【コロナが原因?】世界中のメーカーを悩ませる「半導体不足」とは?
2020年から感染が拡大している新型コロナウイルスの勢いが止まりません。
2021年末にアフリカで現れた変異株「オミクロン株」は感染のスピードが早く、2022年1月現在、東京でも1日に1万人以上の人が新たに感染し続けています。
今回は、そんな新型コロナウイルスがもたらしたアクシデントのひとつ、半導体不足について紹介していきます。
半導体不足が起こっている原因や半導体不足が社会に与える影響について知りたい方は、ぜひ最後までお付き合いください。
目次
精密機械に必要不可欠な部品「半導体」とは?
半導体とは、金属のように電気を通しやすい「導体」と、ゴムのように電気を通しにくい「絶縁体」の、中間の性質を持つ物質のことです。
情報記憶や数値計算など複雑な情報処理機能を持っていることから、半導体は電子機器の「頭脳」として中心的な役割を担っています。
半導体の原料としては、ケイ素が多量に含まれるケイ石と水、メタノールに化学反応を加えて合成する「シリコン」が広く利用されており、アメリカのカリフォルニア州の一部地域は、半導体を利用するハイテク産業が多く集まっていることから「シリコンバレー」と呼ばれています。
半導体は、どのようなシーンで利用されている?
みなさんが半導体を直接目にする機会は少ないですが、半導体はさまざまなシチュエーションで我々の生活を助けてくれています。
ここでは、半導体が利用されている場面について紹介していきます。
身の回りの「半導体」
私達が日々利用しているほとんどの電子機器に半導体は組み込まれています。
例えば、スマートフォン。
スマートフォンが稼働する際に必要な「マイクロプロセッサ」は、たくさんのプロセッサが半導体でできたチップに集積されたものです。
マイクロプロセッサが無いと、ソフトウェアの指示を受けてハードウェアを稼働させる実行者がいなくなってしまうため、スマートフォンが動くことはありません。
スマートフォンにおいて、半導体は「心臓」のような役割を果たしています。
それ以外にも、エアコンの温度センサーやLED電球、ブルーレイディスクの録画や再生機能などにも半導体は使われています。
それ以外のシーンでも利用されている「半導体」
日常生活で良く使われている半導体ですが、社会に目を向けても多くのシーンで半導体を見つけることができます。
よく例に挙げられるのが自動車です。
エンジンやブレーキなど車体のスピードを制御する部品や、ダッシュボードや電動ミラーのように車体そのものを制御する部品には、半導体が使われています。
他にも、自動車はカーオーディオやカーナビをはじめとする多くの装置で半導体を利用しており、自動車にとって半導体は絶対に無くてはならない必需品となっています。
自動車以外にも、LED電球を用いた信号機やATMなどさまざまな精密機器に半導体は利用されています。
【徹底解明】複数の「事故」が併発?半導体不足の「ホントの原因」
世界的な半導体不足は2020年の春頃から発生しており、それから2年経った2022年でも解消の兆しは見えていません。
事態がここまで長期化したのには、実は複数のアクシデントが併発したからだと考えられています。
この項では、半導体不足の原因となった複数のアクシデントについて解説していきます。
新型コロナウイルスの感染拡大
新型コロナウイルスの感染拡大は、もちろん半導体不足の原因のひとつです。
2020年頃から新型コロナウイルスの感染者が増加することで各国の経済は一時的にストップし、物流に大きなダメージを与えました。
具体的には、空港で飛行機の荷降ろしをする作業員が不足したことで航空輸送に大きな遅れが生じてしまったのです。
実は2022年の現在でも輸送遅延は変わらず発生していて、各地の経済に多大な影響を与えています。
また、新型コロナウイルスの影響で「巣ごもり需要」が増加したことも、半導体不足の一因です。
2020年に発令された緊急事態宣言以降、自宅で過ごす時間が多くなったことから、ゲーム機器などの電気機器が大きく売り上げを伸ばしています。
電気機器には多くの半導体が使われているため、物流の問題と相まって半導体が不足してしまう結果となりました。
重なる半導体工場のアクシデント
2020年以降、半導体を製造している工場で事故が度重なり発生していることも、半導体不足の原因となっています。
アメリカでは、2021年にテキサス州を襲った大寒波によってドイツの大手半導体メーカーのインフィニオン・テクノロジーズ社を含む複数の工場が操業停止に。
半導体のシェア世界No.1の台湾でも、2021年に世界最大級の半導体メーカーTSMC社の工場で火災が発生しています。
かくいう日本でも、2021年に入ってから旭化成、ルネサスエレクトロニクスといった大手メーカーの半導体工場でも火災が連続して発生しており、半導体の生産ラインに遅れを生じさせています。
工場の火災自体はそう珍しいことではないのですが、ここまで立て続けに発生してしまうと半導体不足がいっそう深刻化してしまいますね。
対中制裁
2020年からアメリカのトランプ政権がおこなっていた「対中制裁」も、半導体不足につながっています。
当時アメリカの大統領であったドナルド・トランプ氏は、中国の通信機器メーカーであるファーウェイ社に対して、中国への技術移転を防ぐ目的でアメリカの技術で製造された半導体の購入を禁止しました。
製造が止まってしまうことを懸念したファーウェイ社とファーウェイ社からシェアを奪おうとしたライバル企業はともに半導体の買い占めに動き、急激に半導体需要が増加。
結果として世に流通している半導体の多くが買い漁られてしまうことになりました。
半導体の工場が直接操業停止に追い込まれたわけではないので、長期的な影響はないのですが需給バランスが一度崩れてしまうと、回復までに長い期間を要するようです。
半導体不足は自動車の生産に深刻な影響を与える?
半導体不足の影響を色濃く受けているのは、自動車産業です。
大手自動車メーカーのゼネラルモーターズ社は、2021年9月に北アメリカやカナダ、メキシコにある自社工場の操業停止を決定しました。
それにより、米国で2022年に生産予定の自動車は例年より150万台〜500万台程度減少すると予想されています。
日本の自動車メーカーへの影響も深刻です。
自動車の販売台数で世界3位につけている日産自動車は、すでに2022年に生産する自動車の台数を50万台削減すると発表しています。
販売台数世界1位のトヨタ自動車でも、半導体不足とオミクロン株の流行により工場の操業停止を延長。
2022年の現在では、半導体不足が原因で新車の納品は1年待ちが当たり前の状況になってしまっています。
半導体不足を考慮して、先を見越した行動を取ろう
今回は、2020年から継続している世界的な半導体不足について紹介しました。
半導体はシリコンを原料とした小さな装置で、スマートフォンのような小さな電気機器から自動車のような大きな機械までさまざまな精密機械の部品として利用されています。
半導体不足の大きな原因は新型コロナウイルスの感染拡大と考えられていますが、それ以外にも、度重なる工場火災やトランプ政権による対中制裁などさまざまな遠因が複雑に絡み合っており、2022年の現在でも半導体不足は解消していません。
半導体不足は自動車の減産など我々の生活に深刻なダメージを与えるため、すべて解消されるまでの間、先を見越した行動を取るように心がけましょう。
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