価格)=年間売電収入5万6,000円

 

毎年5万6,000円の売電収入があり、10年間のFIT売電価格による経済的メリットは年間56万円ほどになります。

また、FIT期間が終わった後も、売電価格が半分になりますが、売電収入が得られます。

売電収入は、導入費用の返済や定期メンテナンス費用のカバーに使えるのはうれしいですよね。

火災保険の補償対象になる

太陽光パネルは、一般的に火災保険の対象となります。

たとえば、風災や豪雨、落雷などによって太陽光パネルが損傷した場合、火災保険に加入していれば、修理や交換費用を補償してもらえます。

メーカーの保証は期間限定で、終了後は自己負担になるのに対して、住宅用火災保険は、火災や自然災害、盗難などさまざまなリスクに対応できます。

そのため、予期せぬ自然災害に対する長期的な保護を確保し、太陽光パネルの安全性と耐久性を守ることができるのです。

災害に備えるための手段になる

太陽光発電があれば、災害時に停電した場合に大きな支援となります。

電力が確保できると、連絡や情報収集が可能となり、安心感が得られるのです。

たとえば、夏場の暑い日にも冷房を使い続けることができ、健康と快適さが保たれます。

太陽光発電は、気温対策も可能であり、特に高齢者や乳幼児のいる家庭では重要な役割を果たします。

ただ、停電時に電力を利用するには、パワコンを自立運転モードに切り替えて、自立運転用コンセントから電源を取る必要があります。

安心して利用するためにも、事前に自立運転モードや自立運転用コンセントについて確認しておくことが重要です。

新築住宅に太陽光発電を義務化するデメリット

新築住宅に太陽光発電を義務化するデメリットは、以下のとおりです。

 

  • 住宅価格の急騰
  • 設置後の定期メンテナンスがかかる
  • 設置後すぐには使えない
  • 投資費用を回収するには数年かかる

 

それぞれのデメリットについて、詳しく解説していきます。

住宅価格の急騰

太陽光パネルの設置義務化により、元々高価な都心部の住宅価格がさらに上昇し、東京都内での住宅購入が困難になる可能性があります。

住宅と太陽光発電をいっしょに購入する場合、住宅ローンに太陽光発電を含めることができます。

しかし、予算によっては他の設備の品質や機能を下げることになるかもしれません。

設置後の定期メンテナンスがかかる

太陽光発電の設置後は、定期的なメンテナンスが必要になります。

太陽光パネル自体は動く部品がないため故障はまれなので、20年~30年の寿命が期待されており、パワコンは10年~15年程度が一般的です。

設置後に大雨や台風が発生した場合は、機器本体や配線の点検をおこなうことが大切です。

メンテナンスを怠ると、設備の効率が低下し、発電量が減少する可能性があります。

そのため、最低でも4年に1度は定期メンテナンスをおこない、設備の調整をしましょう。

設置後すぐ売電できない

太陽光発電の売電を開始するには、申請や手続きが必要のため、すぐには始めることができません。

まず、経済産業省からのFIT法に基づく設備認定申請が必要です。

次に、一般送配電事業者の設備に太陽光発電を接続するための系統連系の申請がおこなわれます。

また、売電するためには、電線を利用して送電する必要があります。
そのため、設置地域を管轄する事業者が受給のバランスや設備の状況をチェックし、申請の認証に時間がかかります。

最短でも1ヵ月ほどかかる場合があるので、急いで売電を開始したい場合は、申請手続きを早めに進めることが重要です。

投資費用を回収するには数年かかる

太陽光発電は、一般的には10年以上かかることが予想されます。

太陽光発電の設置費用やメンテナンス費用を考えると、投資回収には長い時間がかかる場合があります。

太陽光発電のコストと効果を比較する際には、複数の企業を検討することが重要です。

また、10年以上かかる場合でも、必ずしも太陽光発電は損をするわけではありません。

なぜなら、固定買取期間が終了しても、太陽光発電は経済的な利益をもたらすからです。

価格は下がりますが、自家消費に回すことで電気料金の削減メリットを実感できるでしょう。

太陽光発電の設置費用はいくら?

太陽光パネルの設置が義務化されると、設置にかかるコストを負担する必要があります。

経済産業省のデータによると、2023年の住宅用太陽光パネルの本体価格は、1kWあたり税込26万1,000円です。

2012年の太陽光発電の平均費用は、1kWあたり40万円台でした。

しかし、2023年に設置費用は10万円以上も下がり、約20万円台となっています。

たとえば10kWの太陽光発電を、2012年に設置した場合、400万円以上の投資が必要でしたが、2023年現在では250万円程度で導入可能です。

このような値下がりの傾向から、今が太陽光発電を導入する絶好のタイミングだと言えます。

太陽光発電の設置コストを抑える方法

太陽光発電の設置費用を抑える方法を3つ紹介します。

設置コストを削減して、太陽光発電をお得に導入しましょう。

無料の太陽光パネル設置業者に依頼する

太陽光発電の設置コストを削減したい場合は、初期費用を抑えた「PPAモデル」や「リースモデル」の設置を検討することがおすすめです。

PPAモデルでは、太陽光発電の設置と維持管理費用をPPA事業者が負担しますが、家庭は自家消費のみで売電はできません。

対して、リースモデルは初期費用を分割払いで支払い、自家消費と売電の両方が可能です。

売電収入を重視する場合はリースモデルが適しており、家庭の電気料金削減を優先する場合はPPAモデルが適しています。

安価な設置業者を見積もりで選ぶ

設置費用は業者によって大きく変わるため、必ず複数の業者から見積もりを取って選ぶことが大切です。

また、設置費用だけでなく、保証内容やメンテナンスなども含めて十分な情報収集をすることが重要です。

後悔しないように、複数の業者から見積もりを取って、価格や保証などを比較しましょう。

補助金の支援を受ける

国による太陽光発電の補助金制度はないものの、一部の自治体が独自に補助金を実施しています。

このため、自治体の制度を活用することで、数10万円以上の初期費用を削減することができるかもしれません。

また、自治体によっては、補助金の対象となる設置条件や補助金額に違いがあります。

募集している自治体のホームページで新しい情報を確認することが重要です。

新築に太陽光発電はいつから設置義務?対象エリアは2025年4月よりスタート

今回は新築に太陽光発電をいつからつけた方がいいのか、設置義務化の対象エリアについて紹介しました。

現在、全国的に太陽光発電の設置が義務化されている地域もあります。

新築を建てるときは、太陽光発電を導入するタイミングはとても大切です。

国と自治体の補助金を活用できれば、導入コストを大幅に下げることも可能です。

申請期限に間に合うように、新築時に太陽光発電の導入を早めに検討することがおすすめです。

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この記事の監修者

中田 萌

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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