太陽光発電の出力制御が行われる理由やルールを優しく解説!
家庭でも導入することができる再生可能エネルギーとして、近年導入する人が増えている太陽光発電システム。
FIT制度やFIP制度を利用して、毎月売電収入を得ている人も多いのではないでしょうか。
売電に関係のある事柄として「電気の出力制御」をご存じでしょうか。
今回は、太陽光発電システムで起こりうる出力制御とその影響などを解説します。
目次
太陽光発電の出力制御はどうして行われるの?
電気の安定供給を行うためには、電気の需要と供給のバランスが大切です。
電気の供給と需要のバランスが崩れると、大規模停電や設備の故障が起こってしまいます。
しかし、太陽光発電における出力制御の優先順位は高くありません。
出力制御は、火力発電などの調整しやすい発電施設から行われるので、太陽光発電の出力制御の優先順位は高くありません。
出力制御が起こりやすいのは「春」や「秋」!
太陽光発電に限らず、春や秋が多いとされています。
春や秋は、エアコンなどの使用量が減り、電気の使用量が少ない傾向にあります。
電気の使用量が少ない日に、火力発電や太陽光発電が多く発電してしまうと、需要と供給のバランスが崩れ、大規模停電などが起こってしまいます。
太陽光発電の出力制御が行われると売電に影響がある
太陽光発電の出力制御は、投資用に産業用の大型な太陽光パネルを活用している人にとって、無視できません。
出力制御が関係するのは、産業用の大きい太陽光発電システムだけではありません。
地域によっては、家庭用の太陽光発電システムも対象となるので「今月は売電量が少ない!」と驚く前に、出力制御による影響を知っておきましょう。
①売電収入が下がる
太陽光発電に対する出力制御が行われると、売電が出来なくなってしまいます。
売電が出来ないと、売電収入が得られません。
10kW未満の太陽光発電が出力制御の対象になっている地域では、一般の家庭においても売電収入が下がってしまいます。
太陽光発電の容量に限らず、出力制御の対象になるかどうか事前にチェックしておくと安心です。
②太陽光発電投資のリスクが上がる
太陽光発電を投資用に導入しようと考えている人にとって、出力制御は無視できません。
太陽光発電に対する出力制御の優先順位は低いので、大きなリスクになることはありません。
しかし、万一の時に備え、過去のデータなどを事前にチェックしておく必要があるでしょう。
太陽光発電出力制御のルールは主に3つ!
電力会社が出力制御を円滑に行えるように導入されたのが、出力制御に関する決まりごとです。
制定されているルールは、出力制御が必要になった時に指定の時間分を超えない限り、補償が受けられないという、設備を設置している人に対するルールです。
電力会社が電気の需要と供給のバランスを保ちやすくできるよう、ルールが制定されました。
特に、指定ルールの対象になっている場合、いくら出力制御が行われても補償は受けられないので、注意が必要だと言えるでしょう。
出力制御に関するルールは、太陽光発電の容量や地域によって、適用される範囲が異なるので注意が必要です。
ルール①360時間ルール(新ルール)
2015年に新たに導入されたのが「360時間ルール」です。
年間360時間は出力制御に対する補償を受けることができません。
2015年以前では、日数単位だったのが時間単位に変更されました。
360時間ルールが適用されるのは、2015年以降に導入された太陽光発電システムです。
年間360時間を超えた分に関しては、補償の対象となります。
ルール②30日ルール(旧ルール)
2015年以前に導入された太陽光発電に対し、適用されるのが「30日ルール」です。
年間30日までは出力制御に対する補償を受けることができません。
出力制御が年間30日を超えた分は、補償の対象となります。
ルール③指定ルール
指定ルールは、年間30日(360時間)を超えてしまっても、出力制御に対する補償が受けられないルールです。
指定ルールは北海道電力、東北電力、北陸電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力の7箇所の電力会社で適用されます。
出力制御の補償が受けられないとなると、不安になってしまう方もいるかと思います。
しかし、太陽光発電システムに対し、闇雲に何度も出力制御が行われるわけではないので安心してください。
また、出力制御の情報透明化を目指すため、経済産業省から電力会社に対して、出力制御の見通しの公表が義務付けられています。
指定ルールの対象区域内で、太陽光発電システムを導入する場合、各電力会社から公表されている出力制御の見通しを確認しておくと良いでしょう。
【注意点】太陽光発電の出力制御ルールは時期によって違う!
出力制御は、電力会社によっても適用されるルールが異なります。
近くに住んでいる人であっても、適用されるルールが異なることがあるので、知人に聞くのではなく、電力会社に問い合わせるなどして自分で調べときましょう。
注意点①地域によって細かいルールが異なる!
電力会社によっては、家庭用(10kW未満)・産業用(10kW以上)共に指定ルールの対象となる可能性があります。
また、接続可能量超過後に導入された太陽光発電と、そうでは無い太陽光発電では、指定ルールが適用されるかどうかが変わりますので注意しましょう。
注意点②太陽光発電を導入した時期によってルールが異なる!
2015年以前に導入された太陽光発電システムでは「30日ルール」が適用され、2015年以降に導入された太陽光発電システムには「360時間ルール」が適用されます。
近くに住んでいても、適用されているルールが異なる可能性も十分あります。
注意点③東京電力・中部電力 ・関西電力以外は家庭用も対象
東京電力と中部電力、関西電力では、10kW以下の家庭用太陽光発電システムは、出力制御の対象とはなりません。
上記の電力会社以外では、10kW未満の太陽光発電システムであっても、出力制御の対象となります。
「家庭用だから出力制御が起こらないと思っていた」という事態にならないよう、事前に適用されるルールを確認しておきましょう。
太陽光発電の出力制御には保険で対策しよう!
出力制御保険とは、出力制御による損害が出た場合に損害分を補償してもらうことが出来る保険です。
保険の適用条件や、補償範囲は保険によって異なりますので、加入前にしっかりチェックしておきましょう。
また、出力保証保険に入ることで、投資用の太陽光発電システムを導入する際に、銀行から融資を受けやすくなるというメリットがあります。
太陽光の出力制御は新ルールを踏まえて正しく理解しよう!
今回は、太陽光発電システムにおける出力制御について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
太陽光発電システムの出力制御のリスクは高いとは言えません。
しかし、万が一出力制御が行われた時に備えて、事前に知識を持っておくと安心です。
また、自分が所有している太陽光発電システムには、どのルールが適用されるのかどうかも、しっかり事前にチェックしておきましょう。
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この記事の監修者
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