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太陽光パネルの廃棄は課題が多い?廃棄方法の種類や将来の対策も!

太陽光発電 2024年11月12日更新
太陽光パネルの廃棄は課題が多い?廃棄方法の種類や将来の対策も!

地球温暖化の一環として、需要が高まっている太陽光発電。その中で重要な役割を担う太陽光パネルですが、廃棄処分する際の問題点がいくつかあるというのです。一体どういうことなのでしょうか。

そこで今回の記事では、太陽光パネルの廃棄方法や廃棄費用、廃棄する際の問題点をそれぞれ紹介します。

太陽光パネルを廃棄する!シチュエーション別の廃棄方法の種類は?

太陽光発電システムの平均寿命は30年前後です。つまり、いつかは太陽光パネルを廃棄せざるを得なくなる日が訪れます。今回の章では、シチュエーション別の太陽光パネルの廃棄方法の種類を、代表して3つ紹介します。

住宅のリフォーム時に太陽光パネルを廃棄する場合

住宅をリフォームする際に太陽光パネルを廃棄する場合、住宅の解体業者に太陽光パネルの廃棄を依頼します。住宅の屋根の上に太陽光パネルが乗っている場合、太陽光パネルの撤去ができる資格を持った業者が解体作業を請け負うためです。

解体業者は、太陽光パネルをリサイクル業者に引き渡し、最終的にはリサイクル業者が太陽光パネルを廃棄します。ちなみに、太陽光パネルの撤去費用は、住宅の解体費用に含まれます。

太陽光パネルの寿命や不具合が理由で廃棄する場合

寿命や不具合が原因で太陽光パネルを廃棄する場合、太陽光パネルを設置した施工会社が撤去を請け負います。したがって、太陽光パネルを設置した業者の連絡先はしっかり残しておきましょう。

転居で太陽光パネルを廃棄する場合

太陽光パネルを設置する際は、最低限、太陽光パネルが寿命を迎える30年ほどは転居しないことを前提に設置することかと思います。しかし、急な転勤やライフスタイルの変化に伴って、太陽光パネルが寿命を迎える前に転居を余儀なくされるケースもあるでしょう。

この場合も、太陽光パネルを設置した施工会社に廃棄を依頼します。やはり、万が一のことを考えて、太陽光パネルを設置した業者の連絡先はきちんと管理しておくのが良いでしょう。

自然災害が理由で太陽光パネルを廃棄する場合

自然災害が理由で太陽光パネルを廃棄する場合、太陽光パネルが屋根の上に存在しているか否かで対応が異なります

屋根の上に存在している場合、太陽光パネルを設置した業者に修理依頼をします。大きな地震などの影響で太陽光パネルが地上に落下してしまった場合は一般廃棄物扱いになるため、ご自身でお住まいの自治体の窓口に電話し、処分方法を相談してください。

ちなみに、太陽光パネルは「光」があれば発電します。屋根の上から落下して、一見壊れているように見えても、そこに「光」さえあれば発電するのです。したがって、闇雲に触ることは危険です。後の対応はすべて業者に任せしましょう。

太陽光パネルの廃棄費用は?廃棄費用の積み立ての義務化についても!

続いて、廃棄費用はどれくらい必要なのかを具体的に解説します。

太陽光パネルの廃棄費用の平均

太陽光パネルの廃棄費用の平均額は、20万円〜といったアバウトなものになります。具体的な金額幅を出せない主な理由は、以下の条件が各家庭によって異なるからです。

  • 足場がどれくらい必要なのか
  • 屋根の修繕はどれくらいの規模感なのか
  • 廃棄する太陽光パネルは何枚なのか
  • 処分場までの距離感はどれくらいなのか

基本的に、屋根の上に設置される太陽光パネル。なので、足場代がかかるのは避けられません。平屋より2階建て、2階建てより3階建てのほうが高い足場が必要なので、足場代がかさみます。また、太陽光パネルを取り除いた後には屋根の修繕が必要です。この場合も、部分修繕で良いのか全体修繕になるのかによって、金額が大きく変わってくるでしょう。

廃棄する太陽光パネルの枚数、自宅から処分場までの距離感についても、各家庭によって異なります。

具体的にどれくらいの廃棄費用がかかるのかを知りたい場合は、複数社に見積もりを出してもらって金額や具体的な内容を精査することをおすすめします。

廃棄費用は積み立てが義務化されている

太陽光パネルの廃棄費用は、意外と大きなものです。だからこそ、廃棄費用の積み立てが義務化されています。廃棄費用の積み立てが義務化されているのは、10kW以上の大容量太陽光パネルを持つ業者です。

とはいえ、住宅用太陽光パネルでも、数十万円単位の大きなお金を動かす必要があります。義務化はされていないものの、毎月コツコツ将来の廃棄時のために積み立てをしておくことをおすすめします。

太陽光パネルの廃棄で環境問題が心配!懸念される問題点は?

太陽光パネルの廃棄処分に関しては、懸念されている問題点があります。具体的にどういった問題点があるのか、2つほど見ていきましょう。

問題点①有害物質が流出する可能性がある

問題点の1つ目は、有害物質が流出する可能性です。

パネルの種類によって内容物は異なりますが、太陽光パネルには鉛やカドミウムなどの有害物質が含まれています。鉛は嘔吐・高血圧・歩行協調障害など、カドミウムは腎機能への健康被害が懸念されているものです。

太陽光パネルの廃棄処分を正常の方法で行ったにも関わらず、含有されている有害物質が最終処分場に伝わっていなかったことが原因で、必要な埋め立てを行わずに有害物質が流出してしまうケースがあります。

問題点②最終処分場がひっ迫する可能性がある

問題点の2つ目は、最終処分場がひっ迫する可能性があることです。太陽光パネルは、2013年ごろから日の目を見るようになりました。2025年には、東京都の新築一戸建てで太陽光パネルの設置が義務化されるなど、今後も需要は右肩上がりを続けていくでしょう。

だからこそ、寿命を迎えた太陽光パネルの行き場が失われてしまうのです。このあたりの問題点を、早急に解決していく必要があるでしょう。

ちなみに、関東地方では2024年現在、以下9拠点の廃棄施設があります。

  • 環境通信輸送株式会社
  • 株式会社ウム・ヴェルト・ジャパン
  • 東京パワーテクノロジー株式会社
  • 株式会社リーテム
  • 水海道産業株式会社
  • 株式会社浜田
  • 株式会社アロウズ
  • J&T環境株式会社
  • 東港金属株式会社

太陽光パネルの適切な廃棄を!国が検討している主な対策は?

太陽光パネルを使っている家庭では、今すぐにではなくとも太陽光パネルを廃棄する日がいずれ訪れるでしょう。地球環境のために使っている太陽光パネルが、最終的に地球環境を脅かすものになってはなりません。

だからこそ、国は太陽光パネルの適切な廃棄をするための検討を始めています。

記事の最後に、国が検討している主な対策を3つ紹介します。

情報不足の回避

太陽光パネルが不適切に廃棄されてしまうひとつの要因として、情報不足が挙げられます。メーカー側が提示している情報が不足していたり、処分業者側の知識が不足していたりです。なので、

太陽光発電協会は2017年12月に「使用済太陽電池モジュールの適正処理に資する情報提供のガイドライン」を発表しました。

このガイドラインの中では、太陽光パネルのメーカーが産業廃棄物事業者などに情報提供を積極的に行っていくと記載されています。情報不足から来る有害物質の流出などを防ぎ、太陽光パネルを今も将来も安心したものにしていけると良いですよね。

太陽光パネルをリサイクルする

太陽光パネルを積極的にリサイクルするのも、対策のひとつとして捉えられています。ただ、2024年現在では、太陽光パネルの大量廃棄はまだ起こっていません。なので、リサイクル制度が本当に必要なのかの議論が始まった段階です。環境省・経済産業省がタッグを組んで議論を重ねているようなので、報告を待ちたいですね。

事業者が廃棄までを一元管理する

事業者が廃棄までを一元管理するのも、対策のひとつです。発電事業者や解体業者が最後までしっかり責任を持つことで、太陽光パネルの廃棄で懸念されているようなことは起こり得なくなります。

実はFIT制度では、業者に対して産廃費用を支払っているのです。FIT制度をもっとより良い内容にしようと、国も動き出しているようです。

太陽光パネルの廃棄には課題が多い!環境のためにできることを始めよう! 

太陽光パネルの廃棄には課題が多いことを紹介しました。使っている間は、地球環境に優しく電気代の削減を狙えるなど、大きな恩恵を得られる太陽光パネル。だからこそ、廃棄後もプラスの面を大きくできるよう、何かしらの対策が必要です。政府は今、太陽光パネルの廃棄について必死に審議しているようなので、その結果を待ちたいところですね。


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この記事の監修者

中田 萌

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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