鉛蓄電池ってなに?充電の順番や種類・将来性についても!
蓄電池の中でも、鉛を使ったものを「鉛蓄電池」と呼びます。では、鉛蓄電池は具体的にどういった特徴があるものなのでしょうか。
今回の記事では、鉛蓄電池の概要を紹介すると共に、鉛蓄電池の充電方法、家庭用蓄電池の中でも鉛蓄電池のシェア率などについて紹介します。
目次
鉛蓄電池ってなに?充電の順番とそれぞれの特徴を徹底解説!
鉛蓄電池は、紹介する①から③までの順番で充電が行われていきます。それぞれの充電方法の特徴を解説するので、ぜひ参考にしてください。
充電方法①バルク充電
鉛蓄電池の充電方法1番目は、バルク充電です。
バルク充電の最大の特徴は、充電器側が最大の力を出して充電できることになります。概ね70〜80%まで充電することができる、第1段階の充電方法です。
充電方法②アブソーブ充電
充電方法の2番目は、アブソーブ充電です。
バルク充電で概ね充電できた鉛蓄電池を、満充電にするための充電方法です。バルク充電のまま放置していると過充電状態となり、バッテリーに悪影響を及ぼします。とはいえ、過充電状態を避けるために急激に電流を絞ることも、良い行いとはいえません。アブソーブ充電の充電速度は、バルク充電に比べて遅いです。つまり、アブソーブ充電で最適な充電をしてあげることで、過充電状態を避けた満充電が可能になるのです。
充電方法③フローティング充電
充電方法の3番目は、フローティング充電です。
フローティング充電は、満充電になったバッテリーを常に維持できるものです。バッテリーは使用しなくても自然放電で容量が減っていきますが、そういった僅かな充電の減りを補填するための充電になります。小さな電流による充電なので、充電方法①で紹介したバルク充電のような急激な電圧をかける充電はできません。
充電方法が気になる!鉛蓄電池はどんなもので特徴は?
蓄電池の一種である鉛蓄電池ですが、一体どういった特徴があるものなのでしょうか。ここからは、鉛蓄電池の具体的な概要を徹底解説します。
鉛蓄電池とは?
鉛蓄電池は、フランスに住むガストン・プランテにより1859年に開発されたもので、日本では最古の蓄電池といわれています。蓄電池という名前の通り、充放電を繰り返すことのできる二次電池の一種です。
鉛蓄電池の主な特徴は、
- 資源が豊富なので非常に安価
- 放電性能が安定しているので使い勝手が良い
- リサイクル環境が整っているエコな蓄電池
- 鉛を使用しているので蓄電池の重量が重い
- 使用可能な温度範囲が広い
- 起電力が大きい
といったものになります。
蓄電池は、地球温暖化の進行速度を遅らせる目的で需要が高まっています。ただ、蓄電池を購入して満足するのではなく、最終的な処分まで考えての所有が望ましいです。一般社団法人 電池工業会によると、鉛蓄電池の回収率は100%ということです。最後の最後まで地球環境のための取り組みができるのは、とても良いことですよね。
鉛蓄電池の主な活用場所は?
鉛蓄電池の主な活用場所は、以下の通りです。
- 非常用のバックアップ電源
- 自動車のバッテリー
- 小型飛行機
- 電動フォークリフト
- 電子楽器などの小型電源
あまり聞きなれない鉛蓄電池ですが、意外や意外に私たちの暮らしの身近なところで活躍しているのです。
鉛蓄電池の平均寿命は?
鉛蓄電池の平均寿命は、性能などによって3〜15年前後と幅が広いです。一般的な家庭用蓄電池(リチウムイオン電池を使用)が15年前後の寿命なので、鉛蓄電池の平均寿命が特段短いということはないでしょう。
鉛蓄電池の充電方法が気になる!使用用途別&構造上別の種類は?
続いて、鉛蓄電池の使用用途別および構造上別の種類について見ていきましょう。
鉛蓄電池の使用用途別の種類について
鉛蓄電池には、使用用途に応じて「スターターバッテリー」「ディープサイクルバッテリー」「サイクルユースバッテリー」の3種類があります。それぞれの主な特徴は、以下の通りです。
使用用途別の種類①スターターバッテリー
スターターバッテリーは、自動車などのエンジンを始動させるために使われるバッテリーのことです。エンジンを始動する際、瞬間的に大きな電流を取り出す必要がありますが、その仕事を担うのがスターターバッテリーになります。
エンジンが動いている状態であれば常に充電ができるため、基本的には満充電に近い形で使われるものです。なので、バッテリー上がりには注意が必要です。
使用用途別の種類②ディープサイクルバッテリー
ディープサイクルバッテリーは、蓄電容量が底を尽きるまで放電できるものです。蓄電容量がゼロになっても、再び充電することで使い続けることができます。主な使用用途としては、電動運搬車・ゴルフカート・電動車いす・溶接機などが挙げられます。
使用用途別の種類③サイクルユースバッテリー
サイクルユースバッテリーは、①スターターバッテリーと②ディープサイクルバッテリーのちょうど中間で使われるものです。主な使用用途は、電動車いす・業務用電動清掃車・電動スクーターなどになります。
鉛蓄電池の構造上の種類について
鉛蓄電池には、構造上の違いとして「開放型タイプ」「密閉型タイプ」の2種類もあります。それぞれの特徴は、以下の通りです。
構造上の種類①開放型タイプ
開放型タイプは、バッテリーを充電しやすいタイプのものです。一方で、バッテリーの充放電時に水蒸気と水素ガスを逃がす構造になっているため、バッテリー液が徐々に減ってしまう特徴もあります。定期的に精製水を補充する必要があるでしょう。こういったことから、別名「メンテナンス必要タイプ」ともいわれています。
構造上の種類②密閉型タイプ
密閉型タイプは、精製水の補充が不要なタイプです。急速充電ができないタイプでもあるので、取り扱いに注意しましょう。開放型タイプの真逆で、別名「メンテナンスフリータイプ」ともいわれています。ただ、完全にメンテナンスフリーで使うのは危険を伴います。定期的な電圧のチェックは欠かさないようにしましょう。
【おさらい】蓄電池の種類は?充電が複雑な鉛蓄電池の将来性も解説!
お伝えしている通り、鉛蓄電池は私たちの暮らしの身近なところで使われています。では、いま現在販売されている蓄電池の種類と各特徴はどういったものがあるのでしょうか。最後におさらいとして、振り返っていきましょう。
蓄電池の種類
2024年現在、蓄電池には以下4種類が存在しています。
- 鉛蓄電池
- リチウムイオン蓄電池
- ニッケル水素電池
- ナトリウム硫黄電池
それぞれの特徴は、以下の表の通りです。
蓄電池の種類 | 主な特徴 |
鉛蓄電池 | 放電性能が安定していて安価。 自動車のバッテリーやバックアップ電源で使われている。 |
リチウムイオン蓄電池 | 小型・軽量・大容量のバッテリーを作りやすい。 家庭用蓄電池やスマホのバッテリーとして使われている。 |
ニッケル水素電池 | 過充電や過放電に非常に強い。 ハイブリッドカーや乾電池タイプの蓄電池に使われている。 |
ナトリウム硫黄電池 | 蓄電容量が大きいのにサイズが小さい。 大規模な工場や施設で使われている。 |
それぞれ、適材適所で使われています。お持ちの蓄電池が何の種類なのか、調べてみるのも面白そうですね。
鉛蓄電池の将来性について
鉛蓄電池の将来性については、大きな成長が見込まれるといった予測が立っています。2023年における、世界全体の鉛蓄電池市場は483億2,000万ドルでした。そこから2029年までに586億5,000万ドルに、2032 年には716億8,000万ドルに成長するとされています。
鉛蓄電池の需要が今後高まると予想されてる理由は、電源のバックアップシステムの需要が高まっているからです。さらに今後、世界的に電気自動車の需要が高まると予想されていることも、鉛蓄電池の将来に明るい兆しが見えている要因のひとつです。多方面で活躍できる鉛蓄電池。今後の需要拡大に注目ですね。
将来性が確かな鉛蓄電池!充電には順番があるのを忘れずに!
今回の記事では、鉛蓄電池の充電方法はもちろん、概要や将来性について解説しました。充電には順番がある鉛蓄電池ですが、充電方法を誤らなければ問題なく使い続けることができます。鉛蓄電池の購入を検討しているのであれば、使用用途や構造上の種類をしっかりおさらいし、合うものを購入できると良いでしょう。
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この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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