オムロンマルチV2XとV2Hの違いとは?価格や使える補助金も解説!
EV(電気自動車)のバッテリーを利用して停電対策や電気代節約ができると評判のV2H。
中でも、近年発売された「オムロンのマルチV2X」が気になっている方は多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、オムロンマルチV2Xの特徴や他社製V2Hとの違い、詳細スペックや気になる販売価格、2024年に利用できる補助金制度などをわかりやすく解説しています。
記事の後半では、他社製V2HにはないオムロンマルチV2Xのメリットや、確認しておくべきデメリットをご紹介していきますので、興味がある方はぜひ目を通してみてくださいね!
目次
オムロンマルチV2Xの特徴やスペック・価格や使える補助金を解説!
まずはじめに、オムロンマルチV2Xならではの特徴や強み、他社製のV2Hとの違いや詳細スペック、販売価格や使える補助金について解説していきます。
オムロンマルチV2Xの特徴や強み
オムロンのマルチV2Xシステム「KPEP-Aシリーズ」は、業界トップクラスの軽量コンパクト設計が特徴的であり、壁掛け設置にも対応したV2X設備です。
KPEP-Aシリーズの他メーカーにはない特徴や強みは以下のとおりです。
- 横43 × 高さ66cmのコンパクトボディで狭い場所にも設置できる
- 停電時出力が「6.0kVA / AC202V」と高く、エアコンやIH調理器も動かせる
- 太陽光発電や蓄電池との連携機能も付いており、拡張性も高い
また、KPEP-Aシリーズは専用スマホアプリにも対応しており、外出中でもEVバッテリーの残量確認や充電・放電のコントロールができます。
オムロンマルチV2Xと「V2H」は何が違う?
結論から言えば、オムロンマルチV2Xと他メーカー製V2Hの機能や用途はほとんど変わらないため、現状ではオムロンマルチV2Xは「オムロン製のV2H」と考えてよいでしょう。
そもそもV2Hとは「Vehicle to Home(車から家へ)」の略称であり、EVバッテリーを利用して家電を動かせる画期的なシステムのことです。
一方で、V2Xとは「Vehicle to X(車から何か)」の略称であり、「V2B(車からビルへ)」「V2I車からインフラへ」など、住宅以外への電力運用も想定されたシステムを指します。
オムロンマルチV2Xは現時点でインフラやビルなどへの給電機能が搭載されていないため、今のところ他社製のV2Hと主要機能は同様となっています。
オムロンマルチV2Xのスペック
オムロンのマルチV2X「KPEP-Aシリーズ」は、主要設備であるパワーコンディショナとEVユニットに加えて、リモコンや屋外自立用スタンドなどの周辺機器で構成されています。
以下の表で、パワーコンディショナとEVユニットの詳細スペックを確認していきましょう。
パワーコンディショナ品名 | KPEP-A(一般タイプ) KPEP-A-S(重塩害対応タイプ) |
通常時出力 | 5.9kW / AC202V |
停電時出力 | 6.0kVA / AC202V |
使用可能温度 | -20〜+50℃ |
本体サイズ | 横450 × 高さ562 × 奥行き232mm |
本体重量 | 本体約21kg / ケーブルボックス約1kg |
保護性能 | IP55(一般タイプ) IP56(重塩害対応タイプ) |
EVユニット品名 | KP-DDV |
充電ケーブル長さ | 7.5m |
通常時入出力 | 5.9kW |
停電時入出力 | 6.0kVA |
使用可能温度 | -20〜+50℃ |
本体サイズ | 横430 × 高さ660 × 奥行き264mm |
本体重量 | 本体約25kg |
保護性能 | IP66 |
オムロンマルチV2Xのメーカー希望価格はいくら?
オムロンの公式ホームページによると、マルチV2X「KPEP-Aシリーズ」の機器セットのメーカー希望価格は「160〜183万円(税抜き)」となっています。
KPEP-Aシリーズには「重塩害対応モデル」や「蓄電池連携用の分電盤」などの設備構成が選べる仕組みとなっており、選択する機器によって価格が変化します。
V2XやV2Hの実際の販売価格は定価より「約1〜3割」ほど安くなるケースも多いため、オムロンマルチV2Xも「128〜144万円」程度で購入できる可能性はあるでしょう。
実売価格や工事費は契約する業者によっても大きく変化しますので、できるだけ多くの見積もりを比較し、価格・サービスともに納得ゆくプランで契約することをおすすめします。
オムロンマルチV2Xに利用可能!2024年の国の補助金制度
2024年にオムロンV2Xを購入する際には、「NeV(次世代自動車振興センター)」が交付している「充電設備・V2H充放電設備・外部給電器補助金」という国の補助金制度を利用できます。
V2H・V2Xに対する補助金額は「設備費の3分の1(上限30万円)」「工事費の100%(上限15万円)」となっており、最大45万円の交付を受けられます。
国のV2X補助金と「地方自治体の補助金制度」は併用可能ですので、お住まいの自治体でV2X補助金を交付している場合は、両方申請することで初期費用をさらに抑えられます。
2024年にオムロンV2Xを購入する際に利用できる国の補助金制度は、「CEV補助金」「ZEH補助金」「DER補助金」の3種類です。
3つの補助金制度の名称や対象設備、補助金額は以下のとおりです。
補助金制度の名称 | 対象設備 | 補助金額 |
CEV補助金 | EVやPHV、V2Hや外部給電機器 | 上限75万円 (購入機種によって変動) |
ZEH補助金 | V2Hや蓄電池など、ZEH(省エネ住宅)に必要な設備 | 設備費+工事費の50% (上限75万円) |
DER補助金 | 蓄電池やHEMS、V2H | 設備費の50% (上限75万円) 工事費の100% (上限40万円) |
以上の補助金制度は「地方自治体の補助金制度」との併用も可能ですので、お住まいの自治体でV2X補助金を交付している場合は、両方申請することで初期費用をさらに抑えられます。
導入前に要確認!オムロンマルチV2Xの「メリット・デメリット」
つづいて、オムロンマルチV2Xを実際に導入する前に比較しておきたい「メリット・デメリット」
について解説していきます。
メリット①:EVの豊富なバッテリーを蓄電池の代わりに活用できる
オムロンマルチV2Xを導入する第一のメリットは、大容量なEVバッテリーを蓄電池の代わりとして活用し、電気代節約や停電対策に役立てられることです。
深夜電力の充電による電気代節約は蓄電池でも可能ですが、3〜4人家族の1日の電気使用量をまかなうには、7〜10kWh程度の中型蓄電池を設置する必要があります。
一方で、EVのバッテリー容量は「40〜70kWh」ほどと段違いに大きいため、急な来客などで電気使用量が多い日でも、残量を気にせずムリなく電気代を節約できます。
EVの豊富なバッテリーをたっぷり家電に使えるV2Xなら、台風や地震などの影響で停電が長引いても、電力の復旧まで安心して過ごせる点も優秀ですね。
メリット②:「2種類の設置スタイル」でどんな場所にも導入可能
オムロンマルチV2Xの2つ目のメリットは、駐車スペースや周辺環境に合わせて「壁掛け設置」「スタンド設置」という2種類の設置スタイルを選べることです。
壁掛け設置なら足元スッキリで掃除も快適ですし、EVの充電ポートの位置に合わせてV2Xの充放電コネクタの位置を「右側もしくは左側」に変更できます。
さらに、オプションの「充放電コネクタホルダ」を使えばV2X本体から離れた位置に充放電コネクタを取り付けられるため、外壁と駐車スペースが離れている住宅にも最適です。
デメリット:メーカー希望価格は他メーカー製V2Hより高い
オムロンマルチV2Xの気になるデメリットは、ニチコンやデンソーなどのV2Hに比べると、メーカー希望価格が割高であることです。
ニチコンV2Hが「49.8〜89.8万円」、デンソーV2Hが「110〜150万円」ほどなのに比べて、オムロンマルチV2Xの「160〜183万円」という価格設定はかなり高めといえます。
一方で、ニチコンやデンソーのV2Hは「本体が大きい」「壁掛け設置できない」などのデメリットもあるため、多少高くても利便性に優れるオムロンを選ぶ価値は充分あります。
まとめ:オムロンマルチV2Xはコンパクトで高性能!壁掛け設置も可能
「業界トップクラスのコンパクト設計」に加えて、「本体の壁掛け設置」にも対応したオムロンのマルチV2Xは、「V2Hで屋外スペースを圧迫したくない!」とお考えの方に特におすすめです。
停電時は「6.0kVA / AC202V」のハイパワーで家電を動かせますし、重塩害地域にも対応したモデルを販売しており、設置環境を選ばず導入できる高性能V2Xの筆頭といえるでしょう。
メーカー希望価格は他社製V2Hより多少割高ですが、国や地方自治体の補助金を使えば大幅に安く導入できますので、ぜひこのタイミングで検討してみてはいかがでしょうか?
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この記事の監修者
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太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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