エコキュートとは ガス給湯器と徹底比較

目次
エコキュートとは何か
エコキュートは、ヒートポンプ技術を活用した電気給湯器の一種で、空気中の熱エネルギーを利用してお湯を沸かす省エネルギー型の給湯設備です。正式名称は「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」といい、従来の電気温水器やガス給湯器と比較して、大幅な省エネルギー効果を実現します。
エコキュートは、大気中の熱を圧縮・膨張させることで高温のお湯を作り出し、深夜の安い電気料金を活用して効率的にお湯を沸かします。貯湯タンクに蓄えられたお湯は、必要に応じて各水栓に供給される仕組みとなっています。
エコキュートとガス給湯器の基本的な違い
エネルギー源の違い
エコキュートは電気を使用し、特に深夜電力を活用することで運転コストを抑制します。一方、ガス給湯器は都市ガスやプロパンガスを燃料として使用し、必要な時に即座にお湯を沸かす仕組みです。
給湯方式の違い
エコキュートは貯湯式で、あらかじめ沸かしたお湯をタンクに貯めておきます。ガス給湯器は瞬間式が主流で、使用する際にその場でお湯を作り出します。この違いにより、それぞれ異なる特徴を持っています。
エコキュートのメリット・デメリット
エコキュートのメリット
エコキュートの最大のメリットは、優れた省エネルギー性能です。大気中の熱エネルギーを活用することで、投入電力の約3倍のエネルギーを得ることができ、従来の電気温水器と比較して大幅な省エネルギー効果を実現します。
また、深夜の安い電気料金プランと組み合わせることで、ランニングコストを大幅に削減できます。さらに、燃焼を伴わないため、排気ガスの発生がなく、環境負荷の軽減にも貢献します。
災害時にも、貯湯タンクの水を非常用水として活用できるため、防災面でのメリットも大きいといえます。
エコキュートのデメリット
一方で、エコキュートには初期費用が高いというデメリットがあります。本体価格と設置工事費を合わせると、ガス給湯器より高額になる場合があります。
また、貯湯タンクの設置スペースが必要で、運転音が気になる場合もあります。さらに、お湯を使い切ってしまうと、次にお湯が使えるまで時間がかかることもあります。
ガス給湯器のメリット・デメリット
ガス給湯器のメリット
ガス給湯器の最大のメリットは、必要な時に即座にお湯を使用できる点です。お湯切れの心配がなく、連続してお湯を使用できます。
また、初期費用が比較的安く、設置スペースもコンパクトです。さらに、給湯能力が高く、複数箇所で同時にお湯を使用しても安定した給湯が可能です。
ガス給湯器のデメリット
ガス給湯器のデメリットとしては、ガス料金の変動による影響を受けやすいことが挙げられます。また、燃焼を伴うため、排気ガスが発生し、換気に注意が必要です。
さらに、ガス漏れのリスクがあり、定期的な点検が必要です。災害時にはガス供給が停止する可能性もあります。
コスト比較:初期費用と運転費用
初期費用の比較
エコキュートの初期費用は、本体価格と設置工事費を合わせて約80万円から150万円程度が一般的です。機器の種類や設置条件によって10万円から25万円程度の補助金が利用できる場合があります。
ガス給湯器の初期費用は、本体価格と設置工事費を合わせて約15万円から40万円程度で、エコキュートと比較して初期費用を抑えることができます。
運転費用の比較
エコキュートの運転費用は、深夜電力プランを活用することで、月額約2,000円から4,000円程度に抑えることができます。
ガス給湯器の運転費用は、都市ガスの場合で月額約3,000円から6,000円程度、プロパンガスの場合はより高額になることがあります。
長期的に見ると、エコキュートの方が運転費用を抑えられる可能性が高いといえます。
環境性能の比較
CO2排出量の比較
エコキュートは、電力の発電方法にもよりますが、一般的にガス給湯器と比較してCO2排出量を削減できます。特に、再生可能エネルギーによる発電の割合が高まることで、さらなる環境負荷の軽減が期待できます。
省エネルギー性能
エコキュートの省エネルギー性能は、COP(成績係数)で表現され、一般的に3.0以上の高い値を示します。これは、投入電力の3倍以上のエネルギーを得られることを意味し、優れた省エネルギー性能を実現しています。
設置条件と住宅への適用性
エコキュートの設置条件
エコキュートを設置するには、貯湯タンクとヒートポンプユニットの設置スペースが必要です。貯湯タンクは直径約60cm、高さ約2mの円筒形で、屋外または屋内の専用スペースに設置します。
また、電気容量の確認も重要で、200V電源の確保が必要です。さらに、近隣への運転音への配慮も必要となります。
ガス給湯器の設置条件
ガス給湯器は、エコキュートと比較してコンパクトな設置スペースで済みます。屋外設置型、屋内設置型、壁掛け型など、さまざまなタイプがあり、住宅の構造に合わせて選択できます。
ガス配管の確認と、適切な給排気設備の設置が必要です。
太陽光発電との相性
エコキュートと太陽光発電の組み合わせ
エコキュートは、太陽光発電との相性が良く、昼間に発電した電力を活用してお湯を沸かすことで、さらなる省エネルギー効果を期待できます。余剰電力の有効活用により、電力の自給自足に近づけることができます。
一般的な家庭用太陽光発電システム(4kW~5kW)を導入する場合の費用相場は140万円~200万円程度が目安となります。太陽光パネルの設置費用の相場は、パネルの種類や設置面積、工事内容などによって大きく異なりますが、一般的には1kWあたり35万円~40万円程度です。
住宅用太陽光発電(10kW未満)の売電価格は、1kWhあたり15円となっており、設置年度や電力会社によって異なります。
蓄電池との組み合わせメリット
エコキュートと蓄電池システム
エコキュートと蓄電池を組み合わせることで、太陽光発電で作った電力を蓄電池に貯め、必要に応じてエコキュートで活用できます。これにより、電力の自給自足率を大幅に向上させることができます。
家庭用蓄電池(4kWh~7kWh)を導入する場合の費用相場は100万円~200万円程度が目安です。容量1kWhあたり20万円~30万円程度が基準となります。
蓄電池の標準的な設置工事費用は20万円~35万円程度で、設置環境や配線の複雑さ等により変動します。詳しくはお気軽にリノベステーションにお問い合わせください。
蓄電池の寿命は30年前後で、長期的な運用が可能です。
選択のポイントと判断基準
使用量と生活パターンの考慮
エコキュートとガス給湯器の選択は、家庭のお湯使用量や生活パターンによって判断することが重要です。大家族でお湯の使用量が多い場合は、エコキュートの省エネルギー効果が大きく発揮されます。
一方、お湯の使用量が少ない単身世帯や夫婦世帯では、初期費用の差を考慮してガス給湯器を選択することも合理的です。
将来の計画を含めた総合判断
太陽光発電や蓄電池の導入予定がある場合は、エコキュートとの組み合わせメリットを考慮することが重要です。また、住宅の断熱性能や電気料金プランの見直しも合わせて検討することで、より効果的な省エネルギー効果を期待できます。
長期的な視点で、初期費用と運転費用のバランスを考慮し、家庭の状況に最適な選択をすることが重要です。
よくある質問
Q1:エコキュートの電気代はガス給湯器より安くなりますか?
A1:エコキュートは深夜電力を活用することで、一般的にガス給湯器よりも運転費用を抑えることができます。月額約2,000円から4,000円程度の運転費用となり、ガス給湯器の月額約3,000円から6,000円程度と比較して、長期的にはコストメリットがあります。ただし、電気料金プランや使用量によって差が生じるため、具体的な試算をおすすめします。
Q2:エコキュートの設置にはどのくらいのスペースが必要ですか?
A2:エコキュートの設置には、貯湯タンク(直径約60cm、高さ約2m)とヒートポンプユニット(エアコン室外機程度)の設置スペースが必要です。合計で約2畳程度のスペースを確保する必要があり、ガス給湯器と比較すると設置面積が大きくなります。設置場所の確保が困難な場合は、コンパクトタイプの製品も検討できます。
Q3:エコキュートの寿命はどのくらいですか?
A3:エコキュートの寿命は一般的に10年から15年程度とされています。貯湯タンクは比較的長持ちしますが、ヒートポンプユニットは機械部品が多いため、定期的なメンテナンスが重要です。適切な保守管理により、設計寿命を延ばすことができます。ガス給湯器の寿命も同程度のため、耐久性の面では大きな差はありません。
Q4:エコキュートは停電時にお湯が使えますか?
A4:エコキュートは停電時でも、貯湯タンクに貯まっているお湯を使用することができます。電気での制御はできませんが、自然流下により一定時間はお湯の供給が可能です。また、貯湯タンクの水は非常用水として活用でき、災害時の備えとしても有効です。ただし、停電が長期間続く場合は、新たにお湯を沸かすことはできません。
Q5:エコキュートの導入で補助金は使えますか?
A5:エコキュートの導入には、機器の種類や設置条件によって10万円から25万円程度の補助金が利用できる場合があります。国の補助金制度や地方自治体の補助金制度があり、省エネルギー基準を満たした高効率機器が対象となることが多いです。補助金の詳細や申請方法については、お気軽にリノベステーションにお問い合わせください。
この記事の監修者

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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