太陽光発電の仕組みとは?太陽電池の基礎知識、発電量ついて徹底解説!
太陽光発電は、太陽から地球に照射される光エネルギーを電気に変換する発電方法で、二酸化炭素の排出を伴わないことなどから、環境負荷が低い発電方法として注目されています。
その一方で、太陽光発電の仕組みや発電量については、よくわからない方も多いかもしれません。
この記事では、太陽光発電の歴史や発電の仕組み、太陽電池の基礎知識、太陽光発電の発電量などについて徹底解説します。
太陽光発電設備を導入する前に、ぜひ参考として活用してください。
目次
太陽光発電の歴史と仕組み
太陽の光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽光発電の仕組みは、どのようにして生み出されたのでしょうか。
太陽光発電の歴史や発電の仕組みについて解説します。
太陽光発電の研究
太陽光発電の研究は19世紀から始まっていました。
1839年、フランスのアレクサンドル・エドモン・ベクレルが、金属板に光を当てると電気が発生する光起電力効果を発見しました。
それから44年後の1883年、アメリカのチャールズ・フリッツは、太陽電池の原型となる光電池を発明します。
現在の太陽電池の多くに使われているシリコン製の太陽電池が発明されたのは1954年で、翌年には日本初の太陽電池が作り出されます。
そして、1958年に太陽光発電システムが実用化されました。
発電の仕組み
太陽電池は、2種類の半導体をはり合わせて造られ、2枚の半導体は電極に挟まれ、導線で結ばれています。
太陽の光が太陽電池にあたると、2枚の半導体のうち「n型半導体」に電子(-)が、もう一枚の「p型半導体」に正孔(+)があつまります。
-と+は引き合う性質を持つため、n型半導体に集まっている電子(-)は、導線を伝ってp型半導体に集まる正孔(+)に移動します。
このときにうまれる電子の流れを利用し、電気エネルギーを取り出すのが太陽光発電の仕組みです。
電池と名前がついていても太陽電池には電気を蓄える手段がないため、生み出された電気を貯めるには、蓄電池などの装置と連結する必要があります。
太陽電池の基礎知識
太陽電池が太陽の光を使って電気を生み出す仕組みであることは理解できました。
ここからは、太陽電池に関する基礎知識をまとめます。
太陽電池で使用される単位
太陽電池で使用される単位は以下のとおりです。
セル | 太陽電池の最小単位で、太陽電池素子ともいう 大きさは150~200mm四方 発電能力は1枚あたり3.5~4W前後 |
モジュール | 複数のセルを組み合わせ、パネルの形にしたもの 大きさは製品によってさまざま 発電能力は1枚あたり100~300W前後 |
ストリング | モジュールを直列または直列と並列で配線したもの 複数のモジュールをまとめることで、まとまった出力がみこめる |
このほか、複数のモジュールやストリングのひとかたまりをアレイといいます。
太陽電池モジュールとソーラーパネルは同じもの
太陽光発電を手掛けているメーカーや、設置業者のサイトを見ると、太陽光発電のパネルについて、太陽電池モジュールやソーラーパネル・太陽光パネル・太陽電池板などと表記が混在しています。
結論をいえば、全て同じものです。
どの装置も、太陽電池であるセルを組み合わせたモジュールのことをあらわしているため、全く同様のものを指していると考えてよいでしょう。
太陽光発電に必要な機器
太陽光発電に必要な機器は以下のとおりです。
- ソーラーパネル
- パワーコンディショナー
- 接続箱
- カラーモニター
- 分電盤
- 電力量計
接続箱はソーラーパネルどうしをつないだ配線をひとまとめにする装置です。
ソーラーパネルで発電した直流電流を、家電製品で使用できる交流電流に変換する機器がパワーコンディショナーです。
パワーコンディショナーは自動で作動する機器であるため、所有者が手動で起動させる必要がありません。
パワーコンディショナーで変換された電力は、各家庭の分電盤を通じて家電製品などに供給されます
太陽光発電の様子は、カラーモニターで確認できます。
太陽光発電の発電量
太陽光発電を導入する際、どの程度の発電量が見込まれるか気になるところではないでしょうか。
ここでは、1日の発電量の推移や天候による発電量の違い、ソーラーパネル1枚当たりの発電量、地域や季節による発電量の違いなどについて解説します。
1日の発電量の推移
発電量は日照時間に比例します。
基本的に、日の出とともに発電量が増え、正午前後にピークを迎えます。
その後、夕方に向けて徐々に発電量が減少していきます。
後ほど詳しく述べますが、天候や季節による影響も大きいため、それらを総合することで1日の発電量を割り出せます。
天候による発電量の違い
天気を晴れ・曇り・雨の3つに分けたとき、最も発電量が多いのは晴れです。
晴れているときは、1kWあたり2.5〜3.5kWの電気を発電します。
6kWであれば、1日に15~21kWhの電力を発電します。
晴天時に比べ発電量が少ない曇りの日は、1kWあたり1kWh前後となることがおおいため、6kWのパネルの発電量は6kWhとなります。
曇りの日の発電量は、晴天時の3割から4割程度の発電量にとどまります。
雨天時には1kWあたりの発電量は0.2〜0.5kWhとなるため、6kWのパネルでも1.2〜3.6kWhの発電量となります。
晴天時の1〜2割程度の発電にとどまるため、かなり発電量が落ちてしまいます。
季節による発電量の違い
季節によって天候が異なるため、発電量も異なります。
日照時間が少なく、曇り空や雨天が続く梅雨時には発電量が大きく低下します。
夏場は晴れる割合が増加しますが、ソーラーパネルが熱に弱いため、発電効率が低下して発電量が減少します。
降雪地域では、冬になると曇りや雪の日が増えるため発電量が低下してしまいます。
地域による発電量の違い
地域によっても発電量は大きく異なります。
日本の気候は、北海道の気候・太平洋側の気候・日本海側の気候・瀬戸内海の気候・内陸の気候・南西諸島の気候などに分かれています。
特に地域による差が出やすいのが太平洋側の気候と日本海側の気候です。
太平洋側では、夏に高温多雨となりますが、冬は冷涼乾燥します。そのため、冬は比較的晴天に恵まれます。
一方、日本海側は冬になると北西の季節風の影響で断続的に雪が降ります。
そのため、発電量が低下しがちです。
最も発電量が安定しているのが内陸や瀬戸内海の地域です。
内陸地域の代表は、山梨県や長野県、群馬県、岐阜県、埼玉県などです。
瀬戸内海地域の代表は、徳島県や香川県、兵庫県などです。
自分が住んでいる地域の日照時間や発電量などを事前に調べ、どの程度の発電が見込めるか調べてから太陽光発電を導入したほうがよいでしょう。
まとめ
今回は太陽光発電の歴史や仕組み、太陽電池の基礎知識、太陽光発電の発電量などについて解説しました。
太陽光発電は化石燃料を燃やさずに電気エネルギーが得られる画期的な仕組みであり、環境負荷を減らすという点で注目されてきました。
太陽光発電には、ソーラーパネルの他にパワーコンディショナーなどの付属の機器が必要です。
太陽光がソーラーパネルにあたることで発電するシステムであるため、発電量は日射量に比例します。
しかし、ソーラーパネルは高温になると発電効率が悪化してしまうため、暑すぎても発電に適しません。
太陽電池の仕組みを正しく理解し、設置する地域が太陽光発電に適しているかどうか、しっかり確認してから設置する必要があるでしょう。
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この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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